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ギリシア神話のトロイ戦争の登場人物で、カッサンドラという女性がいます。 カッサンドラは、トロイの王女で、プリアモス王とヘカベの娘で、トロイ戦争の英雄ヘクトルとトロイ戦争の原因を作った人物のパリスの妹でもあります。 カッサンドラは、太陽神アポロンに愛され、予言の術を授けられましたが、アポロンの愛を拒んだために、その予言が誰にも信じてもらえないようにされました。 カッサンドラの最初の予言は、兄のパリスが絶世の美女であるスパルタ王の妻ヘレネを誘拐した際に行われました。カッサンドラのみが「これがトロイの破滅につながる」と兄に忠告するのですが、まったく聞き入れられませんでした。その結果、トロイは、総勢10万ものギリシア軍との戦いになりました。 カッサンドラの次の予言は、トロイ戦争末期の頃に行われました。カッサンドラは、ギリシア軍の考案した「木馬の計」(いわゆるトロイの木馬)を看破し、木馬を城内に入れるのを阻止しようとしますが、誰にも信じてもらえず、結果、トロイは落城してしまいます。 カッサンドラの最後の予言は、トロイ戦争後、ギリシア軍の総帥のミケーネ王アガメムノンに連れ去られた時に行われました。アガメムノンは、妻のクリタイムネストラの恨みを買い、暗殺を計画されますが、カッサンドラはそれを察知し、アガメムノンに忠告をします。ところが、やはりアガメムノンはカッサンドラの言葉に耳を貸さず、カッサンドラはアガメムノンとともに殺されてしまいました。 このように、カッサンドラは悲劇の王女として知られていますが、その生涯はいかにも物語的で、伝説上の人物であり、実在はしなかっただろうと思います。 現実においても、不吉な予言をする人は、他人に嫌われるのではないでしょうか?ほとんどの場合、それが当たっていようが外れていようが、その人自身、あまり幸せにはなれないように思います。不幸な結末を予見できたとしても、それを改善できる能力と行動力がないのであれば、黙っておくのが一番幸せなのだろうなという気がします。 カッサンドラの予言の術は、「超能力」のようなものと言うよりは、「先見の明」と言えるものだったように思います。なぜなら、彼女の予言は、突拍子のないものではなく、予言とその結末には、必ず何らかの因果関係が存在するからです。彼女には、先を見通す利発さがありました。しかし、破滅を知りながら、それを変える力が無かったということが彼女の最大の悲劇だったのではないでしょうか?
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