プチ歴史読本

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メメント・モリ

古代ローマ時代のことです。

当時のローマには、「凱旋式」という式典がありました。どういうものかというと、戦いに勝利した将軍が4頭の白馬に引かれた戦車に乗り、ローマの町中を練り歩くというものです。「戦勝記念パレード」といったところでしょうか。

ただし、ただ戦いに勝利するだけでは「凱旋式」を挙行することは許されませんでした。それは、特に戦果がめざましく、主に対外防衛戦において「大勝利」を収めた将軍にのみ許された特権だったのです。そのため、「凱旋式」を挙行するということは、ローマ人にとっての最大級の栄誉だったようです。

この「凱旋式」の最中、戦車に乗る将軍の後背に常につき従う従者の姿がありました。市民から賞賛の言葉を浴び、凱旋将軍の頬が弛緩するのを見ると、その従者はこのように言葉を掛けました。

「メメント・モリ!」

声を掛けられた将軍は、サッと居住まいを正したことだろうと思います。

「メメント・モリ」というラテン語は、日本語に訳すと「死を忘れるな」というぐらいの意味になるようですね。つまり、いつ戦死するとも分からないローマの将軍たちは、「凱旋式」の最中にも浮かれすぎないように、このような警句を発する従者を側においていたわけですね。

しかし、この言葉、このような場合に用いるのは特別で、本来は「明日死ぬかもしれないんだから、もっと今を楽しもうぜ!」的な、享楽的な意味合いが濃かったようです。

その後、時が流れて、現代においては、「メメント・モリ」という言葉は、哲学的、宗教的な用語として用いられるようになっています。「死を想起せよ」という意味を裏返せば、いつ死が訪れても良いように「今を大切に生きろ」ということになるでのしょうかね。

ちなみに、はじめて「メメント・モリ」という言葉を耳にして、「誰?日系2世?」と思ってしまった僕は、まだまだ死ぬことは出来そうにもありません(^^;)

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