|
最近、友人が一冊の本を貸してくれた。 「林住期」 作者は五木寛之氏。 ぱっと題名を見て、「臨終」が脳裏をかすめた。まさか「彼の死」が題材じゃあるまい。。。 裏表紙を見ると2007年2月発行のベストセラー。 読み終えて、一つ一つ首肯かせられた、そして、思った。 五木寛之氏は75歳の今も、明晰な頭脳と、長年の優れた著作力を保持している。 社会事情ににマッチした内容を素早く書き上げる彼の脳内データベースの すごさに感心した。が、しかし、、、 以前の彼の、時勢便乗または先取りによるベストセラーを思い出した。 「カモメのジョナサン」 1974年、当時の日本はユリーゲラーと清田益章の話題でもちきりの超能力ブーム。 団塊がそのブームの大きな担い手でもあった。 ある宗教団体は青年必携の書として繰り返し講義に使われた。 一種の洗脳教育であった。 どんなに苦しくとも、たとえ死のうとも目標の達成を必ずやり遂げる、と、 10年以上にわたって延べ10万人以上の団塊世代が、街頭勧誘に嬉々としていそしんだ。 そして、時は経ち、教団は、、、、 また、ひところの超能力ブームもヒッピーも影を潜めたかのようである。 団塊だけではないが、人々は何かを求めて、また新たなブームを喜んで受け入れている。 「林住期」 インドはヒンズーの教えから知ったと五木寛之氏はいう。 とはいえヒンズーを賞讃しているわけではないのは「カモメのジョナサン」と同じである。 釈迦の真理探求のための苦悩と伝道も「林住期」の視点で描写されている。 呼吸法も紹介されている。 日本は時あたかも大量の団塊世代の動向が注目されている。彼等へのプレゼントとして 著作発行されたようだ。もちろん印税は彼の権利収入である。 インド、チベットなどについての本がスピリチュアルブームの一端をになっているのかも 知れない。あるいは、ブラジル、インド、ロシア、チャイナが21世紀の経済の担い手とさわがれていることも関係しているのだろうか。 しかし、農薬入りラーメン、北京オリンピック、チベット侵害、先閣島などの諸問題の影響もあって チャイナつまり中国は、余りに近すぎて、題材としてはベストセラー向きではないのだろう。 私はインドからの招きも無い。たまたまインド関連の2冊の本を読んで、 ヒンズーの教えでがんじがらめにされてきた不可触民は、全インドの人口のほぼ25%を占め、 彼等の「上位、すなわち人間」であるカーストの民が忌み嫌う仕事にしか従事できず、 しかも彼等は人間扱いされていない。と知って愕然とした。 インドのライフラインを数千年來担いつづけても、その多くは路上で生まれ、路上で死ぬ。 彼等は「ダニヤワッド(ありがとう)」の言葉を使わないそうだ。 恵みを施すのはカーストとして当然のことである、ということらしい。 残念なことに私の脳内データベースはガラクタでいっぱい。 半リタイヤとうそぶいて、健康100歳を目標とはしているが、何も書けない。 でも、土に親しむようになって、命の尊さを痛感できるようになってきたのは事実である。 仏教では不殺生を戒としているが、ヒンズーは不可触民を奴隷のようにこき使ってきた。 だから、カーストや不可触民の差別をなんとも思わないどころか、いまなお数千年続いて来た 社会のバックボーンとなってきたヒンズー発の「林住期」を過ごそうとはどうしても思えない。 呼吸法は不可触民でも実践はできるが、カーストの厚い壁は越えることができない。 わたしはヒンズーよりも、強いて言えば、荘子のいう「逍遥遊」を極めたいものだ 。 チャイナひいきではないが、中国は単にベストセラーの題材だけでなく、 日本の文化、思想の発展に大きく寄与して来たのは事実である。 五木寛之氏の「この」ベストセラーは、昨今の日本の世情に便乗したものと感じるのは、
多くの日本の方々よりずっと遅れて読んだことへの負け惜しみだろうか。 |

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用




