京北教会ブログ「虹の架かる教会」 創立109年目の歩み

京都市下鴨、日本キリスト教団 京北(きょうほく)教会です。HPもご覧下さい。

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(上の写真は北陸高速道の途中、福井の近くの日本海の夕景)



   
      ─大船渡教会(岩手県)を訪れて─

      東北の被災地への旅



 

 京北教会牧師日誌

 9月5日(月)
      京都を出発。行き先は何も決めず。
      東北の被災地にボランティアに行きたいと当初考えていたが、       心身の調子などを考えると自信が無く、
      また、働くのならば「夏期休暇」にはならないなぁ等と…
      いろいろ考えて迷いながら、一日を過ごした。
     
      この日、ついに出発できず。

 9月6日(火)
      迷いながら、結局「どこかには行こう」と思い、
      軽自動車で出発。
      どうするか迷いながらも運転していると、北に向かった。
      日本海まで出た。
      この日は敦賀に泊まった。
      食事に外に出ると、縁日の屋台が続いている。
      神社のお祭りの日だった。
      久しぶりに縁日の気分を味わう。
      今回の休暇はぼんやりと、こんなふうに過ごそうか…。

 9月7日(水)
      敦賀を出て、海を見ようと、下の道路を走る。
      道に迷って延々走ると、西の方角に来ていた。
      疲れて、「今回はもう近場をぶらぶらしよう」と決めて、
      たまたま看板を見た、綾部の温泉に入る。
      とてもいい湯。景色も空気もよく、癒される。
      お湯を出ると、なぜか、心が決まった。
      やはり東北へ行こう!
      道路を走って福井に宿泊。 

       
 9月8日(木)     
      新潟経由で仙台に向かう。宿泊がとれず蔵王に宿泊。

 9月9日(金)
      朝から全力疾走(車で)。仙台着。
      市街地を通り抜けて、若林地区方面へ向かう。
      車内から現状を見る。
      ある所まで来ると、
     「地域住民と復興工事関係者以外は通行をご遠慮ください」
      …との表示があり、引き返す。
      田や畑に船が置かれたまま。
      長いガードレールが延々とぐにゃりと曲がっている。

      そこから石巻方面へ走る。
      道路から見える景色は…東へ行くほどに、すさまじい。
      破れた堤防や、廃墟と化した民家が延々と並ぶ光景。
      被災の日の直後のように思われる状態が残っている所もある。
      壊れた家の中が見えるところで、カーテンが舞っていた。
      ちゃぶ台のようなテーブルや家具がひっくりかえっていた。
      
      いくつもの壊れた「モノ」を見る。
      打ち上げられた船も見る。
      「廃墟」も見る。

      しかし、石巻で何を見ても、写真を撮る気にはならなかった。

      道にはトラックと輸送車がとても多い。
      渋滞には遭わなかった。

      石巻を越えて、陸前高田に着いた。
      テレビで何度も見た町。
      原っぱのように広い土地が広がっていた。
      そこは原っぱではなく、町があったところ。
      工事車両が何台も往復している。
      京都ナンバーの車をとめて写真を撮ろうとは、
      全く思わなかった。

      何かに向かって、祈る、という気持ちにもならなかった。

      夕方、車が混む前に仙台に戻った。
      大きな歓楽街の入り口にあるビジネスホテルに泊まった。
      震災でヒビが入った部屋に安く泊まらせてもらった。
      食事に外に出ると、繁華街は繁華街。にぎやか。
      あちこちに「がんばろう東北」等のステッカー。
      今、自分はどんな時のどんな場所にいるのか、と思う。
      わからない気がする。

9月10日(土)
      朝から全力疾走(車で)。
      高速で水沢まで行き、そこから東へ、大船渡へと向かう。
      11日の日曜礼拝に出席するための下調べ。
      場所がわかっていないと、礼拝に出られないかも…と。
      大船渡到着。ぐるぐる走っていると、教会があった。
      そこに行くまでに…大船渡の港の「廃墟」を見た。
      写真を撮る気にはならなかった。

      そこから気仙沼に走った。そこにも「廃墟」を見た。
      やはり、写真を撮る気にはならなかった。
      カーフェリーの乗り場に行く道を間違えて、
      港の廃墟のまっただ中を走る。
      恐怖感を感じた。
      一刻も早く、ここを立ち去りたいという気持ちになる。
      震災から半年。
      道路は開通し、がれきはかなり撤去されているにしても、
      残された悲惨な無数の建物に驚愕する。
      
      復旧したカーフェリーで港から大島に渡る。
      国民休暇村大島に宿泊。
      ここには10数人の方が二次避難しておられた。
      宿泊客の大半はボランティアや、復旧関係者。
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気仙沼から大島行きのフェリー乗り場。
 桟橋が陥没している。

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 フェリーからの眺め。流された無数の自動車が積み上げられている。

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 遠景だが、廃墟の建物や流された土地のあとが見える。

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 フェリーの中から、遠景で撮影した。
 ここに来てやっと写真を撮る気持ちに、なぜかなった。
 カモメが飛んでいる様子を見て、撮りたいと思ったからだろうか。

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 人なつっこいのだろうか。すごく近くまでカモメがやってくる。
 遠くを見ているのか。
 近くを見ているのか。
 
 
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 大島に到着。車で降りて船を見る。
 右側の土の山は、がれきの集積。

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 町があったところが、流されて原っぱのようになっていた。
 この島の人口は3400人。

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 国民休暇村大島の建物。赤い軽自動車が写っている。

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 国民宿舎の部屋。きもちよく眠れた。波の音を聞きながら。
 しかし、この部屋を「避難所」として暮らしておられる方達の辛さを、
ほんの少しだけであるが、想像してみた。(もちろん、避難しておられる方には、旅行客に対するものと同じサービスは与えられていない。場所が提供されているということ)
      
9月11日(日)
     今日は、震災・津波から半年になる日。
     宿舎を出ると、港で地域の方が追悼の式をしておられた。

     他の場所では、小学生の子供たちがそろいのTシャツを着て、
     楽器をもって、追悼の式をしているのも見た。
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    急いで車を走らせて、無事、10時半からの、
    大船渡教会の礼拝に出席。
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      礼拝司会は夏期実習の同志社の神学生。

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      朝礼拝の出席は、30名ほど。
      主任牧師はかつて他教区で旧知の方。
      覚えていてくださった。感謝。
      そして、忙しいなかにあって、教会の案内などを、
      快くしてくださったことに、心から感謝。
      また、ブログへの教会の写真掲載を了解いただき感謝。

      礼拝後にみんなで食事。温いそうめんとキムチ。
      ボランティアの方達と共にそうめんを作った。
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    和気あいあいといただきました。
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      このあと、準備に入り…

      午後2時46分から、教団主催の震災を覚えての祈祷会。
      3時半から記念礼拝。奥羽教区議長が礼拝説教。
      50数名の出席。北海教区の幹事の方が来ていた。
      教団からは議長や幹事の皆様方。
      岩手地区の諸教会からもたくさん来られた。

      下の写真は祈祷会の開始時。
      このあとの記念礼拝の写真は撮らず。

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 礼拝終了後、茶話会。
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 下は、茶話会でサックス演奏をしてくださるボランティアの方。
 この方は朝礼拝の中でも特別にサックスで、
 アメージング・グレースなどを演奏してくださった。
 ありがとうございました。
 一気に心が大きく広がったような気がしました。
 
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     なごやかに会は終わった。

      私は、この午後から続く一連の集会の「受付」を、
     教会の玄関で務めた。
      ほんのわずかなことであっても、
      何かをさせていただけることがうれしかった。
      今回、「旅行者」でしかない私も…。

      この日、朝礼拝の始まる前に、京北教会の方達に向けて、
     携帯メールを打った。
      午後2時46分から祈りを合わせてください…と。

      教会員からメールの返信があった。
      写真と共に。
      昼食はそうめん。大船渡教会と一緒でした。

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      この日、山田有信牧師が私にかわって礼拝説教を担当。
      昼食も皆様と共にしてくださった。
      ありがとうございました。

      再び写真は大船渡教会…の牧師住居。
      たくさんのマキが並んでいる。
      冬の寒さはどんなものだろうか。
      

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      夕方、教会を出発。

      帰る前に、牧師が言ってくださった。
      「先生、来てくれてありがとう!」
      「えっ、なんで? 俺なんもしてへんよ」
      「そりゃあ、牧師が来てくれたら、
       やっぱり心強いよ!」

       うれしい言葉をくださった。
       本当にありがとう。

      牧師に、また大船渡教会につどう皆様に、
      そして様々なボランティアや地域の方など、
      関係者の方達に、岩手地区の方たちに、
      教団や教区で復興の働きに関わる方たちに、
      神様の守りを祈ります。

      夜、三陸道を通って仙台へ戻って宿泊。
      

9月12日(月)
      仙台を離れる。
      新潟で泊まる。

9月13日(火)
      新潟から京都へ。
      教会に帰着。
      しばらくぼんやりしていた。


 以下に、もういちど、気仙沼の写真。

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 カモメが飛ぶ姿の向こうに、気仙沼の港の現在の姿がある。
 半年たった今、この状況なのだ。
 正直、愕然とする光景をいくつも見た。

 
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 はるか遠くに、気仙沼の町が見える。
 フェリーの後ろから、その景色を見続けた。
 船の航路の軌跡と、カモメと、町と。
 「過去」の痕跡が残された「現在」を見る。

 しかし、神様は私たちよりも先に「未来」を見ておられるはずだ。




 

 主はこう言われる。
 わたしは恵みのときにあなたに答え、
 救いの日にあなたを助けた。
 わたしはあなたを形作り、あなたを立てて、
 民の契約とし、国を再興して
 荒廃した嗣業の地を継がせる。
 捕らわれ人には、出でよと
 闇に住む者には身を現せと命じる。

  イザヤ書 49章 8〜9節

 (9月11日、震災と津波から半年のこの日、大船渡教会で行われた、日本キリスト教団による記念礼拝で読まれた聖書箇所の一節)

 
 
      










      

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