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この数日前からの気温の変動の激しさに、身体がついて行けず、ダウンしました。
どうにか復調の気配が見えて来ました。歳はとりたくないものです。
さて、前回の子守歌は詩によって曲の様子が左右されましたが、大人の音楽はどうかを考えました。
明治期に入って来た西洋音楽の音階、ドレミファソラシは7音で出来ていますが、基本的にメロディーは、ド〜ドを音階とした明るさが強いものと、ラ〜ラまでを音階とした暗さを持った、2種類の音階のどちらを使うかで、明るいメロディーと暗いメロディーが、初めから分かれています。明るい音階を長音階(長調)、暗い音階を短音階(短調)と呼び分けているのはご存知の通りです。(それ以前の音階は、日本音階又は東洋音階などと呼ばれ、5音で音階が出来ています。明るいものを陽旋法、暗いものは陰旋法と呼び、それは今日も同じだと思います)
明治に入りドレミファの洋楽が入って来た初期の学校唱歌は、欧米の国の歌に日本語の訳詞を付けたものだったのですね。「蛍の光」などは今でも日本の曲だと思っている人も多いようです。やがて日本の作曲家(滝廉太郎など)が、メイド イン ジャパンの曲を作り出しました。大人向けの歌謡曲や子供向け童謡などが、ともに盛んになりました。歌謡曲は無論の事、童謡でも「月の砂漠」のように静かな少し寂しげな歌、これが大いに受け入れられ、日本の曲の特徴となっていました。
勇壮活発、猛烈果敢な勇ましさが売り物の軍歌もこの短調の曲が多いのには、さすが日本人ですね。
根性とは面白いもので、あれほど西洋文明に憧れ、またそれを真似た開国日本も、基本的にはもっている哀愁とか「わび・さび」の感情が取れなかったようで、日本の曲には暗さや淋しさの強い短調の曲が多くなりました。
月を見て欧米人の多くは、心に浮かぶのは”オオカミ男”や”魔法使い”という人が多いと聞きます。日本人が月にロマンを感じる感覚との大きな違いの一例でしょう。四季を愛でることも日本独特の気候風土が育てた日本人の精神性なのでしょうか。
このような日本人の持つ国民性が、結局詩歌や茶華道その他諸々の伝統文化が無くならず、また欧米文化に飲み込まれずに、脈々と今日まで残り、さらに発展したのだと思います。
大人の歌として、歌謡曲は(演歌などを含め)大半は短調の様にように思います。
敗戦後、復興の機動力になったように評価されている「リンゴの唄」なども代表的な短調ですし、それは歌謡史上切っても切れない古賀政男の古賀メロディーなど、言い出せば限りがないでしょう。
しかし、最近ふと気が付いたのですが、東北震災の復興応援歌「花は咲く」、あれは長調です。それは当然でしょうが、良く聴いていると、詩的に内容は「あなたと別れて・・・・」と言った昔の歌謡曲と大差ない内容の詩なのに、曲は長調で作られているものが大変増えていることです。
日本の音楽は大人の歌も、子供の歌も主流は短音階の世界から、長音階の世界へと移りつつあるようです。
まさに「歌は世につれ、世は歌につれ」とはこのことでしょう。日常生活やその様式が欧米化し、思考も次第に国際化されて行くのは止められないことでしょう。
しかし、明治開国当時の様に、基本的な日本人の心髄だけは頑固に守ってほしいと願う所です。万葉の時代の”おっとりさ”や”わび・さび”を感じる心は残して欲しいものと思う今日この頃です。
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流れるような良いエッセーで、一気に読み下しました。音楽は、昔から苦手なのでよく分かりませんが、おっしゃりたいことは理解できます。日本は西洋とは、随分と違うように思います。稀有な国民性を残している民族ではないでしょうか。良いにつけ悪いにつけですが。
2018/3/13(火) 午後 6:44
> 大介さん
有難うございます。最近の歌謡曲を聴いていて、ふと気付いたことを書きました。フォークソングなど欧米の感覚が、日常の生活感覚に浸透しだしているのを、何となく感じます。古い良き日本の心髄だけは是非とも残して欲しいですね。
2018/3/15(木) 午後 4:54 [ ariyja ]
いつのころからか、若い歌手の歌が歌えなくなりました。「お母さんが歌うとみんな演歌調」と娘にいわれたこともあり。。。メロディーは解るのですが、リズムがついてゆけないのです。
若い人は「演歌はみんな同じに聞こえる」と言います。
昔のようにみんなが口ずさめる曲が流行ればいいなと思います。
2018/3/16(金) 午後 10:59 [ 一葉(ひとは) ]
> 一葉(ひとは)さん
有難うございます。近年の歌は、七五調が詩が減りましたね。喋り言葉をそのまま歌にする。フォークソングはほとんどそのようです。永六輔さんあたりが境なように思います。
歌謡調、演歌調はこれまでの大衆音楽の主流だったのが、フォーク調に変わって来たのだと思います。私も昔の曲調が好きです。
2018/3/17(土) 午後 6:13 [ ariyja ]
コメント有難うございます(^^)/
気候の変化に惑わされるのは私も同じです。
くれぐれもご自愛くださいませ( *´艸`)
音楽の歴史を深く感じる素晴らしい文章に
エッセイに心打たれました(^^♪
又の更新をお待ちしています(●^o^●)
2018/4/2(月) 午前 11:12