風の紋お・ま・け〜その8画像:風の紋〜恵みの風編〜 壁紙元絵は例によってらもさとしさんに描いてもらった「風の紋〜恵みの風編〜」の表紙で、それをTrekが切り張りして作りました。 第2版とは? それはここで公開している第1版に改変を加え、より読みやすく、より物語のテーマを分かりやすくしたバージョンです。 第1版を読んだ方でも、きっとまた新たに楽しんでもらえること、受けあいです。 データ形式はPDFなので、購入し、ダウンロードしたその場で読むことが出来ます。 中の構成は文庫本形式。 らもさとし氏による表紙・中トビラ・目次という構成で、本編へ。 両面印刷対応のプリンタで印刷し、右側を閉じれば本の出来上がりです。 さて、今回の絵ですが、もっとも悩んだのは紗月の髪型です。 実はこの絵の紗月は、物語の設定通り、14歳の中学2年生。 この頃の髪型についてはただ「ショートカット」と書いたのですが、一口にショートカットと言っても、色々な型があるんですよね。 で、いわゆる「ショートカット」は、私が思っていたよりずっと短い。 これには困りました。 何が困ったかって、あまり短いと、さゆみがくるまって収まることが出来ないんです。orz そんなわけでこの絵のような、ほとんどミディアムというくらいのストレートに決まりました。 これなら、さゆみもくるまれる!w ちなみに一番最初に出来上がってきた絵には、紗月の肩のところにさゆみが描かれてました。
私がどこかに描いて、とお願いしたからなんですが、ちょっと迷った末に消してもらいました。 だってそれなりの大きさで見れば良いんですけど、PDFファイルにして画面で見ると、さゆみが何だか小坊主みたいにしか見えなかったもので。 小さいと、小さな女の子のような身体の線が、よく分からなくなってしまうんですね。 これは大変残念でした。 さゆみはまた、あらためて描いてもらおうっと。 |
風の紋〜おまけ書庫〜
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風の紋の敵キャラは、どれも神話を参考にしています。 みんな日本神話からなのですが、例外は「恵みの風編」の跂踵〔きしょう〕で、中国の山海経〔せんがいきょう〕を参考にしました。 「参考」と言っているのは、神話にある妖怪の姿そのままだと風の紋の話にハマらなくなるので、書いていく上でいじり易いように、オリジナルの設定をしているからです。 ■薫る風編
・夜刀神(ヤトノカミ) 常陸国風土記に出てくる蛇神で、「まつろわぬ(従わない)神」と言われる。 頭部に角があると言われるが、本作では特に描写していない。 風土記では開墾をしていると邪魔をするので、打ち殺したなどとある。 おそらくは大和朝廷に従わない諸民族の一だったのだろう。 この妖怪を選んだ理由は、八又大蛇が登場する前振りとして蛇を考えていたことと、八又大蛇と比較したときのザコっぽさw、後は集団になっても説明しやすいことでしょうか。 設定は参考元の常陸国風土記とは全然違っているので、名前と姿を借りた別の妖怪と言っても良いでしょう。 ・八又大蛇(ヤマタノオロチ) 特に説明する必要のないくらい有名な妖怪。 1つの身体から8つの首が生えた姿(一説には9つ)をしている。 日本神話では、高天原から下ってきたスサノオノミコトがこの妖怪と対峙する。 スサノオノミコトが酒を用意し、八又大蛇を酔わせて首を切り落として退治する話は有名。 そのとき、尾から「草薙の剣」が出てきたという。 え〜、八又大蛇にした理由は、特にありません。 やってみたかったと言うだけ。 ただしこれは後悔しました。なぜなら八又大蛇が強すぎるからです。 だってスサノオノミコトのような神さまでも、まともには太刀打ちできなかったんですよ? 一人間ごときがどうしろと……。 そんなわけで全身を登場させず、首一本だけの登場となりました。 ■恵みの風編
・跂踵(キショウ) 山海経の中山経次十経に登場する妖鳥。 現れた国には疫病が逸るとある。 作中でも描写したが、身体はフクロウ、尾はイノシシ、足は一本という奇怪な姿をしている。 なぜこの妖怪になったのかというと、まず「恵みの風編」を書き始めようとしていた頃、ちょうど「十二国記(小野冬美)」にハマっていたと言うことがあります。 それで、たまには他国の神話も見てみよう(風の紋以外のネタを考えるにも、日本神話ばかりだったので)と思い、山海経を読んだのです。 選んだ基準は、能力が大きいこと、身体が小さいこと、戦闘力が低いことの3つ。 なぜこの3つかというと、まず父親が殺されなければならないし、まだ技の未熟な紗月でも太刀打ちできないといけないからです。 ■便りの風編
・茨木童子(イバラキドウジ) 歌舞伎「羅生門」や民話に登場する妖怪で、酒呑童子の手下と言われる。 茨木とはどうやら大阪府茨木市あたりの事らしい。 民話では京の町を荒らし、源頼光、渡辺綱ら四天王に退治される。 この妖怪も、特に選んだ理由はないのですが、鬼にしてみようとは思っていました。 なぜ鬼かというと、人型をしているため、破神流の技を登場させやすいかなと思ったからですが、そう言う風にはなりませんでしたね。 まあ本作はかなり大幅な手入れを後日しようと思っています。 |
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今回のおまけPDF版「〜便りの風編〜」は、短編ということで章分けはされていません。 原稿用紙換算で約47枚。 ものの見事に短編ですね。 まあ、あと3枚(課題は50枚までということでした)余裕があったんだから、もっと書き足しておけば良かった〜と、後悔ばかりしている作品ですが、実は『Second-Sighter』こと春日井真子は、結構お気に入りのキャラだったりします。 これもいつか、手を入れてからPDF版を作り直し、販売しようと思っています。 その時はよろしくお願いします!
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だって、参加者が多いから予選やるっていうんだもの。 その予選の課題だったんです。 でもいざ応募して、公開されてみると……私以外、誰も「あらすじ」なんて書いてないじゃん! これ、「作品紹介」じゃないの?! 「あらすじ」って言われたから、物語の最後まで書いちゃったんですけど?! どうしてくれるの〜! ズルイ! 「作品紹介」とか「予告編」って言ってくれれば、もっと違う書き方出来たのに〜! ちなみにもし予選を通った場合、週間のメルマガに連載される「恵み〜」は、ここに載せているものと変えようと思っています。 読み返してどうしても手を入れたいところに手を入れて、より完成に近いものになります。 そちらはでじたる書房で販売するつもりなので、「恵み〜」に興味のある方はぜひ! では本題のあらすじです。 風の紋〜恵みの風編〜あらすじ
400年の昔に生まれ、悪霊妖魔の折伏を生業とし、人に在らざるものを斬る技を現代に伝えるという天武破神流剣術。 その当代が病による不慮の死を遂げた。 直接の死因は癌だが、それは妖魔に受けた傷が元であった。 そして当代は刀を遺す。 刀を託されたのは、当代の一人娘、笹井紗月。ショートカットにくるくると大きな目が愛らしい、中学2年生である。 しかし紗月は長らく剣を手にしておらず、悪霊妖魔を斬ることができない。 そんな自分に敢えて託された父の刀の意味とは? 今となっては忖度することしかできない父の気持ちに、独り思い悩む紗月。 その前に現れたのが、父が妖魔に傷を受けた時に一緒にいた、真田一晃だった。 天武破神流の次期正統継承者と目される程の実力を持つ一晃は、折伏の出来ない紗月に、父の遺刀を渡すよう迫る。 それを頑なに拒みながら、紗月は父の思いに行き当たった。 きっと、父さんを信じれば出来るんだ。 力のない自分を信じる事は出来ない。でも刀を託してくれた父の思いに応えるために刀を取る、そうすればきっと折伏も出来る。 紗月は一晃を振り払い、街へと出た。 目的はもちろん、父を死に至らしめた妖魔である。 妖魔の名は跂踵。フクロウの身体とイノシシの尾を持ち、現れた国には疫病が逸ると伝説にある。紗月の父は跂踵に傷を受け、瞬く間に重い病となったのだ。 跂踵を見つけた紗月は対峙し、父への思いを込め、一太刀を浴びせた。 斬れたのか? しかしその期待は無惨に打ち砕かれ、紗月もまた父と同様、傷を受けてしまう。 急速に死へ近づく紗月。 だがそんな状態になって初めて、父の自分への期待の高さに気づく。 このまま逝くことは出来ない。 もう一度跂踵のところへと一晃に願う紗月の目には、今や強い意志が宿っていた。 すなわち、跂踵を斬る。 そして、自分になら出来る、と。 その意思は一晃をして抗うことを許さなかった。紗月は再び跂踵の前に立った。 しかし意思の強さとは反比例して、急激に病に蝕まれ、弱っていく紗月の身体。 そんな身体を引きずりながらも、ようやく紗月は跂踵に一太刀浴びせることに成功するが、もはやそれが限界であった。 激高した跂踵にいたぶられる紗月。 その生命力は限界に達したかに思えたが、それでもなお、紗月の意思は翳りを見せなかった。 刀を振れぬなら念じてやる。斬る、と。 その思いが風を呼ぶ。意思の風であった。 風は巻いて跂踵を飲み、跂踵はその中で光の泡となって散っていく。 その光が風に舞い、描く紋様。それこそが風の紋であった。 |
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「〜恵みの風編〜」のタイトルは、「〜薫る風編〜」とはうってかわってごく普通につけてます。 といっても「2字熟語で揃えよう!」くらいのことは考えていたのですが、五章だけは収まりませんでした。 何でも揃えるのが好きな私が、この五章だけ変えたのには、やはりワケがあります。 それはタイトル「風の紋」の由来です。 「薫る〜」「恵み〜」とずっと続けて書いてきて、一度も出てきてなかったんですよ、気がついてみると。 で、一度くらい説明しておかないと、何しろこの私自身が忘れそうでしたw そこで急遽、この最後の話に盛り込むことにしたんです。 じゃあ章のタイトルはどうしよう〜? と、考えて、そこでハタと思いつきました。 「そのまんまで良いじゃん!」 そんなワケで、五章だけがちょっと異色になりました。
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