ここから本文です
フランスは思うに、自由平等の気ちがい病院というべきで …… これがフランスの短所であり、長所であり、困難であり、幸福である。

書庫全体表示

ジャン(ハンス)・アルプ
Jean (Hans) Arp
1887、ストラスブール - 1966、バーゼル

従属を回避する芸術

イメージ 1

仏独の画家、かつ彫刻家、詩人。
20世紀前半のアヴァンギャルドに特権的な位置を占めるが、レッテルを貼られることに逆らう。

というのも彼がほぼすべての流派 ―― 表現主義、「青騎士 Blaue Reiter(独) le Cavalier bleu(仏)」、ダダ、シュルレアリスム ―― を経てきたからである。

1925年以降しばしシュルレアリスムに留まり、グループの最初の大きな展覧会を皮切りに、続くすべての展覧会に参加する。

アルプがひかれたのは奇抜なオブジェや偶然の出会いといったシュルレアリスムの好みにであった。
紙を切り抜くのではなく、ちぎって使用する彼のコラージュの技法は、方法に新風をもたらす。

イメージ 2

絶えず革新を探し求め、まもなくほかのグループ ―― 「円と正方形 Cercle et carré 」「アプストラクシオン・クレアシオン Abstraction-Création 」とも結びつく。

イメージ 3

彼の妻、ゾフィー・トイバー=アルプ Sophie Taeuber-Arp の影響下、ますます彫刻の方に進む。
その「コンクレシオン concrétions (凝結、凝結物の意)」は有名になる。

イメージ 4

論争や派閥間の争いには関心がなく、シュルレアリストの友人たちとは一度も絶交することはなかった。
彼はまったくどの一つにも従属せずとも、すべての運動と親しくできたという奇跡に、成功しえたと言えるであろう。

イメージ 5

彼を生粋のシュルレアリストを認めることと、彼を運動の部外者あるいは単なる一時的な通行人と断定することとは、同じくらいに難しい。
彼の位置は外部にではなく、余白部にある。

■ ゾフィー・トイバー=アルプ Sophie Taeuber-Arp 1889-1943

イメージ 6

スイス生まれの彫刻家、画家。
アルプとともにダダ運動に参加、アルプとは1921年に結婚する。

彼は彼女について「晴朗、明晰、真率、正確、公明、清廉」といった。
« sereine, lumineuse, véridique, précise, claire, incorruptible »

彼女はチューリッヒで悲劇的な状況下に没したが〔故障したストーブから出た一酸化炭素中毒による事故死〕、彫刻家としての彼女の作品は助かった。



日本アートNipponArtでは、 Alain et Odette Virmaux, Les Grandes figures du surréalisme international, Bordas, Paris, 1994.を「シュルレアリスム人名事典」と題して翻訳中です。あくまでも、ご参考までに。
なお、本書が世界思想社から出版された『ダダ・シュルレアリスムを学ぶ人のために』「第3部ダダ・シュルレアリスムのひどびと」のなかで、いく人かのシュルレアリストの紹介のためにすでに訳出されていることが判明いたしました。しかしながら、訳出紹介されていないシュルレアリストのあること、シュルレアリスムの重要人物については本書とまったく関わりなく執筆・紹介されていることから、日本アートNipponArtでは「シュルレアリスム人名事典」の試訳を、完訳めざし、今後も遂行したいと考えます。

今後とも日本アートNipponArtをよろしくお願いいたします。
日本アートNipponArt
http://art-nippon.net

この記事に

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事