ここから本文です
フランスは思うに、自由平等の気ちがい病院というべきで …… これがフランスの短所であり、長所であり、困難であり、幸福である。

書庫全体表示

ルネ・シャール
René Char
1907、リル=シュル=ソルグ – 1988、パリ

シュルレアリスムから厳格な詩の探究へ
短いがグループの真っ只中でのその闘士的活動は否認することなく、彼はきわめて早くより遠くへと向かって行った。

イメージ 1

彼がシュルレアリスムを通り過ぎるのは、たった5年間(1929年−1934年)という短期間のみであった。
しかし、(アルトー同様)この通行の痕跡は何もその活動期間のみで測れるものではない。

『シュルレアリスム革命』誌最終号(1929年)よりグループに加入して以来、雑誌記事、集団宣言、アンケート、エリュアールブルトンとの共著『工事中徐行せよ Ralentir travaux 』(1930年)の出版など、彼はグループの活動の大部分に参加する。

イメージ 2

自身のシュルレアリスム期間の全詩篇を『打ち手なき槌 Le Marteau sans mâitre 』(1934年)にまとめ、騒ぎも訣別もなく、彼は運動から離れる。
彼は1940年にブルトンとマルセイユで再会している。
以後、レジスタンスに積極的に参加、彼はしばらくアルベール・カミュの近くにいるであろう。

イメージ 3

■「農耕 agricole 」詩人
後年、最後の世代の若きシュルレアリストのいく人が、ルネ・シャールのような詩人を「詩人であると同時に農耕に従い、ヘラクレイトスの模倣者となり、第五共和国の大規模な核実験からガリーグ〔南仏ラングドック地方の荒地〕を守るために立ち上がった」(フィリップ・オードワン)と嘲った。
しかし、これらは特殊な主張である。
一般的には、孤独かつ高潔な彼の探究にオマージュが捧げられた。

彼のもっとも厳格な詩的企て ― 『激情と神秘 Fureur et mystère 』(1948年)、『群島をなす言葉 La Parole en archipel 』(1960年) ― は、自動記述の原則に、しかしそれを凌駕できうる状況にいつまでも執着した彼を明らかにしている。
― 「詩とは欲望としてとどまる欲望の、実現された愛のことだ Le poème est l'amour réalisé du désir demuré désir」
彼の歩みはこの記憶すべきアフォリズムに要約されている。

イメージ 4

■ 相違
1934年にシャールをグループから離れさせた意見の相違について、シャールは1935年12月のバンジャマン・ペレへの手紙の中で説明している。

(抜粋)
― 「(シュルレアリスムが)賞賛すべきダダの後、当初から悪弊と過大評価を得ていたと、どうして正直に認めないのですか? (ダダとシュルレアリスム)その距離はあまり長くないものと思われていました。(・・・)人びとは単純に間違っただけなのです。このことは何でもないことです。重要なのは、批判すべき時に、その勇気を欠いてしまったということです。百歳の老人になる恥辱を避けるためにも、シュルレアリスムを見事に“解散する”必要があったのです。貴兄は運命論者ではないでしょう? サドの、ランボーの、ロートレアモンの末裔は、きわめて知的な者なのでしょうか?」

― 「この予測された情けない妥協、私はその容認を拒否いたしました。お祭り騒ぎとはおさらばいたします」
ジョゼ・ピエールの Tracts surréalistes et déclarations collectives [シュルレアリスムのビラと集団宣言集] , Losfeld. 第一巻1980. に収録)

イメージ 5


「マルドロール Maldoror 」への1930年2月14日の遠征に、シャールは第一線で参加し、ナイフで切りつけられ、負傷している。
「マルドロール」はこの年の初めにモンパルナスにオープンしたナイトクラブで、その店名がロートレアモンを冒涜しているとの理由で、グループは懲罰に乗りこんだのであった。

イメージ 6

Références:
・Paul Veyne : René Char en ses poèmes, Gallimard, 1990. (邦訳『詩におけるルネ・シャール』西永良成訳、法政大学出版局、1999年)
・Éric Marty : René Char, Seuil, 1990.




日本アートNipponArtでは、 Alain et Odette Virmaux, Les Grandes figures du surréalisme international, Bordas, Paris, 1994.を「シュルレアリスム人名事典」と題して翻訳中です。あくまでも、ご参考までに。

今後とも日本アートNipponArtをよろしくお願いいたします。
日本アートNipponArt
http://nipponart.jp/

この記事に

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事