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フランスは思うに、自由平等の気ちがい病院というべきで …… これがフランスの短所であり、長所であり、困難であり、幸福である。

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マルセル・デュシャン
Marcel Duchamp
1887、ブランヴィル – 1968、ヌイイ=シュル=セーヌ

天才的、意表をつく単独行動者
ブルトンによってシュルレアリスムの冒険に関与させられたが、彼はあらゆる流派の外にいた。
結果、ほとんど一人で世紀のアヴァンギャルドに道を拓くことになった。

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パリ郊外に生まれ、没したが、その生涯の大半をアメリカで過ごした。
この孤高の画家をシュルレアリスムに組み入れるのは不可能である。

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それでもブルトンは1941年にニューヨークで彼に再会すると、シュルレアリスムの雑誌『VVV(トリプル・ヴェー)』に参加させた。
後に、彼〔ブルトン〕に代わって、パリでの、アメリカでのさまざまなシュルレアリスム国際展の監修をさえ任せた。

しかし実際、デュシャンは、あらゆる加入から逃れる、分類できない人物であった。
キュビスム、未来派、とりわけダダとは相継いで関係を結んだが、それらの指し示すすべての道の外側に居続けた。

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1913年以降、「レディ・メイド ready-made 」(タイトルをつけ、署名をしただけの粗悪なただのオブジェ)の発明者。

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8年(1915年−1923年)にわたって従事するも、その『大ガラス Grand Verre 』(別タイトル『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも La Mariée mise à nu par ses célibataires, même 』)は未完に終わった。

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■ 決定的に独自な
だからといって、投げやりなというものではなかった。
雑誌を編集し、マニフェスタシオンを推進した。
しかし、ただひたすらチェスに没頭するためだけに、絵画は放棄したかもしれなかった。

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芸術の伝統的な道をたえず刷新し続けた、規格外のクリエイター。
彼は20世紀のあらゆる前衛を先取りした。
彼がときにあれこれのルートで同志のように振る舞ったとしても、そのどれにも彼を閉じこめることはできない。

ブルトンが彼にもたらした評価にもかかわらず、彼はシュルレアリストたちの側にはいなかったが、その手前に、あるいはその向こう側にはいた。

『シュルレアリスム簡約辞典』(1938年)では、美しい定義が彼にささげられた。

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「ダンディズム発展の全歴史的経過の果てに、ガブリエール・ビュッフェ〔フランシス・ピカビアの最初の夫人、ダダイスト〕がいったように、『無償の技術家』の風貌をすることに甘んじたひと、われわれの友マルセル・デュシャンは、たしかに20世紀前半の最高の賢人であり、(多くの人にとって)このうえない困りものである」(アンドレ・ブルトン)
« Celui qui, au terme de tout le processus historique de développement du dandysme, a consenti à faire figure, comme dit Gabrielle Buffet, de “ technicien bénévole ”, notre ami Marcel Duchamp est assurément l'homme le plus intelligent et ( pour beaucoup ) le plus gênant de cette première partie du 20e siècle » ( André Breton )

フランシス・ポンジュはより極論し、デュシャンとアルトーを「極端な態度にまで至った sont allés aux extrêmes 」シュルレアリスムの主要人物の二人として評価した。


ルネ・クレールの『幕間 Entr'acte 』(1924年)に、彼はマン・レイとともにチェスプレーヤーとして登場する(ピカビアの記事を参照)。

1926年、彼はマン・レイとマルク・アレグレの協力を得て、アナグラム形式のタイトルの、短篇映画『アネミック・シネマ Anemic Cinema 』を制作する。
この映画では「ロトレリーフ rotoreliefs 」(テキストとともにらせん状に動くディスク)が、実際のオブジェや生き生きとした人物群に代わって交互に現れる。

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日本アートNipponArtでは、 Alain et Odette Virmaux, Les Grandes figures du surréalisme international, Bordas, Paris, 1994.を「シュルレアリスム人名事典」と題して翻訳中です。あくまでも、ご参考までに。

今後とも日本アートNipponArtをよろしくお願いいたします。
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