オホーツクの詩季

舛添の公私混同、こんなのが日本の首都東京の知事:国民としてあまりにも恥ずかしすぎる・ためいき。一刻も早く辞めさせろ

随想

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<オホーツク・熊物語>
2014年6月中旬、611日〜617日にかけて北海道網走市内で、ちょっとしたクマ出没の騒動があった。
網走市街の中心部で6回、郊外で3回の、計9回のクマ目撃情報があり、大騒ぎになった。
6月11日夜、郊外の住宅地、向陽ケ丘に最初に目撃された仔熊が、6月17日に、その場所から400mほど離れた、平和橋の付近で発見された。その後、子グマの目撃情報は出ていない。
その間のクマの動きを推測すると、6月11日深夜、最初の場所から網走刑務所の裏のあたりを通って、網走川を泳ぎ渡り、大曲団地の付近で目撃され、そこから更に東に、JRの線路沿いに2キロほど離れたところで目撃されている。その後、同じ12日のクマの動きは、市街地を横切り、車や人の往来の多い道路を渡って、海岸沿いの高台にある公園で、日中目撃される(木の広場)。6月12日のクマは6箇所で目撃された。
 この日は、クマは人や車の多い地域に残された森のあるところを、パニック状態で逃げ回ったことが想像される。
 その後、1314日は目撃情報がなく、この間クマはあまり動き回ることなく、どこかでじっと隠れていたことと思われる。
 2日後の15日になって、12日の日に最後に目撃された所から南に1.5kmほど離れた住宅街で夜目撃され、さらに同じ日の夜10時ころ、そこから北東700mくらいの公園の駐車場で目撃される(「駒場の水の公園」で、ここは住宅街や商店街に近い)。
 さらに2日後、16日はたぶん目撃情報はなく、東に5600mほどある海岸の台地に沿った、南北に細長い公園にひそんでいたものと推測される。最後に目撃された6月17日の場所とこの公園の端とは、直線で約4kmほど離れている。その4kmの間を、16~17日の夜間に、台地から降りて、網走港付近で網走川を泳ぎわたり、そこから海岸沿いに6月17日の最後の目撃地付近に移動したものと推測される。
 その後、目撃情報がないということは、そこからは海岸に沿った台地の森をつたって、元いた能取岬の森へ帰ったものと推測される。
この間の行政の対応としては、上記の「駒場の水の公園」に監視カメラを付け、クマの目撃された情報のある住宅街を広報車が出て、クマ注意情報を流して回った。
 
通常子グマは2月の初め頃、冬ごもりの穴の中で産まれ、2年目か3年目の初夏の頃が子別れの時期になる。2年目の1歳8ヶ月目の頃に、子別れをすることもあるが、普通は3年目の2歳と2〜3ヶ月の間、子グマは母親と一緒に暮らす。この時期の子グマは「明け3歳」と呼ばれ、体長1mちょっと、体高5〜60センチで、ちょうど大人の男性が膝をついて四つん這いになったくらいの大きさである。これが親から独立してまもなくの若いクマであり、人身事故の半分は、この若い熊によって引き起こされている(小田島護氏談・ヒグマ研究家・写真家)。
 
 
以下はクマの立場から見た、子グマの冒険物語である。
 
能取岬の仔熊の冒険
 
僕はオホーツク海を見下ろす能取岬の森で生まれたんだよ。ぼくが産まれて満2年と4ヶ月、そこでおかあさんといっしょに平和に仲良く暮らしていたんだ。そこは高台の大きな森で、ミズナラやカシワがたくさんの実をつけて、僕たちの食べるどんぐりがいっぱいなるんだよ。冬ごもりする冬になる前にいっぱい食べて、春になって目が覚めた時にも、秋に食べ残したどんぐりを食べることができる位、いっぱい実がなるんだ。
 それに森にはいっぱいの下草が生えているから、春になると沢沿いに、フキやイラクサ、ザゼンソウやウバユリ、クマザサのたけのこが、冬眠から目覚めたぼくらを待っていてくれるんだよ。こうして僕はお母さんにいろんなことを教えてもらいながら、甘えてベーベー泣いたりしながら、森の中で楽しく遊んでいたんだ。
 
だけど春になって、母さんが次の子供を産む準備が始まると(1年に一回の発情期が始まる6月頃)、オスの熊がやってきて、僕たち親子を追い回すようになったんだ。
お母さんよりも大きな大人の雄グマが近づいてきて、子供のぼくを邪魔だと言って追い払おうとしたんだ。(発情期のオスは子どもを追い払おうとする。)お母さんは僕を守ろうとしてあちこち逃げ回っているうちに、僕はお母さんからはぐれて、迷子になってしまっちゃった。僕たち親子を追い回す怖いオスグマからあわてて逃げたため、僕はもとの道がすっかりわからなくなってしまったんだ。
初めてのひとりぼっちの僕は、見慣れないところに出て、どうしたらいいか分からずに、あっちこっち行ったり来たりしているうちに、川を泳ぎ渡って、「人間」という生き物の住む、街の中に出てしまったんだ。そのために車とか人間とかに見つけられて大騒ぎになったようなんだよ。
 
どうしよう、どうしよう、とウロウロ、パニック状態になりながら、人間の住む街中を歩き回っている時、あちこちで人間に見つかってしまったんだ。人間の住む街は、夜になっても明るい電気がつき、車も明かりをつけ夜中まで走り回っているし、迷子になって怖い思いをしながら、ぼくはあちこち逃げ回りながら、小さな森のある公園に迷い込んで、様子をうかがいながら、昼間はそこの藪の中にひそんでいたんだ。一日二日の間は人に見つからないように、ジッとしながら、どうかして元いた森に帰りたいな〜と一生懸命考えたんだ。そして二日ほどして夜に海岸の台地へ歩いて行ったのさ。
その街のはずれの丘に行ったとき、遠くから森の匂い、お母さんと暮らした懐かしい森の匂いがしてきたような気がしたんだ。そこで僕は思い出したんだよ。「どこかで川を泳いできたんだ」ということを。「そうだ、川を渡って戻らなくっちゃ。」それで夜、もう一度その匂いのする方へ、海の匂いのする海岸の方へと坂を降りて行き、対岸へと川を泳いで渡ったんだ。僕のふるさと、母さんのいる能取岬の森のある方向に渡ったんだ。
 
ぼくはとうとう帰る方向を見つけたんだ。帽子岩が近くにあった。この懐かしい森の匂いのする方向に歩いてゆけば能取岬までもうすぐだ!
ぼくは夜になって、もう人間がいない海岸を、僕が生まれ住んでいた森の方へ、嬉しくて心ワクワクしながら歩いて行ったんだ。お母さんがいる森に帰るんだ、優しい母さん、母さん。もうすぐ行くからね、母さん。
そして僕は無事に森に帰ったんだよ。
 
 そこでお母さんに会って、また秋頃までしばらくの間一緒に暮らすことになるか、あるいはこのままずっと僕ひとりで生きてゆくことになるかもしれないけれど、僕は怖い思いをして強くなったからもう大丈夫さ。
(この2歳半の子グマは、能取岬の森で、また発情期が終わった母親と一緒に暮らすかもしれないし、あるいはそのまま「子別れ」になるかもしれない。子グマは1年未満では母親から離れては生きてはいけないが、この子グマは産まれてから2年半経っているから大丈夫だ。)
 
以上が迷子になった子グマの話である。
恐ろしい体験をして、能取岬の森に戻っていった子グマの冒険物語である。
一件落着!くまさん、よかったね〜。
 
 

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