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菊池英博氏著『そして、日本の富は略奪されるーアメリカが仕掛けた新自由主義の正体』(ダイアモンド社 2014)
からの一部転載です。(pp.280−282)1800円、−必読:アマゾンでもっと安く買える−
政府自民党は、第3の矢の目玉となる政策として「国家戦略特区」構想を発表し、
2013年12月に法案が可決された。「特区」構想は、2002年10月にアメリカが日本に送ってきた「年次改革要望書」で、その設置を要求してきたものである。当時の要望書では、「特区で成功した事項は可及的速やかに全国レベルに拡大する」ことを要求しており、特区を突破口として日本の社会経済構造を破壊しようとするのが目的である。
特区設定要求の狙いは、本質的には「外国企業の誘致などのために”不便な規制”をはずすこと」であり、この考えに従って規制緩和を主体とする「国家戦略特区」を設置しようとする。主な内容は
①労働基準法改訂による解雇自由の雇用契約の合法化(解雇自由化)
②混合診療の拡大と外国人医師、看護師の日本医療への参入(日本の医師・看護師免許の規定を除外する)
③公設民営学校(教育基準の自由化、日本の教育の破壊)
④大都市建物の容積率など土地利用規制の見直し(住民の生活環境を破壊)
⑤農協の崩壊と農業の資本主義化促進(農協を崩壊させてその保有資産を民間に流させる)
などである。
いずれも伝統的な日本の社会経済システムの崩壊と破壊を狙い、外資の利益と富の収奪を優先するように、まず特区内で治外法権的な扱いを認めさせようとするものである。
2013年10月の衆議院の予算委員会で、安倍首相は「国家戦力特区は特区諮問委員会会議の下で、首相、官房長官、担当大臣(総務大臣)、経済財政担当大臣の他、民間人8人で運営し、内閣の行政分野の担当大臣は特区内の指揮から外す」と明言した。
つまり、厚生労働、財政金融、農林漁業、文部科学の担当大臣は特区内の行政権を剥奪されており、特区は治外法権を認められた地域となる。従って特区は、戦前に植民地化された中国の上海などで列強が確保していた租界に相当する地域になる。当時の列強は、中国全土を植民地化するよりも、租界をベースとして中国から富を収奪する戦略であった。戦略特区はまさにアメリカの租界になる。
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2014年06月10日
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