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真夜中の能舞台
真夜中一時
目が覚めて
三階の階段に腰掛けて
窓から西空を望む
白い雲と黒い雲と金色の月が
広い夜空に悠容として
静かな能舞を見せていた
金色の目が
白い雲と黒い雲の羽を輝かせる
天空の
大きな鳥の舞
庭に出て夜空を見上げると
黒い木立の中から
ピカピカと白く
無数の星が瞬いていた
オリオンの三つ星は上空にあり
月は大きな白い雲と黒い雲と
大きな舞台で戯れ掛け合い
勇壮な舞を静かに演じつつ
西の空に消えようとしている
能舞が静かに繰り広げられる
悠大な夜空の下
人皆眠る真夜中に
国道を
たまに明かりをつけた
トラックが通りすぎる
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poems
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2014年ベトナム・カンボジア旅行記( 2014年1月26日−2月5日)から
ベトナムの春
ベトナムの二十歳の娘さん
美しい若い娘さん
テト(正月)の花の街で見かけた四人の娘さん
ベトナムは花ざかり
正月の準備に人々は忙しく働く
車も走る
オートバイは集団走行する
活発なホーチミン市の街角で
若草色と桃色のアオザイに身を包み
爽やかで優しい笑みをたたえ
カメラマンにポーズをとる四人の娘さん
私の依頼に快く答え
カメラに収まってくれたやさしい
ホーチミン市の娘さん
この若々しいベトナムの花たち
悲しみのかけらもないような
明るく心優しく
写真を撮ってくれてありがとう
と言ってくれた娘さん
悲しみの片鱗も見せないで
笑みをたたえる若いベトナムの人々よ
若さとはなんと素晴らしいものか
あれだけの悲惨な戦争の跡地にも
花は美しく咲きほころびる
花は天に向かって花開く
天に向かえなかった多くのベトナムの人たち
悪辣な戦争に巻き込まれ
非情にも無情にも
卑劣に苦しめられ傷つけられ
拷問され殺された人々よ
戦争傷跡博物館に残された
写真の衝撃はあまりにも
悲しくおぞましく
悲しみが溢れ、怒りが満ち
涙がとめどなく溢れて止まらない
65歳にして初めて知った、人間の限界を超えた
胎児の体に残した悪の刻印
偉大な指導者と共に
この国のひとびとが命をかけ戦った
怒り、戦い、反撃し続け
そして勝った
卑劣なやつらをついに降参させた
この国の男たち女たち子供たち
世界中に証明してくれた
善が勝利することを
卑劣極まりない強者の論理を
しぶとく、長く、賢く、我慢強く
打ち砕いた
涙を怒りに変えて
戦い、怒り続け、戦い続けて
ついに勝利した
ベトナムの人々よ
人類に示して見せてくれた
正義の勝利を
その代償としての無数の犠牲者
悲しみは尽きない
尽きることはない
心の中にいつまでも
この地の下にいつまでも残っている
勇者の心、天を忘れない心
それらを受け継いでベトナムの花は咲く
新緑の春、 新年テトのお祝い
ベトナムの娘さん
美しく優しい娘さんたち
賢く活発な若人よ
屈託なく笑いを絶やさず
旅人をもてなしてくれるボーイさんたち
この国の未来を担う若者たちよ
力強く、賢く、正しく
伸びてゆくだろう
この国、ベトナムの若人たちに
さち多かれと多かれと祈る
ベトナムの春
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謹賀新年
日本のすべての子供が幸せでありますように
雪の野に
シンシュンと鳴く シジュウカラ
良き年でありますように
2014年元旦
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2013年12月の雪の朝
冬将軍がやってきた
一日中氷点下の寒い一日
雪をかぶった枯れ草の湿原
そのわきの白い小道を散歩する
まっさらな雪の上に足跡を印しながら
まだ氷結していない小川に
水は豊かに流れ
カモたちが私の足音に警戒して
湖の方へ逃げてゆく
キンキン、カンカンと鎚を振りおとす音が響く
国道の修理工事をする男たちの姿が見える
自動車の交通整理のため
寒さの中で赤い表示棒を振る労働者がいる
年末の仕事をもらって
暖かい正月を家族と過ごすため
一生懸命働いている
五十年前、私のお父さんやお母さんも
戦後の貧しい時代
こうして寒さの中で働いて三人の子供を育ててくれた
雪原を渡る白く冷たい大気の中で
ある歌手の唄う「ヨイトマケの歌」が
心に聞こえてくる
こうして子供たちはまっすぐに育ってゆく
親の愛に勝る教育者はいないのだ
猫も狐も蛇も同じだ
こうして世代から世代へと命をつないできた
今2013年の年の暮れ
悪賢いヤクザが政権を盗み取り
小心者の欲望のため戦争を仕掛けて
国民を戦争に駆り出し殺そうとしている
おぞましい、頭の狂った
天に逆らう連中がいる
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バラ色の雪の朝 2013.11.30
冬が来た
秋の森の雅やかさが
眼から消えやらぬ間に
命の美しさと輝きを落ち葉に託し
枯葉が身を寄せ合うように野道をしきつめていた
瞬く間にそんな季節も過ぎて
裸になった庭の白樺の枝に
山から小鳥たちがチラチラと姿を現し
窓辺に小さな友がやってくる季節になった
大きな能取湖には季節の渡り鳥がやってきて
小川や湖のほとりで餌をはむ
2日前雪が降り
湿原も野原も白い雪で覆われた
朝の日の出に合わせて散歩に出かける
ザクザクと雪踏む音を聞きながら
バラ色に輝く湿原の雪野原をゆく
私がニタテヨコツナイ川を通ると
一斉に10羽ほどのカモが
バタバタッと湖のほとりへと飛び立った
毎年この季節
秋と春、氷結の季節の前後に
会うお馴染みの友達だ
今年もよろしく
会えて嬉しいよ |




