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兵庫県南部、東播磨地域の中枢都市である加古川市の玄関駅、加古川駅前
「寺家町」地区において再開発事業が進んでいます。
厳密には木造住宅などの密集地であった寺家町商店街の玄関部における、
防災性を高めるための「防災街区整備事業」です。
この事業は兵庫県内で初の試みとされており、市内最高層の17階建てマンションを核とした
複合的開発が実施されています。
総事業費が50億円にのぼる一大事業ですが、それだけにこの地域にもたらす影響も大きくなります。
地方都市の商業構造の疲弊が問題化しつつある昨今ですが、
加古川市でもその中核の一端を担う「寺家町商店街」周辺をとりまく環境は年々厳しいものとなっています。
駅前のそごうを引き継いだ地場百貨店「ヤマトヤシキ」はADRで事業再生中です。
取引金融機関からの債務免除が合意されたばかりです。
もともと加古川市は神戸・姫路のベッドタウンとしての性格をもって発展してきた町であるため、
高度経済成長以降のモータリゼーションを前提とした都市構造です。
郊外特有の大規模なロードサイド型店舗、ショッピングセンターが幅を利かせ、
旧来の商業地区であった加古川駅前は百貨店を擁しつつも相対的な商業的地位が凋落傾向にあります。
一方で、加古川駅には新快速が停車することから交通の拠点として機能が高められており、
市の北部での人口減少を上回る勢いで居住人口は増加しています。
近隣には姫路、神戸といった繁華街をもつ加古川市ですから、この街で事業者が生き残るには他都市からの集客ではなく自前の住民(地域住民)を確保するほかに道はありません。
先述したとおり、加古川駅周辺ではまだ人口は増加傾向にありますから、
いかに囲い込みを図るかが焦点となります。
人口が維持されているという点で、市民の購買活動の変化に人口減少が追い打ちをかけている
地方都市よりもずいぶん状況は明るいものといえ、今回の事業などで地域の拠点性が高められることは街にとって好ましいものと受け取られるべきであるかと思います。
一方、今回の再開発(防災街区整備)にあたっては旧来の街並みを一掃せざるを得ないという性質上、
少なからずこの事業への疑問をもつ市民の声があがったことと思います。
2013年ごろの事業地の様子です。
バブル期の地価高騰を横目に、ひっそりと息を長らえてきた木造住宅が並んでいました。
駅前の目抜き通りである「ベルデモール」から一本横道に入るだけで趣のある「おもしろい」街並みが広がっていましたが、救急車両の往来が難しいなどの課題が多く、今回の防災街区整備に至りました。
この街区は大きく分けて
・共同住宅棟
・立体駐車場棟
・高齢者用施設棟
によって構成されます。
防災性を高めるという観点から街区に隣接する市道が拡幅もしくは新設され、
合わせて防火水槽や貯水槽、ヘリポートなども設けられます。
単なる再開発ではなく、エリア一帯の防災に寄与する設備が設けられることは長期的な視点で見ても
プラスの影響をもたらすことは考えずとも理解できます。
また、クルマ社会である加古川市において、
商店街に隣接してまとまった規模の立体駐車場が整備されることにも注目できます。
駅周辺には大規模な立駐が複数存在しますが、いずれも駅の東側に立地するため、
商店街からは距離があるため利用しづらい状況が続いてきました。
東急不動産のマンションブランド「ブランズ」を冠してすでに分譲に向けた広報が展開されていますが、
・市内最高層(高さ54m)であることとその立地からランドマークとして存在感を持つであろうこと
・新快速停車駅に徒歩3分であること
・行政、教育、金融、商業などにおける中核地域であること
などからすでに注目度はかなり高いものと思われます。
駅周辺において100戸以上の大規模マンションの分譲は平成22年の昭和住宅による「ウィズマークス」以降
実に6年ぶり(竣工年ベース)のことですから、その希少性も評価されます。
(ウィズマークス加古川駅前 平成22年竣工 地上14階建)
この立地での高齢者用施設はスベらないでしょうから、
あとは共同住宅棟低層部の商業施設のマネジメントが気になりますね。
純粋に事業前に立地していた店舗が戻って来るだけなのか、もしくは集客性のあるテナントを誘致できるのか、
これについては竣工してからでないとわからない部分もあります。
いずれにせよこの防災街区は駅周辺、ひいては市にとって大きなインパクトをもたらしています。
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