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孤立した村を尋ねてきた三流記者と彼を警戒する村の住民たちとの 拮抗した気力の戦いを緊張感あふれるように描いた映画 【キャスト】キム・ジョンフン → ソ・ユジュン 記者 ソンジン新聞社 チャ・ジホン → キム・ウニ 夜盲症の娘 ミョン・ゲナム → チャン・ギノ オス里(村)の里長(村長) イ・ジェポ → ハン・ドング 村人(里長取り巻き) 自動車整備士 チョ・ドクチェ → チェ・ヨンギル 村人(里長取り巻き) 自警防犯隊長 キム・ソンギ → イ・ジョングク 村人(里長取り巻き) 老人会会長 参戦勇士 キム・ジョンソク → パク・ナムシク 村人(里長取り巻き) ワンギ郡保健所長 【ストーリー】 懸命に命乞いする一人の男を殺害する男たち。その現場を隠れてシャッターを押すカメラマン。しかし写真を撮ることに夢中になっっていたカメラマンは、自分の背後に人影が近づいていることに気が付かない。振り下ろされるシャベル、血しぶきが飛び散る…。 一時は、純粋で正義感のある記者を夢見たが、今は、不倫と賭博の借金で崖っぷちに追い込まれ、取材で掴んだネタを脅迫材料にして日銭を稼ぐソンジン新聞社の三流記者ソ・ユジュン(キム・ジョンフン)。ある日、職場の先輩カン・ヒョンテの妻であり、自分の恋人であるハン・ジョンインから離別の告知を言い渡された彼は、不倫関係を清算して夫ヒョンテと愛を築きたいというジョンインの言葉を到底受け入れることが出来ない。 ユジュンは、彼女の夫を殺してでもチョンインを自分のものにしたいという決心で、ジョンインの夫、先輩カン・ヒョンテが取材をしに行った先を探す。彼が到着したところは、江原道の山奥に位置したファンギ郡シン面の<犯罪のない村、オス里>。先輩が取材で留まっているという話を聞いて尋ねてきたが、彼はどこにもいない。 オス里の里長チャン・ギノ(ミョン・ゲナム)や彼に従う村の男たちに尋ねても、そのような人は見たことがないという返事だけだ。帰路につくユジュンだが、弱り目にたたり目で、乗って来た車まで故障させ立ち往生することに。自動車整備士をしている親切な村人ハン・ドング(イ・ジェポ)の計らいで再び村に戻ってきたユジュンは、仕方なく何日間かこの村に留まることになる。 里長の許可が出て、寝場所が用意される。食事をしに来た飲み屋で、里長と彼に従う男たちと同席になり、酒を振る舞ってもらうユジョン。外部の人間が訪れるのが珍しいという理由で、何かと村に来た目的を探られるが、目的を言えるはずも無い。ユジュンが記者だと言うとどこか知らず気まずい雰囲気が流れる。飲み屋からの帰り、ほろ酔いで歩いていた彼は、里長の取り巻きの一人の奇妙な行動を目撃する。電柱に取り付けられた鍵のかかった謎の箱。電柱からは一軒の家に電線が延びている。入れ替わり立ち代わり男たちがその家に入っていき出ていくたびに謎の箱の操作をするようだ。そしてそのたびに、その家の電気は着いたり消えたりする。 暗くなったその家に一歩ずつ近づいていくユジュン。そして、彼は怪しい男たちと一人の夜盲症の少女ウニ(チャ・ジホン)のおぞましい“日常”を目撃することになる。純真ではない理由でこの<犯罪のない村、オス里>にたどり着いたユジョン、そして向き合うことになる怪しい男たちの気まずい真実。ウニにとって最後の光となるうるユジュンは、秘密を守らなければならない男たちの標的となる…。 ※この映画のモチーフになったのは、2012年に全羅北道 茂朱(ムジュ)郡で、同じ村の住人と青少年など7人が知的障害のある13歳の少女(最初の事件当時小学校4年生)を5年間に渡り常習的に性暴行していた事件。加害者が被害児童と同村内に居住し、すべて被害児童を幼い頃から良く知っていて、知的障害を持っていることを知った上で接近したものであり、車椅子に乗る身体障害者、被害児童の友人の祖父、被害児童の父親の友人までが加害者であったことがわかり、第2のるつぼ事件と言われ、世の中に大きな衝撃を与えた。 【感想】 はぁ…。 韓国映画の一つのジャンルと言ってもいい、実際に起きた陰惨犯罪事件モチーフ映画です。 ただし、この事件のモチーフとなった事件は、未解決ではなくて、加害者が検挙されています。 実際は、加害者の一人が利用していた身体障害者訪問ヘルパーの方が、 被害児童がいつも加害者宅にいることを不審に思い警察に通報したことがきっかけで発覚したとのこと。 たとえ映画の基本設定が完全フィクションだとしても、 よくもこんな残酷なプロットを思いついたな…と思うほど陰惨な内容なのに。 『野良犬たち』なんてタイトルじゃ足りないわね…。 とはいえ、です。 ここは映画作品としての感想板ですので、感想を書かせて頂きます。 日本で言えば、横溝正史的な… 韓国映画で言えば、カン・ウソク監督の『苔(邦題:黒く濁る村)』的な… ごく限られた密閉された人間関係のなかに、異分子が来ることにより、悪習が表ざたになる類の映画。 ただ、その異分子であるユジュンとて、正義の味方を気取れるような人間ではなく、 不倫関係を清算したいと言う恋人の言葉に激昂して、恋人の服を引き裂き行為に及ぶような男。 正義が悪を糾弾するのではなく、 映画館公開時のチラシには「真実が彼を動かす」という言葉が書かれていたそうですが、 犬野郎が野良犬たちの蛮行を見て野良犬になる前に引き返す話、というか。 そんな気配です。 まったく話が飛びますが… 「犬」が入ったタイトルと、ユジュンが車の故障で村にたどり着くあたり、 昔々観た『狗神』という日本映画をふと思い出しました。 で、思い出しついでに、犬は近親交配する生き物だということが『狗神』の1つの軸だったんですが、 なんだかね…そんなこんなで『狗神』がよぎった次第です、はい。 ま、韓国では犬が付く言葉の侮辱語はわんさかありますからね。 日本にも犬畜生にも劣る、って言葉がありますが。畜生=(俗語転用)獣のような生き方をする人間。 映画感想に戻ります。 おそらく、いや間違いなく低予算映画であろうこの映画。 監督さんも第1作目のようですし、社会派映画を撮りたかった意気込みは十分に感じます。 不条理な世の中への怒りや世間への啓発も含めて、熱い志があったことは間違いないでしょう。 ただ、映画として提供することと、社会への啓発と言う熱い想いが、 幾分、空回りしたんじゃないかな、と感じます。 映画として提供するには盛り上げが必要なため、ジュユンに探偵役割を持たせたんでしょうけども、 村に異分子が入り込んでいる状況での、村人たちの警戒感が非常に希薄です。 別の言い方をすれば、それが村人たちには日常的であるが故、 習慣は異分子の1つごときの侵入では変えられない、モラル欠如が蔓延していることでもありますが。 実際の事件の発覚経緯が経緯だけに、あえてこのスタイルだったのかもしれませんけどね。 う〜〜〜ん。 結論から言うと、実際の事件をモチーフにした場合、 存在しない人物を主役にしてしまうと、非常に内容が薄まる感じがします。 実際事件の映画化で有名なところといえば、 3大未解決事件の映画化(『殺人の追憶』、『カエル少年殺人事件』、『あいつの声』)ですが、 ドキュメンタリーではないのでフィクションが入っていることが当然とわかっていながらも、 主人公のモデルになった人物が存在していて、事実関係をちりばめながら、独特の解釈をしてます。 一方、この映画は、ショッキングな実際事件の概要をなぞっていながらも、 主人公がまるっきり架空の人物であるので…なんとなく…共鳴感が薄いのですよ。。。 端的に言って、誰にスポットが当たっているのか焦点が絞れない感じ。 サスペンスにしては、村人たちの危機感が薄くてマヌケですし… 復讐劇にしては、感情の高ぶりが唐突ですし… なんだかね、全体的に、ボワ〜〜ッとした感じなんですよね、オイラが思うに。 役者さんたちの好演は感じますので、バッサリ切り捨てる気にはなりませんけども… 監督さんの今後の修練を期待します。 最近、ほったらかしにしすぎた映画感想書いてみようと思って書き始めたんですけど…
たて続けに重い映画の感想を書いたら、なんだか精神的に滅入ってきました^^; 次はもうちょっと楽しい映画の感想にします^^ …な〜んて言っといて『ファイ』書いたりしてね………。書きません!(笑) ではまた♪ |

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