艮斎先生研究室

安積国造神社社家の三男に生まれた安積艮斎先生に関して調べております。

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NHKの大河ドラマ「西郷どん」(第29回「三度目の結婚」)を視ていたら、史跡紹介のコーナーで、安積艮斎の著作『洋外紀略』の島津久光写本が登場した。『洋外紀略』の表紙と「ニューヨーク」のところが出たのである。
著者名をテロップで入れないのはまことに残念なことだが、艮斎の著作が出たことは喜ばしい。

平成28年に『洋外紀略』の訳注書を明出版社から出版しているが、「西郷どん」効果で読む人が増えればと願う。

久光は「西郷どん」の中では随分酷く描かれているが、本当は立派な人で、島津斉彬の後継者として功績を立てた。安藤優一郎氏『島津久光の明治維新』に詳しい。

久光が全文を写した『洋外紀略』は、鹿児島大学の所蔵である。他にもあちこちに写本が存在する。吉田松陰の親友・那珂梧楼の写本、久坂玄瑞家写本なども『国書総目録』に載っている。総目録には30種近く記されている。私は3種の写本を、古本屋から入手した。艮斎の生家には伝わらなかった。

『洋外紀略』は、軍艦建造を提言し、また貿易の有効性を示しているので、当時は出版できるものではなかった。皆こっそり読んで、写本したのである。

艮斎がなぜ外国の事情に詳しかったかと言えば、漢籍から情報を取ることができたからである。清国では、キリスト教の宣教師たちが、西洋の書物を漢訳して紹介していた。いわゆる漢訳洋書である。

一般には、洋学者だけが西洋事情を吸収して、漢学者はそれを阻害したように思われている。保守的な漢学者もいたが、艮斎など開明派の漢学者もいたのである。

昨日、8月4日は、二松学舎大学で第2回の漢学者記念館会議が開催され、全国各地の記念館の方々や大学の先生たちと情報交換をしてきた。
安井息軒、咸宜園、泊園、山田方谷、芦東山等、皆行政・大学が手厚くサポートしている。
昨年第1回は岡鹿門の曽孫を、今回は尾藤二洲の八世孫を皆様に紹介した。

日本の近代は西洋を真似して形成されたと思われているが、実は日本漢学の力が大きかった。それを示すために集まっているのが、この会議である。
安積艮斎『洋外紀略』も、漢学の底力を示すものである。
芦東山『無刑録』もそうである。西洋の法律が入ってくるはるか前に、西洋よりも新しい刑法を説いたのだから。

芦東山記念館は、一関駅から30劼阿蕕い里箸海蹐砲△襦7月末、盛岡で全国神社保育団体連合会東北北海道地区大会があり、その帰途立ち寄った。
昨年の漢学記念館会議で知り合った専門調査員の張氏から、懇切な説明をいただいた。

ともかく、漢学者記念館会議が永続発展し、漢学の価値が正しく認識されてゆくことが望まれる。

そうそう、二松学舎大学の王先生が、川之江の尾藤二洲顕彰会が中国の杭州市の西湖に詩碑を建立したと教えてくださった。

ネットに、建碑の経緯の記事があった。

中国・西湖のほとりに建立−−2006年4月24日除幕
 四国中央市の川之江出身の尾藤二洲(1747〜1813)の詩碑が、ゆかりの中国・杭州市の西湖のほとりに建立され、24日、除幕式がある。尾藤二洲顕彰会(川端輝一会長)が1年半掛かりで働き掛けてきた。顕彰会は04年8月から、中国・杭州市に詩碑の建立を打診。二洲が尊敬していた北宋の詩人・林和靖が晩年を過ごした土地で、杭州側から調査団も四国中央市を訪れ昨年末、西湖博物館の敷地内に高さ1・4メートル、幅2メートルのだ円型の石碑が建立された。
 碑は二洲が和靖の生き方をたたえて作った「梅花五言古詩」、日本語と中国語、英語で説明文が記されている。
 除幕式には同顕彰会の会員や井原巧・同市長など25人が訪れる。川端会長は「昨年は反日運動もあったが、『こんな時代だからこそ、日中友好が必要』と快く協力していただいた。二洲の夢を実現するとともに、日中文化交流の架け橋としたい」と話している。
 顕彰会は寛政の三博士とされる二洲の業績を伝える民間組織で01年に設立。川之江の生誕地に碑を
建立するなど顕彰活動を続けている。

梅花 尾藤二洲

此花花中選   此の花は花中の選
人能儔汝誰   人能く汝に儔(たぐ)うは誰ぞ
一従孤山辺   一たび孤山の辺に従わば
風情独自知   風情 独り自ら知らん
吾愛其羚   吾其の羚發魄Δ垢襪
而未能相随   未だ相い随うこと能わず
早晩解塵伴   早晩 塵伴を解きて
就汝野水湄   汝に野水の湄(ほとり)に就かん

孤山 「孤山処士」は林和靖を言う。『宋史』に、「林逋、字は君復、杭州錢塘の人、江淮の間に放遊し、之を久しくして杭州に帰り、廬を西湖の孤山に結ぶ」とある。林逋は妻子をもたず、庭に梅を植え鶴を飼い、「梅が妻、鶴が子」といって笑い、行書が巧みで画も描いたが、詩を最も得意とした。

塵伴 世俗、妻。


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