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この寺は自然の岩山や岩窟と一帯となっているようにつくられている。参道をのぼり山門をくぐると、 そこは外部とはまったく違った景観が広がっている。(五木寛之「百寺巡礼」第二巻北陸 13那谷寺) 那谷寺(ナタデラ)の山門をくぐり参道を100mほど行くと、パッと開け、雪吊りの樹木が林立していた。 その左側は池があり、その対岸は奇岩の岩壁となっており、いくつかの洞窟がえぐられて、中は石仏や 石塔が安置されている様であった。 「奇岩遊仙境」と言い、観音浄土補陀落山を思わせる。 岩は太古の噴火の跡と伝えられ、長い年月に洗われ、今日の奇岩が形成されたそうである。 洞窟へ巡拝のための階段や通路がつくられているが、冬場の雪の所為であろうか、立ち入り禁止になって おり、遠くから眺めるだけであった。 那谷寺は山号を自生山と号し、高野山真言宗別格本山の寺院であるが、地理的にも、歴史的にも白山信仰 と結びついた寺院である。 養老元年(717)「越の大徳(タイトコ)」と呼ばれた泰澄(タイチョウ)によって開創された。 泰澄は、夢告により、白山に上ると、目の前に、白山神の本地仏である十一面観音が現れた。 泰澄は霊夢に現れた十一面千手観音の姿を彫り岩窟内に安置し、自生山岩屋寺と名付けた。 また、泰澄は吉野山から「自然智(ジネンチ)」(大自然を神として拝み、自然の中で瞑想しながら、生まれな がら持っている智を覚醒させる)の教えをもたらしたと、言われている。 この様な信仰ののもと、白山修験者等の手によって岩窟がつくられたと思われる。 向かって右端岩壁の中腹の岩窟に、信仰の中心・岩屋本殿(重文)が建っている。 |
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2013年01月15日
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