ぶらりぶらり見て歩記

最初の目論見とは異なり、最近は寺社巡りが主になりました(^o^)

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さては相違なし、義貞朝臣の頸なりけり。  −−中略−−

屍骸をば輿に乗せて、時衆を添へて、葬礼追善のために往生院へ送られ、頸をば朱の唐櫃に入れ

氏家五郎を付けて京都へぞ上せられける。」 (「太平記」巻第二十 足羽合戦義貞自害の事)


丸岡城から数キロの処に称念寺というお寺に新田義貞の廟所があるというのでいってみた。

普段なら歩いて行くところだが、炎天下でとても歩く気がしない。

そこでタクシーで行ったが、タクシーは称念寺近くでうろうろしている。

門前が工事で入れないというのだ、そこで裏側の霊園側から境内に入った。

称念寺は正しくは「長林山往生院称念寺」と云い、時宗の寺院である。

養老5年(721)泰澄の草創と伝えられるがその後衰退していた。

正応3年(1290)時宗の二代目遊行・他阿真教上人を慕った当時の称念坊が、建物を寄進して時宗の寺となっ

た。

その後、称念寺は「長崎道場」とも呼ばれ、北陸地方の時宗の中心となった。

南北朝の争乱時代、南朝方として戦った新田義貞は建武5年(延元3年、暦応元年 1338)灯明寺畷の合戦で

戦死した。

足利高経の計らいにより、遺骸は時宗の僧によって称念寺に運ばれ手厚く葬られたことが「太平記」に記

されている。

長禄8年(1458)8代将軍足利義政が安堵状と寺領を寄進し、将軍家の祈祷所とした。

寛正6年(1465)後花園天皇の綸旨を受け天皇家の勅願寺となり、更に後奈良天皇の頃(1526〜1557)には住

職が上人号を勅許されるなど寺運は隆盛をきわめた。

永禄5年(1562)浪人中の明智光秀が頼ってきており、門前で寺子屋を建て生活したが、やがて称念寺住職

の計らいで朝倉家に仕官したといわれる。

その当時の光秀と妻は愛情に包まれていた様で「黒髪伝説」として伝えれられており、

後に訪れた松尾芭蕉が、それを基にして句にした。

境内にそれを刻んだ芭蕉句碑があった。

新田氏が徳川将軍家の祖先にあたることからその菩提所は大切に扱われた。

しかし、明治の版籍奉還により寺領は没収され、無檀家になり無住となった。

大正13年(1924)再建されたが、昭和23年(1948)福井大地震で壊滅的打撃を受けたが、関係者の努力により

今日の姿に復興している。

イメージ 1   新田義貞贈位碑
鉄筋コンクリート造りの本堂の前に建つ
上部が欠けているは地震の所為であろうか?




イメージ 2

                                 義貞公墓所唐門
唐門奥に義貞の墓所がある。
因みに、京都に運ばれた頸は,京都嵯峨野の滝口寺に葬られている。



イメージ 3   義貞公墓所
天保8年(1830)義貞500回忌にあたり福井藩8代藩主・松平宗矩が旧墓石を埋めて、その上に高さ2.6m余りの大きな五輪石塔の墓を建てた。




イメージ 4   芭蕉句碑
「月さびよ 明智が妻の 咄せむ」
と刻まれている。
この句の出典は隣の碑から「続蕉影余韻」所収の「真蹟懐紙」と思われる。



イメージ 5   芭蕉句碑2
「月さびよ 明智が妻の はなしせむ  はせを
将軍明智が貧のむかし、連歌会いとなみかねて詫侍れば、其妻ひそかに髪をきりて、会の料にそなふ。
明智いみじくあはれがりて、いで君五十日のうちに輿にものせんといひて、やがていひけむやうになりぬとぞ」と刻まれている。
「真蹟懐紙」では続いて又玄子妻にまいらすとある。
「おくのほそ道」を終えた元禄2年と思われる伊勢参宮のおり、貧しいながらも夫婦そろって歓待してくれた山田又玄(ユウゲン)に「今は不遇かもしれないが、明智光秀とその妻もあるではないか、その話をしてあげようか?同じようにすばらしい奥さんがいるではないか」と言って慰めたのであろう。

その辺りの経緯が「芭蕉庵小文庫」や「俳諧勧進牒」などにもみられる。

伊勢国又玄が宅にとどめられ侍るころ、其妻の男の心にひとしく物ごとまめやかに見えければ

旅の心をやすくし侍りぬ。かの日向守が妻 髪を切りて席をもうけられし心を、いまさら申出て

  月さびて 明智が妻の 咄せむ    ばせを」 (中村史邦編「芭蕉庵小文庫」下 穐之部) 



イメージ 6   二重の塔
境内に奥に建っていた。
詳細不明 趣があったので写真に収めた。

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