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小塩山

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4月の謡跡探訪会は小塩山でした。
毎年この時期、どこの桜を訪ねようかと思案。

昨年は根来寺、

昨年も今年も下見のときは
当日満開と予測するのに
なかなか予測どおりにいかない。

今年は下見から一週間再び冷えこんで
桜はようやく四分咲きくらい。

けれど十輪寺(別名業平寺)の
枝垂桜は見事に満開で
迎えてくれました。

「小塩」の原典は伊勢物語。
業平若かりし頃の道ならぬ熱い恋へのオマージュとでもいいましょうか…


身分違いの高子さんと恋に落ち、
背負って盗み出すほどの情熱。
けれど政略のため仲を裂かれて
ひとり彼女を想って詠んだのは
「月やあらぬ 春や昔の春ならぬ わが身ひとつはもとの身にして」
私の心だけはあのひとから離れやらずいるのに…!という切ない歎き。

そして月日は過ぎ、高子さんは後の清和天皇に入内。
藤原氏の氏寺を京都に勧請した
大原野神社への行幸に、在原業平は警護のひとりとして
お供したのです。

そのとき業平、五十余歳。

高子后へ和歌を奉りました
「大原や 小塩の山も今日こそは 神代のことも思いいづらめ」


藤原氏の女性がこの神社に行幸したこの日、
小塩山もかつて春日明神がこの世に降り立たれた日のことを
思い出したことでしょう。

と、いう意味に自らの昔の恋を重ね合わせて…

神代のこと、というほどに遠く、尊い思い出となった恋の色は
小塩山のほのかな桜色のように
懐かしく胸にしみいるのです。

花も、忘れじ。心や小塩の、桜に結べる夢か現か、世人定めよ…


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