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昨日に引き続き、787のアウトソーシングの問題について取り上げます。 ボーイング社の787プロジェクトに見るアウトソーシングべからず集 By Ann All 大幅に引渡しが遅延している787ドリームライナーを市場に送り出そうとして いるボーイング社の労苦は、アウトソーシングでやってはいけない事に関する 格好の入門書を読む様なものである。私は、2007年末以降何度か、ボーイング 社を取り上げており、最近では、2009年9月に、ボーイング社のガバナンスの 欠如について書いている。 http://www.itbusinessedge.com/cm/blogs/all/governance-not-location-is-key-to-outsourcing-as-boeing-shows/?cs=36011 ボーイング社は、787の構成部品の設計と生産の多くを社外にだし、シアトルの 製造施設では、その組立だけを行う事を希望した。私は、最近までドリームラ イナーのプロジェクトについて深く考える事はなかったが、ロサンゼルス・タ イムズの記事を見るとボーイング社のアウトソーシング問題は、今まで私が論 じてきた問題点と、論じなかった問題点が含まれている様に見える。 ロサンゼルス・タイムズの記事と私の以前書いた意見に対するコメントを見る と、ボーイング社の犯した間違いには以下の様なものがあげられる。 ●不十分なデューデリジェンス(サプライヤーの適正評価) ロサンゼルス・タイムズの記事によれば、少なくとも一つの主要なサプライヤ ー(訳注:ボート社の事)は、アウトソーシング契約を受託するまで、エンジニ アリング部門を社内に保有していなかった。私が引用した記事の中で、あるボ ーイング社の重役は「我々は、人々の能力に関して間違った主観的判断を行っ てしまった」という言葉をその引き合いにだしている。 ●透明性の欠如 ロサンゼルス・タイムズの記事は、787計画のトップであった人物の以下の発言 を引き合いにだしている。「問題は、下請け業者が二次下請け業者を使っている 部分で累積していった。幾つかの二次下請け業者は、生産割当てを満足する事 が出来ず、生産に隙間をつくり出した。そして、場合によっては、部品同士が ぴったりと合わなかったが、その問題はシアトルで組み立てられるまで、発見 されなかった。」 ●リスクバランスの不適切 アウトソーシングに関して段階的に行う事なく、ボーイング社は、大躍進的に 一度にそれを実施した。ロサンゼルス・タイムズはボーイング社の技術者が参 加している航空専門技術者雇用協会の統計数字を提示しているが、787では30 パーセントが外国産部品であるのに対し、747でのそれは、5パーセント強であ った。ボーイング社は、部品の製造者に製造を依頼するだけでなく、その設計 作業の多くを行う事を依頼している。新しい部品供給者や部品供給プロセスで は不十分であるかの様に、ボーイング社は、炭素複合材製の胴体という新しい 要素をその上に付け加えた。 ●核心技術のアウトソーシング ボーイング社が最後まで社内に確保しようとした作業は、最終組み立て工程だ ったが、それは航空機製造産業では最も付加価値の低いものだった。その一方 ロサンゼルス・タイムズが指摘する様に、部品供給者は、機体の寿命が続く限 り、部品を製造して利益を上げる事ができる。 ●問題発生を未然に防がない 問題が累積し始めてからも、ボーイング社はアウトソーシングに資金を投入す るだけで、作業を社内に戻す事をしなかった。(訳注:ボート社の工場を買収し た点は、仕事の社内化と言える様に思われる。) (ITBusinessEdge 2011/02/21) |
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