環球閑話時事の徒然

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日本の失敗という神話

1990年のバブル崩壊からこの方、「失われた十年」あるいは「失われた二十年」という言葉で
日本のデフレ克服の失敗が揶揄される事が多いのですが、果たしてその実態はどうだった
かという点を指摘する論評がNew York Timesに掲載されました。New York Timesは、日本
については辛口の論評が多いのですが、その中で、こういった論評が出る事に面白さを感
じます。日本のマスコミも日本の現状についてシニカルな見方をしている事が多い訳です
が、シニシズムは何も解決する事はありません。悲観的な状況の中でも明るい面を見る事
で、問題点を克服すべきではないかと思うのです。
それでは、以下に「日本の失敗という神話」の記事のサマリーをご紹介します。

"The Myth of Japan's Failure" By EAMONN FINGLETON Published: January 6, 2012
http://www.nytimes.com/2012/01/08/opinion/sunday/the-true-story-of-japans-economic-success.html

アメリカ経済に関していくつかの小さな楽観的なサインはあるにせよ、失業率は引き続き
高止まりしており、経済はなお失速状態にある。アメリカ人は再三再四に亘って日本の失
敗を繰り返すなと警告されている。例えば、CNNのアナリストであるデビット・ジャーゲン
は日本の事を「士気が挫かれた国で、実際に後退状態に陥っている」と表現している。
しかしながら、この表現は、ある種の神話であると言って良い。多くの視点から見れば、
1990年1月に始まる、いわゆる「失われたニ十年」に於ける日本経済は、寧ろ良好な状態で
あったと言って良い。いくつかの最も重要な指標で日本はアメリカを凌駕している。
金融面でのバブル崩壊にも係わらず、日本はますます豊かなライフスタイルを国民に提供
する事に成功しており、その全期間に亘って、傑出した成功であると言って良い程である。
日本の地価や株価がバブル時代の気狂いじみた高値に戻ることがない事は勿論事実だろう。
しかし、日本経済と国民に力がある事はいくつもの方法で示す事ができる。そして、それ
らの事実や指標は、新聞のビジネス欄で笑いの種になっている国のイメージとは全く異な
るものである。

●日本の平均寿命は、1989年から2009年の間に、78.8歳から83歳へ4.2年増加した。これ
は典型的な日本人はアメリカ人より4.8年長生きである事を意味する。これを実現した源は、
より良い健康保険制度である。
●日本はインターネットインフラについて大きな前進を達成している。1990年代の半ばま
では、大きく立ち遅れていたが、今では全く異なっている。調査会社によれば、現在、世
界で最速のインターネットサービスが提供されている都市ベスト50の内、38が日本に
ある。ちなみにアメリカには3つしかない。
●1989年末から計った場合、円は米ドルに対し、87%上昇し、英ポンドに対しては94%上昇
した。円は、伝統的に通貨の鏡と言われるスイスフランに対してすら円は上昇している。
●失業率は4.2%で、これはアメリカのおよそ半分の数値である。
●世界の主要なビルを纏めているwebサイトである skyscraperpage.comによれば、日本の
「失われたニ十年」が始まってから、東京には500ft(152m)以上のビルが81棟建設されたが、
同じ期間にニューヨークでは64棟、シカゴでは48棟、ロスアンゼルスでは7棟だった。
●日本の経常収支の黒字は2010年に1960億ドルで1989年の三倍となった。アメリカの経常
赤字は同じ期間に990億ドルから4710億ドルにふくれあがっている。また、1990年代には
中国の台頭による主要な敗者は日本で、主要な勝者はアメリカとなると予想されたが、実
際にはそうなっていない。日本の対中輸出は1989年の14倍に増加しており、日中貿易は、
概ね均衡している。

普通のアメリカ人旅行者が「失われたニ十年」論が誤りであると体感するのは、日本の空港
に足を下ろした時である。彼らが出発するのが、ケネディ空港やダラス空港と言ったアメ
リカのインフラ建設衰退の悪しき象徴であるのに対し、降り立つ日本の空港は、近年、大
幅に拡充され近代化されているからだ。日本を久しぶりに訪れた米国人アナリストは、
「アメリカで日本について書かれたものを読むのと日本に来て見るものとの間には非常に
大きなギャップがある」「日本人はアメリカ人より良い衣料を着ており、町を走る車も高
級車や新車や多い。(アメリカでよく目にする)捨てられたペットも見ないし、物理的なイ
ンフラはますます良くなっている」と述べている。

もし、日本が経済的に本当に傷ついているとすれば、一番それが明白に現れるのは、高価
なハイテク機器の普及スピードの低下だろう。しかし、日本は首尾一貫して、高価なハイ
テク製品が世界で最も早く普及する国であり、普及が遅いのはアメリカである。例えば、
携帯電話の普及では、1990年代の終わりの段階で、日本はアメリカより2〜3年進んでお
り、それ以来、その開きが縮まっていない。
さらに日本の優位の多くは量の問題と言うより質の問題であるという点がある。例えば、
日本の外食文化である。ミシュランガイドによれば、東京には世界的にトップランクのレ
ストランが16あり、それに続くのはパリの10ヶ所である。同様に、ミシュランレーティン
グ全体でも、日本はフランスを凌駕している。しかし、これはGDPで言えば何に反映でき
るのだろうか。同様の問題は、日本の健康保険制度の改善をどの様に数値的に表すか、
また、ここ20年の日本の環境面での大きな改善についてどう数値化するかという問題もある。

日本は、教訓としてではなくモデルとして取り上げるべきである。もし、ある国が意思統
一を行う事ができれるのであれば、一番見込みがない状況であってもそれをチャンスに変
えることができる。社会インフラの整備は、しばしば与野党を超えた協力が必要となるが、
このような政治的協力は、大恐慌克服の象徴的プロジェクトであるフーバーダム建設の様
に過去アメリカの政治システムでも実行された戦略でもある。その点、社会インフラを常
にレベルアップしている日本はある種の将来展望を示しているのかも知れない。
全般的には、状況は引き続き非常に深刻という評価は変わっていま
せん。しかし、原子炉本体の状態は、かなり安定してきているよう
に見えます。心配されていた1号機の温度は30度から50度も低下し
ていますし、圧力容器底部の温度も安定しています。2号機はまだ、
140度ありますが、3号機は100度を切っており、冷温停止の状態に
近づいてきています。放射能も汚染水を排水した排出口の近く以外
では全般的に低下してきています。空気中の放射線密度も、ほぼ平
常に戻っています。但し、原発近くの地表汚染は、まだ、かなり高
いレベルにあると言える様に思います。

新聞では、良い事は報じませんが、東京電力と原子炉メーカー、協
力企業の事故対応は、悪化を食い止める点では、功を奏してきたと
言える様に思います。原子炉修復作業にあたっている名もなき、多
くの技術者や作業員の皆さんの努力に敬意を表する次第です。


IAEA(国際原子力機関)による福島第一原発に関する4/06付ブリーフィング

日本政府はIAEAに対し、東京電力に福島第一原子力発電所1号機の主格納容器
(PCV)へ窒素を注入開始する事を許可したと通知した。窒素の注入は、これに
より爆発の危険性のある水素と酸素の可燃性の組み合わせから、原子炉格納容
器内の酸素を窒素に置き換える為のものである。

1.現在の状況
福島第一原発の全体的な状況は引き続き、非常に深刻なものである。

東京電力は、二号機のタービン建屋から海へ汚染された水が漏出した経路を特
定した。この漏洩には海水取水ポンプを活用する為や原子炉、タービン建屋へ
の水の供給に使用される一連の水路やトンネルが介在していた。4月4日に、汚
染水がどこから来ているのか特定する為の追跡剤が使用された。追跡剤は、新
しくピット(竪穴)の近くに掘削されていた穴二つにも注入された。 4月5日に
は追跡剤が亀裂から海に漏洩した事が確認された。液体ガラス製の凝固剤が水
漏れをブロックするためにピットの周りに掘削された穴に注入された。これに
より、漏水は、4月5日20時38分(UTC)には停止していることが報告された。
海への更なる漏洩を防止するための作業が続けられている。

東京電力の4月4日付のプレスリリースによれば、汚染物処理プラントから一万
トンの水と、5号機、6号機の地下に貯蔵されていた1500トンが、より汚染度
の高い汚水をより安全に貯蔵する為に、海に排出された。海への放出は4月4日
の各々10:00(UTC)12:00(UTC)に開始された。東京電力は、この排水により、こ
の水域から取れた海藻や魚を1年間食べ続けた場合は、通常より0.6mSv被曝線
量が増加すると推定している。但し、漁船を含む全ての船舶は、海上保安庁に
よって設定された原発から30km圏内の制限エリア内の航行は制限されている。
また、福島県によれば、原発から30kmのゾーンを超えた場所でも漁業は再開さ
れていない。

1号機では、給水ラインを使用して指示流量6立方メートル/時の真水が継続的
に原子炉圧力容器に注入されている。この注水には外部電源を使用した仮設の
電動ポンプが使用されている。2号機と3号機に関しては、真水の注入は、消
火ラインを使って毎時各々8立方メートルと7立方メートルの割合で行われてい
る。これらの注水には外部電源を使用した仮設の電動ポンプが使われている。

1号機の圧力容器の給水ノズルの計器指示温度は、234度から222度に低下した。
また、原子炉圧力容器の底部の温度は、115度で安定している。原子炉圧力の
計測"B"は原子炉圧力容器内の圧力が増加している事を示しているが計測機器
"A"は安定していることを示している。原子力安全保安院は、原子炉容器内の
いくつかの装置が正常に動作していない事を示唆している。ドライウェル圧力
は安定している。 2号機では原子炉圧力容器の給水ノズルで指示温度は141度
で安定している。原子炉圧力容器の底部の温度が報告されていない。ドライウ
ェルの指示圧力は大気圧のままである。3号機の原子炉圧力容器の給水ノズル
の指示温度は85度で原子炉圧力容器の下部は約115度で安定している。

4月4日に二号機の使用済み核燃料プールに、使用済み燃料冷却系を通じて、新
たな水が追加された。これは仮設ポンプによって行われた。

3号機の計測用の電源は、利用可能となっている。

4号機、5号機、6号機と共通使用済み核燃料貯蔵施設については変化はない。

2.放射能モニタリング

4月5日には、ヨウ素131とセシウム137両方の低レベルの蓄積が各々5県及び7
県で認められた。ヨウ素131の値は、平方メートル当たり12〜40ベクレルで、
セシウム137は、3.6〜41ベクレルだった。
4月6日のガンマ線線量は前日と比べ大きな変化はない。3月23日以来、減少傾
向にある。45都道府県でのガンマ線線量は、0.02〜0.1マイクロシーベルト/時
だった。ある県では、0.16マイクロシーベルト/時だった。この値は、自然背
景放射線量である0.10マイクロシーベルト/時に等しいか、若干高いだけである。

4月4日に、幾つかの県で、飲用水にヨウ素131とセシウム137が検出された。
いずれの値も、飲用水としての使用を制限する設定値からは、はるかに低いレ
ベルである。4月6日現在、ヨウ素131の乳幼児に関する規制勧告が適用されて
いるのは福島県の一つの村だけである。

4月6日に、IAEAの観測チームは、福島原発の23km南から39km南西の7つの場所
で測定を行った。観測された線量は、0.04〜2.2マイクロシーベルト/時の範囲
だった。同じ地点で、ベータ、ガンマ線汚染量は、平方メートル当たり、0.03
〜0.36メガベクレルだった。

昨日のブリーフィング以降、4月5日に日本の厚生労働省から、食品の放射能汚
染に関するデータが提示された。これらの分析結果は、合計41のサンプルに
ついてであり、その内訳は、3月24日が1サンプル、3月30日が1サンプル、
4月1日が1サンプル、4月2日が9サンプル、4月4日が29サンプルだった。
8つの県(千葉、福島、群馬、茨城、神奈川、新潟、埼玉と東京)で採取された、
様々な野菜、果物(イチゴ)、鶏肉、鶏卵と未処理の生牛乳の分析結果は、41種
類中、40種でヨウ素131、セシウム-134、セシウム-137は見つからなかったか、
あるいは、当局によって設定された規定値以下の値だった。しかし、茨城県で
4月4日に採れたイカナゴは、セシウム-134、セシウム-137の値が、当局によっ
て設定された規定の値を上回った。

東京電力は、沿海でのサンプル収集と表面海水のサンプル収集に責任を負って
いる。第一原発の1号機〜4号機の海岸近くの採取場所の共同排水口から330m
離れている。5号機と6号機の海岸近くの採取場所は共同排水口から30m離れ
ている。

排出口近くからのサンプルは日次で収集されている。4月3日まで、全般的な減
少傾向が見られた。しかしながら、4月4日の汚染水の排出の後、ヨウ素131は、
9:00(UTC)の11kベクレル/Lから14:00(UTC)の41kベクレル/Lに増加した。また、
セシウム134と137についても、9:00(UTC)の5.1kベクレル/Lから14:00(UTC)の
19kベクレル/Lへの増加が検出されている。

海岸から離れた海域からの観測データについては新しいデータが公表されてい
ない。

3.IAEAの活動について

日本にいるIAEAのBWR技術の二人の専門家は、彼らの任務を遂行中で、今週末
の東京電力との会議に参加する三番目の技術者が加わる予定である。観測船
「みらい」によるサンプル採取活動に参加していたIAEAのモナコ環境研究所の海
洋技術者は、今週、ウィーンに戻る予定である。


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http://space.geocities.jp/ash1saki/
福島第一原発の状況は、新聞やインターネットでの報道を見ると、
一見すると全くの混乱状況を示しており、大規模な放射能汚染が避
けられず、お先真っ暗の様にも見えます。

昨日の私のエントリーに対する反応で興味深かったのは、普段は冷
静な議論をされる方でも、現状では、5〜6号炉の運転は、国民
「感情」が許さないと述べられていた点です。つまり、現状はマスヒ
ステリー状態にあると考えざるを得ないのです。

これは、マスメディアも同様で、日経新聞すら、この際、効果が出
るか出ないかわからなくても、サマータイムをやってしまえと述べ
た程です。(なお、サマータイムはIT関係への影響が極めて大きく、
完全な対応には数年間数千億円がかかると見られています。もし、
強行すれば、社会の混乱に拍車をかけるに違いありません。)

さて、その様なマスヒステリーの中で、どの情報を信頼するかとい
うのが今日のテーマです。東電も政府も信頼できないというのが一
般心理なのであれば、それ以外の信頼すべきソースの情報としてIAEA
(International Atomic Energy Agency)のデイリーアップデートを
お勧めします。

URLは以下の通りです。

IAEA Fukushima Nuclear Accident Update Log
http://www.iaea.org/newscenter/news/tsunamiupdate01.html

英語は弱いという方には、非公式な日本語版があるようです。
私のコンピュータでは、何故か読む事ができません。試しに、IAEA
の3/31のログを訳しましたので、これと大差なければ、信頼できる
と思います。

IAEAに比べ、内容はやや煩瑣ながら、よく纏まっているのは、原子
力安全保安院のプレスリリースです。保安院も、評判が芳しくあり
ませんが、流石、専門家でもありレポートは信頼できる様に思いま
す。(IAEAのレポートと比べても内容に大きな相違点はない様に思
います。)

原子力安全・保安院 東北地方太平洋沖地震の影響について
http://www.nisa.meti.go.jp/20110311info.html

IAEA(国際原子力機関)による福島第一原発に関する3/31付ブリーフィング

1.現在の状況
福島第一原発の全体的な状況は引き続き、深刻なものである。

一号炉の復水器は満水である。一号炉のタービン建屋の地下室から一号炉の復
水器への排水は、3月28日22時30分(UTC:グリニッジ標準時)に停止された。
二号炉と三号炉のタービン建屋の地下室の水を除去する準備の為、復水器から
サプレッションプールあふれ水タンクへの排水が各々、3月29日7時45分(UTC:
グリニッジ標準時)と3月28日8時40分(UTC)に開始された。

一号炉に関して、原子炉圧力容器への真水の注入は、給水ラインを通じ、毎時
8立方メートルの割合で継続中である。二号炉に関しては、真水の注入は、
消火系統を使って毎時8立方メートルの割合で行われている。三号炉について
も炉心に消火系統を使って毎時7立方メートルの真水の注入が行われている。
これらの排水にはディーゼルバックアップ付きの仮設の電動ポンプが使われて
いる。

一号炉圧力容器の給水ノズルの計器指示温度は、281度から251度に低下した。
また、原子炉圧力容器の底部の温度は、134度から128度に低下した。これは、
ドライウェルでの若干の圧力低下や圧力容器内の圧力低下と調和的である。
ニ号炉圧力容器の給水ノズルの計器指示温度は、177度から181度に上昇した。
原子炉圧力容器の底部の温度は、発表されていない。ドライウェルの圧力は、
通常の大気圧のレベルに留まっている。三号炉圧力容器の給水ノズルの計器指
示温度は、89度で原子炉圧力容器の底部の温度は、114度だった。格納容器の
給水ノズルの計器指示温度の妥当性については引き続き調査中である。

3月29日から行われると伝えられていた生コン圧送機を使った一号炉使用済み
燃料プールへの注水については、情報がない。二号炉の使用済み燃料プールへ
の注水を行っていた仮設電動ポンプが故障した。使用済み燃料プールへの給水
は消防自動車のポンプに切り替えられた。しかし、3月30日の4時10分にホース
に亀裂が発見された。使用済み燃料プールへの注水は、これにより停止された。
生コン圧送機を使った四号炉の使用済み燃料プールへの注水については、30日
9時33分に完了した。

五号炉と六号炉については冷温停止中である。

2.放射能モニタリング

3月30日には、ヨウ素131が8つの都県で、またセシウム137が12の都県で見つか
った。3月30日に、ヨウ素131が見つかった県の報告では、線量は平方メート
ル当たり2.5〜240ベクレルの範囲だった。セシウム137については、平方メー
トル当たり3〜57ベクレルの範囲だった。東京の新宿区での3/30の日次チェッ
クでは、ヨウ素131とセシウム137の線量の合計は、平方メートル当たり30ベク
レル以下だった。45都道府県でのガンマ線線量は前日と比べ大きな変化はなか
った。

過去に導入された飲料関係の規制は殆ど解除された。3月28日現在、ヨウ素
131に関する規制勧告が適用されているのは福島県の四つの村だけであり、そ
の内、三つの村は、乳幼児に関する規制のみが適用されている。

2つのIAEAチームが、現在、日本で環境の放射線濃度と放射能をモニターして
いる。3月30日に、1つのチームは、東京地域の7つの場所の、ガンマ線汚染量
を測定した。測定されたガンマ線量率は毎時0.03〜0.28マイクロシーベルトで、
背景放射と同等か僅かに上のレベルだった。第2のチームは、広野地域(福島
第一原発の南側)の7つの場所で、追加の測定を行った。測定場所は、福島原
子力発電所から23〜39kmの距離だった。線量率は、毎時0.5〜4.9マイクロシー
ベルトだった。同じ場所で、ベータ-ガンマ線汚染量は、1平方メートルに付、
0.04〜0.34メガベクレルだった。

昨日のブリーフィング以降、日本の厚生労働省から、食品の放射能汚染に関す
る重要なデータが提示された。3月28日〜30日に採取された76のサンプルにつ
いて、3月30日に報告された。8つの県(千葉、福島、群馬、茨城、神奈川、新
潟、埼玉と山形)で採取された、様々な野菜、果物(イチゴ)、魚(イワシ)と未
処理の生牛乳の分析結果は、76種類中、51種でヨウ素131、セシウム-134、セ
シウム-137は見つからなかったか、あるいは、当局によって設定された規定値
以下の値だった。しかし、福島県産のブロッコリー、キャベツ、菜種、ホウレ
ンソウ、他、葉の多い野菜25種は、分析の結果、ヨウ素131、セシウム134、セ
シウム137の値が、当局によって設定された規定の値を上回った。

FAO/IAEA共同食品安全評価チームは、水曜日に群馬県で地元自治体関係者に面
会した。 農家や生産者の代表も同席したその会議は報道メディアの関心を引
きつけた。FAO/IAEAチームに対する主な質問は、技術的な諸問題の改善戦略に
関するものだった。その中には原発が安定せず、長期的に放射能が放出の可能
性、汚染された生産物の処分、ヨウ素131やセシウム137による汚染のメカニズ
ム、他の注意してモニターすべき放射性の核種、果物とキノコの汚染、動物や
農産品を取り扱う場合の曝露の危険性、被災地で飼育されている動物に与える
餌に関する戦略、土と放射性降下物に関するモニタリングと改善の為の戦略と
方法論と言ったものが含まれていた。 また、来年度の作付けに関する戦略の
作成に関する生産者や農家組織との討議も行われた。

FAO/IAEAチームは、群馬県庁の担当者から群馬県内で影響を受ける主要な農産
品を含む現在、判明している汚染の範囲と汚染のレベルについて、説明を受けた。

FAO/IAEAチームは、彼らが作成した報告書を提示し、東京での関係省庁を集め
たフォローアップのミーティングで質問を受けた。会議には、内閣官房、外務
省、厚生労働省と農水省の代表が出席した。農地の改善、農産品で今後も継続
すると考えられる汚染や将来に於ける関連省庁とのコミュニケーション維持の
必要性に関して、強い関心が表された。

沖合30kmでモニターしている海兵隊からの新しい測定結果は、3月28日に報告
された。 これらの結果は、3月27日の計測値と比較し、観測地の北限では、ヨ
ウ素131が少し低下し、セシウム137はわずかな増加を示した。もっと南の方に
ある観測点では、前日に比べ、ヨウ素131、セシウム137共に増加を示した。
その最大値は各々リッター当たり、30ベクレルと20ベクレルで、過去最大を示
した3月23日と比べ、大幅に低い値だった。この前日からの増加は、放出点で
測定された濃度との相関が認められた。

福島第一原発1〜4号炉の放出点から330m離れた海水と、5〜6号炉から北に
30m離れたのものとの最新の分析結果が、3月29日に明らかになった。1〜4号
炉の近くの特定の測定結果では、リッター当たり、ヨウ素131が130,000ベクレ
ル、セシウム137が32,000ベクレル、セシウム134が31,000ベクレル検出された。

ロシア連邦、シンガポール、アイルランドとスイスは、空中に非常に少ない量
のヨウ素131とセシウム137を発見したと報告している。発見された中での最高
レベルの放射能は、1立方メートルにつき2〜3ミリベクレルのオーダーである。
このレベルでは、放射線学的な懸念は全くない。



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枝野長官会見(2完)「収束のロードマップ示したい」(31日午前11時)

【5、6号炉や第2原発の扱い】

−−昨日の会見で、枝野幸男官房長官は、福島第1原発の1〜4号機にとと
まらず5、6号機の廃炉の方向と見解を示したが、福島第2原発の1〜4号機
はどうか

「昨日、私はそうは申し上げていないと思う。社会的、客観的状況は明らかだ
と思っているので、私が何らかの判断を申し上げる必要はないということを申
し上げたものだ。それ以外のことについても私は社会的、あるいは広い意味で
の科学的な客観状況を踏まえた中で、判断は必然的についてくるものだと思っ
ている」

−−福島第2原発についてもそう認識をしているのか

「それはそれぞれを取り巻く一種の科学的な面、あるいは社会的な面、それぞ
れに事情は違っていると思っているが、それぞれそうした社会的、あるいは科
学的、客観的事情が大前提になって、判断は事実上それに必然的についてくる
ものだという認識を一貫して申し上げている」

−−福島第2原発は、福島第1の5、6号機と同じ認識か

「それは社会的な状況や科学的な状況というのは、私は今の段階で直接的に申
し上げる段階ではないと思う」

(産経新聞 2011/03/31)


昨日の会見で枝野官房長官は、東電の勝俣会長が、記者会見で福島
第一原発の1〜4号炉について、廃炉やむなしとの見解を示したの
に対し、5〜6号炉についても、 「政府が判断する以前に、全体
の客観的状況としてハッキリしているのではないか。改めて申し上
げるまでもない」と述べて廃炉にする方向である事を示しました。
今日の会見では、若干トーンダウンしている様ですが、これは実は
とんでもない事であると言わざるを得ません。

1〜4号炉と異なり、5〜6号炉は、原子炉の冷温停止に成功して
おり、現在の処、廃炉とせざるを得ない様な、欠陥は出ていません。
今後、原子炉の重大な損傷を示す事実がでれば別ですが、福島第二
原発の1〜4号炉と同じで、原子炉を冷温停止する為の冷却ポンプ
を運転させる非常用発電機を稼働し続ける事が出来ているのです。

その意味で、福島第一原発5〜6号炉は、福島第二原発1〜4号炉
や、東北電力の女川原発1〜3号炉と同様、今回の東北大震災によ
る、震度7の地震と巨大津波に打ち克った日本の原子炉技術者の到
達点を示す金字塔であると言えます。

もし、福島第一原発5〜6号炉を廃炉にする必要が本当にあるので
あれば、福島第二原発1〜4号炉や、東北電力の1〜3号炉も同様
に廃炉にする必要がある事になり、ひいては、運転中の全ての原子
炉の廃炉せざるを得なくなるでしょう。

今回の福島原発の事故は、不幸な事実ではありますが、工学的に克
服できない問題ではありません。実際、地震と津波に直面した13
基の原子炉の内、冷温停止に失敗したのは一番古い4基だけなので
あり、より新しい原子炉は、全て成功しているのです。しかも、福
島第一原発1〜4号炉も原子炉の緊急停止には成功し、震度7の地
震には打ち克っているのです。1〜4号炉の不幸は、津波によって
非常用発電機が水をかぶり、燃料油タンクが流出した事で、冷却水
が循環できなくなった事でした。

これへの対処は決して困難ではありません。15メートルあるいは
20メートルの津波に対抗できる堤防で発電所を守り、非常用発電
機を更に冗長化し、発電機用燃料タンクを地下に分散収容する事。
更には、原子炉停止によって発電を全く停止するのではなく、冷却
ポンプを動かす為に必要な電力を、崩壊熱を利用した自然循環で確
保出来る様にすれば解決できるのです。こえが、完成すれば、震度
7の巨大地震に対応できる耐震原子炉が誕生するに違いありません。

そう考えれば、観測史上でも最大級の地震と津波に打ち克ったコン
バットプルーブンな原子炉を使用を続ける事なく、廃炉のする事を
示唆した枝野官房長官の発言は、まさに盲目的に大衆に迎合する政
治屋のものであり到底容認する事は出来ないのです。枝野氏は、今
回の東北大震災で、単に睡眠を取らなかった時間が長かっただけで
評価されるという稀有な幸運にありついた人物ですが、彼の発言を
見る限り、とても一流の政治家の発言とは言えないと思われてなり
ません。


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菅首相の北方領土視察も検討〜枝野官房長官

北方相を兼務する枝野官房長官は20日、北海道・根室市の納沙布岬から北方
領土を視察し、今後は「菅首相の視察も検討したい」と述べた。

枝野官房長官は20日、納沙布岬に到着し、元島民らから歓迎を受けた。19
日に上空から北方領土の国後島と歯舞諸島を視察したのに続く陸上からの視察
で、北方領土と北海道との近さをあらためて実感していた。

また、今後は菅首相の北方領土視察についても検討することを明らかにした。
しかし、退陣論が与党・民主党からも出ている中で菅首相の視察が実現できる
のか、不透明な情勢となっている。

(日本テレビ 2011/02/20)

ロシアのメドベージェフ大統領の北方領土訪問に対し、今まで口先
だけの抗議しかしていなかった日本側が漸く行動で反撃です。

沖縄・北方領土担当相でもある枝野官房長官が、空からではありま
すが、北方領土を訪問したのは、ゲームの理論から言っても、しっ
ぺ返し戦略(Tit for Tat Strategy:最初は協力を選択するが、2
回目以降は相手の前回の行動と同じ行動をとるという戦略)の実践
と言えるもので、日本側の意思を明確に伝える事が出来ます。

ただ、ロシア側が大統領と国防大臣、第1副首相、地域発展相が訪
問しているのに対し、日本側が官房長官だけというのでは、同じ行
動をしたとは言えません。その点では、菅総理と前原外相も、北方
領土を視察すべきであろうと考えます。

また、それと同時に、軍事面や経済面でも、ロシアの行動に対し対
抗処置を取る必要があります。でないとロシアが強硬措置を取った
事で利益が出た事になってしまいます。それを許容してしまうとよ
り強硬な処置を誘発する事になります。

ロシアは、北方領土での軍事力を近代化する計画ですが、日本側は、
北方領土に面する道東地区へ本土の兵力を移動する機動演習を行う
事で対抗すべきでしょう。また、経済面では、ロシアが北方領土で
中国企業と合弁事業を行う事を計画している事に対しては、日本企
業のロシアへの投資に一定の制限を設ける事を計画していると公表
すれば良いように思われます。

つまり、ロシアが北方領土でのプレゼンスを強化すれば、日本側も
それに応じて対抗措置を強化するので、ロシアの利益にならない事
を認識させれば良いという事です。

それが民主党に対する支持率を回復するかどうかは別にして、日本
の国益を考えれば、そうするのが為政者の義務なのですが、菅総理
は、果たして、それに気付いているでしょうか?
本当はそれが一番大変な問題である様に思われるのです。


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