環球閑話時事の徒然

毎日、政治、外交、軍事、その時々の話題についてのコメントを綴ります。航空・宇宙も守備範囲です。

軍事−核/ミサイル/MD

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※図は毎日新聞サイトから引用

<北朝鮮ミサイル>テポドン2号改良型、沖縄上空を通過か
 
【ソウル西脇真一】韓国の聯合ニュースなどは18日、北朝鮮が4月の打ち上げを予告し
た「衛星」のロケットの1段目が韓国南西部・辺山(ビョンサン)半島の西方140キロ
沖に、2段目はフィリピンの東方190キロの海上に落下する見込みだと報じた。国際民
間航空機関(ICAO)と国際海事機関(IMO)への北朝鮮の事前通報に基づく情報と
いう。沖縄などの南西諸島上空を通過する可能性がある。

【09年の発射、日本政府の対応は】北朝鮮「ミサイル」政府、迎撃態勢に(2009年4月)

共同通信によると、北朝鮮が「衛星」打ち上げで使用する「運搬ロケット」は事実上の長
距離弾道ミサイルとみられ、IMOなどに通報した情報から、今回発射されるのは「テポ
ドン2号」の改良型で、3段式の可能性が高い。防衛白書などによるとテポドン2号の推
定射程は約6000キロ。06年7月の初の発射実験は数十秒後に空中爆発し、失敗した。

09年4月に「光明星2号」を載せ発射された運搬ロケット「銀河2号」は、テポドン2
号を3段式にした改良型(全長約30メートル)とされ、2段目以降は日本上空を通過、
3000キロ以上飛行して太平洋上に落下したとみられる。北朝鮮の朝鮮宇宙空間技術委
員会報道官は16日、4月12〜16日の間に「光明星3号」を運搬ロケット「銀河3号」
で打ち上げるとの談話を発表した。

98年の「テポドン1号」(推定射程約1500キロ)と、「銀河2号」は北朝鮮北東部
から発射された。だが、北朝鮮は今回、同国西部の平安北道鉄山(ピョンアンプクドチョ
ルサン)郡の西海(ソヘ)衛星発射場から南に向けて衛星を打ち上げると発表している。

(毎日新聞 2012/3/18)

もし、北朝鮮の言う通り、人工衛星の打ち上げ実験であるとすれば、随分と間
の抜けた打ち上げと言わざるを得ません。前回の打ち上げは2009年4月ですか
ら既に三年もの期間が経過しています。北朝鮮が言う通り、前回衛星打ち上げ
が成功していたのであれば、こんなに長い時間を空ける必要はありません。
どんどん打ち上げれば良かった話です。

時間がかかった理由は二つあります。その一つは、実際には、衛星打ち上げに
失敗したこと。(弾道ミサイル発射実験としてはミサイルの発射と弾道飛行そ
のものは成功している可能性はあります。但し、所定の地点に着弾したかとい
う点については疑問が残ります。)
二つ目の理由は、黄海側の新しい発射基地の整備に時間を要した事です。
この新しい発射基地を整備した理由も二つあります。
一つは、偵察衛星用に太陽同期軌道を取る場合、従来の発射基地だと日本の人
口密集地域を縦断するコースとなる為、最悪、日本のMDに迎撃される可能性
がある事。北朝鮮の衛星名である「光明星」は、金正日総書記の雅称でもあり、
それが撃ち落とされる事は、北朝鮮にとってあってならないことです。
もう一つは、韓国の人工衛星打ち上げロケットである羅老号と同じ打ち上げ軌
道を使用する事で、国際的な批判の回避を狙っている事です。勿論、実際に太
陽同期軌道に偵察衛星を打ち上げる事ができれば、既に、偵察衛星「ムグンファ」
シリーズを打ち上げている韓国と肩を並べる事が出来るという要素もあります。
しかし、北朝鮮の誘導技術や誘導実験設備(衛星追跡専用船がなく、水平線を
超えてテレメトリーデータを受信できない)の状態から見て、当分、本当の人
工衛星を打ち上げる事はできそうもありません。

それでは、日本としてこの北朝鮮の人工衛星(弾道ミサイル)打ち上げという事
態にどう対処すべきでしょうか?
私は日本としては、北朝鮮の"人工衛星打ち上げ"をMDの得難い実戦訓練の機
会として捉えるべきであろうと考えます。
実は、海上自衛隊は、イージス艦のBMDシステムの改修都度、2010年までの4
年間毎年数十億円の巨費を投じて、ミサイル防衛の為の訓練をハワイ沖で行な
っています。実施されたシナリオは、某国によるミサイル発射を受けて、その
探知、識別、発射、誘導に関わる指揮、管制を一連の流れとして実施する事で
す。これは、発射時間が不明である北朝鮮のロケット(弾道ミサイル)が人工衛
星であるかどうかに係わらず、日本の領土に脅威を与える場合に、それを迎撃
する準備を整え、必要とあれば実行する事と略同じ事をしている事になります。
つまり、北朝鮮の"人工衛星打ち上げ"は、日本のMD体制にとって本番に準ず
る高度な訓練機会であるという事です。しかも、米国に訓練協力のお金を払う
必要もないのです!

という事で、納税者としては、この得難い機会を自衛隊が可能な限り、有効に
使う事を切に願いたいと思うのです。

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※CGと表は、朝鮮日報Webサイトからの転載

2015年までに「韓国型ミサイル防衛」構築

米国のMDは長距離ミサイル用…中国も強く反発
「北のスカッド・ノドンなど短距離ミサイルの脅威に対する迎撃を推進」
米国のMDへの依存は不可避……早期警戒衛星情報などの提供を受ける必要あり

韓国政府および韓国軍は2015年までに、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃から首都圏
の人口密集地や空軍基地、指揮統制施設、原子力発電所など重要戦略施設を守
るための「韓国型ミサイル防衛(KAMD)システム」を構築する方針だ。

韓国政府消息筋は15日、「北朝鮮が800−1000発の中・短距離弾道ミサイルを
保有するなど、ミサイルの脅威が高まっていることを受け、15年までにKAMDシ
ステムを構築する計画だ。これには、2−3兆ウォン(約1500−2300億円)の予
算が必要となる見込み」と語った。

KAMDは、これまで米国側がミサイル防衛(MD)への参加を要求し続けてきたこ
とに対する、韓国なりの回答だ。韓国政府および韓国軍当局は、100兆ウォン
(約7兆6300億円)以上の費用をつぎ込んでもいまだ実効性をめぐる議論が続
き、中国が強く反発している米国主導のMDへの参加は、メリットよりデメリッ
トの方が大きいと判断している。しかし、北朝鮮のミサイルの脅威に対する備
えは必要だと判断し、KAMD推進を決定した。

KAMDは、米国のMDとはレベルの異なる「ミニMD」といえる。米国のMDは、北朝
鮮・イラン・中国・ロシアなどによる大陸間弾道ミサイル(ICBM、射程距離
5500キロ以上)攻撃から米国本土を守る目的がある。これに対しKAMDは、北朝
鮮から発射される射程1000−1300キロ以下の中・短距離弾道ミサイル(スカッ
ドやノドンなど)を迎撃するのが目的だ。

飛来するミサイルを迎撃する際の高度や手段も、MDとKAMDでは大きな違いがあ
る。MDは、高度10キロから1000キロに達する広い範囲で、地上配備型迎撃ミサ
イル(GBI)、イージス艦から発射されるSM3ミサイル、ボーイング747ジャン
ボ機を改造したエアボーン・レーザー(ABL)、ターミナルフェイズでの中層
防衛を担当する終末高高度エリア防衛(THAAD)ミサイル、同じく下層防衛を
担当するパトリオットPAC3ミサイルなど、さまざまな兵器を用いて迎撃する。

これに対しKAMDは、10−30キロという低い高度で、パトリオットPAC3ミサイル
と改良型PAC2ミサイルを用いて迎撃する。20−30分間飛行するICBMに比べ、韓
国に飛来する北朝鮮のミサイルは、飛行時間が3−4分とはるかに短く、高度も
低いからだ。

問題は、800−1000発に達する北朝鮮の弾道ミサイルをKAMDが効果的に防御で
きるのか、そしてKAMDが米国のMDに編入されるのではないかという点だ。韓国
軍が保有する48基の改良型PAC2対空ミサイルは本来、航空機を攻撃するのが主
な目的で、ミサイル迎撃能力は低い。韓国軍は、本格的な迎撃能力を備える
PAC3ミサイルをいまだ保有しておらず、15年以降の導入を目指すとしている。
海軍のイージス艦からも、米国・日本が保有するSM3迎撃ミサイルを発射でき
るが、これはかなり高価格で高性能兵器だ。ほかの迎撃ミサイル(SM6)の導
入を検討しているが、開発が遅れており、15年までの導入は難しいとされる。

韓国軍当局は今後、KAMDの「目」に当たるイスラエル製の弾道弾早期警報レー
ダー(約2800億ウォン=約210億円)や、「頭脳」となる弾道弾作戦統制所
(210億ウォン=約16億円)などを12年ごろまでに開発する計画だ。ただし、
15年までに構築されるKAMDは完全な形ではなく、基本的な防衛網の骨格を備え
ることに力を注ぐことになると見込まれる。

また専門家たちは、北朝鮮のミサイル発射の動きを韓国が独自かつ即座に把握
することは困難なため、米国から早期警戒を担当する国防支援計画(DSP)衛
星など衛星情報の提供を受ける必要があると指摘した。これらの衛星は、米国
のMDの一部に構成されているため、結果として米国のMDに依存することになる。

(朝鮮日報 2011/04/16)

韓国が独自のミサイル防衛であるKAMDを推進している事は、知られ
ていますが、纏まった記事がありましたので、ご紹介します。

日本の場合、BMDは、スタンダードSM-3で高高度迎撃を、パトリオ
ットPAC3で中〜低高度のポイントディフェンスを担う事になります。
ミサイル探知は、イージス艦のSPY-1とガメラレーダー、それに加
えて早期警戒衛星を打ち上げる構想もあります。

韓国の場合は、道具立てが、スタンダードSM-6、パトリオットPAC-3
とPAC2改良型、それに加えて新開発の中距離SAM、ミサイル探知は、
イージス艦のSPY-1と新たに導入を計画している早期警戒レーダー
と、殆ど、日本の対応の引き写しの様にも見えます。

しかし、韓国の場合は、実は日本以上に厳しい要素があります。
それは記事にもある通り、北朝鮮からの距離の近さによるミサイル
発射から迎撃までの余裕時間が遙かに乏しい事。同時に、短距離ミ
サイルの射程範囲に入っている事で、日本の場合よりも遙かに多く
のミサイルが対象になる点です。それを日本の五分の一程度の予算
で対応しようと言うのですから、どこかに限定条件を付けざるを得
ません。

つまり、絶対に防衛しなければならない重要拠点を設定し、それを
ミサイル防衛の対象にすると言う事です。常識的に考えれば、それ
は、米韓軍の共同指揮所であったり、韓国全体の防空指令中枢と言
った場所である可能性が高いと思われます。青瓦台は恐らく対象に
ならない様に思われます。それは、ソウルが非武装地帯以北に大量
に設置された北朝鮮長距離砲の射程内にあり、ソウルにある施設を
ミサイル防衛の対象とするのは、ナンセンスである様に思われるか
らです。

日本の場合は、実際はどうであれ、ミサイル防衛は、北朝鮮の核ミ
サイルから日本国民を守る為のものというシナリオが許されました。
しかし、韓国のミサイル防衛の場合、そういう甘いシナリオは許さ
れず、米韓軍の反撃中枢を北朝鮮のミサイル攻撃から守る為のもの
とならざるを得ないのです。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
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六ヶ所ウラン濃縮工場 新型遠心機への更新工事の進捗状況および既設遠心機
(RE−2B)の生産運転停止について


1.新型遠心機への更新工事の進捗状況
当社のウラン濃縮事業におきましては、新型遠心機「初期導入」として、既設
遠心機1050tSWU/年のうち、75tSWU/年を2回に分けて新型遠
心機に更新する工事を進めており、2011年9月(前半分)及び2012年
9月(後半分)に運転を開始する予定です。
この新型遠心機の更新工事は、本年3月より開始しており、工事の進捗状況は
以下のとおりです。

(1)既設遠心機(RE−2A)の撤去及び新型遠心機の据付工事について
本年4月から更新対象の既設遠心機(75tSWU/年)の撤去工事を開始し、
同年10月に撤去を完了しました。現在、新型遠心機を据え付けるために基礎
工事を進めております。

(2)新型遠心機の製造について
本年4月から新型遠心機の製造を開始し、新型遠心機「初期導入」前半分
(2011年9月運転開始)相当台数のほぼ半数について製造を終了しており
ます。

2.既設遠心機(RE−2B)の生産運転停止
現在運転している既設遠心機(RE−2B)については、新型遠心機への更新
工事をより安全に実施するため、本年12月15日に生産運転を停止し、系統
内に残留しているウランをシリンダ等の容器に回収する作業を実施していきます。

(日本原燃プレスリリース 2010/12/14)

北朝鮮やイランのウラン濃縮が問題になっている昨今ですが、さて
日本のウラン濃縮についてはどうなのかと言いますと、マスコミが
報道する事もなく、ひっそりと停止されていました。

その発表が上記のプレスリリースです。その中でも、「既設遠心機
(RE−2B)の生産運転停止」という部分が重要です。
日本原燃の別のトピックと合わせて読まないといけないのですが、
これにより、日本のウラン濃縮は事実上、ストップする事になった
のです。

ただ、このウラン濃縮停止の決定に関しては政治は関わっていない
と思われます。製造設備の更新の為の工事が、ウラン濃縮に悪影響
を与える可能性があり、また、これまでも部分的な生産規模縮小を
何度も繰り返しており、継続されていた生産も極めて小規模となっ
ていた事によるものです。

日本における遠心法ウラン濃縮技術の開発については、以下の資料
が非常に参考になります。
http://jolisfukyu.tokai-sc.jaea.go.jp/fukyu/gihou/pdf/9750.PDF

日本の商用ウラン濃縮施設は、処理量1,500tSWUの規模で計画されま
したが、実際に建設されたのは、第一期600tSWU、第二期予定の900t
SWUの内の半分である450tSWUの合計1,050tSWUでした。第一期分は、
平成4年〜6年に生産が開始され、第二期分は、平成9年から10年に
生産が開始されています。この商用施設の前に、200tSWUの処理量
の実証プラントが建設され、10年以上問題なく稼働していました。
この商用施設の第一期分は、実証施設と同じ遠心分離機を用い、遠
心分離機を数を1.5倍に拡大した150tSWUの施設を4つ併設する形で
建設されました。(RE-1A〜RE-1D)

しかし、遠心分離器を量産の為に、生産方法を変更した事から、遠
心分離器内部のコーティングが不十分となってしまい、ウラン化合
物が、遠心分離器に付着しやすくなっていた事が後から判明しまし
た。このため、異常振動が発生し、遠心分離器を停止しなければな
らなくなるという問題に発展してしまいました。

原因は究明されましたが、その結果、RE-1AとRE1Bは、稼働開始後、
各々8年と10年で、生産停止をせざるを得なくなりました。実証プ
ラントでも、運転期間は約10年でしたが、処理能力の9割が維持で
きたのに対し、商用施設では、処理能力が急速に落ち込んだ処が問
題でした。更に、この問題が発生した事で、国産遠心分離器に対す
る信頼感が失われ、第二期分の遠心分離器にはフランスの技術が用
いられる事になってしまいました。実際には、RE-2A〜RE-2Cの内、
2Bは、第一期と同じ国産遠心分離器が使われた様です。また、外国
技術が用いられた理由には、遠心分離器一基当たりの処理能力が高
い事による経済性の高さもあったように思われます。

ただし、この外国技術を導入した遠心分離器にも、異常振動問題が
発生してしまいます。結果だけみれば、外国技術を使った遠心分離
器を使用したRE-2Aと2Cは、各々、9年余りで生産停止を余儀なく
され、国産遠心分離器を使用したRE-2Bだけが、12年生産を継続す
る事になったのです。日本のウラン濃縮は、円高の影響で、コスト
高であったのに加え、生産縮小の連続となった事もあり、二期後半
分の450tSWUの施設整備は中止されてしまいました。

今年9月を目指して、導入準備が進められている新型遠心分離器は、
一基当たり処理能力が従来使われていた国産遠心分離器の4倍にな
っています。また、回転筒の材質を金属から複合材に変更した事で、
回転速度の向上とウラン化合物の付着抑制を狙っています。
最初は、75tSWUと小さな規模でのスタートとなりますが、これは、
運転実績を速やかに後続の遠心分離器の生産に反映する為の処置と
思われます。

ウラン濃縮の技術は、核拡散の原因にもなるので、核保有国が集中
して濃縮を行う傾向が強くなっています。原油価格の高騰と温暖化
に対する対策として世界的にも原子力発電が見直されている中で、
ウランの濃縮価格は寡占化で高留まる可能性が予想されています。
日本のウラン濃縮は、現在予定されている生産規模では、国内濃縮
需要の15%程度しか賄えませんが、新型遠心分離器によるウラン濃
縮が順調に行われる様になれば、国際的にも十分な価格競争力を得
る事ができる様になります。その点で、新型遠心分離器の成功が望
まれてやまないのです。


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※KDXII四番艦に装備された巡航ミサイル、K-ASLOC兼用のVLS発射機(右)
日本周辺国の軍事兵器 Webサイトより転載

韓国軍:韓国製艦対地巡航ミサイルを配備へ

韓国軍当局は、海軍の艦艇から北朝鮮の指揮所などの戦略目標はもちろん、地
対艦ミサイル基地も攻撃できる射程距離500キロ以上の「天竜」艦対地巡航ミ
サイルの開発を、昨年までに完了した。さらに今年中に、西海(黄海)に配備
されている4500トン級韓国型駆逐艦などに実戦配備する計画だという。

これまで、地上の目標を地上から攻撃する韓国製地対地巡航ミサイル「玄武3A
・B・C」(射程距離500−1500キロ)の開発および実戦配備の事実は知られて
いた。しかし、艦艇から発射できる韓国製艦対地巡航ミサイルの開発完了と配
備の事実が明らかになったのは、今回が初めて。

艦対地ミサイルは地上発射型に比べ、広範囲に移動しながら撃つことができる
ため、射程に収められる範囲が広い。天竜ミサイルは、西海海上からはもちろ
ん、東海(日本海)海上からも西海岸にある北朝鮮の地対艦ミサイル基地など
を正確に攻撃できる。しかも、現在開発されている3000トン級の重潜水艦から
発射することもでき、生存性に優れている。

韓国政府の消息筋は7日、「過去十数年間の韓国製地対地巡航ミサイルの開発
成功を土台として、艦対地巡航ミサイルの開発も予想より早く完了した。北朝
鮮のさらなる挑発に備え、西海第2艦隊に配備されている韓国型駆逐艦を手始
めに、今年中に世宗大王など韓国型イージス艦にもこのミサイルを配備する計
画」と語った。艦対地巡航ミサイルが配備されれば、延坪島砲撃挑発のように
北朝鮮からの挑発があった際、空軍の戦闘機を動員しなくとも、北朝鮮の海岸
砲や地対艦ミサイル基地などを韓国の艦艇から精密攻撃できるため、北朝鮮の
追加挑発を抑制する効果があると評価されている。これまでは、黄海道の海岸
などに配備された北朝鮮の「シルクワーム」地対艦ミサイル(最大射程95キロ)
に発射の兆候があった場合、韓国海軍の艦艇は北のミサイルの射程圏外に待避
するなどしていた。しかし今回、北のミサイルの射程圏外から、北のミサイル
基地を攻撃することができるようになった。

天竜巡航ミサイルは、世宗大王など韓国型イージス艦(7600トン級)、4500ト
ン級韓国型駆逐艦のうち、韓国型垂直発射装置(KVLS)を搭載している一部の
艦艇に配備される。

(朝鮮日報 2011/02/08)

韓国は、1990年代のはじめから長距離巡航ミサイルの開発を進めて
いました。一番最初に開発されたのは射程150km程度の巡航ミサイル
でしたが、それをロケットエンジンからターボファンエンジンに変
更し、射程を増加したものが、今回実戦配備される事になった「天
竜」です。

以前に公開されたADD(国防科学研究所)の動画では、数ヶ所のウェ
イポイントを設定可能な海上発射型巡航ミサイルが陸上標的を直撃
する様子が示されていました。ウェイポイントを設定できると目標
へ直線コースを取るのではなく、様々な方位から攻撃したり、ミサ
イルを複数の場所に同時着弾させる事が可能になります。韓国は、
天竜に続いて、射程1000kmの巡航ミサイルの開発を進めていますの
で、必ずしも、この動画が天竜のものとは限りませんが、配備時点
でウェイポイントが設定可能でなかったとしても、天竜にレトロフ
ィットされても不思議ではない様に思われます。

天竜は、慣性誘導装置(INS)の他、コンピューターに入力された地
図と実際の地形を比べながら飛行する地形等高線照合方式(TERCOM)
ミサイルのコンピューターに記憶させておいた目標地点の映像と、
ミサイルに設置された光学測定装備や赤外線探索器が撮影した資料
を比べ、命中率を高めるデジタル式情景照合装置(DSMAC)などの誘
導方式により、精度を3メートル程度にまで高めたと言われています。

天竜は、イージス駆逐艦二隻の他、韓国型駆逐艦の内、四番艦以降
の三隻にも、搭載される予定です。また、上記の記事では、次世代
の3000t級潜水艦にも装備されるとありますが、現在配備が進めら
れている214級潜水艦にも装備される可能性があります。

天竜が当初配備される艦は、それ程、多いとは言えませんが、天竜
の地上攻撃能力が韓国軍にとって、今まで持ち得なかった大きな戦
力になる事は間違いありません。残念ながら日本には、天竜の様な
長距離巡航ミサイルはありません。最近になって漸く離島防衛を考
え研究開発が開始されたと聞きますが、まだ配備可能になるには時
間がかかるものと思われます。

現代戦に於いて、開戦初頭に、長距離巡航ミサイルで、敵国の軍事
中枢に打撃を与えるのは、非常に効果的である事が湾岸戦争やイラ
ク戦争で明らかになっています。この点から見れば、韓国は、北朝
鮮のみならず、日本に対しても脅威を与える兵器を戦力化したと言
える様に思われるのです。


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※CGは、GBIのミサイル本体。Boeing社サイトより転載

弾道ミサイル迎撃試験失敗=北朝鮮対処能力に影―米国防総省

米国防総省ミサイル防衛局は15日、バンデンバーグ空軍基地(カリフォルニア
州)の地上配備型の長距離ミサイルによるミサイル迎撃試験に失敗したと発表
した。使用された迎撃ミサイルは、北朝鮮の長距離弾道ミサイルへの対処能力
があるとされてきただけに、その信頼性に影を落とした形だ。
ミサイル防衛局によると、試験では太平洋のマーシャル諸島から打ち上げられ
た標的の中距離弾道ミサイル(模擬弾)に命中しなかった。
今年1月にも、同じ迎撃ミサイルによる試験に失敗している。ミサイルを追尾
する移動式早期警戒レーダー(Xバンドレーダー)の不具合が原因だったが、
今回は計画通り作動したという。

(時事通信 2010/12/17)

ミサイル迎撃(Missile Defence)構想は、多段式になっていて、一
般人には、なかなか理解しにくいのですが、大きく分けて海上配備
型のシステムと陸上配備型のものがあります。
この陸上配備型のものに、ミサイルが飛行の中間段階で迎撃するも
のと、最後に落ちてくる処で迎撃するものが、あります。
今回、実験に失敗したのは、Ground Based Interceptor(GBI:地上
配備迎撃機)と呼ばれる、地上配備型で、中間段階で迎撃するタイ
プのものです。

日本で、ミサイル防衛に使われるのはSM-3と呼ばれるミサイルを使
用するもので、このミサイルは、海上を行動しているイージス艦に
搭載されています。それ以外にも地上配備型で、ミサイルが落ちて
くる処を狙うパトリオットPAC-3というものもあり実戦配備されて
います。

今回、迎撃試験に失敗したGBIは、ミサイル防衛システムの中で、
最も大仕掛けのものです。基本的には米国へ飛来するICBM(大陸間
弾道弾)やIRBM(中距離弾道弾)を大型のミサイルを使用して比較的
遠くの場所で迎撃する事を目的としており、その分、MRBM(中距離
弾道弾)を狙う海上配備型と比べても、より遠くの場所で探知し、
迎撃せねばならず、相手のミサイル飛行スピードも速いという事
になります。

仕掛けの違いをあげると、海上配備型が、探知レーダーであるSPY-1
レーダーと管制システムBMD3.6、及び迎撃ミサイルであるSM-3が同
一のイージス艦の中に設置されているのに対し、GBIでは、探知レ
ーダーは、海上配備型Xバンドレーダーという超大型で、解像度の
高い前進配備のレーダーを用い、戦闘管理および指揮・統制・通信
センター(BM/C3)が迎撃を判断しGBIを発射。宇宙追尾・監視システ
ム(STSS)と称される低軌道の赤外線センサー衛星やXバンドレーダ
ーからの情報を元にGBIへ最新の目標指示データを渡しつつ迎撃コ
ースに乗せる。といった形で、構成要素の一つ一つが大ががりにな
っています。

システムは、大掛かりになればなるほど、幾何級数的に難易度が高
くなります。GBIも、大規模で高性能なシステムであるだけに、成
功させるのが、容易ではないという事だろうと思います。


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