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母は相変わらず知らない人の話をする。
今日も何とかばあさんの話をする。
出てくる人すべてが知らない人。
「知ってるだろうが」
母はそう言いながら一方的に話す。
私はふと聞いてみる。
「私が分かる?」
母は困った顔をした。
「あんたねー」
ちょっと考えてから答えた。
「妹って言わなきゃいけないかね」
「私の心の中では母親だけど」
母の中では私は妹か母親。
介護の職員とは思っていないのが救いだ。
母は話を続ける。
「マー坊がね」
次兄の話をしない日はない。
「マー坊好きね」
皮肉が口を突く。
母は感じない。
「子供が4人居るのよ」
話を続ける。
次兄は母の中では息子なのだろうか?
弟なのだろうか?
母はこの頃性格が穏やかになった。
怒鳴る事も無くなった。
不注意で肘を骨折。
入院した半月あまりの日々。
その間に母は私をすっかり忘れてしまった。
肘は今も少しは痛むが、心はもっと痛い。
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おはようございます。認知症が進もうとどうあろうと生きていてくれたらそれでいいと思います。
2012/3/11(日) 午前 6:13
心が通い合わなくなる、これも病気と思えば、いくらか救われるのかな、
2012/3/11(日) 午前 7:54
認知症はたいへんですね〜
お察しいたします。応援のポチ
2012/3/11(日) 午前 11:08 [ とし ]
お母さんは、アリスさんのことをご自分の姉妹だと思っておられるのですね。息子は自分の分身が10人いると言っていたのが最近は13人になりました。わたしが一番から順に13人のたあくんは今何しているのか聞くと其々の役割を話します。以前は壁の向こうに部屋があってそこに10人のたあくんが住んでいると言ってました。最近は自分の部屋に13人ともいるそうですいつも一緒に行動しているのだそうです。認知症とにているのですよ。
2012/3/11(日) 午後 4:03 [ たこ焼き ]
たまにしか見舞いに行けない私たちは、当然、介護の職員です。
家に連れて帰れば、「早く家に帰してください。家のもんを
呼んでください」
でも、又、春に帰ります。
あじさいさんが心が痛い気持ち、わかりますよ。
2012/3/13(火) 午後 2:58
「肘は今も少しは痛むが、心はもっと痛い」、はい、言葉がありません。辛いことですねぇ。
2012/3/14(水) 午前 8:13
パークさん
自分もああなるのかと思うと恐怖ですね。
2012/3/14(水) 午前 9:24
ちえこさん
子供だと私を認識しない母はあまり怒らなくなりました。
2012/3/14(水) 午前 9:24
びんせんさん
もっとひどい認知症もありますから、いいほうだとは思います。
2012/3/14(水) 午前 9:25
たこ焼きさん
私たちには想像も出来ない事を考えますから、どう対処していいのか悩みますね。
話をするのが苦痛ですよね。
2012/3/14(水) 午前 9:27
風の声さん
人間は結局母親の元に帰るんでしょうか?
2012/3/14(水) 午前 9:28
みねさん
両方の傷が癒える日が来ると信じて春を待ちます。
2012/3/14(水) 午前 9:29
悔しいけど お母さんが穏やかに成ったのは良かったですね。
2012/3/19(月) 午前 9:18