100歳の母

母は元気に100歳になりました。

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

ポチは食べられた

子供の頃犬を飼っていた。
赤毛の目の大きな犬だった。
ポチというありふれた名前だった。
 
昔は犬は放し飼いだった。
それでもポチはご飯時には帰って来て縁側で座ってえさを待っていた。
 
ポチは元々捨て犬だった。
あまりに可愛く賢いので両親が飼うのを許してくれた。
 
ある日突然ポチは居なくなった。
私はポチを捜し歩いた。
 
何日も何日も。
 
ある日、ポチの行方を知った。
同級生の言葉から。
 
「昨日肉を食べたんだよ。肉っておいしいね」
「赤毛の犬っておいしいんだよ」
 
ポチを食べたのだろうか?
「どこの赤毛の犬?」
 
同級生は答えた。
「飼い主はいないよ。迷い犬だから」
 
ポチは食べられたのだ。
 
その証拠にポチは2度と家には戻らなかった。
 
母に話すと母は仕方ないという顔をした。
 
「貧乏なんだね」
「もっとも貧乏でも私たちは犬の肉は食べないけど」
 
同級生の家は確かに貧乏だった。
でも犬を食べたのはその国の習慣だとは後で知った。
 
 
本当に韓国を理解したいなら犬を食べる事からお勧めしたい。
 
 
 
 
 
 
 
 

あの世とこの世の中間

イメージ 1
 
ホームに行くと相談員が出て来た。
「あのう」
語尾を上げてためらった口調で話しかけてくる。
 
又、何かしでかしたかしらと胸は早鐘を打つ。
 
「お母さんが水を飲まないんです」
「かなり、危険なレベルぐらい飲まないんです」
 
このホームも節電のため冷房はほとんど入っていない。
これで水を飲まなければ熱中症になるだろう。
 
「母は水を飲むとご飯が食べられないと言うんですよ」
私は答えた。
 
「そうなんですよ」
「そう言ってお茶も飲まないんです」
 
母がお茶も飲まない理由は別にある。
それは水分で満腹にさせてご飯の量を少なくさせる魂胆だと思っている。
 
「母によく言っておきます」
私は当てにならない約束をした。
 
 
「お母さん、お茶を飲まないといけないよ」
無駄とは思いながら言う。
 
「誰がそんな事を言った!」
思った通り母は声を荒げた。
 
「誰って、お医者さんだよ」
「暑いときは水分を取らないと具合が悪くなるよ」
私は母が職員に八つ当たりをするのを防ぐためにそう答えた。
 
「ふん、ぼんくらのカスが」
 
母は顔を歪めた。
 
言っても無駄だ。
 
「昨日、百合おばさんから電話が有ったよ」
母の顔を見ないで話を変えた。
本当は従姉からの電話だが。
 
「百合叔母さんは覚えている?」
 
百合叔母は母の末の妹。
90歳になった。
 
「百合、百合」
母は何度かつぶやいた。
 
そしてにっこり笑った。
 
「百合だね」
「叔母さんと言うから分からないんだよ」
 
母の中では90歳の叔母は可愛い妹なのだろう。
 
「叔母さんが会いに来たいそうだよ」
「もう、二人になったからお母さんと会いたいって」
叔母は今は要支援。
動ける内に母に会いたいという。
 
「何を言うの!」
「久子も元気だよ!」
 
久子は母のすぐ下の妹。
 
「久子叔母さんは3年前に亡くなったよ」
「お香典を送ったでしょう」
 
母は馬鹿にした笑いを口元に浮かべた。
 
「釣り、釣り」
母は右の人差し指を前に出して上下させた。
 
「そんな風にあんたが言うから信じていたら久子は生きていた」
「いや、一度は死んだらしいけど生返った」
 
「この前米を持って会いに来たもの」
 
私は聞いた。
「その米は何処にあるの?」
 
母はちょっと戸惑ったがすぐ答えた。
「あの子貧乏だから持って帰らせたよ」
 
父、長兄、叔母。
母は3人が生きていると信じている。
 
母はいつも父や長兄がああ言った、こう言ったと話す。
 
 
ふと私は思い出した。
久子叔母もこうだったと。
 
いつも先に死んだ叔父に女がいると嫉妬していた。
家に居ないのは女の家にいるからだと思っていた。
 
姉妹だからやはり症状は同じなのだろうか?
私もこんな風になるのだろうか?
 
友達にこの話をしたらこう答えた。
 
「それはお母さんがこの世とあの世との中間に居るからだよ」と。
 
 
 
 

美の基準

イメージ 1
 
明野のひまわり
 
 
女は自分が美しいと思いたいのかもしれない。
 
 
義母も自分が美人だと信じていた。
娘が産まれた時言った。
 
「まあ器量が悪い」
「明子さんのお母さんやお姉さんにそっくり」
「人間、顔じゃないと言うけどこんな顔じゃねえ」
 
この言葉を夫に伝えた。
「誰に似ているかなんて誰でも言う事だ」
夫は不機嫌そうに答えた。
 
娘は今はそんなに不美人ではない。
 
 
「アヒル口は今大流行」
そう言って喜んでいる。
 
義母は母より1つ上。
 
この時代の人って自信過剰だ。
 
 
美の基準が違うのだろうか?
 
義母は鼻が高いのが自慢。
鼻が低い母を馬鹿にする。
 
母は色白とスタイルがいいのが自慢。
23号の服を着る義母を馬鹿にしていた。
 
二人は目が大きく肌がきれいなのが共通点。
 
 
 
お互いに相手をブスだと思っている。
 
そんなに張り合うほど美人じゃないよと二人に言いたかったが。
 
 
 

私は醜い?

 
 
 
 
イメージ 1
 
 
今日は帽子を深くかぶって母に会いに行った。
母が色々言うのが嫌だから。
 
「わあ、きれいになったね」
「あんな顔でどうなるのかと思ったよ」
母は言った。
 
そして続けた。
 
「どうなるかと思うぐらいに顔が腫れていたのに」
「顔はかさぶただらけ、吹き出物だらけ。膿も持っている」
「顔はすいかみたいに大きかったからね」
「腫れて目が無くてどこに有るか分からなかったよ」
 
私は母が誰の話をしているのかと思った。
 
「誰が?」
聞くと母は大きな声で答えた。
 
「あんた!」
 
母は私をそんなに醜いと思っているのか?
私は別に顔は腫れてはいない。
 
若い頃に比べると肉が垂れた分だけ顔が大きくなったかも知れない。
 
「暑いから帽子を脱いだら?」
母は何度も言ったが帽子は取らなかった。
 
帽子に押しつぶされている髪の毛を見ると又何を言われるか分からないから。
 
母はもうすぐ97歳。
それでも自分の美貌に自信が有る。
 
母は姉をブスだといつも馬鹿にしていた。
あの頃の姉の悲しさが少し分かる気がする。

母のライバルは私?

この頃、母の所には週に2回ほど行っている。
 
「えらく変わったね」
娘は笑う。
 
この頃は母と会うのが辛い。
いつも次兄の話ばかり。
 
 
母にとって私は何なのだろう。
 
母はいつも私の服装をチェックする。
普段着で行くと「お金が無いの?」と聞かれる。
 
いい服を着て行くと触って生地を確かめる。
そんな時は母は羨ましそうな顔をしている。
 
私の腕を触る。
「意外に柔らかいね」
豚の肉でも触ったように感想を述べる。
 
 
私の動作を見て言う。
 
「首に皺が有るよ」
 
「腹に肉が有るね」
「私の腹はこんなにすっきり」
 
今日はズボンをめくって足を見せた。
「私の足はこんなに細いよ」
 
足には青い血管が浮き出ている。
 
母は私より足が細いのが自慢。
高校の頃ふくらはぎを測った。
 
私のふくらはぎは母より1センチ太かった。
 
母は親戚中に電話した。
 
「明子は私より足が太いんだよ」と。
 
わざわざ親戚に知らせる事じゃないと母に抗議した。
 
「子が親を超えたら嬉しいから電話したんだよ」
母は悪びれなかった。
 
あれはやっぱり私に勝ったと母が思って電話したんだと確信した。
 
母は自分は美しい。
スタイルがいいと今も思っている。
 
昔より身長が10センチも少なくなったのに。
 
母はいつも私を値踏みするような目で見る。
 
今日は何を言われるのだろう。
 
そう思いながら車を走らせる。
 
 
 
私が娘だと忘れた母には私はライバルなのだろうか?
 
 
 
 
 
 

.
アリス
アリス
女性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

ブログバナー

標準グループ

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

友だち(8)
  • ☆*薔薇tobi*☆
  • こもちゃん
  • たこ焼き
  • タイガー
  • ps42dogs
  • 初詣は靖国神社
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事