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「この頃は被災者への関心が薄れて来ました」
「避難して来た方に必要な物資を届けて下さい」
テレビでは男性が怒ったような口調で話していた。
「特に足りないのは冷蔵庫と洗濯機です」
「どんな遠い所でも取りに行きます」
この県には福島から避難して来た500人ほどの人がいると言う。
その人たちをその市のボランテイア団体が支えているらしい。
家に冷蔵庫も洗濯機も有るので送ろうと電話番号をメモした。
洗濯機は給水栓が無かったので翌朝一番で買いに行った。
大雨で外には出たくなかった。
でも、震災に遭った人の事を考えるとそうも言っていられない。
そして電話した。
相手は無言だった。
電話番号を間違えたのかと思った。
「○○ボランティアですか?」
聞くとやっとそうだと言った。
「昨日、テレビで観たんですが、冷蔵庫と洗濯機が有るんですが」
私は愛想の無い相手に言った。
「住まいはどこですか?」
私は住所を告げた。
家まではそこから40分程度だろう。
「ああ、もう沢山電話が有ったから要らないよ」
「そんなに欲しい人がいる訳じゃないよ」
遠いから取りに来たくないだ。
「もし、欲しい人が居るなら連絡してもいいよ」
横柄な態度だった。
「いいです」
私は電話を切った。
何日か前にもこのボランティア団体はテレビで出ていた。
「関心が薄れて支援が少ないんです」
やはり怒ったように言っていた。
そんな折、ブログ仲間のあぁ茶んから支援物資の受け入れをしてくれる所を紹介していただいた。
電話をしてみた。
被災地ではどんな物が必要なのか分からなかったので。
「ありがとうございます」
話を聞いた、彼の一声だった。
「あまり使っていない服が有るので送りたいですが」
私は被災地では服は余っているので新品しか受け付けないと聞いていた。
「有りがたいです。もう何も無い状態なので中古の服でも有りがたいです」
彼は答えた。
私は疑問を口にしてみた。
「ネットで見ると中古の衣料は余っているって言ってますけど」
「行政は要らないって言っているし」
「テレビでは被災者が着替えていないっていうし」
自分の服が邪魔者にされるのは辛い。
「行政が行き届いているのはほんの少しですよ」
「私たちが行くのは行政の手が行き届かない所です」
「そんな所を探していきます」
「みんな着の身着のままですよ」
行政と現実の間で多くの人が苦しんでいる。
今一番足りないのは赤ちゃん用のオムツだという。
義母のオムツ。
尿漏れパット。
使わないバッグも役立ててくれると言う。
「女の人はバッグを持つだけで明るくなれます」
「落ち着くんです」
「ありがとうございます」
彼は自分の事でないのに喜んでくれた。
何度も何度も彼はありがとうと言った。
私は人の為にありがとうと言える彼が素敵だと思った。
そして最後に私は「ありがとう」と言った。
彼は又「ありがとう」と言った。
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