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8/6付けで「崇高なるラブロマンスにして珠玉のミステリー、映画『不滅の恋 ベートーヴェン』(1994)」(http://blogs.yahoo.co.jp/asongotoh/48662533.html)と題した記事で取り上げた、ゲイリー・オールドマンのベートーヴェンでは、彼が終生愛した女性は誰だったのかをプロットにおいて、その音楽を楽しめる作品でした。
そして、エド・ハリスが演じる「敬愛なるベートーヴェン」では、1827年の臨終を迎える病床から、『第九』の初演を4日後に控えた1824年のウィーンへとフラッシュバックするように物語は始まります。のっけから、エド・ハリスは完全にベートーヴェンに入り込んでいて、何の違和感もなくこちらも映画の世界に入り込んでしまいます。ちなみに今日は、エド・ハリスの57回目の誕生日にあたります。
「孤高の天才音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンと、彼のコピスト(写譜師)となった作曲家志望の女性アンナの師弟愛を描いた感動ドラマ。監督は、ポーランド・ワルシャワ出身の女性映画監督、『太陽と月に背いて』のアニエスカ・ホランド。ベートーヴェンを『ポロック 2人だけのアトリエ』のエド・ハリスが、コピストを『戦場のアリア』のダイアン・クルーガーが演じる。魂で結ばれたベートーヴェンとアンナの複雑な師弟愛と、迫力の『第九』シーンに注目したい」。(yahoo映画)
「写譜師アンナ・ホルツは架空の女性だが、ベートーヴェン晩年の作品を写譜した人物の中にはカール・ホルツという似た名前の男性が実在した。ベートーヴェンのお気に入りだった写譜師のヴェンツェル・シュレンマー(1823年没)には妻がいて、やはり写譜を手伝っていた。もうひとり、『第九』の写譜を行ったヴェンツェル・ランプルもアンナのモデルになった」。(ウィキペディア)
この映画のハイライトはなんと言っても、中盤に配置された迫力と緊張感ある「第九」の初演シーンです。アンナが「影の指揮者」となって難聴のベートーヴェンをサポートするこのシーンでは、「両者の視線と身振りが『第九』の旋律の高ぶりに呼応するかのように絡み合い、その得も言われぬ陶酔感がひしひしと観る者に伝わってくる」。まさにこの表現がぴったりです。
「敬愛なるベートーヴェン」(イギリス、ハンガリー/2006年)
原題:Copying Beethoven
監督:アニエスカ・ホランド
製作:クリストファー・ウィルキンソン、シドニー・キンメル、マイケル・テイラー、スティーヴン・リヴェル
脚本:クリストファー・ウィルキンソン、スティーヴン・リヴェル
撮影:アシュレイ・ロウ
出演:エド・ハリス(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン)、ダイアン・クルーガー(アンナ・ホルツ)、マシュー・グッド(マルティン・バウアー)、ラルフ・ライアック(ヴェンツェル・シュレンマー)、ジョー・アンダーソン(カール・ヴァン・ベートーヴェン)、ビル・スチュワート(ルディー)
本編中指揮をするシーンの監修をしているのは、クリストファー・ホグウッドという人です。彼のことは今回初めて知りました。長くなりますが、ウィキペディアからこれまでの足跡を辿ります。
クリストファー・ホグウッド(1941年9月10日-)は「イギリスの指揮者・鍵盤楽器奏者(チェンバロ・オルガン)・音楽学者。ノッティンガム出身。ケンブリッジ大学ペンブローク校にて最初に古典学を学んだ後、専攻を音楽に変えた。当時同大学で教鞭を取っていた、レイモンド・レッパードとサーストン・ダートらに師事」。
「1967年にデイヴィッド・マンロウとロンドン古楽コンソートを創設し、同コンソートのメンバーとして活躍。またネヴィル・マリナー率いるアカデミー室内管弦楽団のチェンバロ奏者を務めたほか、同楽団のため楽譜の編集、校訂も行った。1976年にマンロウの突然の死でロンドン古楽コンソートは解散」。
「その3年前、1973年に創立したエンシェント室内管弦楽団(Academy of Ancient Music)略称AAM)を率いて、オリジナル奏法による古楽器演奏でバロック音楽と古典派音楽から現代の作品にいたるまで、作曲家各々の音楽の在り方を実践してきた。キャリアを通じて、鍵盤楽器奏者としても活動しており、録音も多い」。
「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの交響曲全集では、オリジナル楽器であるのは勿論だが、彼は音楽学者ザスローの協力の下、各々の楽器編成から奏法に至るまで、原点に立ち返って検討、再現した。また彼はこの時、コンサートマスターのヤープ・シュレイダーと共に指揮をしている。彼自身音楽学者であるが、度々他の音楽の研究者と共同作業をしている」。
「1981年からはアメリカ合衆国でも定期的に指揮を執り、現在ではマサチューセッツ州のボストン・ヘンデル=ハイドン協会(Handel and Haydn Society)の桂冠指揮者に任命されている。1983年から1985年まで、ロンドン・バービカン・センターで催されたモストリー・モーツァルト・フェスティヴァルの芸術監督に着任」。
「1987年から1992年までミネソタ州のセント・ポール室内管弦楽団の音楽監督を務めた。また20世紀の音楽の演奏も積極的で、近年はモダン・オーケストラに客演する機会が増えているが、ピリオド奏法の発想を採り入れたり、20世紀新古典主義音楽(ストラヴィンスキーやヒンデミットなど)の演奏に、バロック音楽や古典派音楽の経験と知識を生かすなど、独自色を出している」。
「ホグウッドはオペラ指揮の経験も豊かである。1983年にミズーリ州セントルイスで『ドン・ジョヴァンニ』を指揮してオペラ・デビューを果たす。ベルリン国立歌劇場、ストックホルム王立歌劇場、コヴェント・ガーデン王立歌劇場などでも活動を続け、オーストラリア歌劇場においては、1994年に『イドメネオ』を、1997年に『皇帝ティートの慈悲』を、1997年には『トーリードのイフィジェニー』を指揮した」。
「1992年から王立音楽アカデミー客員教授。現在ケンブリッジ大学名誉教授。2006年よりエンシェント室内管弦楽団の音楽監督にチェンバロ奏者のリチャード・エガーが就任。 ホグウッドは名誉音楽監督の地位にある」。
「ホグウッドは数々の著作があり、代表的な著作として、BBCミュージック・ガイド叢書より『トリオ・ソナタ』(1979年)と、ジョージ・フレデリック・ヘンデルについての大作の評伝『ヘンデル』(1984年、日本語訳は三澤寿喜訳、東京書籍、1991年)がある」。
「ビゼーの劇付随音楽『アルルの女』をオリジナルの小編成(サクソフォーンは19世紀のオリジナル、自身による楽譜校訂)で録音している。本来戯曲のために書かれた、劇場の付属音楽としての本作品に新たな光を当てた優れた演奏である。ヴィヴァルディの『四季』では従来の出版譜とは異なる資料を用いた新版を校訂を行い、ベーレンライター社から出版されている」。
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これもぜひ見たくなる映画ですね。asongotohさんの文章がそうさせるのかしら。「不滅の恋」は封切りでも見たし、ケーブルテレビでも何回も見たけど、よく出来てますよね。
ピアノに耳をつけて「月光」を弾く場面が一番印象的でした。
私も右耳にかすかな難聴がありますが、聴力検査で骨伝導検査というのをするんですよ。耳でなくて、耳のそばの骨で聞くの。
ほんとに聞こえるんですよ。びっくりです。
2007/11/28(水) 午前 7:22
図書館で借りて「ベートーベンは本当に聞こえなかったのか」という本を読んだことがあります。題名はちがってたかも・・・
おもしろかったですよ。
2007/11/28(水) 午前 7:24
「ベートーベンは本当に聞こえなかったのか」という本、興味あります。「敬愛なるベートーヴェン」では、この部分を印象的に描いていますよ。
2007/11/29(木) 午前 6:20 [ aso**otoh ]