「a song for you」の可能性を求めて

大切な誰かのために、自分の思いを音楽にしてプレゼント

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日本で最初にピアノをもたらしたのは、1823年6月に来日し、鎖国時代の日本の対外貿易窓であった長崎の出島のオランダ商館医となるシーボルト。彼が日本にRolf & Sonsのスクエア・ピアノを持ち込み、帰国前の1828年に、長州の御用商人であった熊谷(くまや)家第4代当主、五右衛門義比が譲り受けたものでした。

それから46年後の1874年(明治7)、ハーバード法律学校(現:ハーバード大学)を卒業した最初の二人の日本人留学生がいました。一人は、1877年4月に東京大学が発足すると、26歳で法学部最初の、たった一人の日本人教授となり、そして1年9ヶ月を経た1879年1月、発作的な自殺を遂げた井上良一(よしかず)。そして、もう一人が、目賀田(めがた)種太郎。一昨日取り上げた、奥中康人さんの著書、「国家と音楽」を参考に目賀田の人となりを追って見たいと思います。

目賀田種太郎は、後に横浜税関長、大蔵省主税局長、枢密院顧問官などの要職を歴任し、貴族院議員として活躍した人で、1880年9月に相馬永胤・田尻稲次郎・駒井重格らと共に専修大学を創設したことでも知られていますが、昨日取り上げた伊澤修二とともに東京音楽大学の設立者の一人でもあります。

目賀田種太郎は、「音楽教育の開祖としてもたたえられた。再渡米中に東京音楽学校(現:東京藝術大学)初代校長の伊沢修二と出会い、日本の音楽唱歌を欧米の音楽と同化させようと共に研究を続けた。日本では、学校教育に音楽教育が取り入れられなかった時期で、11年(1878)、伊沢修二と連名で音楽教育の意見書を文部大臣に提出。米国で師事したルーサー・ホワイティング・メーソン(ボストン音楽学校創立者)に働きかけ、後にメーソンは来日、日本での音楽教育の発展に貢献した」。(ウィキペディア)

目賀田が留学のためアメリカ渡ったのは1870年(明治3)。ハーバードを卒業して帰国後の翌年、彼は、1875年(明治8)に留学生監督として開成学校(現:東京大学)の生徒9人を引き連れて再度渡米することになります。生徒は鳩山和夫、小村寿太郎、菊池武夫、斉藤修一郎、長谷川芳之助、松井直吉、原口要、平井晴次郎、南部球吾。のちに政財界や教育界で活躍する俊英ぞろいであった。1879年(明治12)帰国。

目賀田はハーバード大学在学中に、ボストン大学付属の雄弁学校にも入学しています。そこで彼が学んだのは、「一般発音の練習、分節発音法、正音楽、正読法、動止法、劇的工作、英文学、論理学、劇的揚読法、音声疾病、喉頭鏡学、聴感学、一切の口頭術、口頭作用に関する学理及び実際研究」と、私など見ただけで辟易する学問ですが、彼が英語の読み方や発音、言語障害の教育に関心を持っていたことがわかります。

「国家と音楽」の著者、奥中康人さんはこの目賀田種太郎や伊澤修二が東京音楽学校を設立した最も大きな背景を次ぎのように書いています。

「彼らは、自分たち(日本人)の声を、文明国のスタンダードに同化しなければならないと(ある意味では強迫観念的に)信じて疑わなかった。それは西洋音楽をそのまま受け入れたり、英語を国語として採用することではない。かれらの念頭にあったのは、構音器官のしくみを科学的に理解し、トレーニングすることによって、より進歩した文明社会にふさわしい音声を獲得しようとすることなのである。それは、伊澤が視話法を、英語の発音矯正ではなく、日本語の教育に用いたところに端的にあらわれている」

明治当初、伊澤と目賀田という二人の官僚が目指した音楽教育は、日本の音楽唱歌を欧米の音楽と同化させようとするものでした。それは純粋な音楽のための教育ではありませんでした。日本人が西洋音楽の中に、日本人としての音楽の可能性を探って、身をもって対峙しつつ学び、西洋人から認められるようになるには、それから半世紀後に生まれ、昨日文化勲章受章者の叙勲が報じられた、小澤征爾さんを待たねばなりませんでした。

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