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自虐史観の葬送のために!守るべきは社稷であって国家ではない!

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アソシエーション社会とは、生産手段の協同利用に基づく個人的所有が確立された社会である。この社会の生産関係は、アソシエーション的生産(人格的連合)関係と呼ばれる。マルクス自身は、自分の思想については、時期により社会主義と呼んだり、共産主義と呼んだりいろいろであった。それは、周囲の反資本主義的思想潮流との提携の必要、あるいは逆にそれらとの対抗の必要から、そうしてきたものと思われる。

しかし、将来社会については、社会主義、共産主義という呼称で呼ぶことは非常に少なく、アソシエーション、協同組合的社会という呼称を多く用いていた。

この社会の決定的な特徴は、人格的連合(アソシエーション的)関係という新しい生産関係を基礎とする社会であるという点に求められる。そこでは、自主的自発的協同労働が基本的な労働のあり方となるので、見込労働である私的労働も、資本の自己増殖のために資本の代理人である資本家の意志に従って自分の労働力を消費させられる労働である賃労働もともに消失する。

マルクスの理解では、アソシエーション社会は、資本主義の発展の結果、資本主義社会の内部のその萌芽(胎児)というべき諸要素が形成され、これを開花・発現させることで実現できる[1]ものとされている。

その要素とは、「協業」(複数の労働者が共通の目的のために協力して労働すること)と、その際に行われる生産手段の協同利用である。この二つの要素は、大工業生産様式において、著しく発達する。しかし、資本主義の枠内では、大工業はその持っている力を十分に発揮しきれない、例えば、それは、協業のための共通目的が、資本家によって外から与えられた目的でしかなく、労働者の「やる気」を今以上に引き上げることが難しいという点に現れる。

もし、この目的が、労働する諸個人が類的存在としての自己の本質[2]の実現プロセスの一環としてこの協業を自主的・自発的に形成実行することに置かれるなら、労働は、「やらなければならないこと」から「やりたいこと」へと一歩接近し、労働者の「やる気」を引き上げるだけでなく、労働の労働者自身の肉体的自然や生態系などの環境的自然により適合なものへと接近していくであろう。

もちろん、そのような目的転換は自動的には生じない。しかし、資本主義的発展の帰結である無意識的・無自覚的な相互依存関係の深化と拡大が様々な予測不可能で制御困難な災禍をもたらすことから、人々は、意識的・自覚的な相互依存――協業――の形成によって自分たちの相互関係と自然に対する働きかけの在り方を調整する必要を認識しつつある。

それ故に、労働者たちが自主的・自発的に事業目的を設定し実行するという形態をとった企業がすでに形成されている。人々が協同で出資、経営、労働を行う企業体である。それらは、「労働者協同組合」、「協働労働のための協同組合」、「ワーカーズ・コレクティブ」、「ワーカーズコープ」などと呼ばれ日本でも次第に認知されてきている。とはいえ、もちろん、賃労働に基づく通常の資本主義的企業と比べれば圧倒的少数にとどまっている。政治的な変革[3]を経ずに、この関係が逆転する見込みはないであろう。
 
 
アソシエーション的な経済団体の例
 
北海道ワーカーズ・コレクティブ連絡協議会
 
・協同労働の協同組合 ワーカーズコープ
 
・モンドラゴン協同組合[4] 基本原則
 
・ワーカーズコープ 協同労働への招待
 


[1] ただし、資本主義的生産関係の中では、その実現は妨げられている。なぜなら、他人の労働力を買い集め、自分の目的のために消費しようとする資本家、つまり賃労働を維持しようとする資本家が労働者の協同組合企業に対抗してくるからである。


[2]人間が人間である限り社会の仕組みに関係なく持ち続けるであろう性質、普遍的人間本質をマルクスは類的本質と呼んだ。その内容は、他の人間や自然と関わることなしには生きていけないという点にまず求められる。しかし、自然との関わりなしに生きられないのは、すべての生物についていえることであり、仲間との協力を必要としているという点も蟻、蜂、サル、狼など群れとしての生活を基本とする生物に共通して見られるもので、人間だけの特徴とはいえない。人間の場合、以上のことに、次の点が加わっているところに特徴がある。それは、人間には、他人や自然との関係を意識的に調整・コントロールする能力、つまり、社会関係や環境を自分の目的に応じて改善・変更する能力が備わっているという点である。労働は、まさしくこの能力の発揮であるし、協業が生み出す個人の限界を超えた力も類的本質の現れといってよい。これは、人類の一員である以上どの人にも備わっている能力だが、一人だけではその能力を発揮することはできない。やはり他人との協力が必要である。要するに、それがうまく発揮できるかどうかは、他人との関係しだいで変わってくる。類的本質は社会関係がどう変わろうとなくなるものではないが、それがどれほど発揮できるかは社会関係しだいで変わるのである。


[3] 労働者が独自の政府を作って賃労働の利用(他人労働の搾取)を禁止する法的措置をとるなど。


[4] スペインのバスク地方の町モンドラゴンにある世界最大規模の総合的な労働者協同組合。その労働者数は、スペイン国内のすべての形態の企業の中で10位以内に入ると言われている。






莽崛起(The Rising Multitude )

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