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自虐史観の葬送のために!守るべきは社稷であって国家ではない!

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3つの福祉国家レジーム

 
エスピン=アンデルセン が言う「福祉資本主義の3つの世界」とは、資本主義諸国に見られる3類型の「福祉国家レジーム」(社会民主主義レジーム、保守主義レジーム、自由主義レジーム)のことを言う。
 
エスピン=アンデルセンは、「脱商品化」、「社会的階層化」という二つの指標を用いて次のような3つの福祉レジームの分類を提起した。
 
「脱商品化」とは労働力を商品化できなくなっても生活できる条件が行政サービス,非営利・協同の取り組み,家族,親族ネットワークなどのインフォーマル・セクターとして整備によって担保されていることを言う。
 
「社会的階層化」とは、社会政策が国民の間の職業・階級・身分・性別などによる地位や権利の格差を固定することを言う。すべての国民に一律平等のサービスを提供できない、またはしたくない政府のもとでは、階層化の度合いは高まる。
 
 社会民主主義レジーム…「高度脱商品化」、低度の「社会的階層化」(普遍主義)
 
 保守主義レジーム…「高度脱商品化」、高度の「社会的階層化」(国家主義、コーポラティズム)
 
 自由主義レジーム…「脱商品化」ではなく逆に「商品化」、低度の「社会的階層化」(ただし、市場における競争の結果生じる格差は是認、極端に困窮したものに対象を限定して救済)
 
社会民主主義レジームは「事実上、北欧諸国を指している。」「社会民主主義的なモデルと平等主義は基本的に同じものである。多くの人にとって平等主義的な要素は、普遍主義の実践である。金持ちであれ貧乏人であれ、みなが同じ権利を持ち、同じ給付を受ける。」「社会民主主義レジームでは、必然的に国家を軸とする福祉関係が支配的となる。」
 
 「保守主義レジームの本質は、地位の分断と家族主義の渾然一体である。」「オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリアでは、公務員の特権的な処遇の中に、国家主義的な歴史的遺産が色濃く現れている。きわめて恵まれた適格用件や受給規則を通じても利益を受けている。」「数多くの職業別の制度を整理統合しようという若干の試みが行われたにもかかわらず、コーポラティスト型の身分的区別が社会保障制度を貫いている。」「家族主義は、一家の稼ぎ手としての男性に偏った社会的保護と、ケアの提供者であり、家族をその構成員の福祉に対する究極的な責任主体とする家族中心主義(補完性の原理)との合成物である。」
 
 「自由主義的な福祉レジームの現代的なあり方は、小さな国家、リスクの個人的責任、市場中心の問題解決に向けた政治的取り組みを軸としている」「社会的保障が基本的には、『悪性のリスク』に限定される」「誰が受給資格を有するかという点でも、それが採用する定義は狭い」「受給資格やニードを確認するために資力調査や所得調査を行うことに積極的である」。緊急度の低いリスクは、私的年金や民間の医療保険など市場を働かせる方法で解決が図られる。現在この分類に属するのは、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど。
 
 3つのレジームのうち自由主義レジームと社会民主主義レジームは、ベヴァリッジ型の福祉国家モデルを各国が自国の実情に合わせてアレンジして行った結果、形成されてきたとみなすことができる。イギリスはもちろん、アメリカもベヴァリッジ報告と前後してニューディール政策の一環としてベヴァリッジのモデルと非常に近い内容の福祉国家の形成が着手されていた。しかし、その後両国では自由主義化が進められ1980年代の「新自由主義改革」をつうじて、両国は自由主義レジームへの移行をほぼ完了している。北欧諸国についても社会民主主義レジームが一応の成熟を見たのは、1960年代以降であるとエスピン-アンデルセンも指摘している。保守主義レジームは、ドイツにおけるビスマルク改革を歴史的起源にし、むしろこのとき導入された社会保険制度などは、ベヴァリッジのモデルにヒントを与えたものである。ベヴァリッジ・プランの登場後は、保守主義レジームの国でもベヴァリッジのモデルを部分的に取り入れて福祉国家が形成されてきている。
 
ベヴァリッジ形の福祉モデル
(家族を通じて国家による脱商品化――家政と再分配のハイブリッド+可動性の高い労働市場)
 
  →社民モデル(国家による脱商品化――再分配+可動性の高い労働市場)
 
  →保守主義モデル(家族 [職能団体]による脱商品化――家政+可動性の低い細分化された 労働市場)
 
  →自由主義モデル(市場による商品化――交換+可動性の高い労働市場)
 
 日本は、家族の責任・負担の重さや職業別・地位別のコーポラティズム的な福祉制度などの保守主義の特徴を備えている。しかし、他方では、公的扶助の対象者が厳しく限定され、ミーンズテストなど適格要件の確認も厳格に行われる点が自由主義的である。「日本は、自由主義と保守主義をミックスした特徴を備えており、他の『ミックス』の場合と異なり、国際的に見て独特の組み合わせを示しているけれども、二つのうちの自由主義の面についていえば、外見が示すほど自由主義的ではない」。

転載元転載元: 草莽崛起〜阿蘇地☆曳人のブログ(桜の下に「日本」を屠る決意)

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