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自虐史観の葬送のために!守るべきは社稷であって国家ではない!

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《こんにちは。

かの有名なマルクスの「搾取」論についてつまみ読みしているのですが、この理論の何が画期的で、また後世に到るまで長々と議論されているのかがわかりません。

商品の価値が生産に費やした労働力で決まる、というのはなるほどそういう視点もあると思わされました。しかし、商品の売り上げの中には、商品の生産に必要なコスト、労働者が生活に必要なコストつまり賃金、ここら辺に加えてさらに資本家自身のもうけが存在し、このもうけが「資本家による搾取」である、とする部分には首をかしげてしまいます。

経済活動において誰しもが、自分の自由に使える金銭を増やすために労賃を吊り上げようとし、もちろんその試みは立場が上の人物ほど成功しやすい、というのは当たり前のことではないのですか?


私自身がそのことに気づいたのは恐らく物心ついて間もなくでしょうし、マルクスの時代、あるいは中世、古代の人々のなかでさえ、それは常識であったと思います。にもかかわらず、肯定ましてや否定(!)だのと争われたり、これが資本家独特の悪行のように言われているのは何故なのでしょうか?


さらに後年に証明された「マルクスの基本定理」なぞ、もはやトートロジーにしか見えません。


私が何か、専門用語と一般名詞を取り違えて誤解しているのだと思うのですが、マルクスの偉業を一般的な言葉で説明していただけないでしょうか。

よろしくお願い致します。》



100円で仕入れたものを100円で売っても商売にならないです。

(「あたりまえだ( ̄□ ̄;)!!」)

じゃあ、100円で仕入れたものを120円で売って仕舞いましょう。

(「それでいいじゃん ❇️」「安い仕入れ先や高値がつく市場を開拓するという努力が利益を産むんだよネ d(^-^)」)

はい。個々の企業の収益は、それで説明つきますが、経済全体の成長は、それでは、説明できません。

他の業者がもっと高値で納入している素材や部品を100円で納入してしまった業者は、損をしています。

他者がもっと安値で購入している製品を120円で購入してしまった流通業者や消費者は、損をしています。

結局、製造業者の20円の利益は、どういう按分になるかはその時次第ですが、納入業者、流通業者、消費者の損失の結果です。

次の期には、納入業者が利益を上げ、それ以外が損をし、さらに次の期には消費者の番が来る、これは、確かに現実に起きていることの一部です。

とは言えこれでは、損益が相殺されて経済全体は成長しません。

しかし、言うまでもなく、現実の経済は、成長しています。経済当事者たちは、上記以外の方法でも利益を産み、経済全体を成長させているのに経済学者たちは、それに気づいていなかったのです。

マルクスの経済学上の貢献の一つは、この、第2の利得方法の核心を明かにしたことです。

製造業者が仕入れる素材のうち、労働力という特殊な商品が事態のカギを握っています。

労働力は、それを生産するために遂行された労働以上の、より多量の労働の遂行に転化することが可能です。ある労働者の労働力の生産に必要な生活用品一式の生産に4時間を要するが、そうして作り出された労働力を使用して、5時間、6時間、…8時間、それ以上の労働を遂行させることができます。

この差分が、上の例での20円に当たるのです。これが第2の利得方法です。

値切り倒しやボッタクリ以外に利得の方法がないとしたら、経済全体の成長を説明できないという問題に対して、マルクスは、労働力商品の生産と消費という解を与えたのです。

ご注意願いたいのは、この理屈は、資本家糾弾の方便として打ち出されたものではないということです。全く逆に、この第2の利得方法が、この社会においては何ら不正には当たらないことを示すために提示されているのです。

非常に誤解されている点ですが、マルクスは、資本の運動が惹き起こす諸問題を、個々の資本家の悪意や不正に帰着させることに強く反対しました。

ルールからの逸脱が問題を起こすなら、ルール自体は正しい可能性が高い訳ですが、ルールに則った行動が問題を惹き起こすならルール自体の変更が必要です。

マルクスの狙いは、そこにあります。

資本主義という経済システムの起動点において不正が行われているという立論は、マルクスの行うところではありません。

「搾取」という語も日本語だけで考えてもわからない点があります。ドイツ語、英語の「搾取」(Ausbeutung[独]、exploitation[英])は、ほぼ、共通の意味を持っています。「利用」と訳すことのできるよう法があるのですが、一般的「使用」をいみするuseなどとの決定的に違う意味として、「(AからBを)引き出す」という意味があります。ここから地下資源などの「開発」、潜在能力や可能性の「発展」「展開」という意味が出てきます。

僕は、マルクスは、当時資本家糾弾の方便として用いられていた「搾取」の語を、あえて用いて、そこに「悪意」や「不正」に還元できない社会への積極的なプラスの作用も潜んでいることを示そうとしたのだと考えます。

つまり、

――〈労働力の生産に必要な生活用品の生産に要した過去の労働〉よりも〈その労働力を使役して引き出すことのできる新しい労働〉の方が大きいこと――

が「搾取」であり、それは他人の能力を自分の目的のために利用することではあるけれど、他人の持つ可能性を引き出してやることでもあるという二重性の指摘です。そして、資本主義社会では、この「搾取」によって経済の成長が可能になっている、これを明らかにしたことが、この方面でのマルクスの功績であると考えます。

本文は、以上です。


*とりあえず、いったんここで締めます。この後返信ランでのやり取りがるのですが、それは続きのエントリーで。



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