アスターク同人

山のエキスパート集団、アスターク同人!アスターク同人と内部分会妙高やまの会の公式ブログです。

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〇スイス・グリンデルワルト〜ツェルマット〜マッターホルン その9
〇8月2日(水)ヘルンリ小屋〜マッターホルン〜ヘルンリ小屋〜ツェルマット
〇投稿者 関原

 運命の日。03:20起床、4:00朝食、4:15予定通り玄関前に集合してガイドとヘッドランプを付けてアンザイレンする。玄関の扉が広く開く、アルパインセンター専属ガイドが1番〜10番手、後をスイスやEUなど国際山岳ガイド、そして一般クライマーと続く。しかしそんなに時間差は無い。10分と変わらないスタートだ。初めの20m程の岩の取付きで詰まる。ヘッドランプの明かりが100m程のラインでつながっている。これならガイドの後に付いて登れば行けるのではと感じた。
 第一クロワールで上から落石の音が聞こえ、小石が降ってきた。落石は暗くまったく解らないので、逃げるようにマイクに近寄った。幸い当たらなかったが怖い事件だった。マイクの後を1m〜1.5mの距離でついていく。どこを歩いているかさっぱり解らない。
岩は3級程度で登りやすいが、がれ場では落石を起こさないように注意して登る。ガイドはやはり登り方が上手いし、ルート取りが何通りもあるようで、遅いチームを交わして前に出ていく。
 3700m、1時間登って息が上がってきた。こちらのクライマーは脚が早くパワーが有る。4組に抜かれるが競い合うものでもない。パワーが無い自分を反省する。マイクにお知えられた呼吸を心掛けるが、マイクは早いペースで息が合わない。「ガンバ、ガンバ」と日本語で応援してくれる。取りあえずはソルヴェイ小屋(4003m)まで3時間をクリアしないと…。

 交差するルートを3組が同時に登っていくが、支点は重なるのでロープワークが大切になる。2時間休みなしで、4000mのソルヴェイ小屋が見えてきた。06:21 朝日も顔を出し東壁はオレンジ色に染まる。登攀ラインはヘルンリ稜の東壁側に取られている。ソルヴェイ小屋着06:48。約2時間半と良いペース。ここから先が詰まっていたので立っての休憩。ここから斜面は急になり、太いロープの岩登りとなる。頂上まで高度差478mを2時間で登れるのか?ここまでで、頂上までの全体の半分だ。
 嬉しいのは渋滞しているので、待ち時間が出来る事だ。少しでも息を整える時間は有りがたい。太い固定ロープは所々、氷が張りついていて滑るので脚で登る事を心がけていくが、一段と脚が重くなり息が上がるので休ませくれと頼むが、マイクはシュルター(肩)に出たら雪と岩稜のミックスとなりアイゼンを付けるからそこまでガンバと言われる(厳しい)。ついに肩に出てヘルンリ稜のリッジとなる。スノー&ロックの4100m、息が上がって動けなくなる。
 マイクに少し休ませてもらうと丁度そこに、日本の国際ガイドがマイクの通訳をしてくれた。通訳「頭は痛いか?」 私「NO」 通訳「水分を取るように」 私「了解、お茶を飲む。」抜き際にガイドさんが、私の肩をポンと手で叩き「もう少しだ。行くよ〜〜」と勇気を頂いた。セカンドのパートナーも私の肩を叩いて同じ仕草をした。憧れのマッターホルンで共に競い合うので無く、お互い応援して共に山頂を目指す、元気を頂いた。日本人で良かったと感謝した。
 雪の岩壁では指先の感覚が麻痺して痺れ、手の指を開いたり閉じたりして動かすが戻らない。マイクは、そんな私を見て「スローリー」とゆっくり登るようにしてくれた。ここから雪の岩稜をゆっくり、ゆっくり、息を吐くことに集中して息を整え一歩一歩登る。ここから時間が止まったようだった。1本のトレースの白い霧の中から現れる山頂に登頂し、下山してくる登山者。そしてみんなが喜びを私に伝えてくる。「ワーォ、やったよ〜!頂上はもう少しだ。」「登ったよ〜素晴らしい。」
 この言葉を励みにして、マッターホルン4、478m、8月3日09:06、頂上に立った。マイクと歓喜で抱き合う。「サンキュー!」「アリガトウ。」「ありがとうございます。」

 頂上はとにかく風が強く寒い。周りはガスの中、南側で一瞬ガスが切れたが、すぐ真白くなる。同時に頂上に着いたガイドチームと写真をお互い撮ってすぐ稜線を戻り、風の弱いヘルンリ稜東側で休憩。登頂を済ませて、次の下る課題が現れる。5時間掛かった岩場を今度は同じルートを下る。
 疲れが溜まってくると注意が散漫になり、滑落の危険は登るより大きい。下降はガイドが後ろで、私のロープを確保し下るのだが、岩場の下りはルートが複雑で、マイクに右、左と指示をもらいながら、アイゼンの歯に注意し岩に引っ掛け無いように慎重に降る。急な斜面の所では、マイクが私のロープを確保用の16mm程の鉄ピンに2回巻付けて、ロアーダウンさせて、降りたら私は下の鉄ピンにアイランド(巻き付ける)してセルフビレーを取る。マイクはロープを肩に巻きながら、クライムダウンで降りてくる。早い。
 ブライトホルンでのテストに有ったのがこれだ。自分の体重をロープに預ける事が出来るかどうか?これが出来ない登山者は、クライムダウンで降りていくのでスピードが全然違う。信頼しているので、マイクが段々降りるスピードを上げていく。 
 マイクの適切なルート選択、ロアーダウンを8回程で、なんと6組以上を抜いていく。それでも、まだまだソルヴェイ小屋が見えてこない。ただ、視界は良くなりマッターホルンの綺麗なスカイラインが見えている。10組以上の後続登攀者がいたのに、交差しないのが不思議だ。必ず登ったら同じルートを降りてくるのだから交差が生まれるはず。帰りに出会ったのは雪稜の所で5組位だ。同じホテルの2人組にも逢わない。 どうしたのだろう?
 長い下降だ。後ろ向きで無く、前向きで降れとマイク。確かにその方が早く確実だ。お尻を下げて両腕を下げて、脚を決めて脚を下へ伸ばす。しかしルート、踏み跡が分らない。どこでも行けそうでいけないのだ。 段々ヘルンリ小屋が大きくなってきて、13:04取付きに着いた。登り5時間、下り4時間、全行程9時間でマッターホルンの登山に成功した。ここでも、マイクと固い握手をして感謝を伝えた。マイクも安全に降ろした安堵感で喜んでいる。

 ありがとうマッターホルン。天気を待ちわびて、やっと登れたからこその大きな感動がある。今日1日がとっても愛おしく充実した日であった。 
 マイクにアルパインセンター発行の登頂証明書を有難く頂き、嬉しくってマイクに頼んで二人の記念写真を撮ってもらい、缶ビールで乾杯した。 
「マイク、君はマッターホルンのスペシャリストだ。君のお陰で登れたよ。ありがとう〜。」明日もマッターホルンへ登るので、これから休むと言うマイクと笑顔で別れた。ヘルンリ小屋で荷物をまとめ、16時30分の最終ゴンドラに間に合うように14:05分下山開始した。
 もう脚がかなり疲労しているのが分かっていた。ヘルンリ小屋からシュヴァルツゼーまで、約2時間かかる。今の自分の脚では2時間半は必要と考えたら、ゆっくりしている時間は無い。2本のストックが有りがたい。下りは特に脚に負担が掛かるので慎重に下る。途中、北壁ラインへ下る道を50m程下ってしまい又登り返した。もう何も考えていないのだ。足首を捻らないようストックで抑えて注意して降る。3日前に下りで、右首を捻って腫れていた。
 もう、後は無事にホテルまで帰るだけだ。「何とかなる。」そう言って16:15、シュヴァルツゼーゴンドラ乗り場に到着して混んでいるゴンドラに入れてもらいツェルマットの街に戻ってきた。 
 2段べットの上段で、全身筋肉痛でもう動けない。 明日は朝から帰国。何と早い2週間だったのだろう。

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念願のマッターホルン登頂おめでとうございます!
目標を持ち、その目標を達成するには、何をすべきか考え行動し、実現していく姿にはいつも感心させられます。 削除

2017/9/17(日) 午前 8:57 [ てるやま ] 返信する

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> てるやまさん へ

てるやまさんが一緒に登ってくれたからです。〜いい経験をさせて頂いています。 剣岳は、てるやまと相性がイイね〜
3回も完登している。
チンネの5月の早月尾根、源次郎尾根
さて来年は〜

「八ヶ峰主稜 避けては通れない課題だ。 笑))」 削除

2017/9/24(日) 午前 8:26 [ ] 返信する

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