アスターク同人

山のエキスパート集団、アスターク同人!アスターク同人と内部分会妙高やまの会の公式ブログです。

全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全374ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

イメージ 1

○2019年 春の南葉山古道整備 参加者募集!
○投稿者 アスターク同人リーダー会

○山行日:令和元年6月16日(日)
○山行地:矢代山地・籠町南葉山〜青田南葉山
○集合地:妙高市西野谷 万内川砂防公園駐車場 午前7:00
○目的概要:古道の整備山行です。南葉山の稜線を歩きながら歴史ある道の整備をします。

 今年は温度差が激しい不安定な陽気が続きましたが、ここに来てようやく安定した好天に恵まれています。山では空木の花が満開となり、アスターク恒例の「春の南葉山古道整備」の季節となりました。
 毎回、沢山の方々にご支援を頂きながらこの活動を続けておりますが、この道型を維持するためには、多くの方から歩いていただく事が一番の整備となります。これから迎える登山シーズンに向けて安全に歩けるよう整備をし、多くの登山者を迎えたいと考えています。
 稜線からは田植えが済んで緑色に輝く高田平野が一望でき、豊かな自然に恵まれたこの地を愛おしく感じることでしょう。
 
 作業内容は籠町南葉山〜青田南葉山の稜線での草刈りとなる予定です。
 現代に呼び戻された歴史の道を伝え続けるための地道な作業ですが、ふるさとを愛し、自然と共に生きるアスタークの活動に関心をもたれる方、共感された方、一緒に活動してみませんか?

 下山後は、登山口西野谷の公民館でアスタークオリジナル「竹の子汁会」を催します。最上級の取れたて竹の子をふんだんに使った野趣たっぷりの竹の子汁は、初夏の味覚を存分に味わうことで好評を博しております。今回も更に趣向を凝らしたものとなる予定ですので、こちらへのご参加もお待ちしております。

○行動予定
   7:00万内川砂防公園駐車場集合
   7:30〜12:00籠町南葉山登山口へ移動、数グループに分かれ整備活動
  12:00〜13:00昼食休憩
  13:00〜14:30整備活動
  15:00万内川砂防公園駐車場(第一次解散)
       *その後西野谷公民館 AJ特製「竹の子汁」を楽しむ会
  16:00 最終解散
  
○持ち物:鎌又は鋸、昼食、雨具、軍手あとは日帰り山行程度の装備です。最後のお楽しみのためにも着替えはご用意されたほうがいいでしょう。

○申し込み:6月12日(水)までに以下へお申し込み下さい。TEL(FAX兼)0255−73−7249(松木:午後7時以降) ブログトップページより会員用掲示板、管理者へメール蘭からもお申し込みいただけます。

○その他:下山後は、「AJ特製竹の子汁会」(参加費1,000円)で労をねぎらいます。若干のアルコール類を提供いたしますので、飲酒を希望される方は参加申し込み時にお知らせください。

開く コメント(0)

イメージ 1

第31218号

〇今月の一言    自然の厳しさに触れて思う … 村田

 「ふだんの生活で、自分が自然の一部であることを強く意識することはなかなかできない。先日、勤務している小学校で、グラウンドの隅でカラスにやられたらしい小鳥が死んでいると子どもたちが報告に来た。行ってみると腹が奇麗な黄色であとは黒のキビタキだった。実は、山に登っていてキビタキの奇麗な鳴き声はよく聞くが姿はなかなか見る機会に恵まれなかった。2年ほど前に一度だけその美しい姿を双眼鏡でアップで見たときにはいたく感激したものだ。子どもの手のひらに乗せられたキビタキ。さっきまで目を開けたりしていたという。細い2本の脚はちぢこまっている。どんな出来事があったかは分からないがカラスにやられたか、あるいは、弱ったところをカラスにさらに襲われたか、こんな美しい野鳥が、里山からあまり遠くないが林もなく広々した田んぼと住宅地が広がるこんな学校のグラウンドで、その「一生」を終えようとしている。ちなみに、キビタキは夏鳥で、春にマレーシアやフィリピンあたりから春渡ってくる渡り鳥である。めったに遭遇しない自然の厳しい出来事に直面したと思った。

 最近高田の街中にまで子熊がやってきて、木の上に登って逃げたりした出来事があった。地元新聞に木に登った子熊を人が取り囲む写真まで掲載された。ふだんの私たちの暮らしの中にも、そんな風に時々は、自然を意識する特別の出来事が起きることがある。でもそれはめったにない出来事である。倒れた木や何か事故死で死んだ動物の死骸などもすぐに撤去されたしまう。
 でも山に登ることで、いつでも、より鮮明に自分が自然の一部であることを強く意識することができる。大地の隆起、火山の生成、水循環による山々の形成、豊かな緑と動植物の営み。その魅力は汲みつくせない。そこで生まれそこで生きてそこの土になる。そこの食物連鎖の流れの中に納まるしかない。美しく厳しく劇的で魅力的で豊かな世界がすぐそこにある。
 例年なら夏になって訪れる青田川の源流に、残雪が消えつつあるこの春から夏に向かおうとするこの時期に初めて沢靴で入ってみた。雪渓の下をゴーゴーと流れる雪解け水が新緑とマッチしてみごとだった。激しい流れは大蛇が自分に迫ってくるかのような迫力だ。冬から春そして夏へ、低山から高山へ、銀嶺輝く雪の世界が緑と力強い大地の色に塗り替えられていく。四季折々、山々はそれぞれに魅力的な世界が広がっている。せっかく、厳しいこの雪国に暮らしているのだから大いにこの劇的な自然を楽しみたいものだ。」


〇6月の山行・活動予定
 06月01日(土) 長野・大峰山物見の岩場 L松木智
 06月08日(土) 佐久・志賀の岩場 L松木智
 06月13日(木) 定例会 いきいきプラザ2F 19:00〜
 06月15日(土) 古道整備前日準備 CL松木智
 06月16日(日) 矢代・籠町南葉山「春の古道整備」 CL松木智
 06月22日(土) 西頸・青海黒姫山衝立岩凹状壁右フェース L松木智

開く コメント(1)

イメージ 1 イメージ 2 イメージ 3 イメージ 4 イメージ 5 イメージ 6 イメージ 7 イメージ 8 イメージ 9
イメージ 10 イメージ 11 イメージ 12 イメージ 13 イメージ 14 イメージ 15 イメージ 16 イメージ 17 イメージ 18
イメージ 19 イメージ 20 イメージ 21

イメージ 21

〇北ア・サンルームが嬉しい冷池山荘と爺ヶ岳の雷鳥
〇投稿者 ち

 GWの爺ヶ岳登山の際にお世話になった冷池山荘の様子です。
 爺ヶ岳と鹿嶋槍ヶ岳の稜線上の中間点にあり、ご覧のように剱岳や立山のロケが抜群に素晴らしい所です。
 外観からは想像がつかない程建物の内部は綺麗で、陽光が当たり明るい室内です。
 西側にはサンルームがあり、強風で冷え切った体をポカポカと日の当たる室内でほぐすことができます。
 外の寒さを感じることなく、立山や剱岳の雄姿をまったりと飽きることなく眺めていることができます。
 
 居室にはそれぞれ二階があり、上下6人ずつの計12人が泊まれるようです。一人当たりのスペースはゆったりしておりとても快適に休むことができました。

 スタッフの小気味よい口調は好感が持てましたし、皆さんとても親切でした。
 夕食に付いたお蕎麦が嬉しかったですね。

 爺ヶ岳や鹿島槍ヶ岳にはライチョウが沢山いると聞いていましたが、私たちも一組のツガイと、一羽のオスに出会うことができました。ひたすら餌を探す雌と、雌の安全を守るべく周囲を警戒する雄の仲睦まじい姿は、微笑ましい限りです。
 ちなみにこの時であった雄は、私たちの存在を意識してご覧のようなキメポーズをしてくれました。
 

開く コメント(0)

イメージ 1 イメージ 2 イメージ 3 イメージ 4 イメージ 5 イメージ 6

イメージ 6

〇山行地:北ア・猿倉〜杓子岳双子尾根
〇山行日:2019年04月28日
〇メンバー:L永田、和田
〇報告者:永田

 GW10連休は仕事の都合であまり遠出ができない状況となったため、白馬岳主稜が真っ先に候補として浮かんだが、経験が不十分なため、お隣の杓子岳双子尾根に和田さんと行くこととなった。

 長野市内をまだ暗い4時に出発し、猿倉に5時に到着した。GWで猿倉の駐車場の混雑を予想していたが、長い休みで昨日は寒気が入り天候が悪かったせいか、半分程度しか埋まっていない。寒気が残っているせいか、気温は零下3℃とGWにしては低く、このところの暖かさに慣れた体には、とてつもなく寒く感じる。

 準備を整え5:30に猿倉を出発。猿倉手前の林道は雪が少ないと感じたが、猿倉あたりは例年どおりの雪の量である。平地での量は少ないが、一定の標高を越えると例年並みの量はあるようだ。前日は吹雪いていたらしいので、そのためところどころに新雪の吹き溜まりがあり、膝下まで埋まってしまう。先行者はバックカントリーの登山者が多く、シールやスノーシューのトレースが多いが、ツボ足は少ない。出だしはかなり寒かったが、太陽が高くなってくると、汗が吹き出してくる。
 猿倉台地で休憩していたツボ足登山者と話しをしたところ、「白馬尻」とか「大雪渓」とか方向が異なる地名がでてくるので、よくよく確認すると、その登山者は白馬大雪渓へのルートと思い猿倉台地に来てしまっていたようだ。早々に来たルートを戻っていった。
 小日向のコルの手前の斜面を登っていく。雪の汚れた部分は新雪ではなくザラメ雪で歩きやすいが、新雪の吹き溜まりは膝上まで埋まり、歩くのに苦労する。猿倉から2時間ほどで小日向のコルに到着するが、あまり慣れていないアイゼン歩行のため、この時点で少々疲れてしまっている。

 ここから杓子岳の稜線に向かう。最初はゆるやかで広い稜線だが、徐々に細いスノーリッジとなってくる。両サイドの斜度は40から60度はあり、足を滑らせたら止まることは困難だ。トレースはなく、固いザラメ雪の層の上にところどころ新雪が積もっており、ときおり不意に深く埋まるため、一歩一歩慎重に緊張しながら足を進めていく。徐々にスノーリッジにも慣れてきて、1時間ほど登ると、樺平全体を一望できる樺平への降り口に到着する。
 せいぜい20m四方の台地を想像していたが、100m四方の大きな窪地である。思っていたほど平坦ではないので、テントを快適に張れそうな場所は限られそうだ。重いテントを担いで細い雪稜を登るのは大変そうだが、素晴らしいロケーションだ。
 細い稜線歩きから一時的に解放されホッとして、腰を下ろして休憩するが、どうも体調が悪い。足は重いし、頭痛もする。目を閉じると平衡感覚に違和感がある。10分ほど休憩して少しは回復したことを期待し、樺平へと下る。
 樺平からの登りで数十mの吹き溜まりがあり、太もも上のラッセルとなる。だんだんと足が上がらなくなり、和田さんと交代してもらう。ラッセルの2番手ではあるが、やはり足が上がらない。登山初心者のころにきついルートに行ったような疲労度合いだ。
 見上げると、杓子岳への急なスノーリッジとところどころ岩稜が見える。あと600m登れば頂上だが、登りきるだけの余裕がない。昨年末に思いも寄らない胆石と胆嚢炎を発症したこともあり、この最近感じたことのない疲れ具合は何かの病気の前兆?と頭によぎる。まだ余力のあるうちに下山すべきと考え、和田さんには申し訳ないが、ここで撤退をお願いする。

 登ってきた細く長いスノーリッジを下っていくが、登りよりも下りは高度感が増すのと、気温上昇で新雪が固まりやすくなってきてアイゼンダンゴができやすくなってきたため、登りよりも緊張する。
 1時間ほどで小日向のコルに戻る。ふと空を見上げると、太陽の周囲に輪と空の低い位置に虹彩ができている。それぞれ、「ハロ現象」、「環水平アーク」というらしい。
 疲れてはいるが、このまま帰るのももったいないので、雪上訓練をすることにした。スノーバーによる確保、スタンディング・アックス・ビレー、スノーボラードでの懸垂下降を1時間ほど行う。その後、小日向のコルの急斜面と平坦な猿倉台地を下り、1.5時間ほどで猿倉に到着した。

 核心に至る前に敗退となってしまった。その後、特に体調は悪くならなかったことから、何かの病気ということはなさそうだ。原因は、日ごろの心肺トレーニング不足、汗のかき過ぎ、スノーリッジでの緊張、あたりだろうか。今回の敗退を反省し、来シーズンは計画的にトレーニングを行い、白馬岳主稜を踏破したいものだ。

開く コメント(1)

イメージ 1 イメージ 2 イメージ 3 イメージ 4 イメージ 5 イメージ 6 イメージ 7 イメージ 8 イメージ 9
イメージ 10 イメージ 11 イメージ 12 イメージ 13 イメージ 14 イメージ 15 イメージ 16 イメージ 17 イメージ 18
イメージ 19 イメージ 20 イメージ 21 イメージ 22 イメージ 23 イメージ 24

イメージ 24

〇山行地 北ア・扇沢〜爺ヶ岳南尾根〜爺ケ岳
〇山行日 2019年5月3日〜4日
〇メンバー L松木智 古川
〇報告者 松木智

 10連休のメイン山行を、以前から行きたいと思っていた雪の爺ヶ岳に決めていた。当初はテントを担いでJP辺りでキャンプを張るつもりでいたのだが、長丁場に重荷を担ぐ体力が付いてこず、冷池山荘が営業していると聞き、迷うことなく小屋泊の計画に変更した。
 さて、当日柏新道登山口の駐車場は予想どうり満車で、手前のスノーシェッド入り口の駐車場に何とか止めることができた。登山口のゲートには臨時の案内所が設置されており、ここで登山計画書を出す。「今日はもう40人ぐらいが入っていますよ」と、係のおじさんに見送られて出発する。

 しばらくは所々雪が残っている柏新道の登山道を行く。標高1856mの駅見岬付近で南尾根の取り付きを知らせる黄色い看板に導かれ雪の斜面に取り付く。すでに大勢が歩いた後なので踏み後は明瞭、迷うことなくひたすら登る。細い尾根上に出ると踏み後は樹林帯の中を縫うようになり、木の根が絡み合う上に所々氷化していてとても歩きにくい。「長い!」とは聞いていたが、この樹林帯の登行は「忍」の一字だ。高度を上げるにつれ樹林帯の右手に雪の斜面が現れ始める。雪面が広くなり傾斜が増すと、踏み跡は樹林帯から雪面に出る。見ると急斜面をぞろぞろと行く先行者の姿が見え、「こんなに登っていたのか!」と驚かされる。歩きにくい樹林帯から解放されたのは良いが、気温が高いためグズグズの雪にアイゼンが効かずこれまた歩きにくい。「この斜面の先がJPだよ。」とリカちゃんを励ますも、ついて見ればその先にまた白い尾根が伸びており、何度目かの正直でようやくJPにたどり着く。ここまで3時間を要した。
 ホットしたのもつかの間、見上げれば、その先にはさらに傾斜を増した真っ白な尾根が青い空に向かって延びている。先端は爺ヶ岳南峰山頂のはずだが、山頂付近の登山者の姿は点にしか見えず、どれだけの距離があるのか…、気持ちが折れそうになる。ゆっくり一歩ずつ歩を進めては立ち止まる。左前方には種池山荘が建つ平らな稜線の向こうに剱岳が、そのまま左後方へ目を移すとスバリ岳、針ノ木岳の稜線の向こうには立山や穂高連峰の山並みが広がり、一瞬疲れを忘れさせてくれる。ジリジリと歩を進めJPから二時間後の12時40分ようやく爺ヶ岳南峰に到達した。
 南峰に出ると正面に鹿島槍ヶ岳が大迫力で迫る。その奥には白馬岳や白馬乗鞍、姫川を挟んで海谷や雨飾山、焼山、妙高戸隠連山が連なる。絶景ともいえる眺望を楽しみながら、最高地点の爺ヶ岳中峰を踏む。ここから見える今日の宿泊地、冷池山荘までのトレースはあまりにも長く、明日またこの距離を登り返すことを考えるとぞっとする。いっそこのまま下山しようかとも考えたが、安全面、翌日の鹿島槍ヶ岳登頂の可能性も視野に入れると、当初予定通り冷池小屋で泊まるのが良いということになり、重い足取りで小屋へ向かった。
  二時間後の15:00、ようやく冷池山荘に到着。山荘の前にはテントが10張りほどあり、ロケも良くなかなか快適そうなキャンプサイトのようだ。受付を済ませ装備を解くと、陽光に輝く立山方向の山並みをつまみに、温かい日差しに溢れるサンルームでビールを飲む。至福のひと時だ。夕食を終えてもまだ日差しがあり、日の長さに春を実感する。見ると、それまで山頂付近の雲が取れずにいた剱岳が全貌を現しており、剱岳と手前の黒部別山の間に夕日が沈もうとしていた。神々しい瞬間を捉えようと、沢山の宿泊客が外に出て一斉にカメラを構え日が沈むまでシャッターを押していた。こんな瞬間に「あの頂に立ちたい!」と、山への思いが募るのだろう。夜は寒さを感じることも無く良く眠ることができた。

 翌朝は一点の曇りもない快晴で無風状態、絶好の登頂日和であった。が、しかし私たちは鹿島槍へは行かず下山することに決め、あわただしく準備をする登山者を尻目に、ゆっくりと朝食をとり身支度を整え小屋を後にした。まだ時間が早いため行き交う登山者も殆んどなく、昨日とは打って変わって静かな山歩きとなった。
 立ち止まって地図を広げ山座同定をしたり、写真を撮ったりとゆっくりのんびり歩を進め爺ヶ岳南峰を目指す。途中、一組のライチョウのツガイと一羽の雄に出会い、その愛らしい姿に歓声を上げた。人なれしているのか私たちを警戒する様子もなく、リカちゃんのすぐ脇をトコトコ歩いているのである。餌探しに必死で人間の事などお構いなしにあちらこちら動き回る雌、それを心配してゴロゴロと小さく鳴きながら雌の後を追う雄の姿は微笑ましく、雄に見守られながら呑気に生きる雌がうらやましく感じられた。
 南峰の山頂に立てば昨日よりくっきりと360度の大パノラマが広がり、無風の中ゆったりと休憩をとる。何度見てもどれだけ見ても見飽きない眺望に、時のたつのを忘れてしまう。南峰からJPまでの下山はガレ場を下ることにした。気温が高く雪が腐り過ぎている上、昨日、一カ所ではあるが非常にいやらしい雪壁を越えてきたことが思い出され、ここはガレ場に逃げようと考えていた。アイゼンを付けたり外したりするのも手間なので最初からガレを下ることにしたのだ。ガレ場とは言っても大勢の登山者によってすっかりルートが出来上がり立派な登山道となっている。
 JPまで戻ると昨日のテント村はほとんど撤収され、風よけに積み上げられた雪のブロックは早くも溶けて崩れ始めていた。空にはパラグライダーが一機、南峰上空を気持ちよさそうに飛行しており、この先の長い下りを思うと空を飛んで帰りたいと思うのだった。
JPの先は樹林帯と雪の尾根を行ったり来たりするが、アイゼンの必要は無く、結局、今山行ではピッケルはザックに付いたまま、アイゼンは初日のJPから南峰までの間に使用しただけで出番はほとんどなかった。しかし、すれ違う登山者は殆んどが雪面に出た瞬間からアイゼンを履いており、中には南尾根の取り付きからあの樹林帯をアイゼンを付けて登っていたパーティーがあり、それでなくても歩きにくいのに、木の根にアイゼンが引っかかり余計に体力を消耗しているように見えた。
 南峰からの下りではアイゼンを履いてストックを持つ登山者が多かったが、下りではやはりピッケルを使うべきだろう。万が一足を滑らせた場合、ストックでは滑落を止めることは出来ないからだ。「みんな無事に下りてきてね!」と願いながら、私たちは樹林帯へと突入する。目印の赤いテープもあり、踏み後も明瞭なのだが、所々氷化していたり、踏み抜いた跡を避けたりと気が抜けない。下っても下っても一向に標高が落ちない。時折扇沢のバス案内のアナウンスが聞こえてくるが、木々の合間から見えるターミナル駐車場の車は点にしか見えない。何度か休憩を入れ、足の痛みを癒しながらようやく登山口のゲートに出たのは南峰から4時間後の13時であった。
大町温泉「薬師の湯」で汗を流すが、下界は20度を超える暑さで、一瞬山頂の寒さが恋しく感じられた。

開く コメント(0)

全374ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事