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ディテール166は時代の流れ、
「セキュリティのディテール」
動物学者によると、動物の巣の構造は
「vistaとshelter」
という対になる考え方が基本となっているという。
「vista」とは
巣から外への視界が開かれていること。
近づく敵に速やかに気づき、敵に対する備えができること。
「shelter」とは
避難所としての安全性。
侵入されない堅固な防御、周囲への同化など、さまざまな工夫が施される。
動物の巣=目立たない、という固定的なイメージに対して、
巣の住み手の目からは、「vista」が大切ということは、新鮮な感覚ではなかろうか。
vista=敵をいかに早く察知するかは、情報入手の重要性を意味しており、
それがshelterという物理的な守りと同格に大切である点を重視したい。
この二つの対概念を人間世界に当てはめると、まず重要なことは、
「自分の在不在や情報は敵に見せずに、敵の存在・情報を知る」
ことである。
ただ知るだけでなく、知ったことを生かして
「敵の接近にすでに気づいていることを敵に示す」
ことで、犯罪を未然に止める抑止効果につなげる。
知恵と知恵の戦いである。
二つ目は、それでも迫ってくる敵に対して、
「内側を強固に守り、追い払う、中にいれない、または相手を捕獲するなど、
仕掛け・仕組みを凝らす」
ことであり、文字通り防御を意味する。
いわば、情報戦・頭脳戦で始まり、そこで終わらない場合は、実践・肉弾戦へと移行するわけである。
情報戦における
「自分の在不在や情報は相手に見せずに、相手の存在・情報を知る」
という原則であるが、現代社会においては、はなはだ怪しくなっていることが分かる。
個人情報の漏洩に象徴されるように、今や、個人情報を守ることが難しい社会となっている。
逆に予測を覆す犯罪手口や、予想もしない人が犯人だったとの例からも分かるように、
敵の存在を常識的に予測することが困難となりつつある。
この自分の情報が見ず知らずの第3者に知られ、相手の情報はつかめないという状況は、
まさにセキュリティの構造が逆転しているのであり、
今日の防犯意識の高まりとの相関を認めざるを得ない。
防犯、防犯、と言っているけど、根本にあるものが何なのか、
良く考慮して対策を行わなければならないな。
塀やフェンスだらけの窮屈な世の中になってしまう。
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