建築士のつぶやき

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「メタボラ」

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著者:桐野 夏生
出版社: 朝日新聞社 (2007/5/8)


■内容紹介
日本の社会に未来はあるのか? ニート、請負労働者、ホスト、バックパッカー……。
〈自分探し〉の果て、下流社会を漂流し続ける若者たち。
記憶を失くした青年は、ゼロからの〈自分探し〉=新しい〈自己創造〉の旅に出る。
桐野夏生が新境地に挑んだ最新長編小説。

■内容(「BOOK」データベースより)
破壊されつくした僕たちは、“自分殺し”の旅に出る。なぜ“僕”の記憶は失われたのか?
世界から搾取され、漂流するしかない若者は、日々の記憶を塗りかえる。
孤独な魂の冒険を描く、まったく新しいロードフィクション。

■内容(「MARC」データベースより)
なぜ「僕」の記憶は失われたのか?
世界から搾取され、漂流するしかない若者は、日々の記憶を塗りかえる。
破壊されつくした僕たちは「自分殺し」の旅に出る。
孤独な魂の冒険を描く、まったく新しいロードフィクション。


記憶を失くしたギンジと、沖縄育ちの奔放なアキンツ、二人の視点で描かれた
沖縄が舞台の物語。

「日本とアジアの中間にある(←文中表現による)」とされる、
日本でも独自の風土や文化を持つ沖縄という地において、ワーキングプア、ニート、
目標を失った若者たち。。。といった現代の問題を、
二人をとりまく環境で表現されている。

確かに、現代の若者は、生まれた時から、困難な社会環境におかれ、
更に、周囲やマスコミにも追い討ちをかけるように、社会の「負」の象徴として取り上げられ、精神的にも肉体的にも大変厳しく、大変だと思う。

ただ、同じ状況下でも、ポジティブに、自分を持って頑張っている人も多いし、
その方が多いのではないか。
(例えば、スポーツ選手、石川遼くんや、宮里藍ちゃん、等々。。。)

ネガティブな状況になってしまうことには、
社会や家族など周囲にもしかしたらその一因はあるかもしれないが、
最後は自分自身だ、ということに気づいて欲しいし、
気づかせてあげなければならないし、そういう自分自身も、
気づかなくてはならないなあと思う。

ギンジとアキンツが知らず知らずにはまってしまった沼はとても深いかもしれないが
何とか、這い上がって、頑張って欲しい。

ラストシーン、私は彼らの新しい生活が始まる第一歩と考えたい。

「砂漠」

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伊坂 幸太郎 (著)
出版社: 新潮社 (2010/6/29)

◇出版社 / 著者からの内容紹介
麻雀、合コン、バイトetc……普通のキャンパスライフを送りながら、
「その気になれば俺たちだって、何かできるんじゃないか」と考え、もがく5人の学生たち。
社会という「砂漠」に巣立つ前の「オアシス」で、あっという間に過ぎゆく日々を送る若者群像を活写。
日本全国の伊坂ファン待望、1年半ぶりの書き下ろし長編青春小説!

入学早々、リーダー格の「鳥井」の豪華マンションに、キモオタ系の「西嶋」が麻雀に誘ったのは、
「東・西・南・北」がつくという理由だけで、
絶世の美女「東堂」、鳥井の中学の同級生「南」、そして、地味な「北村」。

5人は、大学の4年間、ゆったりまったり、学生ならではの時間の中で、
それなりの刺激を受けながら、過ごしていく。

こんな時代もあったな〜。なんて、懐かしくもあり、
こんなだったら良かったな〜。なんて、羨ましくもあり。

最も魅力的なキャラは、「西嶋」。登場人物たちが表現する西嶋は、こんな感じ。
「格好悪いけど、堂々としている」
「見苦しいけど、見苦しくない。西嶋を見てると、何でもできる気がするんだよなー」
「西嶋には果てがない。そんな感じだ。」

式の最後、学長が言った言葉が良い。

「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と
逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ。」

逃げてないかな〜、私。。。

さらに、

「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである。」

贅沢な人間関係、築けているかな〜。私。。。


伊坂氏らしく、流れるようなみずみずしい文体で、
クスッと笑えるところやキュンと切なくなるところが散りばめてあり、
楽しかった〜。

「パレード」

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吉田 修一 (著)
出版社: 幻冬舎 (2002/01)


◇著者からの内容紹介
5人の若者の奇妙な2LDK共同生活を描いた青春小説。いつの時代も現実は厳しい。
でもふさわしい自分を演じればそこは、誰もが入れる天国になる。
杉本良介21歳、H大学経済学部3年。
大垣内琴美23歳、無職。
小窪サトル18歳、「夜のお仕事」に勤務。
相馬未来24歳、イラストレーター兼雑貨屋店長。
伊原直輝28歳、インディペンデントの映画配給会社勤務。
5人の生活がオムニバスで綴られる。

◇内容(「BOOK」データベースより)
いつの時代も現実は厳しい!でも相応しい自分を演じれば、
そこは誰もが入れる天国になる。先の見えない五人の微妙な2LDK共同生活。

◇内容(「MARC」データベースより)
いつの時代も現実は厳しい! 素顔のままでは生きにくい。
でも相応しい自分を演じれば、そこは誰もが入れる天国になる。
先の見えない5人、杉本良介、大垣内琴美、小窪サトル、相馬未来、伊原直輝の
微妙な2LDK共同生活。


偶然、千歳烏山が舞台。
出てくる地名もよくわかるので、余計にリアル。

よくある仲間、生活、光景。

不思議なルームメイトたち。

お互いの距離感。

それぞれの視点で語られていき、お互いの心境が分かってくる。

最後はかなりの衝撃。
途中で、まさか。。。と気づきはするのだが、そうあってほしくないと願った。

読後、夜中、一人で街を歩くのが怖くなった。

吉田氏の作品、「悪人」よりこちらの方が、記憶に残った。

映画化もされていて、DVDもある。落ち着いたら見てみたい。
怖いかな。。。

「悪人」

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悪人

吉田 修一 (著)
出版社: 朝日新聞社 (2007/4/6)
公式サイト:http://publications.asahi.com/akunin/


◇内容紹介
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――
携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。
再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか?
残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。
一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた
渾身の傑作長編。

◇内容(「BOOK」データベースより)
保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。
加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。
なぜ、事件は起きたのか?
なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。


金髪の妻夫木くんと切ない表情をした深津さんを、
映画の広告でも見かけるようになった。

「悪人」というこの表題は、読者に本当の「悪人」は誰か、考えさせようとしているのかもしれない。

殺された女にも、殺した男にも、逃げた男にも、一緒に逃げる女にも、
彼らを取り巻く家族にも、みな、「悪人」たるべき要素を持っている。

逃避行を続ける男女の姿には、次第に感情移入していき、
つかまって欲しくないと思ってしまう。

「悪人」は誰か。。。

そんな犯人探しをすることこそが、無意味だと、作者はいっているのかもしれない。

「携帯サイト」で知り合い、その日限りの出会いなどを繰り返すことに光は見えず、
やはり、「人」として面と向かって接しないと道は開けない。
愛も、夢も、生まれない。

後味の悪い作品。



サムライ・ブルーのパラグアイ戦、いよいよ今夜!
仮に誰かが失敗したとしても、「悪人」探しではなく、
大きな輪の中で補い合い、個々の実力を最大に出して、めいっぱい戦ってほしい。

あ〜どきどきする。。。

「永遠の0」

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著者:百田 尚樹
出版社: 講談社
文庫化:2009/7/15


◇著者からのコメント
この小説のテーマは「約束」です。
言葉も愛も、現代(いま)よりずっと重たかった時代の物語です。

◇内容(カバーの折り返し)
「生きて妻のもとへ帰る」
日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、
仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた……。
人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、
太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。
祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。
元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。

凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗りーーそれが祖父だった。
「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻に志願したのか? 
健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。
はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語!


戦後65年たち、戦争を経験された方が少なくなり、平和な毎日を当然のごとく過ごす私たち。

戦争が、紛れもなく、この日本で、世界であったのだということを、
それはすべて、同じ日本人が、人間が起こしたことであったということを、
改めて気づかされた。

私は祖父に、僅かではあるが、戦争の影を感じた事がある。

母方の祖父は、膝に銃弾を貫通させた跡があり、その怪我のおかげで戦地から帰され生き延びた。
亡くなって何年もたってから、家の倉庫を整理していたら、昔の写真が無造作に空き箱に。
開けてみると、手に手に銃を持って戦地にたつ、祖父と軍人の姿が。
手が震えながらも目を離す事ができず、その時の衝撃は忘れる事ができない。

父方の祖父は、事故で意識不明で寝たきりだった1年の間、誰が声をかけても反応しなかったのに、
軍歌を枕元でかけると、僅かではあるが目を泳がせていた。
亡くなるその日まで、ずっと軍歌が病室にかかっていたこと、昨日のことのように覚えている。

でも、二人とも、ひとことも、戦争のこと、体験したことについては、触れた事がなかった。

とても、話せるような状況ではなかったのだろうな。。

この本を読んで、二人の祖父の姿が重なった。

当時の日本は、戦場の現場を知らない、現実を見ようとしない国の中枢部が、
国民を道具として扱い、そのために、尊い命をたくさん失ってしまった。
負けが分かっていても、決して国の為にならないと分かっていても、
逆らう事ができない当時の情勢、世論。。。
特攻はテロなんかでは決してなく、みな、個々の意思を持った人間であり、
洗脳されていたわけではなかった。。。
戦時中はヒーロー扱いだったのに、戦後は一転、戦犯者として世間から疎まれるという非情な現実。

途中、読み続けるのがつらくなり、ようやく読み終えたが、
宮部さんの、そして彼を取り巻く人々の究極の愛に、胸がいっぱいになった。

このような先輩たちのおかげで生まれてきた私たち、平和な社会。。。
先輩たちに恥じないためには、これからどうやって生きていけばいいのだろう。

人生観が変わる一冊。

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