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「中世の旅人ヤン」 鈴木 航伊知 (著) 連合出版 (2006/06) 内容(「BOOK」データベースより) ヨーロッパ中世、とある修道院の屋根に、一羽の大鷲が降り立った。 気まぐれな大鷲は、さらってきた赤ん坊を置き去りにすると、飛び去って行った。 この赤ん坊はヤンと名付けられ、修道院の中で育てられる。 そして、下の村の習い所に通って、村の暮らしにも馴染んでいく。 やがて領主の息子の従者となって大きな町に出かけ、学院生として学びつつ、 都会の華やかな風俗に目を見張る。 思春期に入ったヤンは、不安な心を抱きつつ、いろいろな事件に巻き込まれ翻弄される。 その中で、自分の生きるべき道を必死に探りながら、よろよろと前進していく。 ヨーロッパ中世独特の民俗・風習を縦糸に、 自我の形成という人間永遠の課題を横糸にして織り上げた一大中世風俗絵巻。 内容(「MARC」データベースより) 一神教への情熱、残虐な刑罰、異端への仮借なき弾圧、ユダヤ人いじめ、修道院の暮らし、 村の子どもたち、都市での学院生活…。 ヨーロッパ中世を舞台に、少年ヤンの苦悩と成長を描く絵巻物語。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 鈴木 航伊知 1937年生まれ。フランスサロンドートンヌ会員。パリ国立美術学校1年間在学。 パリ市内画廊企画個展3回。ルサロン優賞受賞。アルル国際美術展金賞受賞。 スイス国際プリミティブ絵画展特別賞受賞2回。ケルンメッセ出展。 在欧6年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) ーヨーロッパで暮らしているうちに、現地でしか接することのできない中世の建物や、 キリスト教美術などに数多く触れているうちに、自分に信仰はないが、 それらがとても魅力的に感じられてきた。 理性中心の近世の層の下に、宗教感情が中心の、中世という硬くて巨大な岩盤層があることを知り、 それが現世のヨーロッパ人の考え方や行動の背骨になっていたことを実感した。 一冊読めば、中世の時代性が大雑把にわかる入門ガイドブックのような本にしたかった。ー 母に勧められて読んだ本。 著者、鈴木氏は画家であり、数々の賞を受賞されている方。 中世。。。ヨーロッパに行くと、数々の宗教画に出会う。 仏教や神道で育った私には無縁のキリスト教の世界。 とても楽しく観ていくのだが、次第に、重くなってくる。。。 ヤンの成長とともに、中世の暮らしがよくわかり ヤンとともに、宗教に押しつぶされそうになった。 でも、最後はやはり、自分自身。 自分自身の足で前に進もう。 そう思える作品だった。 文章は、合間合間に解説が入るので、最初はとまどったが
画家であるのに(あるがゆえ?)景色の描写がきれいだった。 |
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「火車」 宮部 みゆき (著) 新潮社 (1998/01) 内容 休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。
自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して― なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の 凄惨な人生に隠されていた。 山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。 (「BOOK」データベースより) 登場人物皆に、自分をシンクロしてしまい、恐ろしくなってくる。。 この作品は10年ほど前に作られたそうだが、当時でも既に普及していた「クレジットカード」。 今では、ほとんどの人がクレジットカードを、何枚も持っているだろう。 マイホームとか、高級ブランド品を持つとか、セレブな生活を思い描き、 分割で支払っていけば、その夢も実現できる! という錯覚に陥り、月々のお給料で支払えなくなって クレジットカードの「キャッシング」(←借金を、言い換えただけ!)などに気軽に借りてしまい。。。 その支払いができなくなって、また違う借金を重ね。。。 一家離散、自己破産、等々、連日のニュースでも取り上げられることも多い。 ちょっと、背のびをしたいとか、幸せになりたい、とか、ただ、それだけなのに。。。 主人公、本間と一緒に、彰子を探していく。。。その過程が、面白い。 社会の仕組みについて、改めて考えさせられる。
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「マリー・アントワネット」(上)(下) シュテファン・ツヴァイク 著 中野京子 訳 角川文庫 2007年1月25日 映画公開に合わせて新訳の文庫本が出ていたので即購入。 ベルサイユのばらは何度も読み返して涙し 映画でキルスティン・ダンストが演じていたキュートなマリー・アントワネットにますます惹かれ やはり、この本を読まねば、と。。。。 マリー・アントワネット 若くしてオーストリアからフランスに嫁ぎ 遊びたい盛りにフランス王妃に。 普通の家庭に生まれ、普通の生活をしていれば、活発で知性溢れる彼女は きっと幸福になったのだろうが。。。 狩や錠前づくりに精を出す、食欲旺盛、優柔不断なルイ16世を夫に持ち 結婚して7年間、子供に恵まれない事で外部からのプレッシャーも大きく そのはけ口を贅沢な趣味に求めていく。。。 その彼女をとめるべき唯一の相手である王、夫は自分の趣味にしか興味を持たず 彼女の言いなり。。。 偶然か、必然か、歴史はそんな彼女を悲劇の渦へ。。。 「不幸になってはじめて、自分が何者かがわかります。」 冷静になった彼女は強かった。 王妃として、母として、毅然とし、最後の最後まで誇りを失わなかった。 彼女が綴ったとされる数々の手紙を読むと、あまりのリアルさに、彼女の聡明さに こころを打たれる。 中でも、恋人とされるフェルゼンへのあまりにも一途な想い。。。 この想いだけを支えに、頑張っていたのだと思うと、熱いものがこみ上げてきた。 訳本は、言い回しが難しくなりがちで、読みづらいことも多いのだが 中野氏訳はとても豊かな表現で読みやすく、あっという間に上下巻を読み終える事ができた。 たくさんの文献や資料の中から、本物と思われるものだけを取り上げて作り上げたという本書。 ツヴァイク氏の、客観的でありながら、臨場感溢れ、アントワネットを追っていく目は とても素晴らしかった。 マリー・アントワネットが背負った宿命を否応無く体感できる。 自分自身が強くなるためにも、何度も読み返したい本。
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「うめめ」 |
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「理由」 宮部みゆき 著 新潮社 (2004/6/29) ストーリー 事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。
東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。 室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。 ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。 ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。 (「BOOK」データベースより) 宮部みゆき氏の著書はなぜか初めて。 インタビュー形式で、事件の真相に迫っていく。 登場人物がたくさんいて、それぞれの家族がいて、全く関係ないように思えるのだが 自然と点が線へ。。。 家庭の問題も、家(house)を持てれば解決できるのではという希望を持って。。。 見栄を張って無理に高級住宅を手に入れようとする。 でもやはり歪が生じてくる。 home(家庭)は、持ち家でなくても、定住していなくても持つことができる。 頭ではわかっているのだろうが。。。 子供の教育問題、嫁姑問題、夫婦関係、跡継問題、相続問題。。。 家族に課された問題は山積だ。 事件の起きた場所は都心近くの超高級マンション。 住民たちは、隣人との付き合いを積極的に行わないばかりか、むしろ避けようとする人も。 隣戸で事件が起きても気づかない。気づいたとしても誰なのか、何をしている人なのかわからない。 マスコミに触発され、あることないことベラベラしゃべって目立とうとする人もいれば 面倒なことに巻き込まれたくないと口をつぐむ人も。 そんな中での真相究明はとても大変だ。 登場人物すべてにスポットを当て、 家族、近隣関係など、現代の人間模様を表した作品。 「なぜ、事件は起きたのか?」
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