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水環境の持続可能な開発ってなんだろう


第082回国会 公害対策及び環境保全特別委員会 第2号
昭和五十二年十月二十六日


粕谷照美君 
 一番最初に、カネミの問題に入ります。どちらが主かといえば、環境庁よりは厚生省の方が主体的な質問になるというふうに思いますけれども。十月五日の福岡地裁におけるカネミ油症事件の判決は、ほぼ原告の主張を認めた形で出されていると私は考えています。世界で初めてのPCBの経口摂取による人体被害で、発生後八年有余、患者の方々にとっては実に苦しい年月であったと思います。

しかし、これから長い先も、治療方法さえも解明されていない油症と闘わなければなりませんし、また生活を守っていかなければならないわけですが、この判決の中にこう書いてあるわけですね。「本件のような大量かつ重篤な被害を惹起しながら、これまでの公害訴訟におけると同様、加害者である被告らは今日までその実質的救済に立ち上がっていないし、その気配すらない。このことは原告らを含む油症患者の心に大きな痛手として刻まれており、その無念さは看過さるべきでない。」、「看過さるべきでない。」ということは、看過している人たちがいるからこのような判決があったんだというふうに思うわけですけれども、政府としてはこの判決そのものを一体どのように見られているのかお伺いいたします。

○説明員(七野護君) この福岡の判決につきましては、国が被告になっておりませんので、この判決についての厚生省としての感想を申し述べるのは差し控えたいと、かように考えております。

○粕谷照美君 国が被告になっていれば、判決が出ればもう文句も言えないではいはいと言わなきゃならないわけでしょう。これは国は関係ないけれども、行政の中で全然責任を認めてないようないまのあなたの答弁というのは、非常におかしいというふうに思いますよ。現に国民が大変な状況の中に陥ってどうにもならないから、ないお金を出し合って裁判をやって、ずいぶん長いことかかってようやく裁判の判決が出たわけでしょう。物も言わないなんていうような、そんな政府なんて必要ないじゃないですか。

○説明員(七野護君) 言葉が足りずに失礼いたしました。
 国の責任につきましては、現在小倉支部で係属中でございます。これは先ほど申し述べましたように、先ほど出しました判決は国が被告になっておらず、カネミ倉庫、それからカネミ倉庫の社長、それから鐘淵化学が被告になった判決でございます。それに引き続きまして、現在国が被告として民事訴訟が提訴されておりまして、これが先ほど述べましたような小倉裁判、これは小倉裁判と言われておる裁判でございますので、国の責任の問題につきましては司法機関にゆだねられておると、かように私たちは考えております。

 しかし、本事件の特殊性と言いましょうか、重大性にかんがみまして、現在国では事件発生後直ちに油症研究班を設置いたしたわけでございます。現班長は九大の第三内科の教授でございますが、井林博教授のもとに油症治療研究班を設けまして、油症に関する疫学的研究、診断、治療に関する研究、さらに患者の追跡調査等を実施しておりまして、昭和四十三年度から五十一年度まで、総額約三億円の研究費を支出してきております。さらに、生活に困窮しておりますカネミ油症患者の援助をするために世帯更生資金の特例措置を講じておりますし、主要県におきましても、県単独で生活資金等を貸し付けているというのが現在の現状でございます。

○粕谷照美君 国がそのような対策をした、県がそのような対策をしたということは、国や県にやっぱり責任があったからだというふうに理解をしてよろしいですか。

○説明員(七野護君) 先ほども申し上げましたように、本件につきましてはいわゆる食中毒ということで私たちは対処してきたわけでございます。ところが通常起こります食中毒との違いは、PCBによる中毒ということで、非常に特異的な中毒事件ということもございますので、普通の中毒事件では実施してございませんが、本中毒事件につきましては、先ほど申し述べましたような患者に対する疫学的研究であるとか診断、治療に関する研究であるとか、そういうことを現在まで実施してきたというふうに考えております。

○粕谷照美君 あなたのおっしゃっていることは何を言っているのかわかりませんよ。まあいずれ次々と質問をし、最終的にはこれは環境庁にも関連がありますから、御意見をいただきたいと思いますけれども。
 それでは、この八年間にわたる被害者の実態というものをどのようにあなたの方では把握をしていますか。数の問題もあるでしょう。病状の問題もあるでしょう。それから遺伝の問題もあるでしょうし、さらに生活実態もあるというふうに思いますが。

○説明員(七野護君) 患者の実態につきましては、厚生省といたしましては、これまで患者代表と過去七回の話し合いをしてきております。まあ四十九年の二月からでございますが、最後の話し合いは、この判決後の五十二年の去る十月二十日かと思いますが、十月二十日に行っております。
 そこで、まあ患者代表から患者の実態等の事情はいろいろ聞いているわけでございます。現在の患者さんの総数、これは油症研究班で診定し認定されている患者さんでございますが、総数は千六百二十九名という、これは昨年の十二月三十一日現在の集計でございます。千六百二十九名ということになっております。

○粕谷照美君 私が質問をしたのは、数だけ教えてくださいと言ったわけじゃないですよ。病気の状況はどうか、生活の状況はどうかということも含めて言ってくださいと言ったんです。

○説明員(七野護君) 生活の状況につきましては、先ほど申し上げましたように、生活に困窮している患者さんがおみえになることも事実でございます。それにつきましては、先ほど申し上げましたように世帯更生資金の特例措置を講じて対処してきておりますし、また生活保護家庭につきましては、福祉資金という形で対処してきておるわけでございます。現在まで世帯更生資金として貸付状況の総枠は約八千万円に上っているというふうになっております。

○粕谷照美君 それでは、健康状態というのはよくなってきているんでしょうか、どうですか。

○説明員(七野護君) このカネミ油症研究班の研究その他から見ますと、現在はすでに事件発生後約八年の年月がたっているわけでございます。発生当時、いわゆる急性症状を呈した場合は非常に重篤な皮膚症状その他を呈したわけでございますが、現在は大半がいわゆるこの皮膚症状は軽快に向かっていると、さように伺っております。

○粕谷照美君 表から見ると軽快になっているということは言えるかと思いますけれども、私は、あなたはそういう意味では大変実情を知らないんじゃないかなという気持ちがします。本当に患者の方々と会っているんですか、七回も。

○説明員(七野護君) 私が食品衛生課長に着任して以来――七月に着任したわけでございますが、先ほども申し上げましたように、去る十月に患者の代表――これはカネミ油症事件全国連絡会議の代表でございますが、そこにカネミの患者さんも二名患者代表としてお見えになりました。そこで患者さんの口からいろいろの話を伺っております。

○粕谷照美君 ですから、この委員会の中でそのことを明確にあなたから発言をしていただきたかったわけですよね。
 私もその方につい先日お会いしましたけれども、その方々がおっしゃるには、小中学生の歯がもうぼろぼろ折れている。お金のある人は入れ歯をするけれども、お金のない子供はだめだというようなことで、非常に親が心を痛めているわけですね。いまの子供たちが大体歯質が弱いというのは全国的にも言われておりますけれども、しかし、そんなに入れ歯をしなきゃならないように子供たちの歯が悪くなっていくというのは、カネミと全然関係がないというふうには思えないので、一体そのような点についての研究はどのようになっているかわからない。

 それから、おいでになった方は、自分は働いていても職場で倒れると言うんです。倒れるから危なくて、周りの人たちがその人に仕事をさせることができなくて休ませておく。すると、人が働いているのに自分が休んでいるから、非常に心が痛んで――労働者というのはそういうものなんですよね、平気で休んでなんかいられないわけです。だんだんだんだん心が痛んで、そして職場をついに去ってしまった。

こういう報告もされておりましたし、そこに来られた婦人の代表は、お嬢さんが二人おらるわけですが、あのころ子供だった子供がいまちょうど適齢期を迎えた。上の子供は就職をしたんですけれども、やっぱり働くことができないという。体がどうしても仕事についていけなくてついにやめたんだけれども、これじゃ結婚もできないだろう。いま妹は高校生だけれども、高校を卒業したってやっぱり姉と同じような運命をたどるだろうかと思うと、親としてもいても立ってもいたたまれない気持ちだ、眠れない毎日だと、こういうことを言っていらっしゃるわけですから、外から見て何でもなくても、ちょうどあの原爆被爆者と同じような状況というものがやっぱりいまここに出ているというふうに私は判断をいたします。

 そして、栄養剤中毒というのがあるというお話ですから、栄養剤中毒って何だって聞きましたら、もう極度の疲労感からいままでにいろんな栄養剤を飲んでいて、その栄養剤を飲まないと落ちついて仕事ができないんだと、こういうことを言っておりました。これなんかも非常に大変な問題だというふうに思いますし、偏頭痛がもう大変で狂い死にしそうだと、こういうことを言っておられますね。

特に油の中にそういうものが出てきて、こぶが体のあちこちに吹き出してくるんだ。特におしりの部分に吹き出してくると座っていることもできないし、腰をかけていることもできない。それがいつの間にかこぶがすうっと引っ込んでいったなと思って、やれよかったと思うと、またそれが別な場所に出てくるという、こういう状況が出ておりまして、もうとてもじゃないけれども、この先どうなるんだろうかという不安感を持っていらっしゃる。

 そういうのがあなたのおっしゃる快方に向かったということでよろしいのか。その患者の言うことが、それは何もカネミのせいじゃない、ほかの病気のせいだというふうにあなたはおっしゃるのかということもお伺いしたいし、さらに膵臓だの肝臓だの糖尿だのがもううんと出ているわけでしょう。よそと比べてそういうようなものが本当によけいではないんだということが言い切れますか、いかがですか。

○説明員(七野護君) この患者さんの現在の症状につきましては、油症研究班の方で追跡調査その他でいろいろ研究をしていただいておるわけでございますが、当初このカネミ油症の事件が起こったときの患者さんの症状は、いわゆる皮膚症状が主な症状であったというふうに私聞いておりますが、その後年月がたつに従って、いわゆる皮膚症状についてはかなり軽快の徴が見られるということもまた事実であると、考えております。
ただし、カネミ油症の非常な大きな特徴は、PCBが人体に摂取されまして、いわゆる脂肪と非常に親和性があるわけで、まあ、全身の脂肪に沈着をしていると、それがなかなか排せつされないということに大きな問題があると、かように考えております。

 そこで、先ほど言いましたこの油症治療研究班の方でも、現在いわゆるこのPCBを外へ出す抜本的な治療法と申しましょうか、この根治療法の開発ということを主翼に研究を続けておるわけでございます。ただ、このPCBという物質は非常に安定性がある物質であるがために、なかなか外へ出ないということもまた事実であろうと思っております。ただ、最近のこの研究班の追跡その他によりますと、いわゆる血中PCBの濃度も以前に比べましてはかなりの低下が見られるというような報告もございますが、まだ完全に、何と言いましょうか、全治していくというその治療法が開発されているわけではございません。

 そこで、現在考えられます治療法といたしましては、この全身に分布しておる脂肪に親和性のあるPCBを外へ出すために、いわゆるこの脂肪を移動させる方法が考えられるわけであります。その方法として一つ断食療法があるわけです。断食療法――絶食療法を行うことによりまして、もちろん体の中の皮下脂肪が消費され、皮下脂肪が移動するわけでございますが、それに伴いまして全身の脂肪の移動が行われる。言葉をかえますと、代謝排せつが行われるわけで、その際にPCBの排せつを促進しようという理屈でございますが、この断食療法が非常に効果があるというふうに、治療研究班の方でもそういうふうな評価がなされておるというふうに聞いております。

 次に、いま現在研究班の方で、これは治療指針の中にも示されてございますが、いわゆる酵素誘導法という方法がございます。この酵素誘導法と申しますのは、いわゆる薬物その他が人体の中に入った場合に肝臓がそれを処理するわけでございますが、肝臓中にこの薬物を処理するための酵素が発生するわけです。そこで、それをさらにこの酵素を誘発いたしましてこの吸収、排せつを促進しようという内面からのことでございます。

そこで、これにはいま現在肝臓の酵素を誘発する薬物としてはフェノバルビタールがございます。フェノバルビタールは、何といいましょうか、普通に使われるいわゆる睡眠剤でございますが、このフェノバルビタールがいま申しました酵素の誘発に非常にいいということでございますが、ただし問題がございまして、PCBそのものがこの酵素を誘発する作用があるわけで、そもそもこの酵素がすでに誘発されているところにさらに強力に酵素の誘発をいたしますと、また慎重にこの治療をしなければいけないという問題が一つあるようで、これも非常に医学的な管理のもとにやらないとなかなかうまくいかないという点もあるようでございます。

さらにもう一つは、このPCBの吸着剤が開発されれば一番よろしいわけでございますが、現在のところ非常に有効なPCBの吸着剤の発見ということについてはまだ報告がないというふうに理解しております。

 まあいま申し上げましたように、いかにして脂肪に沈着をしておりますPCBを体外に排出するかということで、治療研究班の方でも鋭意治療研究を進めているわけでございますが、治療法についての現在の知見はいま私が申し上げましたとおりと理解しております。

○粕谷照美君 油症研究班の方々が非常に努力をされていろいろな研究をされているということについては私は心から感謝をしたいと思いますが、それであるだけにまた全然暗たんたる状況だということがいま判明してわかったわけですね、御説明をいただいて。そうすると、そういう状況であるだけに、私はなおさらこの被害者の救済というものは大事にしなければならないというふうに考えるときに、この判決の持つ意味というのは非常に大きいと思うわけです。

その実質的救済に立ち上がっていない、このことは原告らを含む油症患者の心に大きな痛手として刻まれておるという、これは何とも言いようのない重い言葉として受け取らざるを得ないわけですけれども、この判決が出て、カネミは控訴をあきらめているわけですね。カネミの社長というか、カネミ倉庫がとっているこの被害者に対する措置というものはどのようなことをやっておられるわけでしょうか。

○説明員(七野護君) いま御指摘のようにカネミ倉庫はこの判決を、判決のとおり、控訴をしないということでこの判決が決定したというふうにわれわれは理解しております。

○粕谷照美君 聞いているだけというふうなお言葉ですからね、何かこう客観的にだけしか見ておられないような気持ちがいたします。
 それでは、鐘化は控訴をするわけですね。控訴をするということは、一体被害者にとってどのようなことになるんでしょうか。

○説明員(七野護君) 鐘化は、いま御指摘のようにさらに上級審の判断を仰ぎたいというわけで控訴をいたしたわけでございますが、この鐘化が控訴したことにつきましては、この控訴するか否かは、これは原告並びに被告の持つ裁判上の基本的な権利であるというふうにわれわれ考えておりまして、厚生省はこれに対し意見を述べるのは適当でないというふうに考えております。
 ただし、控訴はいたしましたが、福岡高等裁判所は鐘化の執行停止の申し入れに対しまして、原告一人につきまして三百万円を超える部分の停止を認める決定を下しております。それによりまして原告側は被告に対しまして総額一億三千二百万円の強制執行をすでにしております。さらにカネミ倉庫からは、総額千五百万円の賠償金の一時支払いを受けたというふうに聞いております。

○粕谷照美君 私どもは、この判決は、化学物質の製造、販売、使用業に携わる者の責任を明確にしたと、そして利潤追求を第一とした技術開発の中で、命と健康が何よりもとうといことを示したものとして評価をしているわけです。その意味では厚生省の判断とは全然違う解釈をしているわけですが、たとえばカネミにしても、食品は絶対安全でなければならない、PCBの毒性は金属腐食性の情報はある程度されていた、しかし、調査研究、装置の保守管理不十分であると、こう言って過失責任を厳しく問うておられるわけですから、カネミが控訴しないというのもこれは当然のことだというふうに判断をいたします。

 さて、そこで鐘化の責任に今度は入りますけれども、鐘化の責任をこういうふうに言っているわけですね。「被告鐘化はその販売にあたり食品製造業者に対し、カネクロールの毒性についてその有する情報を正確に提供し、食品の安全確保に必要な注意を十分警告したかが問題とされねばならないが、さきに述べたとおりその情報提供は甚だ不十分であった」、こういうふうに言っておりますし、さらにまた、「被告カネミの過失は、やはり被告鐘化がカネクロールの毒性・金属腐食性につき不当に安心感をそそるような表現をして積極的に推奨販売」していたと、これが判決の理由になるわけですけれども、したがって鐘化は損害賠償の責を免れないというふうに私どもは考えているわけです。政府は鐘化自身の考え方だと、こういうふうに言っておりますけれども、私たちはやっぱり鐘化が早くこの損害賠償をするという態度に立たない限り、いますぐでも分配できる現金だとかあるいは有価証券以外の差し押さえは無意味になるわけです。これから被害者の方々は年金支給や治療費負担などの闘争に進むということは当然だというふうに思いますけれども、これはずいぶん長い闘いになるわけですね。本当に大変なことだというふうに思います。

 さて、その鐘化の問題なんですけれども、あなたの方では基本的に鐘化は控訴する権利があるというふうに言われますけれども、では一体その鐘化の責任はなかったかという点について質問をします。
 鐘化が、水産庁がPCB汚染魚の実態を公表した昭和四十八年以降、兵庫県の漁連に対して十九億六千万円の補償金のうち十七億円をこっそりと支払っていたということが新聞に載っております。これは一体なぜ漁連に十七億円ものお金を補償したんでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 兵庫県におきまして、四十八年の六月にPCBの汚染状況をまとめまして、兵庫県に関係がございます姫路、高砂西、神戸沖の三水域につきまして、獲の自主規制に入ったわけでございます。そのために非常に魚価が暴落をいたしまして混乱が生じたわけでございます。そのために兵庫県におきましては兵庫県水産公害救済対策協議会というものをつくりまして、これは会長が県知事でございますけれども、製造業者であります鐘淵化学とそれから使用会社、これは七十数社ございますけれども、そういうもので構成をいたしております協議会を設けまして、漁獲規制あるいは魚価暴落に伴います補償なり見舞い金の措置が講ぜられたわけでございます。その際に、ただいま先生からお話ございましたように、総額十九億六千万円、これが漁業補償なりあるいは見舞い金というようなことで関係企業から支払われたわけでございます。このうちで鐘化の方が支出をいたしましたものは約十七億円ということでございます。

 ただ、この支払い関係につきましては、鐘化の支払いのこの十七億円のうち九億六千万円、これは立てかえ支払いということで、一応協議会の会長の方からの要請もございまして、いわゆる立てかえ払いということで払ったと、したがって、いずれ精算の時点でその辺の負担関係がはっきりするのだと、こういうことでございます。この九億六千万以外の部分につきましてはどういう支払いの名目になっておるかということは、これは県にも聞いておりますが、不明でございます。
 以上でございます。

○粕谷照美君 鐘化は二回にわたってお金を払ったわけでしょう。最初は十億円のうちの七億五千万円ですよね。そして、二回目が九億六千万円全額鐘化が出した。とすると、最初の分についてはこれは立てかえ払いじゃなくて、鐘化が責任を認めて出した、あとの分についてはよくわからないけれども立てかえておきますと、こういうふうに理解してよろしいわけですか。

○政府委員(二瓶博君) 四十八年の六月、十億円支払いがあったわけでございますが、その際に、七億五千万円が鐘化、それから一億五千万円を他の七十数社が払いました。なお残る一億円、これは鐘化と三菱製紙が前に入金をしておったものから出したということで合計十億、これが四十八年六月の分。それから、四十八年の七月から四十九年の三月、これにつきまして九億六千万円鐘化が支払ったわけでございますが、これが先ほど私が申し上げました協議会の会長からの要請で鐘化が立てかえて払ったと、こういうことになっておるものでございます。

○粕谷照美君 ですから、私はその事実経過を聞くと同時に、なぜ鐘化がお金を払ったんですか、そのことを環境庁としてはどのように見ているのですかという質問をしているわけです。

○政府委員(二瓶博君) 事実関係はただいま申し上げたとおりでございます。
 ただ、鐘化がこのような金額を支払ったということが、PCBを製造いたしました同社の法律的責任ということとどういうような関係があるかということにつきましては、これは本来民事的な問題でもございますし、さらに現在カネミ油症問題に関連いたしまして訴訟が行われているということでもございますので、現段階のところ、環境庁として特にこの面の法律的な責任というような関係につきまして意見を申し上げる立場には現在はないと、かように考えております。

○粕谷照美君 裁判にかかっているから意見申し上げるべきでないなんということ自体おかしいじゃないですか、それ。このお金は公表するなということで――何か新聞見ますとね、公表するなというのがちゃんと判を押して出ていますからね。こっそりやられたんだというふうに思いますけれども。そのこっそりやったということ自体にもやっぱり意味があるわけですよね。しかし、いまの環境庁の説明はどうしても私納得がいかないわけです。海を汚しました、そしてそのことによって魚の中にもPCBが見られて、魚を買う人たちがいなくなって、そして魚価がうんと下がって漁民が大変困りますと、だから漁連に対して補償金を出しますということは、それは自分のところでつくったPCBが原因だからお金を出しましょうといってこう補償しているわけでしょう。自分の製造責任を認めたわけでしょう。そういうふうに理解しませんか。

○政府委員(二瓶博君) 先ほども申し上げましたように、これ、漁獲規制をやっておりますのとそれから魚価の暴落ということですが、この魚価の暴落は、県の方のお話を聞きますと、風評によりましての暴落ということでございます。したがいまして、まあそういう意味で若干漁業補償的な面も、漁獲規制に伴う補償の面もございますし、風評によります魚価暴落ということに対する見舞い金的な要素もあると、こういうようなことで、そこは厳密に詰めたわけではなしに、そういう問題がございますので、協議会の場でいろいろ相談をした上で一応支払いをしたと、こういうことを聞いておるわけでございます。したがいまして、PCBの製造責任という角度での問題につきましては、この段階でどうということは申しかねます。
 なお、極秘でどうというお話がございますけれども、この支払いの関係につきましては漁協関係者等も十分知っておることであると、かように県からは聞いています。

○粕谷照美君 「公表等行わないこと。」というのが極秘でないなんということ自体もおかしいわけですね。ちゃんと書いてあるわけですから、判押して。公表するなということは極秘だということでしょう。違うんですか。
 それと、いまあなたがおっしゃった、風評によって魚の値段が下がったと、こう言うけれども、そうすると、どうでしょうね、今後鐘化は、デマでもいいけれども、そういううわさがわっとこう出ていくと、鐘化はしょっちゅうお金を出すというふうに理解をしていいわけですね。

○政府委員(二瓶博君) まあずっと出すかどうかは別にいたしまして、そういうことで……(「顔を見てしゃべりなさいよ」「声が低くて聞こえないんですよ」と呼ぶ者あり)まあ、あのPCB汚染の問題が四十八年に出まして、それでいろいろ漁獲の自主規制なりがございましたし、またそのことに関連いたしまして魚価の低落という事態が現実に出たわけでございます。そこで、この問題をどう処理するかということで鐘淵化学以下使用会社七十数社で協議会というものをつくり、県の知事さんがその会長ということになりまして、ここでこれの対策を考えた。その際に、ただいま申し上げました自主規制に対する補償なりあるいは魚価暴落に対する見舞い金等々の考え方で、先ほど来お話のございます総額十九億六千万円の金が払われたと、こういうことでございます。そういうことでございまして、現在のところでは自主規制はそのまま全魚種について継続はされております。したがいまして、魚価の暴落というような問題は、いまのところないわけでございます。

○粕谷照美君 幾らあなたが丁寧懇切に説明をされても、私にはよく納得ができないんですよね。話は聞きました。聞いて、そのおっしゃっていることはわかるんですけれども、本質がやっぱりわからないわけですよ。鐘淵がPCBつくって、そしてそれを使った企業がいろいろな排水でどんどんどんどん海へ流していったと、そういうことが原因で魚価が下がったから補償したということになるわけですから、やっぱり製造責任を鐘化が認めてお金を出しましたということ以外には考えられないんですけれども、おたくでそういう理解をしているということは非常に不思議なことだというふうに思っています。

 では、先ほどあなたが触れました次の点について質問しますと、カネミ油症の訴訟の中で、なるほど確かに三菱製紙がことしの二月に大阪簡易裁判所に調停を申し立てておりますね。その理由はやっぱり四十七年から四十八年のPCBによる環境汚染で漁業補償やヘドロの除去費など約十億円を支払ったけれども、それは鐘化の責任なんだから、鐘化が、おれのところで払った十億円を払ってもらいたい、つまり返してもらいたいと、こういうことだろうというふうに思いますが、これ間違いないでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 三菱製紙と鐘化との民事調停の関連でございますが、この民事調停の関係は、いわゆる高砂西港、これがPCBによって汚染をされたと、その汚染をされましたヘドロ、汚泥、これを除去するということに相なりまして、除去はすでに完了をいたしておるわけでございます。ただ、この除去をいたしまして事業が完了したんですが、この事業費の負担の問題、これにつきまして企業間におきまして、いわゆる三菱製紙と鐘化との面でこの負担割合をめぐる争いが前からあったわけでございます。この点につきましては、この話し合いがつくようにということで、県等も通じまして大分両社の間の打開を図ったわけですけれども、両社がどうしてもお互いに主張を譲りませんで、それで、ただいま先生からお話がございましたように、ことしの二月十五日に大阪簡易裁判所に三菱製紙の方が調停申し込みをいたしまして、現在調停が係続中でございます。
 その際の三菱製紙の言い分は、いわゆるメーカー責任論といいますかそういう角度に立ちまして、PCBというそういう化学物質、この有害な化学物質をつくった鐘化に責任ありという物の言い方で、鐘淵化学の不法行為に対する損害賠償ということで約十億円、これを要求をいたしておるわけでございます。で、この面につきましてはただいま申し上げましたように、現在も大阪簡易裁判所で両社の調停に努力をいたしておるところでございますので、環境庁といたしましてはこの辺の推移を見守っていきたいということでございます。

○粕谷照美君 そうしますと、この三菱製紙の問題は、十二月の小倉判決と非常に深い関係があるというふうに理解をしてよろしいでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 小倉判決がいずれ出るという話は耳にはいたしておりますが、これは簡易裁判所における調停でもございますし、この案件と必ずしも直につながるといいますか、そういう話ではないと、かように思います。

○粕谷照美君 それでは、たとえば三菱はメーカー責任論でやっていると、こういうふうに言われますけれども、大体公害防止事業費事業者負担法で言えば、直接出した人がお金を払うということになっておりますね。汚染者負担でしょう。直接その汚染物を出したところがやるということになっているわけでしょう。ところが、そういうふうになるということであれば、たとえば三菱製紙だとか三菱重工だとかあるいは武田薬品だとか、その他いろいろな企業が出せばいいんであって、直接出したわけでもない鐘化がやっぱり費用負担委員会において一〇・二%から一五・四%ぐらいですか、それを了解をして出したということは、製造責任を認めたというふうに私は理解しますけれども、あなたの方では理解できませんか。

○政府委員(二瓶博君) この高砂西港の汚染ヘドロの除去工事につきましては、これはPPPの原則ということに基づきまして企業者が、ただいま先生のお話のあった法律の適用を受けることなく、企業者同士で金を出し合ってヘドロを除去しようということで、県の要請もあって、そういうことで除去をいたしたわけでございます。
 で、その際の企業の負担をどうするかということにつきましては、県の方でその負担割合をどうしたらいいか、いろんな公正な学者の方々とかいう人々の意見等も聞いた上で、大体大ざっぱな負担割合というようなものを協議会といいますか、そういう話し合いの段階で一応この辺が妥当であろうという線は出したわけでございます。たとえば、その話では、三菱製紙の負担割合は八〇・一から八五・九ということ、それから鐘化の方は大体一〇・二から一五・四、この辺が鐘化の負担ではないかということでございます。そのほかもちろん三菱重工、武田薬品もございます。しかし、大どころは三菱製紙のただいま申しました八〇・一から八五・九、鐘化が一〇・二から一五・四と、この辺だろうと、こういうことでございますが、三菱製紙はこの八〇・一から八五・九という負担割合につきまして非常に不満を持ったわけでございます。そこで、話し合いをいろいろ県が入ってやったんですが、つかなくて調停に持ち込んでおる、こういうことでございまして、鐘化の方が軽過ぎると、こういうような主張を大分メーカー責任論的な物の言い方で三菱は主張をしておったということを私は聞いております。

○粕谷照美君 大変客観点な物の見方をしておられますけれども、何と言うんですか、その争いの中で三菱製紙がいろいろ調べているわけですね。そうしたら、その調べた中で、PCBの生産量が一万トン食い違っているではないか、通産省報告と鐘化の帳簿の間に。こういうことが発見されて問題になっている。しかも、ドラムかんにしたならば四万本だというわけですからこれは大変なことになるわけですね。特にPCBをつくらないという点から考えても、その事後処理なんかはどんなふうになっているのだろうか、心配になるわけですね。通産省の方でこれは調べますというふうなことが新聞記事には載っておりますけれども、通産省が調べるということと同時に、やっぱり環境庁としてもそのことをきちっと確かめて、事後処理がどのようになっているのかというふうなことも確認をしておく必要があるというふうに思いますがいかがでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 鐘化におきましてのPCBの生産量の面につきまして、鐘化が発表している面と現実の面で相当の食い違いがあるというようなお話でございますが、この面につきましては生産所管の通産省の方におきまして、この食い違いがどうかということを現在詰めておるところでございます。
 それから、その後どうなっているのかという問題でございますが、PCBの原液、これが埋め立てもできませんし投棄もできない、こういうことに現在しておりますので、鐘化におきましては工場の敷地内にこれを保管をいたしております。それから、この鐘化以外にもう一つは三菱モンサントが生産をしておりますが、こちらも同様な状況で保管をしておるということでございます。

 なお、この保管いたしておりますものにつきまして、現在通産省の方におきましては、このままほっておけば地震の場合困るとかあるいは保管しておる容器が腐食をして漏れ出しても困るというようなこともございまして、いずれ洋上焼却と、海の上で焼却するという手だてはどうであろうかというようなことを具体的に現在検討をしておるということを聞き及んでおります。

○粕谷照美君 こういう廃棄物の考え方というのは通産省が考えるんですか。環境庁はこういうことを考えないものなんですか。
 それとあわせましてね、そういう努力をしていらっしゃるということはわかりましたけれども、要はドラムかんで四万本も食い違いが出ているということになりますと、それが一体どこへ捨てられているのか。廃棄物処理の問題があるわけでしょう。その辺の指導というものを環境庁としてはどのようにされるかということをさっき聞いたわけなんです。

○政府委員(二瓶博君) この生産量の食い違いが相当量あるという面につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、現在所管省の通産省の方におきまして、この食い違いが現実に物量としてあるのか、あるいは概念の見方によって違うのか、その辺ですね。たとえばカネクロールという商品だけで見るのか、もっと広い意味でのPCBというのはまだよそにあるのか、その辺の、要するに概念の基底をどう見るかによっての差異が相当あるのか、そういう面につきましてもあわせていま詰めておるところでございます。その辺の結果を見て、ただいま先生も御心配のように、そればどこに捨てられておるか。これは環境を破壊するという話になりますと確かに大きな問題でございますので、私の方も通産の方にその面の調査結果を早く知らしてほしいということで要請をしている段階でございます。

○粕谷照美君 もう何年も何年もそうやっているわけですからね。地震が来る、地震が来るといって大騒ぎしているときに、本当にいつまでもそういうふうにしておくわけにいきませんから、早くその辺の点については対策をとるように、環境庁としても通産省にきちんとお話をしていただきたいというふうに思うわけです。

 それとあわせて、大変しつこいようですけれども、さっきからお話を聞きますと、出した金は立てかえ金だと。九億六千万円は立てかえでいずれ後で精算するんだということを言っていらっしゃるようですけれども、カネミ油症の患者の方たがおいでになって、やっぱりその点非常に心配しているわけですよね。本当に立てかえなんだろうかどうなんだろうか、おれのところではだまされているんじゃないだろうか。それで会計上の処理は一体どうなっているんだと、こう聞いているわけですね、鐘化の九億六千万円は。年度年度に決算するでしょう。そのときに会計上の処理は、九億六千万円は立てかえとして決算されているのか、欠損金として入れられているのかということを非常に心配をしているわけですが、その辺は御調査されましたでしょうか。――質問通告をしていたんですが、環境庁の担当というわけでもなさそうですけれども、わかればそれでよろしいですが。

○政府委員(二瓶博君) 鐘化がこの立てかえ払いの面を帳簿上といいますか、決算とか、その面でどういう扱いにしておるか、この面につきましては、環境庁としては実は調査をいたしておりません。
○粕谷照美君 この立てかえ払い――後で私も調査をしてみますけれども、立てかえ払いだということであればきちんと報告がされているわけですね。欠損金だということであればこれは返金を求めていないわけですから。そういうことでしょう。欠損金として支払われているとすれば、ほかの企業の分をおれのところで立てかえたんですよということではないわけですからね。やっぱり私たちはこれをみずから責任を認めたものだというふうに考えておりますので、一つの論拠としていきたいというふうに思っております。
 さて、私どもは、この鐘化というのは、そういう判決が出ているわけですから、責任を認めて控訴をやめて被害者の救済に即刻立ち上がるべきだというふうに考えているわけです。鐘化にしてみれば、予想もしなかったと、こう言って控訴をしておりますけれども、予想していなかったんじゃなくて、もともとそういうふうに予想していたわけですね。だから、あらかじめ控訴並びに強制執行停止申し立ての意向を表明しているということからもそのことは言えるのではないかというふうに思いますが、いたずらにこの被害者賠償義務の履行を引き延ばすと、そのことは被害者を見殺しにするんだというふうに考えます。だから、そういう行為というものはやっぱり企業としても考えてもらいたいという意味であなたの方では鐘化と話し合う気持ちはありませんですか。環境庁としてはどうですか。
○政府委員(二瓶博君) このカネミの油症事件、これに伴います問題、これにつきましては、先ほど来厚生省の担当課長さんが答弁を申し上げておりますように、厚生省がこの問題を担当をいたしておるわけでございます。したがいまして、この件についての面で環境庁がどうこうという感じは持っておりません。ただ、先ほど来申し上げておりますように、高砂西港の汚泥のしゅんせつとかいうような問題、これはまさに環境庁の所管といいますか守備分野で指導をいたしたことは事実でございますので、こちらの面につきましては、かねてからも極力その辺の費用負担分担関係もはっきりするようにということで、いろいろ指導をやってきた経緯がございます。

○粕谷照美君 いずれ小倉判決が出たときには、私は、国だとかあるいは北九州市、自治体そのものの責任についてもきちんとした結論が出されるというふうに思いますけれども、その予想というのは私どもでもつかないけれども、しかし、これを大幅に下回るということは考えられないわけですね。国の責任だって私は当然あるというふうに思います。それはなぜかと言えば、カネミがつくっていました飼料を食べた鶏二百万羽のうちのしかも七十万羽が死んだと、そのときに農林省から調査に行っているわけですけれども、えさを食べて鶏が死んだということは、当然やがては人類の生命に影響するんだというふうなことに思いも至らなかったという国の責任というものは、私はやっぱり大きいというふうに思いますので、その判決については、一切国なんかも控訴しないできちんと守っていただきたいというふうに思うわけです。

 さて、そういうようないろんな問題点を起こしましたPCBなどを初めとしてたくさんな化学物質があるわけですけれども、その化学物質の点検を環境庁がやるというふうに報告がなされているわけですけれども、これは一体いまどのような日程で行われ、どのような最終的な詰めをしていきたいというふうな考え方に立ってやられるのか、伺いたいと思います。

○政府委員(信澤清君) 現在、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律というものがあることは先生御存じのとおりでございます。これは通産省それから厚生省、環境庁それぞれ分担いたしまして、この種の化学物質についての新しいものについてのいろいろな判定をやるというのがこの法律の主なる中身でございますが、同時に、環境庁といたしましては、従来製造されました化学物質につきましても、その挙動と申しますか、環境の中における挙動状況というものを調べることにいたしておりまして、先般いわゆるケミカルアセスメントと言っておりますが、その結果を公表いたした次第でございます。したがいまして、この法律に基づく措置は今後も続けてまいりまするし、いま申し上げたようなすでに環境中にございますいろいろな化学物質の挙動、こういったものについても絶えず監視を続けていきたいと、このように考えているわけでございます。
○粕谷照美君 法律があるというのもわかるのですよ。法律があるけれどもその法律ではとてももう、何と言うのですか、間に合わないという考え方に立って、その見直しも考えながらやるということになるんですか、どうでしょう。
○政府委員(信澤清君) 基本は法律に即してやるということになると思いますが、いま先生お話しのようにあの法律は新しい事態を想定いたしておりますので、やはり問題は過去に使われたこの種の物質が環境上どうなっているかと、こういうことに当面は重点があろうかと思います。で、この点についての調査がきわめて乏しいということでございますので、先ほど申し上げたような調査をいたしたわけでございます。
 なお、この点につきましては、わが国のみならずたとえばOECD加盟各国では私どもがやっておりますと同じような方法を使いまして、いま申し上げたケミカルアセスメントをやっておると、こういう状況でございます。
○粕谷照美君 大体の環境庁の姿勢というものがわかりましたけれども、カネミの問題についてはぜひ精力的な取り組みを厚生省としてもやっていただきたいという要望をいたしまして次に移ります。
 昭和五十一年度の公害の状況に関する年次報告及び公害等調整委員会の年次報告書を見せていただきました。なかなか精力的にがんばっているなあというふうに思いますけれども、そのうちで幾つか気になったことがあります。たとえば、福岡市における水質汚濁による健康被害仲裁申請という部分なんですけれども、これ簡単に説明していただけますか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生から、公害等調整委員会年次報告書に載っております福岡県の案件でございますが、これにつきましてはどうもいろんな経緯があるようでございます。私が一応承知をいたしておる点を申し上げますと、まず発端を申し上げますと、四十六年の五月に、国鉄の竹下客車区に近接いたします松村さんのおたくの井戸水の調査を保健所の方で実施をいたしましたところ、飲用不適というふうになった。松村氏はこの井戸水を昭和四十五年十一月十六日から四十六年の四月四日まで飲用をしておりまして、このため四十六年の二月ごろから健康を害しまして、吐き気、胸やけ、下痢、脱毛などの状症を呈した後に、四十六年の五月の二十七日に、慢性肝炎、慢性胃腸炎の診断を受けたわけでございます。そして四十七年の九月に、この松村氏は、国鉄に対しまして治療費等二百三十八万九千円の支払いを求めて福岡県の公害審査会、これに申請を出したということでございます。
 で、その後の経緯を申し上げますと、この福岡県の公害審査会、これは三年間にわたりまして審査をいたしました結果、申請を棄却をいたしたわけでございます。そこで申請人は、昭和五十年の十二月に公害等調整委員会に今度は仲裁申請をいたしたわけでございます。
 で、その申請の中では、国鉄におきまして使用していた車両の洗浄、清掃、消毒剤、これが井戸水を汚染をいたしまして、その結果結腸がんになったということで、四千二百万円の支払いを求めたわけでございます。これに対しまして、五十一年の四月に仲裁委員会は、当時国鉄で使用していた薬剤等では結腸がんにはならないということで、棄却をしたということでございます。
 で、その後申請人は五十一年の五月に福岡地方裁判所に対して仲裁判断取り消しの訴えを起こしまして、同年十二月に棄却をされた。で、さらに福岡高裁に控訴をやりましたがやはり棄却になったということで.五十二年八月に最高裁に上告といいますか、いたしておるということで、現在最高裁で争っておるという状況であるということを聞いております。
 で、ただいま先生からお話しございましたのは、この公害等調整委員会に五十年の十二月に仲裁申請があったものですから、それに対して公害等調整委員会が審査をしてどうしたというくだりのことが年次報告書に掲載になっておると、こういうふうに理解をいたしております。


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転載元転載元: 有害物質は土壌・底質に蓄積する。高砂西港のカネカ盛立地を学ぶ




【日本解放第二期工作要綱】 音声Ver  


A.基本戦略・任務・手段

A−1.基本戦略

 我が党は日本解放の当面の基本戦略は、日本が現在保有している国力の全てを、我が党の支配下に置き、我が党の世界解放戦に奉仕せしめることにある。

A−2.解放工作組の任務

 日本の平和解放は、下の3段階を経て達成する。
 イ.我が国との国交正常化(第一期工作の目標)
 口.民主連合政府の形成(第二期工作の目標)
 ハ.日本人民民主共和国の樹立 ・・天皇を戦犯の首魁として処刑(第三期工作の目標)
 田中内閣の成立以降の日本解放第二期工作組の任務は、上の第口項、即ち「民主連合政府の形成」の準備工作を完成することにある。

A−3.任務達成の手段

 本工作組の任務は、工作員が個別に対象者に接触して、所定の言動を、その対象者に行わしめることによって達成される。即ち、工作者は最終行動者ではなく、隠れた使喉者、見えざる指揮者であらねばならない。以下に示す要領は、全て対象者になさしめる言動の原則を示すものである。
本工作の成否は、終始、秘密を保持しうるかどうかに懸かっている。よって、工作員全員の日本入国身分の偽装、並びに工作上の秘密保持方法については、別途に細則を以て指示する。
 
 

B.工作主点の行動要領

第1.群衆掌握の心理戦

 駐日大使館開設と同時になされなければならないのは、全日本人に中国への好感、親近感を抱かせるという、群衆掌握の心理戦である。好感、親近感を抱かせる目的は、我が党、我が国への警戒心を無意識の内に捨て去らせることにある。
 これは日本解放工作成功の絶好の温床となると共に、一部の日本人反動極右分子が発する
 「中共を警戒せよ!日本支配の謀略をやっている」
 との呼び掛けを一笑に付し、反動極右はますます孤立するという、二重の効果を生むものである。
 この為に、以下の各項を速やかに、且つ継続的に実施する。

1−1.展覧会・演劇・スポーツ

 中国の書画、美術品、民芸品等の展覧会、舞劇団、民族舞踊団、民謡団、雑技団、京劇団の公演、各種スポーツ選手団の派遣を行う。
 第一歩は、日本人大衆が中国大陸に対し、今なお持っている「輝かしい伝統文化を持っている国」「日本文化の来源」「文を重んじ、平和を愛する民族の国」というイメージを掻き立て、更に高まらせることである。
 我が国の社会主義改造の誇るべき成果についての宣伝は、初期においては少ない方がよく、全然触れなくても構わない。
 スポーツ選手団の派遣は、ピンポンの如く、試合に勝ちうるものに限定してはならず、技術的に劣っている分野の選手団をも数多く派遣し、日本選手に学ぶという率直な態度を示して、好感を勝ち取るべきである。

1−2.教育面での奉仕

A.中国語学習センターの開設。
 全国都道府県の主要都市の全てに中国語学習センターを開設し、教師を無報酬で派遣する。
 教師は、1名派遣の場合は女性教師、複数の場合は男、女半々とし、全て20歳代の工作員を派遣する。受講者資格は、もとより無制限とし、学費は無料又は極めて小額とする。
B.大学への中国人中国語教師派遣の申し入れ。
 中国語学習センターを開設し、日本人青年層に中国語学習熱が高まったところで、私立、公立の大学には個別に、国立大学については日本政府文部省へ中国人中国語教師の派遣を申し入れる。
 申し入れを婉曲に拒否した場合は、「我が国の純然たる好意、奉仕の精神に対する非礼」を責めれば、日本のマスコミも大衆も、学生も許さないであろう。
 しかし、第1回で全勝を求める必要は無く全国大学の過半数が受け入れればそれで良い。後は自然に受け入れ校は増加していくものである。
C.委員会開設。
 「中日文化交流協会」を拡充し、中日民間人の組織する「日中文化教育体育交流委員会」を開設して実施せしめ、我が大使館は、これを正式に支援する方式をとる。
 尚、本綱の全ての項目は、初期においては、純然たる奉仕に終始し、いささかも政治工作、思想工作、宣伝工作、組織工作を行ってはならない。
 

第2.マスコミ工作

大衆の中から自然発生的に沸き上がってきた声を世論と読んだのは、遠い昔のことである。次の時代には、新聞、雑誌が世論を作った。今日では、新聞、雑誌を含め所謂「マスコミ」は、世論造成の不可欠の道具に過ぎない。マスコミを支配する集団の意思が世論を作り上げるのである。
 偉大なる毛主席は
 「およそ政権を転覆しようとするものは、必ずまず世論を作り上げ、先ずイデオロギー面の活動を行う」
 と教えている。
 田中内閣成立までの日本解放(第一期)工作組は、事実でこの教えの正しさを証明した。日本の保守反動政府を幾重にも包囲して、我が国との国交正常化への道へと追い込んだのは日本のマスコミではない。日本のマスコミを支配下に置いた我が党の鉄の意志とたゆまざる不断の工作とが、これを生んだのである。
 日本の保守反動の元凶たちに、彼等自身を埋葬する墓穴を、彼等自らの手で掘らせたのは、第一期工作組員である。田中内閣成立以降の工作組の組員もまた、この輝かしい成果を継承して、更にこれを拡大して、日本解放の勝利を勝ち取らねばならない。

2−1.新聞・雑誌

A.接触線の拡大。
 新聞については、第一期工作組が設定した「三大紙」に重点を置く接触線を堅持強化すると共に、残余の中央紙及び地方紙と接触線を拡大する。
 雑誌、特に週刊誌については、過去の工作は極めて不十分であったことを反省し、十分な人員、経費を投入して掌握下に置かねばならない。接触対象の選定は「10人の記者よりは、1人の編集責任者を獲得せよ」との原則を守り、編集を主対象とする。
B.「民主連合政府」について。
 「民主連合政府」樹立を大衆が許容する温床を作り上げること、このための世論造成、これが本工作を担当する者の任務である。
 「民主連合政府」反対の論調を挙げさせてはならぬ。しかし、いかなる方式かを問わず、マスコミ自体に「民主連合政府」樹立の主張をなさしめてはならない。これは、敵の警戒心を呼び覚ます自殺行為に等しい。
 「民主連合政府」に関連ある事項を全く報道せず、大衆はこの問題について無知、無関心であることが最も望ましい状態である。
 本工作組の工作の進展につれて、日本の反動極右分子が何等の根拠も掴み得ないまま焦慮に耐え得ず、「中共の支配する日本左派勢力は、日本赤化の第一歩として、連合政府樹立の陰謀を進めている」と絶叫するであろう。
 これは否定すべきであるか? もとより否定しなければならない。しかし、否定は真正面から大々的に行ってはならず、計画的な慎重な間接的な否定でなければならない。
 「極右の悪質なデマで、取り上げるにも値しない」という形の否定が望ましい。
C.強調せしむべき論調の方向
① 大衆の親中感情を全機能を挙げて更に高め、蒋介石一派との関係は完全に断つ方向へ向かわせる。
② 朝鮮民主主義人民共和国並びにベトナム民主共和国との国交樹立を、社説はもとより全紙面で取り上げて、強力な世論の圧力を形成し、政府にその実行を迫る。
③ 政府の内外政策には常に攻撃を加えて反対し、在野諸党の反政府活動を一貫して支持する。特に在野党の反政府共闘には無条件で賛意を表明し、その成果を高く評価して鼓舞すべきである。  大衆が異なる政党の共闘を怪しまず、これに馴染むことは、在野諸党の連合政府樹立を許容する最大の温床となることを銘記し、共闘賛美を強力になさしめるべきである。
④ 人間の尊重、自由、民主、平和、独立の強調
ここに言う「人間の尊重」とは、個の尊重、全の否定を言う。
「自由」とは、旧道徳からの解放、本能の開放を言う。
「民主」とは、国家権力の排除を言う。
「平和」とは、反戦、不戦、思想の定着促進を言う。
「独立」とは、米帝との提携の排除、社帝ソ連への接近阻止をいう。

2−2.テレビとラジオ

A.これらは、資本主義国においては「娯楽」であって、政府の人民に対する意志伝達の媒介体ではない。この点に特に留意し、「娯楽」として利用することを主点とすべきである。
 具体的な方向を示せば、「性の解放」を高らかに謳い上げる劇又は映画、本能を剌激する音楽、歌謡等は望ましい反面、スポーツに名を借りた「根性もの」と称される劇、映画、動画、または歴史劇、映画、歌謡並びに「ふるさとの歌祭り」等の郷土愛、民族一体感を呼び醒ますものは好ましくない。
 前者をより多く、後者をより少なく取り上げさせるよう誘導せねばならない。
B.テレビのニュース速報、実況報道の利用価値は極めて高い。画面は真実を伝えるものではなく、作るものである。目的意識を持って画面を構成せねばならない。
C.時事解説・教養番組等については、新聞について述べた諸点がそのまま適用されるが、これは極めて徐々に、少しずつ注意深くなされねばならない。

2−3.出版(単行本)

A.我が国への好感、親近感を抱かせるものを、第一に取り上げさせる。風物写真集、随筆、家庭の主婦が興味を抱く料理、育児所の紹介など、受け入れられ易いものを多面に亘って出版せしめる。
B.社会主義、毛沢東思想などに関する理論的著作も好ましい。しかし、我が国の社会主義建設の成果、現況については、極右分子の誹謗を困難ならしめるよう配慮させねばならない。
C.マスコミの主流から締め出された反動極右の反中国の言動は、単行本に出路を求めているが、これは手段を尽くして粉砕せねばならない。
 特に、社会主義建設の途上で生じる、止むを得ない若干の歪み、欠点について、真実を伝えると称してなされる暴露報道を絶対に放置してはならない。これらについては、誹謗、デマで両国関係を破壊するものであるとして、日本政府に厳重に抗議すると共に、出版社主、編集責任者、著者を告訴して根絶を期すべきである。
D.一般娯楽面の出版については「デンマークの進歩を見習え」として、出版界における「性の解放」を大々的に主張せしむべきで、春画、春本の氾濫は望ましい。
E.単行本の出版についての今一つの利用法は「中間層文筆業者」の獲得である。「中間層」とは思想的に純正左派、または右派に属しない、中間の動揺分子を言い、「文筆業者」とは、凡そ文筆を以て世論作りにいささかでも影響を与え得る者全てを言う。
 彼等に対しては或いは原稿料を与え、或いは出版の支援をなして接近し、まず「政治的・思想的立場の明快さを欠く」中間的著作をなさしめ、徐々に我が陣営へと誘導する。

2−4.本工作にマスコミ部を設けて、諸工作を統轄する

 

第3.政党工作

3−1.連合政府は手段

 日本の内閣総理は、衆参両院の本会議で首班指名選挙を行って選出される。両院で議員総数の過半を掌握すれば、人民の意志とは関係なく、任意の者を総理となし得るのである。
 1972年7月の現況で言えば、自民党の両院議員中、衆議院では約60名、参議院では10余名を獲得して、在野党と同一行動を取らせるならば、野党連合政府は容易に実現する。
 しかし、この方式を取るならば、社会党、公明党の発言権を益するに留まり、且つ最大の単独多数党は依然として自民党であり、この2点は純正左派による「日本人民共和国」成立へと進む阻因となることは明らかである。
 自民党のみではなく、社会党、公明党、民主社会党もまた、無産階級の政党ではなく、最終的には打倒されるべき階級の敵の政党であることを忘れてはならない。
 本工作組に与える「民主連合政府の樹立」という任務は、日本解放の第二期における工作目標に過ぎず、その実現は第三期の「日本人民民主共和国」樹立の為の手段に過ぎない。
 共和国樹立へ直結した、一貫的計画の元に行われる連合政府工作でなければ、行う意義は全くない。

3−2.議員を個別に掌握

 下記により国会議員を個別に掌握して、秘密裏に本工作員の支配下に置く。
A.第一期工作組がすでに獲得したものを除き、残余の議員全員に対し接触線を最少4線設定する。
B.上の他、各党の役職者及び党内派閥の首長、有力者については、その秘書、家族、強い影響力を持つ者の3者に、個別に接触線を最少2線設定する。
C.上の接触線設定後、各線を経て知り得る全情報を整理して、「議員身上調査書」の拡充を期し、公私生活の全貌を細大漏さず了解する。
D.右により各党毎の議員を「掌握すべき者」と「打倒排除すべき者」に区別し、「掌握すべき者」については「連合政府の樹立にのみ利用しうる者」「連合政府樹立より共和国成立に至る過渡期においても利用し得る者」とに区別する。 ここに言う「打倒・排除」とは、その議員の党内における勢力を削ぎ、発言権を低下せしめ、孤立に向かわせることを言う。
E.「掌握」又は「打倒」は調査によって明らかとなったその議員の弱点を利用する。
 金銭、権力、名声等、欲するものを与え、又は約束し、必要があれば中傷、離間、脅迫、秘している私事の暴露等、いかなる手段を使用してもよい。
 敵国の無血占領が、この一事に懸っていることを思い、いかなる困難、醜悪なる手段も厭うてはならず、神聖なる任務の遂行として、やり抜かねばならない。

3−3.招待旅行

 上の接触線設置工作と並行して議員及び秘書を対象とする、我が国への招待旅行を下の如く行う。
A.各党別の旅行団。団体の人数は固定せず、実情に応じて定める。
 但し、団体構成の基準を、「党内派閥」「序列」「年齢」「地域別」「その他」そのいずれかにおくかは慎重に検討を加え、工作員の主導の元に、我が方に有利になる方法を採らしむるよう、工作せねばならない。
B.党派を超えた議員旅行団。議員の職業、当選回数、選挙区、選挙基盤団体、出身校を子細に考慮し、多種多様の旅行団を組織せしめる。
C.駐日大使館開設後1年以内に、全議員を最低1回、我が国へ旅行せしめねばならない。
 自民党議員中の反動極右分子で招待旅行への参加を拒む者に対しては、費用自弁の個人旅行、議員旅行団以外の各種団体旅行への参加等、形式の如何を問わず、我が国へ一度旅行せしめるよう工作せねばならない。
D.旅行で入国した議員、秘書の内、必要なる者に対して、国内で「C・H・工作」を秘密裏に行う。

3−4.対自民党工作

A.基本方針
 自民党を解体し、多数の小党に分裂せしめる。
 自民党より、衆議院では60名前後、参議院では10余名を脱党せしめて、連合政府を樹立するというが如き、小策を取ってはならないことは先に述べた所であるが、右派、左派の二党に分裂せしめることも好ましくない。
 これは、一握りの反動右翼分子が民族派戦線結成の拠点として、右派自民党を利用する可能性が強いからである。
 従って、多数の小党に分裂する如く工作を進めねばならず、又表面的には思想、政策の不一致を口実としつつも、実質的には権力欲、利害による分裂であることが望ましく、少なくとも大衆の目にはそう見られるよう工作すべきである。
B.手段
 自民党内派閥の対立を激化せしめる。
① 自民党総裁選挙時における派閥の権力闘争は常に見られる現象で通常は総選挙を経て若干緩和され、一つの党として受けて曲りなりにも保持していく。
 今回はそれを許してならない。田中派と福田派の対立の継続と激化、田中派と大平派、三木派、三派の離間、中間五派の不満感の扇動等を主点として、第一期工作組は工作を展開中である。総選挙後、若干の変動があっても、派閥の対立を激化せしむるという工作の原則は変わらない。
② 派閥対立を激化せしめる最も有効な方法は、党内の非主流派となって政治活動資金の調達に困難を生じている各派に個別に十分な政治資金を与えることである。
 政治献金は合法であり、これを拒む政治家はいない。問題は方法のみであり、工作員からAへ、AからBへ、BからCへ、CからDへ、Dから議員又は団体という如く間接的に行うのは言う迄もない。
③ 先に述べた議員個人の掌握は、それ自体が連合政府樹立の有効な手段となるが、派閥対立激化についても活用するのはもとよりである。

3−5.対社会・公明・民杜各党工作

A.基本方針
① 各党内の派閥闘争を激化せしめ、工作による操縦を容易ならしめる。派閥というに足る派閥なき場合は、派閥を形成せしめる工作を行う。但し、党を分裂せしめる必要はなく、分裂工作は行わない。
② 日本共産党を含めた野党共闘を促進する。
B.手段
自民党の項に同じ。

3−6.「政党工作組」で統轄

 対政党工作は「連合政府樹立工作」の中心をなすものであり、本工作組に政党工作部を設け、その下部機構を、自民党班、社会党班、公明党班、民社党班の四班に分かち、各班毎に派閥名を冠した派閥小組を設ける。
 

第4.極右極左団体工作

4−1.対極右団体工作

 我が党は日本解放、日本人民共和国樹立工作を進めるに当たって、日本の極右団体に対する対策は必要であるか? 必要だとすればいかなる対策をたてて工作を進めるべきか?
 第一に認識しなければならない彼我の関係は、彼等は利用し得べき中間層に属するものではなく、水火相容れざる敵であることである。
 では、彼等の現有勢力はどうか? 東京における極右団体数は約180余。シンパも含めて人数は約40万、全国には1人1党的なものも含めれば約800団体、総数100万未満で問題にするには足りない。
 世論の動向はどうか? 我が方は、逸早く「マスコミ」を掌握して、我に有利なる世論作りに成功した。
 敗戦日本を米帝が独占占領したことは悪質極まる罪悪であるが、米帝が日本の教育理念、制度を徹底的に破壊し、国家・民族を口にすることが、あの悲惨な敗戦を齎した軍国主義に直結するものであると教育せしめたことは、高く評価されねばならない。
 極右は、嘗て輝かしい成果を収めたように、「国家」「民族」というスローガンで民衆に近づく道を封じられているのである。否、彼等がそれを強調すればする程、民衆は彼等から離れていくのである。
 800に分裂し、マスコミを敵とし、直接に民衆へ呼び掛けても、効果が上がらぬ彼等は、翼なきタカであるか? 工作の対象として取り上げるに値しないものであるか?
 ここで我々は、日本解放工作の最も困難なる点、即ち、我が方の弱点の所在を十分に承知しておかなければならない。
① 国会議員の過半数を工作組の掌握下に置き、国会での首班指名選挙で、我が方の望む人物を選出させ、連合政府を成立させることは合法行為で可能である。
② 右は日本人大衆の意志とは、関連なく行い得る。
③ マスコミは右の工作が順調に進むよう、背後に隠れ全面的に支援する。
 上の3点から連合政府樹立については、極右勢力がその阻害の素因となる恐れは殆どない。もし彼等が連合政府樹立前に武装反革命戦を惹き起こせば、世論の総攻撃を受け、日本官憲によって弾圧粉砕されることは間違いない。
 問題は、連合政府樹立直後の民心の大変化にある。大衆は「連合政府・・共和国成立」という革命図式がデマでなく真実だと直感するであろう。彼等を騙し続けてきたマスコミへの怒り、彼等の意志を完全に無視して首班指名選挙を行った議員への怒り、生活様式が一変するという恐怖感、これらが組織されて爆発したらどうなるのか?
 この時点で、統一された、組織を操る極右勢力が存在すれば、これ程大きな危険はない。彼等の微小な力「一」は、たちまちにして「百」「千」となろう。大衆は、彼等の武装決起に背を向けないどころか、それを望み、それに投じるであろう。もとより、最後の勝利は我が方に帰するが、一時的にせよ、内戦は避けられず、それは我々の利益とはならない。
 以上の分析に従えば、対策は自ずから決まってくる。
A.極右のマスコミ奪回の反激戦に対しては、常に先手をとって粉砕せねばならない。
B.極右団体の大同団結、乃至は連携工作を絶対に実現せしめてはならない。凡ゆる離間、中傷工作を行って、彼等の感情的対立、利害の衝突を激化させねばならぬ。
C.各団体毎に、早期に爆発せしめる。彼等の危機感をあおり、怒りに油を注ぎ、行動者こそ英雄であると焚き付け、日本の政界、マスコミ界、言論人等の進歩分子を対象とする暗殺、襲撃はもとより、我が大使館以下の公的機関の爆破等を決行するよう、接触線を通じて誘導する。
 我が公的機関の爆破は建物のみの損害に留め得るよう、準備しておけば実害はない。事後、日本政府に対して厳重抗議し、官憲をして、犯人の逮捕はもとより、背後団体の解散をなさしめ、賠償を要求し、マスコミには、全力を挙げて攻撃させ、人民の右派嫌悪を更に高め、定着させる。
D.右のため、必要な経費と少量の米製武器弾薬を与える。これは蒋介石一派が日本の極右に資金・武器を与えたのである、と日本官憲に信じ込ませる如く工作して、二重の効果を生むよう配慮せねばならない。
E.本工作は工作組長自ら指揮する直属機関「P・T・機関」をして実施せしめる。

4−2.対極左団体工作

A.学生極左団体は、一定任務を与え得ない団体(又は個人)と一定任務を与え得る者と区別して利用する。
B.前者には、資金・武器を与えて小規模な武装暴動を頻発せしめ、全国的な社会不安を高めると共に、日本官憲をして奔命に疲れせしめる。犯人及び直接関係者は、駐日大使館において保護し、必要ある場合は我が国の船舶で中国に逃亡せしめる。
C.後者には、各階層の極右分子中、我が工作の著しい阻害となる者に対しての暗殺・脅迫・一時的監禁等を使用する。その保護については前項に同じ。
D.前二項に関連して起きる、日本官憲による我が大使館への「犯人引き渡し要求」又は「捜査への協力要請」は、その事実無し、必要無しとして断固拒否する。
 続いて、マスコミの全力を挙げて官憲の不当を攻撃せしめ、日本政府へは、国交断絶も辞せずと圧力を加え、官憲の要求を制約せしめる。
E.逮捕された犯人に対する援助は一切行ってはならない。又、その犯人との接触に使用した中間連絡者に対しては、直ちに「P・T・機関」をして必要、適切なる処置を構ぜしめ、官憲の追跡捜査を許してはならない。
F.本工作は、対極右工作と共に「P・T・機関」をして実施せしめる。
 

第5.在日華僑工作

5−1.華僑の階級区分

 約5万3千名に上る在日中国人は、現在の思想、言動を問わず、本質的には資産階級、小資産階級に属する階級の敵であって、無産階級も同志ではない。
 しかし日本人民共和国成立以前においては、彼等を「階級の敵」と規定してはならず、統一戦線工作における「利用すべき敵」に属するものとして規定し、利用し尽くさなければならない。

5−2.工作の第一歩・・逃亡防止

 国交正常化が近づくにつれて、彼等は必然的に動揺し不安を感じる。
 不安の第1は、我が駐日大使館開設後、祖国へ帰国させられるのではないか? その際、在日資産を処分して得た携帯又は送金外貨を帰国後、中国銀行に預金させられ封鎖されるのではないか、との不安である。
 第2は、蒋介石一派の言動をとっていた者、及び「台湾独立運動」に従事していた者の罪を恐れる恐怖不安である。
 これに対し
 「居住の許可、私有財産の保護は日本政府の保証する所であり、中共大使館の干渉し得ざる内政干渉があること」
 「民主国日本においては、思想・言動の自由が保護されており、それが外国人に及ぶことは、国府大使館時代の実例で証明されていること」
 等を挙げて、第一期、第二期工作員と共に、彼らの不安解消に全力を挙げ、彼等に日本残留を決定せしめなければならない。
 対在日華僑対策の第一歩は、彼等を掌握して利用する為に日本ヘ留めることであり、決して台湾又は東南アジア各地へ逃亡させてはならない。

5−3.工作の第二歩・・青少年把握

 工作の第二歩は、華僑の小・中・高校・大学等の生徒学生及び青年を、先ず掌握することである。
A.駐日大使館開設と同時に、大使自ら各地の華僑学校へ赴き、祖国からの贈物として、施設拡充に十分なる寄付金を無条件で与え使用させる。同時に、政治色のない図書館を大量に寄付する。
B.祖国から来日するスポーツ選手団の試合、各種の公演、展覧会に、青少年を無料で招待する。
C.華僑学校へ女性の中国教師1名を派遣する。この一切の費用は大使館で負担する。教師は初期においては一切、思想・政治教育を行わず、忠実熱心な教員として全生徒の信望を勝ちとることに全力を尽くす。
 続いて、語学教育を通じて、全生徒に祖国愛を抱かせること、及び生徒を通じて自然にその家族の状況を知ることの2点を任務に加える。教員数も、教員に与える任務も漸増するが、その時期を誤ってはならない。
D.祖国観光旅行。派遣教員による生徒の掌握が進んだ時点で、祖国観光旅行へ招待する。この後、次第に、政治・思想教育を行って青少年を完全に掌握する。

5−4.国籍の取得

A.駐日大使館開設後直ちに、在日華僑の中国国籍の取得、パスポート発給申請の受理を開始するが、決して強制してはならず、且つ受理期間を制限してはならない。
 飽く迄も、彼等が個人の意志で決定し、自発的に申請するという形式を取らせねばならぬ。時間が掛かることは問題とするに足らない。
 掌握せる青少年に「中国人が中国の国籍を取るのは当然のことである」との考えが徹底すれば、彼等は自然に両親を説得する。
 これ青少年の自発行為であり、子供と共に行動する親の行為も又自発的行為であることは言う迄もない。
B.日本政府に対しては「在日中国人の国籍問題について」の秘密交渉申し入れ、下記を要求する。
① 在日中国人の日本への帰化を認めてはならないこと。
② 在日中国人で中国国籍を取得せず、無国籍者を自称する者に対しては、各地の在日居留期間が満期となる際、居留期間の政治延長許可を与えてはならないこと。
③ 蒋介石一派が発給するパスポートを認めない。その所持者に、日本居住を許可してはならないし、旅行入国をも認めてはならない。
 中国人について、2種類のパスポートを認めることは、2つの中国を作る陰謀に該当する最も悪質な反中行為であることを認めること。

5−5.中国銀行の使用を指定

A.在日華僑の大部分は商人であり、その年商総額は約1兆円に達している。駐日大使館開設と同時に、日本に進出して各地に支店を設ける中国銀行は、中国との貿易に従事する全ての日本商社に口座を開設せしめる他、華僑については、その大部分の資産を中国銀行へ預金せしめる如く工作せねばならない。
B.資産階級は狡猾無比で、資産を分散隠匿して保全を図る習性を持つ動物である。正面からの説得で、取引銀行を中国銀行一本に絞ることはあり得ない。
 青少年の掌握、国籍取得がゆきわたり、日本政府が我が方の国籍問題についての要求を入れ、最早我が大使館の意志に抗し移行することは困難となった段階で、下の諸点を実施する。
① 「祖国の銀行を使おう」「事実で素朴への忠実を示そう」等のスローガンの元に「中国銀行への預金運動」を華僑自体に展開させる。
 青少年に運動の先鋒隊として宣伝、説得工作をなさしめると共に、父母の言動を監視せしめ、実行しない場合は摘発せしめる。
② 預金を中央銀行一本に絞らなければ、パスポートの有効期限の延長申請を大使館は受理しないであろう、と意識的なデマを口から口へ伝えて、「延長申請が許可とならねば無国籍となって日本に居住できない」との不安を煽る。
③ 華僑仲間の密告を「祖国への忠誠行為」として奨励することを暗示する。

5−6.政治・思想教育

 国籍を取得し、預金を中国銀行に集中せしめた後において、5万3千の華僑を、日本解放の為の一戦力となすべく、政治教育、思想教育を開始する。

5−7.「華僑工作部」で統轄

 本工作に「華僑工作部」を設け、全工作を統轄せしめる。
 
 

C.統轄事項

C−1.派遣員数・身分・組員の出身

 本工作員の組員は、組長以下約2千名を以て組織する。大使館開設と同時に8百名、乃至1千名を派遣し、以後、漸増する。
 組長以下全員の公的身分は「大使館員」「新華社社員」「各紙特派員」「中国銀行員」「各種国営企業代表又は派遣員」「教員」の身分で赴任する。
 組員は、その公的身分の如何に拘らず、全て本工作組長のみの指揮を受け、工作組の工作に専従する。組員は、一部の責任者、及び特殊工作を行う者の他、全員「第48党校」日本部の出身中より選抜する。

C−2.経費

本工作での必要経費は、全て中国銀行東京支店より支出される。中国銀行は、日本国内で華僑及び日本商社より吸収する資金中、銀行業務の維持に必要なる額を除き、残余は全額、本工作の為に支出する。 
 華僑預金は、日本人民民主共和国成立後は、全額没収するものであるから、将来において預金者に返還することを考慮に入れておく必要はない。
 本工作組長は、常に中国銀行東京支店、党支部書記と密接に連絡し、資金運用の円滑を図らねばならない。

 

C−3.指令・関係文献の取扱い

A.本指令、及び工作組織系統表、工作員名簿等の下達は、組長、副組長のみに限定する。
B.関係文献は全て組長自ら保管する。
C.関係文献の複印、筆写は厳禁する。
D.工作組の各部責任者に対しては、訓練期問中に、組長より個別にその所管事項について、指令内容を伝え記憶せしめる。
E.組員に対しては、その所属する各部責任者が、その組員に担当せしめんとする事項についてのみ教育訓練する。

転載元転載元: 安全は大切ですね

カネミ油症自殺






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カネミ油症事件 - Wikipedia

ja.wikipedia.org/wiki/カネミ油症事件 - キャッシュ
カネミ油症事件(カネミゆしょうじけん)とは、1968年に、ポリ塩化ビフェニル(PCB)など が混入した食用油を摂取した人々に障害等が発生した、主として福岡 .... 者らには先に 受け取った仮払いの賠償金の返還義務が生じることになったが、既に生活費として使っ てしまっていたケースも多く、返還に窮した被害者の中からは自殺者も出るに至った。
サイト内リンク:
概要 - 原因の究明まで - 裁判 - 現状
mainichi.jp/articles/20170607/ddp/041/040/027000c
2017年6月7日 - 仮払金が払えずに自殺した人や、就職や結婚で差別されて生活苦に追い込まれた人、「 家族に『毒』を食べさせてしまった」と自分を責め続けている母親がいた。被害者の窮状 を知った人たちがカネミ油症被害者支援センター(東京)を結成し、 ...
blogs.yahoo.co.jp/recordaday/7153593.html - キャッシュ
いじめ自殺>「自分傷つけないで」カネミ油症被害少女訴え 「自殺するなら 健康な体 私 にください」。長野県飯田市の自営業、塩沢正敏さん(83)が保存していた86年2月の 毎日新聞の記事にはそんな見出しがつけられていた。 記事は、68年 ...
www.min-iren.gr.jp/?p=13833 - キャッシュ
駆け歩きレポート(36) カネミ油症は終わっていない 40年間も苦しむ被害者 長崎・五島 で聞きとり. 「カネミ油(ゆ)症(以下、油症)」を知っていますか ... 一家離散や自殺などの 悲劇も起こりました。 同市玉之浦町の永尾きみ子さん(75)は、一四 ...
www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.../a164199.htm - キャッシュ
カネミ油症事件は、一九六八年に、福岡県や長崎県を中心に西日本一帯で発生した PCB(ポリ塩化ビフェニール)等の有毒物質 ... 返還免除等の措置について 1 被害者が 、国から、仮払金の返還を請求され、その被害者の中には自殺者や離婚者まで出て いる。

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転載元転載元: 有害物質は土壌・底質に蓄積する。高砂西港のカネカ盛立地を学ぶ


カネミ油症被害者の提訴は、関係者の思惑から全国統一訴訟団と油症福岡訴訟団にわかれて提訴された。
全国統一訴訟は国を相手にしていたが、福岡訴訟団は時間節約を目的として国を外しカネカ・カネミ倉庫を相手とした。
和解終結後の認定患者に対してはカネミ倉庫は訴訟患者の和解条件と同様の取り扱いをしているが、医療費自己負担分の支払い、一律23万円の一時金、死亡時3万円の葬祭料の支払い。
鐘淵化学工業(カネカ)は新規認定患者約80人に対しては和解金300万円を支払っていない。理由として訴訟時に原告であった人だけを対象としてカネカに責任は無いとする条件で和解した為その後の認定患者への責任は無いとしている。

一方水俣病では、チッソと一部の患者家族との間で,いわゆる見舞金契約が締結されました。この見舞金契約はわずかな補償と引き換えに将来新たな補償金の要求は一切行わないという内容でした。
 この見舞金契約は被害者の窮状と孤立に乗じて,被害者に無理矢理押しつけられたものといえます。この見舞金契約は,後の裁判(水俣病第1次訴訟熊本地裁判決)において,公序良俗に反し無効と断罪されました。



カネミ油症事件(カネミゆしょうじけん)とは、1968年に、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などが混入した食用油を摂取した人々に障害等が発生した、主として福岡県長崎県を中心とした西日本一帯の食中毒事件。油を摂取した患者からは、皮膚に色素が沈着した状態の赤ちゃん(いわゆる「黒い赤ちゃん」)が生まれた。胎盤を通してだけでなく、母乳を通じて新生児の皮膚が黒くなったケースもあった。この「黒い赤ちゃん」は社会に衝撃を与え、事件の象徴となった。学界でも国際会議で「YUSHO」と呼称され、世界的な関心を集めた[1]

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 カネミ油症は、昭和43年10月に、西日本を中心に、広域にわたって発生した、ライスオイル(米ぬか油)による食中毒事件です。
 事件の原因は、カネミ倉庫社製のライスオイル(米ぬか油)中に、製造の際の脱臭工程の熱媒体として用いられた、鐘淵化学工業(現カネカ)社製カネクロールが混入していたことでした。このため、ポリ塩化ビフェニル(PCB)や、ダイオキシン類の一種であるポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)等が、製品のライスオイル(米ぬか油)の中に混入しました。
 症状は、吹出物、色素沈着、目やになどの皮膚症状のほか、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振など多様です。こうした症状が改善するには長い時間がかかり、現在も症状が続いている方々がいます。



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福岡県北九州市小倉北区(事件発生当時は小倉区)にあるカネミ倉庫株式会社で作られた食用油(こめ油・米糠油[2]「カネミライスオイル」の製造過程で、脱臭のために熱媒体として使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が、配管作業ミスで配管部から漏れて混入し、これが加熱されてダイオキシン変化した。このダイオキシンを油を通して摂取した人々に、顔面などへの色素沈着や塩素挫瘡(クロルアクネ)などの異常、頭痛、手足のしびれ、肝機能障害などを引き起こした。
当時はPCB(ポリ塩化ビフェニル)の無害化技術も確立されていない時代であり、カネミ油症の原因物質であるライスオイルは、不適切な処理をされた可能性がきわめて高い。カネミ倉庫の事業所が存在する北九州市及び大阪市木津川運河)では、ダイオキシン類の一つであるコプラナーPCB (Co-PCB)が河川及び港湾の底質から基準を超えて検出されている。

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原因の究明まで

患者発生の直前1968年春には、同社製の「ダーク油」を添加した配合飼料を与えられた鶏40万羽が変死していた[3]1968年(昭和43年)6月7日に九大皮膚科に3歳の女児が痤瘡(にきび)様皮疹と診断され、8月には家族全員が同様の症状となって受診した。
1968年(昭和43年)10月11日、福岡県衛生部は九州大学病院に職員を派遣し調査を開始。北九州市衛生局は同日にカネミ倉庫に立ち入り調査を実施し、サンプルを採取して九大に分析を依頼した[4]
1968年(昭和43年)10月18日、九州大学医学部に油症外来を開設して集団検診を始める[4]
1968年11月4日には油症研究班がカネミ油に含まれた有機塩素化合物ガスクロマトグラフのパターンがカネクロール400(鐘淵化学:現・株式会社カネカ)のパターンと一致することを証明した[4]
1969年(昭和44年)3月20日、長崎県が「油症関係資料」を取りまとめ、油症の総括及び、五島玉之浦町地区や五島奈留島地区の被害者を状況を記録した[5]
1969年(昭和44年) 長崎県発行 油症関連資料
1969年、医学専門誌『福岡医学雑誌』60巻5号には、患者から生まれた死産女子の解剖結果が報告されている。そこでは、副腎皮質が奇形であったことが示唆され、性器の肥大・突出があったことも書かれている。
1969年(昭和44年)6月、厚生省に「回収油の精製後の販売先及び数量」等を報告した[6]
1969年(昭和44年)11月、食品衛生法第4条該当により廃棄を命じたカネミ油(廃棄分)503ドラムを販売したことを報告した[7]
1971年、専門誌『産科と婦人科』8月号に患者の性機能に関する報告が掲載された。経血が茶褐色に汚くなったことや性ステロイドの減少が見られることをふまえ、「PCB中毒はあらゆる意味で女性性機能を障害すると考えざるを得ない」とまとめている。翌年、『福岡医学雑誌』63巻10号は「PCBには女性ホルモンを増強する作用がある」と報告した。
1975年、長山淳哉[8]らの研究により、ダイオキシン類のポリ塩化ジベンゾフラン (PCDF) が事件に関係していることが判明した。
1987年(昭和62年)カネミ倉庫が300リットルの油を引き取ったことを北九州市衛生局長に報告した[9]
2002年に当時の坂口厚生労働大臣が、厚生官僚の反対を押し切り「カネミ油症の原因物質はPCBよりもPCDFの可能性が強い」と認めた。発症の原因物質はPCDF及びCo-PCBであると確実視されており、発症因子としての役割は前者が85%、後者が15%とされている。

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日本全国でおよそ1万4,000人が被害を訴えたが、認定患者数は2006年末現在で1,906人と少ない。うち、相当数が既に死亡している。家族が同じ物を食べて被害にあったにも拘らず、家族のうち1人だけが被害者に認定されるケースもあるなど、認定の基準が被害者には曖昧なものであった。
2004年9月、厚生労働省の所管組織である国の「油症治療研究班(九州大学医学部を中心とする研究グループ)」は、新たに血液中のダイオキシン濃度を検査項目に加えた新認定基準を発表した。また、自然界では、ダイオキシンに曝露したことの影響と見られる生殖器官の異常など動物の奇形も見られるが、直接の被害者が男性の場合、精子など遺伝子へのダイオキシン類による被害があっても、親から子へと胎内を通じて直接、子孫に影響があると考えられる女性とちがい、血中のダイオキシン濃度測定だけでは、世代を超えた影響は関知しえないという問題もある。



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1970年、被害者らは食用油を製造したカネミ倉庫・PCBを製造した鐘淵化学工業(カネカ)・国の3者を相手取って賠償請求訴訟を起こした。二審では被害者側が国に勝訴し、約830人が仮払いの賠償金約27億円を受け取ったが、最高裁では逆転敗訴の可能性が強まったため、被害者側は訴えを取り下げた。この結果、被害者らには先に受け取った仮払いの賠償金の返還義務が生じることになったが、既に生活費として使ってしまっていたケースも多く、返還に窮した被害者の中からは自殺者も出るに至った。


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提訴は、関係者の思惑から全国統一訴訟団と油症福岡訴訟団にわかれて提訴された。全国統一訴訟は国を相手にしていたが、福岡訴訟団は時間節約を目的として国を外しカネカ・カネミ倉庫を相手とした。和解終結後の認定患者に対してはカネミ倉庫は訴訟患者の和解条件と同様の取り扱いをしているが、医療費自己負担分の支払い、一律23万円の一時金、死亡時3万円の葬祭料の支払い。鐘淵化学工業(カネカ)は新規認定患者約80人に対しては和解金300万円を支払っていない。理由として訴訟時に原告であった人だけを対象としてカネカに責任は無いとする条件で和解した為その後の認定患者への責任は無いとしている。



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2008年5月、「カネミ油症新認定訴訟」を福岡地裁小倉支部に提出するが、カネミ倉庫(株)の製造・販売した過失を認め、原告らがカネミ汚染油を摂取した為に、カネミ油症に罹患したと認めながら、「除斥期間により権利が消滅している」として、原告全員の請求を棄却した[10]。原告は控訴していたが、福岡高裁2014年2月24日、一審判決を支持しこれを棄却。2015年6月2日に最高裁第三小法廷(木内道祥裁判長)が上告を棄却し、判決が確定した。

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転載元転載元: 有害物質は土壌・底質に蓄積する。高砂西港のカネカ盛立地を学ぶ



第082回国会 公害対策及び環境保全特別委員会 第2号
昭和五十二年十月二十六日


粕谷照美君 
 一番最初に、カネミの問題に入ります。どちらが主かといえば、環境庁よりは厚生省の方が主体的な質問になるというふうに思いますけれども。十月五日の福岡地裁におけるカネミ油症事件の判決は、ほぼ原告の主張を認めた形で出されていると私は考えています。世界で初めてのPCBの経口摂取による人体被害で、発生後八年有余、患者の方々にとっては実に苦しい年月であったと思います。

しかし、これから長い先も、治療方法さえも解明されていない油症と闘わなければなりませんし、また生活を守っていかなければならないわけですが、この判決の中にこう書いてあるわけですね。「本件のような大量かつ重篤な被害を惹起しながら、これまでの公害訴訟におけると同様、加害者である被告らは今日までその実質的救済に立ち上がっていないし、その気配すらない。このことは原告らを含む油症患者の心に大きな痛手として刻まれており、その無念さは看過さるべきでない。」、「看過さるべきでない。」ということは、看過している人たちがいるからこのような判決があったんだというふうに思うわけですけれども、政府としてはこの判決そのものを一体どのように見られているのかお伺いいたします。

○説明員(七野護君) この福岡の判決につきましては、国が被告になっておりませんので、この判決についての厚生省としての感想を申し述べるのは差し控えたいと、かように考えております。

○粕谷照美君 国が被告になっていれば、判決が出ればもう文句も言えないではいはいと言わなきゃならないわけでしょう。これは国は関係ないけれども、行政の中で全然責任を認めてないようないまのあなたの答弁というのは、非常におかしいというふうに思いますよ。現に国民が大変な状況の中に陥ってどうにもならないから、ないお金を出し合って裁判をやって、ずいぶん長いことかかってようやく裁判の判決が出たわけでしょう。物も言わないなんていうような、そんな政府なんて必要ないじゃないですか。

○説明員(七野護君) 言葉が足りずに失礼いたしました。
 国の責任につきましては、現在小倉支部で係属中でございます。これは先ほど申し述べましたように、先ほど出しました判決は国が被告になっておらず、カネミ倉庫、それからカネミ倉庫の社長、それから鐘淵化学が被告になった判決でございます。それに引き続きまして、現在国が被告として民事訴訟が提訴されておりまして、これが先ほど述べましたような小倉裁判、これは小倉裁判と言われておる裁判でございますので、国の責任の問題につきましては司法機関にゆだねられておると、かように私たちは考えております。

 しかし、本事件の特殊性と言いましょうか、重大性にかんがみまして、現在国では事件発生後直ちに油症研究班を設置いたしたわけでございます。現班長は九大の第三内科の教授でございますが、井林博教授のもとに油症治療研究班を設けまして、油症に関する疫学的研究、診断、治療に関する研究、さらに患者の追跡調査等を実施しておりまして、昭和四十三年度から五十一年度まで、総額約三億円の研究費を支出してきております。さらに、生活に困窮しておりますカネミ油症患者の援助をするために世帯更生資金の特例措置を講じておりますし、主要県におきましても、県単独で生活資金等を貸し付けているというのが現在の現状でございます。

○粕谷照美君 国がそのような対策をした、県がそのような対策をしたということは、国や県にやっぱり責任があったからだというふうに理解をしてよろしいですか。

○説明員(七野護君) 先ほども申し上げましたように、本件につきましてはいわゆる食中毒ということで私たちは対処してきたわけでございます。ところが通常起こります食中毒との違いは、PCBによる中毒ということで、非常に特異的な中毒事件ということもございますので、普通の中毒事件では実施してございませんが、本中毒事件につきましては、先ほど申し述べましたような患者に対する疫学的研究であるとか診断、治療に関する研究であるとか、そういうことを現在まで実施してきたというふうに考えております。

○粕谷照美君 あなたのおっしゃっていることは何を言っているのかわかりませんよ。まあいずれ次々と質問をし、最終的にはこれは環境庁にも関連がありますから、御意見をいただきたいと思いますけれども。
 それでは、この八年間にわたる被害者の実態というものをどのようにあなたの方では把握をしていますか。数の問題もあるでしょう。病状の問題もあるでしょう。それから遺伝の問題もあるでしょうし、さらに生活実態もあるというふうに思いますが。

○説明員(七野護君) 患者の実態につきましては、厚生省といたしましては、これまで患者代表と過去七回の話し合いをしてきております。まあ四十九年の二月からでございますが、最後の話し合いは、この判決後の五十二年の去る十月二十日かと思いますが、十月二十日に行っております。
 そこで、まあ患者代表から患者の実態等の事情はいろいろ聞いているわけでございます。現在の患者さんの総数、これは油症研究班で診定し認定されている患者さんでございますが、総数は千六百二十九名という、これは昨年の十二月三十一日現在の集計でございます。千六百二十九名ということになっております。

○粕谷照美君 私が質問をしたのは、数だけ教えてくださいと言ったわけじゃないですよ。病気の状況はどうか、生活の状況はどうかということも含めて言ってくださいと言ったんです。

○説明員(七野護君) 生活の状況につきましては、先ほど申し上げましたように、生活に困窮している患者さんがおみえになることも事実でございます。それにつきましては、先ほど申し上げましたように世帯更生資金の特例措置を講じて対処してきておりますし、また生活保護家庭につきましては、福祉資金という形で対処してきておるわけでございます。現在まで世帯更生資金として貸付状況の総枠は約八千万円に上っているというふうになっております。

○粕谷照美君 それでは、健康状態というのはよくなってきているんでしょうか、どうですか。

○説明員(七野護君) このカネミ油症研究班の研究その他から見ますと、現在はすでに事件発生後約八年の年月がたっているわけでございます。発生当時、いわゆる急性症状を呈した場合は非常に重篤な皮膚症状その他を呈したわけでございますが、現在は大半がいわゆるこの皮膚症状は軽快に向かっていると、さように伺っております。

○粕谷照美君 表から見ると軽快になっているということは言えるかと思いますけれども、私は、あなたはそういう意味では大変実情を知らないんじゃないかなという気持ちがします。本当に患者の方々と会っているんですか、七回も。

○説明員(七野護君) 私が食品衛生課長に着任して以来――七月に着任したわけでございますが、先ほども申し上げましたように、去る十月に患者の代表――これはカネミ油症事件全国連絡会議の代表でございますが、そこにカネミの患者さんも二名患者代表としてお見えになりました。そこで患者さんの口からいろいろの話を伺っております。

○粕谷照美君 ですから、この委員会の中でそのことを明確にあなたから発言をしていただきたかったわけですよね。
 私もその方につい先日お会いしましたけれども、その方々がおっしゃるには、小中学生の歯がもうぼろぼろ折れている。お金のある人は入れ歯をするけれども、お金のない子供はだめだというようなことで、非常に親が心を痛めているわけですね。いまの子供たちが大体歯質が弱いというのは全国的にも言われておりますけれども、しかし、そんなに入れ歯をしなきゃならないように子供たちの歯が悪くなっていくというのは、カネミと全然関係がないというふうには思えないので、一体そのような点についての研究はどのようになっているかわからない。

 それから、おいでになった方は、自分は働いていても職場で倒れると言うんです。倒れるから危なくて、周りの人たちがその人に仕事をさせることができなくて休ませておく。すると、人が働いているのに自分が休んでいるから、非常に心が痛んで――労働者というのはそういうものなんですよね、平気で休んでなんかいられないわけです。だんだんだんだん心が痛んで、そして職場をついに去ってしまった。

こういう報告もされておりましたし、そこに来られた婦人の代表は、お嬢さんが二人おらるわけですが、あのころ子供だった子供がいまちょうど適齢期を迎えた。上の子供は就職をしたんですけれども、やっぱり働くことができないという。体がどうしても仕事についていけなくてついにやめたんだけれども、これじゃ結婚もできないだろう。いま妹は高校生だけれども、高校を卒業したってやっぱり姉と同じような運命をたどるだろうかと思うと、親としてもいても立ってもいたたまれない気持ちだ、眠れない毎日だと、こういうことを言っていらっしゃるわけですから、外から見て何でもなくても、ちょうどあの原爆被爆者と同じような状況というものがやっぱりいまここに出ているというふうに私は判断をいたします。

 そして、栄養剤中毒というのがあるというお話ですから、栄養剤中毒って何だって聞きましたら、もう極度の疲労感からいままでにいろんな栄養剤を飲んでいて、その栄養剤を飲まないと落ちついて仕事ができないんだと、こういうことを言っておりました。これなんかも非常に大変な問題だというふうに思いますし、偏頭痛がもう大変で狂い死にしそうだと、こういうことを言っておられますね。

特に油の中にそういうものが出てきて、こぶが体のあちこちに吹き出してくるんだ。特におしりの部分に吹き出してくると座っていることもできないし、腰をかけていることもできない。それがいつの間にかこぶがすうっと引っ込んでいったなと思って、やれよかったと思うと、またそれが別な場所に出てくるという、こういう状況が出ておりまして、もうとてもじゃないけれども、この先どうなるんだろうかという不安感を持っていらっしゃる。

 そういうのがあなたのおっしゃる快方に向かったということでよろしいのか。その患者の言うことが、それは何もカネミのせいじゃない、ほかの病気のせいだというふうにあなたはおっしゃるのかということもお伺いしたいし、さらに膵臓だの肝臓だの糖尿だのがもううんと出ているわけでしょう。よそと比べてそういうようなものが本当によけいではないんだということが言い切れますか、いかがですか。

○説明員(七野護君) この患者さんの現在の症状につきましては、油症研究班の方で追跡調査その他でいろいろ研究をしていただいておるわけでございますが、当初このカネミ油症の事件が起こったときの患者さんの症状は、いわゆる皮膚症状が主な症状であったというふうに私聞いておりますが、その後年月がたつに従って、いわゆる皮膚症状についてはかなり軽快の徴が見られるということもまた事実であると、考えております。
ただし、カネミ油症の非常な大きな特徴は、PCBが人体に摂取されまして、いわゆる脂肪と非常に親和性があるわけで、まあ、全身の脂肪に沈着をしていると、それがなかなか排せつされないということに大きな問題があると、かように考えております。

 そこで、先ほど言いましたこの油症治療研究班の方でも、現在いわゆるこのPCBを外へ出す抜本的な治療法と申しましょうか、この根治療法の開発ということを主翼に研究を続けておるわけでございます。ただ、このPCBという物質は非常に安定性がある物質であるがために、なかなか外へ出ないということもまた事実であろうと思っております。ただ、最近のこの研究班の追跡その他によりますと、いわゆる血中PCBの濃度も以前に比べましてはかなりの低下が見られるというような報告もございますが、まだ完全に、何と言いましょうか、全治していくというその治療法が開発されているわけではございません。

 そこで、現在考えられます治療法といたしましては、この全身に分布しておる脂肪に親和性のあるPCBを外へ出すために、いわゆるこの脂肪を移動させる方法が考えられるわけであります。その方法として一つ断食療法があるわけです。断食療法――絶食療法を行うことによりまして、もちろん体の中の皮下脂肪が消費され、皮下脂肪が移動するわけでございますが、それに伴いまして全身の脂肪の移動が行われる。言葉をかえますと、代謝排せつが行われるわけで、その際にPCBの排せつを促進しようという理屈でございますが、この断食療法が非常に効果があるというふうに、治療研究班の方でもそういうふうな評価がなされておるというふうに聞いております。

 次に、いま現在研究班の方で、これは治療指針の中にも示されてございますが、いわゆる酵素誘導法という方法がございます。この酵素誘導法と申しますのは、いわゆる薬物その他が人体の中に入った場合に肝臓がそれを処理するわけでございますが、肝臓中にこの薬物を処理するための酵素が発生するわけです。そこで、それをさらにこの酵素を誘発いたしましてこの吸収、排せつを促進しようという内面からのことでございます。

そこで、これにはいま現在肝臓の酵素を誘発する薬物としてはフェノバルビタールがございます。フェノバルビタールは、何といいましょうか、普通に使われるいわゆる睡眠剤でございますが、このフェノバルビタールがいま申しました酵素の誘発に非常にいいということでございますが、ただし問題がございまして、PCBそのものがこの酵素を誘発する作用があるわけで、そもそもこの酵素がすでに誘発されているところにさらに強力に酵素の誘発をいたしますと、また慎重にこの治療をしなければいけないという問題が一つあるようで、これも非常に医学的な管理のもとにやらないとなかなかうまくいかないという点もあるようでございます。

さらにもう一つは、このPCBの吸着剤が開発されれば一番よろしいわけでございますが、現在のところ非常に有効なPCBの吸着剤の発見ということについてはまだ報告がないというふうに理解しております。

 まあいま申し上げましたように、いかにして脂肪に沈着をしておりますPCBを体外に排出するかということで、治療研究班の方でも鋭意治療研究を進めているわけでございますが、治療法についての現在の知見はいま私が申し上げましたとおりと理解しております。

○粕谷照美君 油症研究班の方々が非常に努力をされていろいろな研究をされているということについては私は心から感謝をしたいと思いますが、それであるだけにまた全然暗たんたる状況だということがいま判明してわかったわけですね、御説明をいただいて。そうすると、そういう状況であるだけに、私はなおさらこの被害者の救済というものは大事にしなければならないというふうに考えるときに、この判決の持つ意味というのは非常に大きいと思うわけです。

その実質的救済に立ち上がっていない、このことは原告らを含む油症患者の心に大きな痛手として刻まれておるという、これは何とも言いようのない重い言葉として受け取らざるを得ないわけですけれども、この判決が出て、カネミは控訴をあきらめているわけですね。カネミの社長というか、カネミ倉庫がとっているこの被害者に対する措置というものはどのようなことをやっておられるわけでしょうか。

○説明員(七野護君) いま御指摘のようにカネミ倉庫はこの判決を、判決のとおり、控訴をしないということでこの判決が決定したというふうにわれわれは理解しております。

○粕谷照美君 聞いているだけというふうなお言葉ですからね、何かこう客観的にだけしか見ておられないような気持ちがいたします。
 それでは、鐘化は控訴をするわけですね。控訴をするということは、一体被害者にとってどのようなことになるんでしょうか。

○説明員(七野護君) 鐘化は、いま御指摘のようにさらに上級審の判断を仰ぎたいというわけで控訴をいたしたわけでございますが、この鐘化が控訴したことにつきましては、この控訴するか否かは、これは原告並びに被告の持つ裁判上の基本的な権利であるというふうにわれわれ考えておりまして、厚生省はこれに対し意見を述べるのは適当でないというふうに考えております。
 ただし、控訴はいたしましたが、福岡高等裁判所は鐘化の執行停止の申し入れに対しまして、原告一人につきまして三百万円を超える部分の停止を認める決定を下しております。それによりまして原告側は被告に対しまして総額一億三千二百万円の強制執行をすでにしております。さらにカネミ倉庫からは、総額千五百万円の賠償金の一時支払いを受けたというふうに聞いております。

○粕谷照美君 私どもは、この判決は、化学物質の製造、販売、使用業に携わる者の責任を明確にしたと、そして利潤追求を第一とした技術開発の中で、命と健康が何よりもとうといことを示したものとして評価をしているわけです。その意味では厚生省の判断とは全然違う解釈をしているわけですが、たとえばカネミにしても、食品は絶対安全でなければならない、PCBの毒性は金属腐食性の情報はある程度されていた、しかし、調査研究、装置の保守管理不十分であると、こう言って過失責任を厳しく問うておられるわけですから、カネミが控訴しないというのもこれは当然のことだというふうに判断をいたします。

 さて、そこで鐘化の責任に今度は入りますけれども、鐘化の責任をこういうふうに言っているわけですね。「被告鐘化はその販売にあたり食品製造業者に対し、カネクロールの毒性についてその有する情報を正確に提供し、食品の安全確保に必要な注意を十分警告したかが問題とされねばならないが、さきに述べたとおりその情報提供は甚だ不十分であった」、こういうふうに言っておりますし、さらにまた、「被告カネミの過失は、やはり被告鐘化がカネクロールの毒性・金属腐食性につき不当に安心感をそそるような表現をして積極的に推奨販売」していたと、これが判決の理由になるわけですけれども、したがって鐘化は損害賠償の責を免れないというふうに私どもは考えているわけです。政府は鐘化自身の考え方だと、こういうふうに言っておりますけれども、私たちはやっぱり鐘化が早くこの損害賠償をするという態度に立たない限り、いますぐでも分配できる現金だとかあるいは有価証券以外の差し押さえは無意味になるわけです。これから被害者の方々は年金支給や治療費負担などの闘争に進むということは当然だというふうに思いますけれども、これはずいぶん長い闘いになるわけですね。本当に大変なことだというふうに思います。

 さて、その鐘化の問題なんですけれども、あなたの方では基本的に鐘化は控訴する権利があるというふうに言われますけれども、では一体その鐘化の責任はなかったかという点について質問をします。
 鐘化が、水産庁がPCB汚染魚の実態を公表した昭和四十八年以降、兵庫県の漁連に対して十九億六千万円の補償金のうち十七億円をこっそりと支払っていたということが新聞に載っております。これは一体なぜ漁連に十七億円ものお金を補償したんでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 兵庫県におきまして、四十八年の六月にPCBの汚染状況をまとめまして、兵庫県に関係がございます姫路、高砂西、神戸沖の三水域につきまして、獲の自主規制に入ったわけでございます。そのために非常に魚価が暴落をいたしまして混乱が生じたわけでございます。そのために兵庫県におきましては兵庫県水産公害救済対策協議会というものをつくりまして、これは会長が県知事でございますけれども、製造業者であります鐘淵化学とそれから使用会社、これは七十数社ございますけれども、そういうもので構成をいたしております協議会を設けまして、漁獲規制あるいは魚価暴落に伴います補償なり見舞い金の措置が講ぜられたわけでございます。その際に、ただいま先生からお話ございましたように、総額十九億六千万円、これが漁業補償なりあるいは見舞い金というようなことで関係企業から支払われたわけでございます。このうちで鐘化の方が支出をいたしましたものは約十七億円ということでございます。

 ただ、この支払い関係につきましては、鐘化の支払いのこの十七億円のうち九億六千万円、これは立てかえ支払いということで、一応協議会の会長の方からの要請もございまして、いわゆる立てかえ払いということで払ったと、したがって、いずれ精算の時点でその辺の負担関係がはっきりするのだと、こういうことでございます。この九億六千万以外の部分につきましてはどういう支払いの名目になっておるかということは、これは県にも聞いておりますが、不明でございます。
 以上でございます。

○粕谷照美君 鐘化は二回にわたってお金を払ったわけでしょう。最初は十億円のうちの七億五千万円ですよね。そして、二回目が九億六千万円全額鐘化が出した。とすると、最初の分についてはこれは立てかえ払いじゃなくて、鐘化が責任を認めて出した、あとの分についてはよくわからないけれども立てかえておきますと、こういうふうに理解してよろしいわけですか。

○政府委員(二瓶博君) 四十八年の六月、十億円支払いがあったわけでございますが、その際に、七億五千万円が鐘化、それから一億五千万円を他の七十数社が払いました。なお残る一億円、これは鐘化と三菱製紙が前に入金をしておったものから出したということで合計十億、これが四十八年六月の分。それから、四十八年の七月から四十九年の三月、これにつきまして九億六千万円鐘化が支払ったわけでございますが、これが先ほど私が申し上げました協議会の会長からの要請で鐘化が立てかえて払ったと、こういうことになっておるものでございます。

○粕谷照美君 ですから、私はその事実経過を聞くと同時に、なぜ鐘化がお金を払ったんですか、そのことを環境庁としてはどのように見ているのですかという質問をしているわけです。

○政府委員(二瓶博君) 事実関係はただいま申し上げたとおりでございます。
 ただ、鐘化がこのような金額を支払ったということが、PCBを製造いたしました同社の法律的責任ということとどういうような関係があるかということにつきましては、これは本来民事的な問題でもございますし、さらに現在カネミ油症問題に関連いたしまして訴訟が行われているということでもございますので、現段階のところ、環境庁として特にこの面の法律的な責任というような関係につきまして意見を申し上げる立場には現在はないと、かように考えております。

○粕谷照美君 裁判にかかっているから意見申し上げるべきでないなんということ自体おかしいじゃないですか、それ。このお金は公表するなということで――何か新聞見ますとね、公表するなというのがちゃんと判を押して出ていますからね。こっそりやられたんだというふうに思いますけれども。そのこっそりやったということ自体にもやっぱり意味があるわけですよね。しかし、いまの環境庁の説明はどうしても私納得がいかないわけです。海を汚しました、そしてそのことによって魚の中にもPCBが見られて、魚を買う人たちがいなくなって、そして魚価がうんと下がって漁民が大変困りますと、だから漁連に対して補償金を出しますということは、それは自分のところでつくったPCBが原因だからお金を出しましょうといってこう補償しているわけでしょう。自分の製造責任を認めたわけでしょう。そういうふうに理解しませんか。

○政府委員(二瓶博君) 先ほども申し上げましたように、これ、漁獲規制をやっておりますのとそれから魚価の暴落ということですが、この魚価の暴落は、県の方のお話を聞きますと、風評によりましての暴落ということでございます。したがいまして、まあそういう意味で若干漁業補償的な面も、漁獲規制に伴う補償の面もございますし、風評によります魚価暴落ということに対する見舞い金的な要素もあると、こういうようなことで、そこは厳密に詰めたわけではなしに、そういう問題がございますので、協議会の場でいろいろ相談をした上で一応支払いをしたと、こういうことを聞いておるわけでございます。したがいまして、PCBの製造責任という角度での問題につきましては、この段階でどうということは申しかねます。
 なお、極秘でどうというお話がございますけれども、この支払いの関係につきましては漁協関係者等も十分知っておることであると、かように県からは聞いています。

○粕谷照美君 「公表等行わないこと。」というのが極秘でないなんということ自体もおかしいわけですね。ちゃんと書いてあるわけですから、判押して。公表するなということは極秘だということでしょう。違うんですか。
 それと、いまあなたがおっしゃった、風評によって魚の値段が下がったと、こう言うけれども、そうすると、どうでしょうね、今後鐘化は、デマでもいいけれども、そういううわさがわっとこう出ていくと、鐘化はしょっちゅうお金を出すというふうに理解をしていいわけですね。

○政府委員(二瓶博君) まあずっと出すかどうかは別にいたしまして、そういうことで……(「顔を見てしゃべりなさいよ」「声が低くて聞こえないんですよ」と呼ぶ者あり)まあ、あのPCB汚染の問題が四十八年に出まして、それでいろいろ漁獲の自主規制なりがございましたし、またそのことに関連いたしまして魚価の低落という事態が現実に出たわけでございます。そこで、この問題をどう処理するかということで鐘淵化学以下使用会社七十数社で協議会というものをつくり、県の知事さんがその会長ということになりまして、ここでこれの対策を考えた。その際に、ただいま申し上げました自主規制に対する補償なりあるいは魚価暴落に対する見舞い金等々の考え方で、先ほど来お話のございます総額十九億六千万円の金が払われたと、こういうことでございます。そういうことでございまして、現在のところでは自主規制はそのまま全魚種について継続はされております。したがいまして、魚価の暴落というような問題は、いまのところないわけでございます。

○粕谷照美君 幾らあなたが丁寧懇切に説明をされても、私にはよく納得ができないんですよね。話は聞きました。聞いて、そのおっしゃっていることはわかるんですけれども、本質がやっぱりわからないわけですよ。鐘淵がPCBつくって、そしてそれを使った企業がいろいろな排水でどんどんどんどん海へ流していったと、そういうことが原因で魚価が下がったから補償したということになるわけですから、やっぱり製造責任を鐘化が認めてお金を出しましたということ以外には考えられないんですけれども、おたくでそういう理解をしているということは非常に不思議なことだというふうに思っています。

 では、先ほどあなたが触れました次の点について質問しますと、カネミ油症の訴訟の中で、なるほど確かに三菱製紙がことしの二月に大阪簡易裁判所に調停を申し立てておりますね。その理由はやっぱり四十七年から四十八年のPCBによる環境汚染で漁業補償やヘドロの除去費など約十億円を支払ったけれども、それは鐘化の責任なんだから、鐘化が、おれのところで払った十億円を払ってもらいたい、つまり返してもらいたいと、こういうことだろうというふうに思いますが、これ間違いないでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 三菱製紙と鐘化との民事調停の関連でございますが、この民事調停の関係は、いわゆる高砂西港、これがPCBによって汚染をされたと、その汚染をされましたヘドロ、汚泥、これを除去するということに相なりまして、除去はすでに完了をいたしておるわけでございます。ただ、この除去をいたしまして事業が完了したんですが、この事業費の負担の問題、これにつきまして企業間におきまして、いわゆる三菱製紙と鐘化との面でこの負担割合をめぐる争いが前からあったわけでございます。この点につきましては、この話し合いがつくようにということで、県等も通じまして大分両社の間の打開を図ったわけですけれども、両社がどうしてもお互いに主張を譲りませんで、それで、ただいま先生からお話がございましたように、ことしの二月十五日に大阪簡易裁判所に三菱製紙の方が調停申し込みをいたしまして、現在調停が係続中でございます。
 その際の三菱製紙の言い分は、いわゆるメーカー責任論といいますかそういう角度に立ちまして、PCBというそういう化学物質、この有害な化学物質をつくった鐘化に責任ありという物の言い方で、鐘淵化学の不法行為に対する損害賠償ということで約十億円、これを要求をいたしておるわけでございます。で、この面につきましてはただいま申し上げましたように、現在も大阪簡易裁判所で両社の調停に努力をいたしておるところでございますので、環境庁といたしましてはこの辺の推移を見守っていきたいということでございます。

○粕谷照美君 そうしますと、この三菱製紙の問題は、十二月の小倉判決と非常に深い関係があるというふうに理解をしてよろしいでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 小倉判決がいずれ出るという話は耳にはいたしておりますが、これは簡易裁判所における調停でもございますし、この案件と必ずしも直につながるといいますか、そういう話ではないと、かように思います。

○粕谷照美君 それでは、たとえば三菱はメーカー責任論でやっていると、こういうふうに言われますけれども、大体公害防止事業費事業者負担法で言えば、直接出した人がお金を払うということになっておりますね。汚染者負担でしょう。直接その汚染物を出したところがやるということになっているわけでしょう。ところが、そういうふうになるということであれば、たとえば三菱製紙だとか三菱重工だとかあるいは武田薬品だとか、その他いろいろな企業が出せばいいんであって、直接出したわけでもない鐘化がやっぱり費用負担委員会において一〇・二%から一五・四%ぐらいですか、それを了解をして出したということは、製造責任を認めたというふうに私は理解しますけれども、あなたの方では理解できませんか。

○政府委員(二瓶博君) この高砂西港の汚染ヘドロの除去工事につきましては、これはPPPの原則ということに基づきまして企業者が、ただいま先生のお話のあった法律の適用を受けることなく、企業者同士で金を出し合ってヘドロを除去しようということで、県の要請もあって、そういうことで除去をいたしたわけでございます。
 で、その際の企業の負担をどうするかということにつきましては、県の方でその負担割合をどうしたらいいか、いろんな公正な学者の方々とかいう人々の意見等も聞いた上で、大体大ざっぱな負担割合というようなものを協議会といいますか、そういう話し合いの段階で一応この辺が妥当であろうという線は出したわけでございます。たとえば、その話では、三菱製紙の負担割合は八〇・一から八五・九ということ、それから鐘化の方は大体一〇・二から一五・四、この辺が鐘化の負担ではないかということでございます。そのほかもちろん三菱重工、武田薬品もございます。しかし、大どころは三菱製紙のただいま申しました八〇・一から八五・九、鐘化が一〇・二から一五・四と、この辺だろうと、こういうことでございますが、三菱製紙はこの八〇・一から八五・九という負担割合につきまして非常に不満を持ったわけでございます。そこで、話し合いをいろいろ県が入ってやったんですが、つかなくて調停に持ち込んでおる、こういうことでございまして、鐘化の方が軽過ぎると、こういうような主張を大分メーカー責任論的な物の言い方で三菱は主張をしておったということを私は聞いております。

○粕谷照美君 大変客観点な物の見方をしておられますけれども、何と言うんですか、その争いの中で三菱製紙がいろいろ調べているわけですね。そうしたら、その調べた中で、PCBの生産量が一万トン食い違っているではないか、通産省報告と鐘化の帳簿の間に。こういうことが発見されて問題になっている。しかも、ドラムかんにしたならば四万本だというわけですからこれは大変なことになるわけですね。特にPCBをつくらないという点から考えても、その事後処理なんかはどんなふうになっているのだろうか、心配になるわけですね。通産省の方でこれは調べますというふうなことが新聞記事には載っておりますけれども、通産省が調べるということと同時に、やっぱり環境庁としてもそのことをきちっと確かめて、事後処理がどのようになっているのかというふうなことも確認をしておく必要があるというふうに思いますがいかがでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 鐘化におきましてのPCBの生産量の面につきまして、鐘化が発表している面と現実の面で相当の食い違いがあるというようなお話でございますが、この面につきましては生産所管の通産省の方におきまして、この食い違いがどうかということを現在詰めておるところでございます。
 それから、その後どうなっているのかという問題でございますが、PCBの原液、これが埋め立てもできませんし投棄もできない、こういうことに現在しておりますので、鐘化におきましては工場の敷地内にこれを保管をいたしております。それから、この鐘化以外にもう一つは三菱モンサントが生産をしておりますが、こちらも同様な状況で保管をしておるということでございます。

 なお、この保管いたしておりますものにつきまして、現在通産省の方におきましては、このままほっておけば地震の場合困るとかあるいは保管しておる容器が腐食をして漏れ出しても困るというようなこともございまして、いずれ洋上焼却と、海の上で焼却するという手だてはどうであろうかというようなことを具体的に現在検討をしておるということを聞き及んでおります。

○粕谷照美君 こういう廃棄物の考え方というのは通産省が考えるんですか。環境庁はこういうことを考えないものなんですか。
 それとあわせましてね、そういう努力をしていらっしゃるということはわかりましたけれども、要はドラムかんで四万本も食い違いが出ているということになりますと、それが一体どこへ捨てられているのか。廃棄物処理の問題があるわけでしょう。その辺の指導というものを環境庁としてはどのようにされるかということをさっき聞いたわけなんです。

○政府委員(二瓶博君) この生産量の食い違いが相当量あるという面につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、現在所管省の通産省の方におきまして、この食い違いが現実に物量としてあるのか、あるいは概念の見方によって違うのか、その辺ですね。たとえばカネクロールという商品だけで見るのか、もっと広い意味でのPCBというのはまだよそにあるのか、その辺の、要するに概念の基底をどう見るかによっての差異が相当あるのか、そういう面につきましてもあわせていま詰めておるところでございます。その辺の結果を見て、ただいま先生も御心配のように、そればどこに捨てられておるか。これは環境を破壊するという話になりますと確かに大きな問題でございますので、私の方も通産の方にその面の調査結果を早く知らしてほしいということで要請をしている段階でございます。

○粕谷照美君 もう何年も何年もそうやっているわけですからね。地震が来る、地震が来るといって大騒ぎしているときに、本当にいつまでもそういうふうにしておくわけにいきませんから、早くその辺の点については対策をとるように、環境庁としても通産省にきちんとお話をしていただきたいというふうに思うわけです。

 それとあわせて、大変しつこいようですけれども、さっきからお話を聞きますと、出した金は立てかえ金だと。九億六千万円は立てかえでいずれ後で精算するんだということを言っていらっしゃるようですけれども、カネミ油症の患者の方たがおいでになって、やっぱりその点非常に心配しているわけですよね。本当に立てかえなんだろうかどうなんだろうか、おれのところではだまされているんじゃないだろうか。それで会計上の処理は一体どうなっているんだと、こう聞いているわけですね、鐘化の九億六千万円は。年度年度に決算するでしょう。そのときに会計上の処理は、九億六千万円は立てかえとして決算されているのか、欠損金として入れられているのかということを非常に心配をしているわけですが、その辺は御調査されましたでしょうか。――質問通告をしていたんですが、環境庁の担当というわけでもなさそうですけれども、わかればそれでよろしいですが。

○政府委員(二瓶博君) 鐘化がこの立てかえ払いの面を帳簿上といいますか、決算とか、その面でどういう扱いにしておるか、この面につきましては、環境庁としては実は調査をいたしておりません。
○粕谷照美君 この立てかえ払い――後で私も調査をしてみますけれども、立てかえ払いだということであればきちんと報告がされているわけですね。欠損金だということであればこれは返金を求めていないわけですから。そういうことでしょう。欠損金として支払われているとすれば、ほかの企業の分をおれのところで立てかえたんですよということではないわけですからね。やっぱり私たちはこれをみずから責任を認めたものだというふうに考えておりますので、一つの論拠としていきたいというふうに思っております。
 さて、私どもは、この鐘化というのは、そういう判決が出ているわけですから、責任を認めて控訴をやめて被害者の救済に即刻立ち上がるべきだというふうに考えているわけです。鐘化にしてみれば、予想もしなかったと、こう言って控訴をしておりますけれども、予想していなかったんじゃなくて、もともとそういうふうに予想していたわけですね。だから、あらかじめ控訴並びに強制執行停止申し立ての意向を表明しているということからもそのことは言えるのではないかというふうに思いますが、いたずらにこの被害者賠償義務の履行を引き延ばすと、そのことは被害者を見殺しにするんだというふうに考えます。だから、そういう行為というものはやっぱり企業としても考えてもらいたいという意味であなたの方では鐘化と話し合う気持ちはありませんですか。環境庁としてはどうですか。
○政府委員(二瓶博君) このカネミの油症事件、これに伴います問題、これにつきましては、先ほど来厚生省の担当課長さんが答弁を申し上げておりますように、厚生省がこの問題を担当をいたしておるわけでございます。したがいまして、この件についての面で環境庁がどうこうという感じは持っておりません。ただ、先ほど来申し上げておりますように、高砂西港の汚泥のしゅんせつとかいうような問題、これはまさに環境庁の所管といいますか守備分野で指導をいたしたことは事実でございますので、こちらの面につきましては、かねてからも極力その辺の費用負担分担関係もはっきりするようにということで、いろいろ指導をやってきた経緯がございます。

○粕谷照美君 いずれ小倉判決が出たときには、私は、国だとかあるいは北九州市、自治体そのものの責任についてもきちんとした結論が出されるというふうに思いますけれども、その予想というのは私どもでもつかないけれども、しかし、これを大幅に下回るということは考えられないわけですね。国の責任だって私は当然あるというふうに思います。それはなぜかと言えば、カネミがつくっていました飼料を食べた鶏二百万羽のうちのしかも七十万羽が死んだと、そのときに農林省から調査に行っているわけですけれども、えさを食べて鶏が死んだということは、当然やがては人類の生命に影響するんだというふうなことに思いも至らなかったという国の責任というものは、私はやっぱり大きいというふうに思いますので、その判決については、一切国なんかも控訴しないできちんと守っていただきたいというふうに思うわけです。

 さて、そういうようないろんな問題点を起こしましたPCBなどを初めとしてたくさんな化学物質があるわけですけれども、その化学物質の点検を環境庁がやるというふうに報告がなされているわけですけれども、これは一体いまどのような日程で行われ、どのような最終的な詰めをしていきたいというふうな考え方に立ってやられるのか、伺いたいと思います。

○政府委員(信澤清君) 現在、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律というものがあることは先生御存じのとおりでございます。これは通産省それから厚生省、環境庁それぞれ分担いたしまして、この種の化学物質についての新しいものについてのいろいろな判定をやるというのがこの法律の主なる中身でございますが、同時に、環境庁といたしましては、従来製造されました化学物質につきましても、その挙動と申しますか、環境の中における挙動状況というものを調べることにいたしておりまして、先般いわゆるケミカルアセスメントと言っておりますが、その結果を公表いたした次第でございます。したがいまして、この法律に基づく措置は今後も続けてまいりまするし、いま申し上げたようなすでに環境中にございますいろいろな化学物質の挙動、こういったものについても絶えず監視を続けていきたいと、このように考えているわけでございます。
○粕谷照美君 法律があるというのもわかるのですよ。法律があるけれどもその法律ではとてももう、何と言うのですか、間に合わないという考え方に立って、その見直しも考えながらやるということになるんですか、どうでしょう。
○政府委員(信澤清君) 基本は法律に即してやるということになると思いますが、いま先生お話しのようにあの法律は新しい事態を想定いたしておりますので、やはり問題は過去に使われたこの種の物質が環境上どうなっているかと、こういうことに当面は重点があろうかと思います。で、この点についての調査がきわめて乏しいということでございますので、先ほど申し上げたような調査をいたしたわけでございます。
 なお、この点につきましては、わが国のみならずたとえばOECD加盟各国では私どもがやっておりますと同じような方法を使いまして、いま申し上げたケミカルアセスメントをやっておると、こういう状況でございます。
○粕谷照美君 大体の環境庁の姿勢というものがわかりましたけれども、カネミの問題についてはぜひ精力的な取り組みを厚生省としてもやっていただきたいという要望をいたしまして次に移ります。
 昭和五十一年度の公害の状況に関する年次報告及び公害等調整委員会の年次報告書を見せていただきました。なかなか精力的にがんばっているなあというふうに思いますけれども、そのうちで幾つか気になったことがあります。たとえば、福岡市における水質汚濁による健康被害仲裁申請という部分なんですけれども、これ簡単に説明していただけますか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生から、公害等調整委員会年次報告書に載っております福岡県の案件でございますが、これにつきましてはどうもいろんな経緯があるようでございます。私が一応承知をいたしておる点を申し上げますと、まず発端を申し上げますと、四十六年の五月に、国鉄の竹下客車区に近接いたします松村さんのおたくの井戸水の調査を保健所の方で実施をいたしましたところ、飲用不適というふうになった。松村氏はこの井戸水を昭和四十五年十一月十六日から四十六年の四月四日まで飲用をしておりまして、このため四十六年の二月ごろから健康を害しまして、吐き気、胸やけ、下痢、脱毛などの状症を呈した後に、四十六年の五月の二十七日に、慢性肝炎、慢性胃腸炎の診断を受けたわけでございます。そして四十七年の九月に、この松村氏は、国鉄に対しまして治療費等二百三十八万九千円の支払いを求めて福岡県の公害審査会、これに申請を出したということでございます。
 で、その後の経緯を申し上げますと、この福岡県の公害審査会、これは三年間にわたりまして審査をいたしました結果、申請を棄却をいたしたわけでございます。そこで申請人は、昭和五十年の十二月に公害等調整委員会に今度は仲裁申請をいたしたわけでございます。
 で、その申請の中では、国鉄におきまして使用していた車両の洗浄、清掃、消毒剤、これが井戸水を汚染をいたしまして、その結果結腸がんになったということで、四千二百万円の支払いを求めたわけでございます。これに対しまして、五十一年の四月に仲裁委員会は、当時国鉄で使用していた薬剤等では結腸がんにはならないということで、棄却をしたということでございます。
 で、その後申請人は五十一年の五月に福岡地方裁判所に対して仲裁判断取り消しの訴えを起こしまして、同年十二月に棄却をされた。で、さらに福岡高裁に控訴をやりましたがやはり棄却になったということで.五十二年八月に最高裁に上告といいますか、いたしておるということで、現在最高裁で争っておるという状況であるということを聞いております。
 で、ただいま先生からお話しございましたのは、この公害等調整委員会に五十年の十二月に仲裁申請があったものですから、それに対して公害等調整委員会が審査をしてどうしたというくだりのことが年次報告書に掲載になっておると、こういうふうに理解をいたしております。


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転載元転載元: 有害物質は土壌・底質に蓄積する。高砂西港のカネカ盛立地を学ぶ

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