川の環境・歴史を勉強

水環境の持続可能な開発ってなんだろう

日記

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]



第082回国会 公害対策及び環境保全特別委員会 第2号
昭和五十二年十月二十六日


粕谷照美君 
 一番最初に、カネミの問題に入ります。どちらが主かといえば、環境庁よりは厚生省の方が主体的な質問になるというふうに思いますけれども。十月五日の福岡地裁におけるカネミ油症事件の判決は、ほぼ原告の主張を認めた形で出されていると私は考えています。世界で初めてのPCBの経口摂取による人体被害で、発生後八年有余、患者の方々にとっては実に苦しい年月であったと思います。

しかし、これから長い先も、治療方法さえも解明されていない油症と闘わなければなりませんし、また生活を守っていかなければならないわけですが、この判決の中にこう書いてあるわけですね。「本件のような大量かつ重篤な被害を惹起しながら、これまでの公害訴訟におけると同様、加害者である被告らは今日までその実質的救済に立ち上がっていないし、その気配すらない。このことは原告らを含む油症患者の心に大きな痛手として刻まれており、その無念さは看過さるべきでない。」、「看過さるべきでない。」ということは、看過している人たちがいるからこのような判決があったんだというふうに思うわけですけれども、政府としてはこの判決そのものを一体どのように見られているのかお伺いいたします。

○説明員(七野護君) この福岡の判決につきましては、国が被告になっておりませんので、この判決についての厚生省としての感想を申し述べるのは差し控えたいと、かように考えております。

○粕谷照美君 国が被告になっていれば、判決が出ればもう文句も言えないではいはいと言わなきゃならないわけでしょう。これは国は関係ないけれども、行政の中で全然責任を認めてないようないまのあなたの答弁というのは、非常におかしいというふうに思いますよ。現に国民が大変な状況の中に陥ってどうにもならないから、ないお金を出し合って裁判をやって、ずいぶん長いことかかってようやく裁判の判決が出たわけでしょう。物も言わないなんていうような、そんな政府なんて必要ないじゃないですか。

○説明員(七野護君) 言葉が足りずに失礼いたしました。
 国の責任につきましては、現在小倉支部で係属中でございます。これは先ほど申し述べましたように、先ほど出しました判決は国が被告になっておらず、カネミ倉庫、それからカネミ倉庫の社長、それから鐘淵化学が被告になった判決でございます。それに引き続きまして、現在国が被告として民事訴訟が提訴されておりまして、これが先ほど述べましたような小倉裁判、これは小倉裁判と言われておる裁判でございますので、国の責任の問題につきましては司法機関にゆだねられておると、かように私たちは考えております。

 しかし、本事件の特殊性と言いましょうか、重大性にかんがみまして、現在国では事件発生後直ちに油症研究班を設置いたしたわけでございます。現班長は九大の第三内科の教授でございますが、井林博教授のもとに油症治療研究班を設けまして、油症に関する疫学的研究、診断、治療に関する研究、さらに患者の追跡調査等を実施しておりまして、昭和四十三年度から五十一年度まで、総額約三億円の研究費を支出してきております。さらに、生活に困窮しておりますカネミ油症患者の援助をするために世帯更生資金の特例措置を講じておりますし、主要県におきましても、県単独で生活資金等を貸し付けているというのが現在の現状でございます。

○粕谷照美君 国がそのような対策をした、県がそのような対策をしたということは、国や県にやっぱり責任があったからだというふうに理解をしてよろしいですか。

○説明員(七野護君) 先ほども申し上げましたように、本件につきましてはいわゆる食中毒ということで私たちは対処してきたわけでございます。ところが通常起こります食中毒との違いは、PCBによる中毒ということで、非常に特異的な中毒事件ということもございますので、普通の中毒事件では実施してございませんが、本中毒事件につきましては、先ほど申し述べましたような患者に対する疫学的研究であるとか診断、治療に関する研究であるとか、そういうことを現在まで実施してきたというふうに考えております。

○粕谷照美君 あなたのおっしゃっていることは何を言っているのかわかりませんよ。まあいずれ次々と質問をし、最終的にはこれは環境庁にも関連がありますから、御意見をいただきたいと思いますけれども。
 それでは、この八年間にわたる被害者の実態というものをどのようにあなたの方では把握をしていますか。数の問題もあるでしょう。病状の問題もあるでしょう。それから遺伝の問題もあるでしょうし、さらに生活実態もあるというふうに思いますが。

○説明員(七野護君) 患者の実態につきましては、厚生省といたしましては、これまで患者代表と過去七回の話し合いをしてきております。まあ四十九年の二月からでございますが、最後の話し合いは、この判決後の五十二年の去る十月二十日かと思いますが、十月二十日に行っております。
 そこで、まあ患者代表から患者の実態等の事情はいろいろ聞いているわけでございます。現在の患者さんの総数、これは油症研究班で診定し認定されている患者さんでございますが、総数は千六百二十九名という、これは昨年の十二月三十一日現在の集計でございます。千六百二十九名ということになっております。

○粕谷照美君 私が質問をしたのは、数だけ教えてくださいと言ったわけじゃないですよ。病気の状況はどうか、生活の状況はどうかということも含めて言ってくださいと言ったんです。

○説明員(七野護君) 生活の状況につきましては、先ほど申し上げましたように、生活に困窮している患者さんがおみえになることも事実でございます。それにつきましては、先ほど申し上げましたように世帯更生資金の特例措置を講じて対処してきておりますし、また生活保護家庭につきましては、福祉資金という形で対処してきておるわけでございます。現在まで世帯更生資金として貸付状況の総枠は約八千万円に上っているというふうになっております。

○粕谷照美君 それでは、健康状態というのはよくなってきているんでしょうか、どうですか。

○説明員(七野護君) このカネミ油症研究班の研究その他から見ますと、現在はすでに事件発生後約八年の年月がたっているわけでございます。発生当時、いわゆる急性症状を呈した場合は非常に重篤な皮膚症状その他を呈したわけでございますが、現在は大半がいわゆるこの皮膚症状は軽快に向かっていると、さように伺っております。

○粕谷照美君 表から見ると軽快になっているということは言えるかと思いますけれども、私は、あなたはそういう意味では大変実情を知らないんじゃないかなという気持ちがします。本当に患者の方々と会っているんですか、七回も。

○説明員(七野護君) 私が食品衛生課長に着任して以来――七月に着任したわけでございますが、先ほども申し上げましたように、去る十月に患者の代表――これはカネミ油症事件全国連絡会議の代表でございますが、そこにカネミの患者さんも二名患者代表としてお見えになりました。そこで患者さんの口からいろいろの話を伺っております。

○粕谷照美君 ですから、この委員会の中でそのことを明確にあなたから発言をしていただきたかったわけですよね。
 私もその方につい先日お会いしましたけれども、その方々がおっしゃるには、小中学生の歯がもうぼろぼろ折れている。お金のある人は入れ歯をするけれども、お金のない子供はだめだというようなことで、非常に親が心を痛めているわけですね。いまの子供たちが大体歯質が弱いというのは全国的にも言われておりますけれども、しかし、そんなに入れ歯をしなきゃならないように子供たちの歯が悪くなっていくというのは、カネミと全然関係がないというふうには思えないので、一体そのような点についての研究はどのようになっているかわからない。

 それから、おいでになった方は、自分は働いていても職場で倒れると言うんです。倒れるから危なくて、周りの人たちがその人に仕事をさせることができなくて休ませておく。すると、人が働いているのに自分が休んでいるから、非常に心が痛んで――労働者というのはそういうものなんですよね、平気で休んでなんかいられないわけです。だんだんだんだん心が痛んで、そして職場をついに去ってしまった。

こういう報告もされておりましたし、そこに来られた婦人の代表は、お嬢さんが二人おらるわけですが、あのころ子供だった子供がいまちょうど適齢期を迎えた。上の子供は就職をしたんですけれども、やっぱり働くことができないという。体がどうしても仕事についていけなくてついにやめたんだけれども、これじゃ結婚もできないだろう。いま妹は高校生だけれども、高校を卒業したってやっぱり姉と同じような運命をたどるだろうかと思うと、親としてもいても立ってもいたたまれない気持ちだ、眠れない毎日だと、こういうことを言っていらっしゃるわけですから、外から見て何でもなくても、ちょうどあの原爆被爆者と同じような状況というものがやっぱりいまここに出ているというふうに私は判断をいたします。

 そして、栄養剤中毒というのがあるというお話ですから、栄養剤中毒って何だって聞きましたら、もう極度の疲労感からいままでにいろんな栄養剤を飲んでいて、その栄養剤を飲まないと落ちついて仕事ができないんだと、こういうことを言っておりました。これなんかも非常に大変な問題だというふうに思いますし、偏頭痛がもう大変で狂い死にしそうだと、こういうことを言っておられますね。

特に油の中にそういうものが出てきて、こぶが体のあちこちに吹き出してくるんだ。特におしりの部分に吹き出してくると座っていることもできないし、腰をかけていることもできない。それがいつの間にかこぶがすうっと引っ込んでいったなと思って、やれよかったと思うと、またそれが別な場所に出てくるという、こういう状況が出ておりまして、もうとてもじゃないけれども、この先どうなるんだろうかという不安感を持っていらっしゃる。

 そういうのがあなたのおっしゃる快方に向かったということでよろしいのか。その患者の言うことが、それは何もカネミのせいじゃない、ほかの病気のせいだというふうにあなたはおっしゃるのかということもお伺いしたいし、さらに膵臓だの肝臓だの糖尿だのがもううんと出ているわけでしょう。よそと比べてそういうようなものが本当によけいではないんだということが言い切れますか、いかがですか。

○説明員(七野護君) この患者さんの現在の症状につきましては、油症研究班の方で追跡調査その他でいろいろ研究をしていただいておるわけでございますが、当初このカネミ油症の事件が起こったときの患者さんの症状は、いわゆる皮膚症状が主な症状であったというふうに私聞いておりますが、その後年月がたつに従って、いわゆる皮膚症状についてはかなり軽快の徴が見られるということもまた事実であると、考えております。
ただし、カネミ油症の非常な大きな特徴は、PCBが人体に摂取されまして、いわゆる脂肪と非常に親和性があるわけで、まあ、全身の脂肪に沈着をしていると、それがなかなか排せつされないということに大きな問題があると、かように考えております。

 そこで、先ほど言いましたこの油症治療研究班の方でも、現在いわゆるこのPCBを外へ出す抜本的な治療法と申しましょうか、この根治療法の開発ということを主翼に研究を続けておるわけでございます。ただ、このPCBという物質は非常に安定性がある物質であるがために、なかなか外へ出ないということもまた事実であろうと思っております。ただ、最近のこの研究班の追跡その他によりますと、いわゆる血中PCBの濃度も以前に比べましてはかなりの低下が見られるというような報告もございますが、まだ完全に、何と言いましょうか、全治していくというその治療法が開発されているわけではございません。

 そこで、現在考えられます治療法といたしましては、この全身に分布しておる脂肪に親和性のあるPCBを外へ出すために、いわゆるこの脂肪を移動させる方法が考えられるわけであります。その方法として一つ断食療法があるわけです。断食療法――絶食療法を行うことによりまして、もちろん体の中の皮下脂肪が消費され、皮下脂肪が移動するわけでございますが、それに伴いまして全身の脂肪の移動が行われる。言葉をかえますと、代謝排せつが行われるわけで、その際にPCBの排せつを促進しようという理屈でございますが、この断食療法が非常に効果があるというふうに、治療研究班の方でもそういうふうな評価がなされておるというふうに聞いております。

 次に、いま現在研究班の方で、これは治療指針の中にも示されてございますが、いわゆる酵素誘導法という方法がございます。この酵素誘導法と申しますのは、いわゆる薬物その他が人体の中に入った場合に肝臓がそれを処理するわけでございますが、肝臓中にこの薬物を処理するための酵素が発生するわけです。そこで、それをさらにこの酵素を誘発いたしましてこの吸収、排せつを促進しようという内面からのことでございます。

そこで、これにはいま現在肝臓の酵素を誘発する薬物としてはフェノバルビタールがございます。フェノバルビタールは、何といいましょうか、普通に使われるいわゆる睡眠剤でございますが、このフェノバルビタールがいま申しました酵素の誘発に非常にいいということでございますが、ただし問題がございまして、PCBそのものがこの酵素を誘発する作用があるわけで、そもそもこの酵素がすでに誘発されているところにさらに強力に酵素の誘発をいたしますと、また慎重にこの治療をしなければいけないという問題が一つあるようで、これも非常に医学的な管理のもとにやらないとなかなかうまくいかないという点もあるようでございます。

さらにもう一つは、このPCBの吸着剤が開発されれば一番よろしいわけでございますが、現在のところ非常に有効なPCBの吸着剤の発見ということについてはまだ報告がないというふうに理解しております。

 まあいま申し上げましたように、いかにして脂肪に沈着をしておりますPCBを体外に排出するかということで、治療研究班の方でも鋭意治療研究を進めているわけでございますが、治療法についての現在の知見はいま私が申し上げましたとおりと理解しております。

○粕谷照美君 油症研究班の方々が非常に努力をされていろいろな研究をされているということについては私は心から感謝をしたいと思いますが、それであるだけにまた全然暗たんたる状況だということがいま判明してわかったわけですね、御説明をいただいて。そうすると、そういう状況であるだけに、私はなおさらこの被害者の救済というものは大事にしなければならないというふうに考えるときに、この判決の持つ意味というのは非常に大きいと思うわけです。

その実質的救済に立ち上がっていない、このことは原告らを含む油症患者の心に大きな痛手として刻まれておるという、これは何とも言いようのない重い言葉として受け取らざるを得ないわけですけれども、この判決が出て、カネミは控訴をあきらめているわけですね。カネミの社長というか、カネミ倉庫がとっているこの被害者に対する措置というものはどのようなことをやっておられるわけでしょうか。

○説明員(七野護君) いま御指摘のようにカネミ倉庫はこの判決を、判決のとおり、控訴をしないということでこの判決が決定したというふうにわれわれは理解しております。

○粕谷照美君 聞いているだけというふうなお言葉ですからね、何かこう客観的にだけしか見ておられないような気持ちがいたします。
 それでは、鐘化は控訴をするわけですね。控訴をするということは、一体被害者にとってどのようなことになるんでしょうか。

○説明員(七野護君) 鐘化は、いま御指摘のようにさらに上級審の判断を仰ぎたいというわけで控訴をいたしたわけでございますが、この鐘化が控訴したことにつきましては、この控訴するか否かは、これは原告並びに被告の持つ裁判上の基本的な権利であるというふうにわれわれ考えておりまして、厚生省はこれに対し意見を述べるのは適当でないというふうに考えております。
 ただし、控訴はいたしましたが、福岡高等裁判所は鐘化の執行停止の申し入れに対しまして、原告一人につきまして三百万円を超える部分の停止を認める決定を下しております。それによりまして原告側は被告に対しまして総額一億三千二百万円の強制執行をすでにしております。さらにカネミ倉庫からは、総額千五百万円の賠償金の一時支払いを受けたというふうに聞いております。

○粕谷照美君 私どもは、この判決は、化学物質の製造、販売、使用業に携わる者の責任を明確にしたと、そして利潤追求を第一とした技術開発の中で、命と健康が何よりもとうといことを示したものとして評価をしているわけです。その意味では厚生省の判断とは全然違う解釈をしているわけですが、たとえばカネミにしても、食品は絶対安全でなければならない、PCBの毒性は金属腐食性の情報はある程度されていた、しかし、調査研究、装置の保守管理不十分であると、こう言って過失責任を厳しく問うておられるわけですから、カネミが控訴しないというのもこれは当然のことだというふうに判断をいたします。

 さて、そこで鐘化の責任に今度は入りますけれども、鐘化の責任をこういうふうに言っているわけですね。「被告鐘化はその販売にあたり食品製造業者に対し、カネクロールの毒性についてその有する情報を正確に提供し、食品の安全確保に必要な注意を十分警告したかが問題とされねばならないが、さきに述べたとおりその情報提供は甚だ不十分であった」、こういうふうに言っておりますし、さらにまた、「被告カネミの過失は、やはり被告鐘化がカネクロールの毒性・金属腐食性につき不当に安心感をそそるような表現をして積極的に推奨販売」していたと、これが判決の理由になるわけですけれども、したがって鐘化は損害賠償の責を免れないというふうに私どもは考えているわけです。政府は鐘化自身の考え方だと、こういうふうに言っておりますけれども、私たちはやっぱり鐘化が早くこの損害賠償をするという態度に立たない限り、いますぐでも分配できる現金だとかあるいは有価証券以外の差し押さえは無意味になるわけです。これから被害者の方々は年金支給や治療費負担などの闘争に進むということは当然だというふうに思いますけれども、これはずいぶん長い闘いになるわけですね。本当に大変なことだというふうに思います。

 さて、その鐘化の問題なんですけれども、あなたの方では基本的に鐘化は控訴する権利があるというふうに言われますけれども、では一体その鐘化の責任はなかったかという点について質問をします。
 鐘化が、水産庁がPCB汚染魚の実態を公表した昭和四十八年以降、兵庫県の漁連に対して十九億六千万円の補償金のうち十七億円をこっそりと支払っていたということが新聞に載っております。これは一体なぜ漁連に十七億円ものお金を補償したんでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 兵庫県におきまして、四十八年の六月にPCBの汚染状況をまとめまして、兵庫県に関係がございます姫路、高砂西、神戸沖の三水域につきまして、獲の自主規制に入ったわけでございます。そのために非常に魚価が暴落をいたしまして混乱が生じたわけでございます。そのために兵庫県におきましては兵庫県水産公害救済対策協議会というものをつくりまして、これは会長が県知事でございますけれども、製造業者であります鐘淵化学とそれから使用会社、これは七十数社ございますけれども、そういうもので構成をいたしております協議会を設けまして、漁獲規制あるいは魚価暴落に伴います補償なり見舞い金の措置が講ぜられたわけでございます。その際に、ただいま先生からお話ございましたように、総額十九億六千万円、これが漁業補償なりあるいは見舞い金というようなことで関係企業から支払われたわけでございます。このうちで鐘化の方が支出をいたしましたものは約十七億円ということでございます。

 ただ、この支払い関係につきましては、鐘化の支払いのこの十七億円のうち九億六千万円、これは立てかえ支払いということで、一応協議会の会長の方からの要請もございまして、いわゆる立てかえ払いということで払ったと、したがって、いずれ精算の時点でその辺の負担関係がはっきりするのだと、こういうことでございます。この九億六千万以外の部分につきましてはどういう支払いの名目になっておるかということは、これは県にも聞いておりますが、不明でございます。
 以上でございます。

○粕谷照美君 鐘化は二回にわたってお金を払ったわけでしょう。最初は十億円のうちの七億五千万円ですよね。そして、二回目が九億六千万円全額鐘化が出した。とすると、最初の分についてはこれは立てかえ払いじゃなくて、鐘化が責任を認めて出した、あとの分についてはよくわからないけれども立てかえておきますと、こういうふうに理解してよろしいわけですか。

○政府委員(二瓶博君) 四十八年の六月、十億円支払いがあったわけでございますが、その際に、七億五千万円が鐘化、それから一億五千万円を他の七十数社が払いました。なお残る一億円、これは鐘化と三菱製紙が前に入金をしておったものから出したということで合計十億、これが四十八年六月の分。それから、四十八年の七月から四十九年の三月、これにつきまして九億六千万円鐘化が支払ったわけでございますが、これが先ほど私が申し上げました協議会の会長からの要請で鐘化が立てかえて払ったと、こういうことになっておるものでございます。

○粕谷照美君 ですから、私はその事実経過を聞くと同時に、なぜ鐘化がお金を払ったんですか、そのことを環境庁としてはどのように見ているのですかという質問をしているわけです。

○政府委員(二瓶博君) 事実関係はただいま申し上げたとおりでございます。
 ただ、鐘化がこのような金額を支払ったということが、PCBを製造いたしました同社の法律的責任ということとどういうような関係があるかということにつきましては、これは本来民事的な問題でもございますし、さらに現在カネミ油症問題に関連いたしまして訴訟が行われているということでもございますので、現段階のところ、環境庁として特にこの面の法律的な責任というような関係につきまして意見を申し上げる立場には現在はないと、かように考えております。

○粕谷照美君 裁判にかかっているから意見申し上げるべきでないなんということ自体おかしいじゃないですか、それ。このお金は公表するなということで――何か新聞見ますとね、公表するなというのがちゃんと判を押して出ていますからね。こっそりやられたんだというふうに思いますけれども。そのこっそりやったということ自体にもやっぱり意味があるわけですよね。しかし、いまの環境庁の説明はどうしても私納得がいかないわけです。海を汚しました、そしてそのことによって魚の中にもPCBが見られて、魚を買う人たちがいなくなって、そして魚価がうんと下がって漁民が大変困りますと、だから漁連に対して補償金を出しますということは、それは自分のところでつくったPCBが原因だからお金を出しましょうといってこう補償しているわけでしょう。自分の製造責任を認めたわけでしょう。そういうふうに理解しませんか。

○政府委員(二瓶博君) 先ほども申し上げましたように、これ、漁獲規制をやっておりますのとそれから魚価の暴落ということですが、この魚価の暴落は、県の方のお話を聞きますと、風評によりましての暴落ということでございます。したがいまして、まあそういう意味で若干漁業補償的な面も、漁獲規制に伴う補償の面もございますし、風評によります魚価暴落ということに対する見舞い金的な要素もあると、こういうようなことで、そこは厳密に詰めたわけではなしに、そういう問題がございますので、協議会の場でいろいろ相談をした上で一応支払いをしたと、こういうことを聞いておるわけでございます。したがいまして、PCBの製造責任という角度での問題につきましては、この段階でどうということは申しかねます。
 なお、極秘でどうというお話がございますけれども、この支払いの関係につきましては漁協関係者等も十分知っておることであると、かように県からは聞いています。

○粕谷照美君 「公表等行わないこと。」というのが極秘でないなんということ自体もおかしいわけですね。ちゃんと書いてあるわけですから、判押して。公表するなということは極秘だということでしょう。違うんですか。
 それと、いまあなたがおっしゃった、風評によって魚の値段が下がったと、こう言うけれども、そうすると、どうでしょうね、今後鐘化は、デマでもいいけれども、そういううわさがわっとこう出ていくと、鐘化はしょっちゅうお金を出すというふうに理解をしていいわけですね。

○政府委員(二瓶博君) まあずっと出すかどうかは別にいたしまして、そういうことで……(「顔を見てしゃべりなさいよ」「声が低くて聞こえないんですよ」と呼ぶ者あり)まあ、あのPCB汚染の問題が四十八年に出まして、それでいろいろ漁獲の自主規制なりがございましたし、またそのことに関連いたしまして魚価の低落という事態が現実に出たわけでございます。そこで、この問題をどう処理するかということで鐘淵化学以下使用会社七十数社で協議会というものをつくり、県の知事さんがその会長ということになりまして、ここでこれの対策を考えた。その際に、ただいま申し上げました自主規制に対する補償なりあるいは魚価暴落に対する見舞い金等々の考え方で、先ほど来お話のございます総額十九億六千万円の金が払われたと、こういうことでございます。そういうことでございまして、現在のところでは自主規制はそのまま全魚種について継続はされております。したがいまして、魚価の暴落というような問題は、いまのところないわけでございます。

○粕谷照美君 幾らあなたが丁寧懇切に説明をされても、私にはよく納得ができないんですよね。話は聞きました。聞いて、そのおっしゃっていることはわかるんですけれども、本質がやっぱりわからないわけですよ。鐘淵がPCBつくって、そしてそれを使った企業がいろいろな排水でどんどんどんどん海へ流していったと、そういうことが原因で魚価が下がったから補償したということになるわけですから、やっぱり製造責任を鐘化が認めてお金を出しましたということ以外には考えられないんですけれども、おたくでそういう理解をしているということは非常に不思議なことだというふうに思っています。

 では、先ほどあなたが触れました次の点について質問しますと、カネミ油症の訴訟の中で、なるほど確かに三菱製紙がことしの二月に大阪簡易裁判所に調停を申し立てておりますね。その理由はやっぱり四十七年から四十八年のPCBによる環境汚染で漁業補償やヘドロの除去費など約十億円を支払ったけれども、それは鐘化の責任なんだから、鐘化が、おれのところで払った十億円を払ってもらいたい、つまり返してもらいたいと、こういうことだろうというふうに思いますが、これ間違いないでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 三菱製紙と鐘化との民事調停の関連でございますが、この民事調停の関係は、いわゆる高砂西港、これがPCBによって汚染をされたと、その汚染をされましたヘドロ、汚泥、これを除去するということに相なりまして、除去はすでに完了をいたしておるわけでございます。ただ、この除去をいたしまして事業が完了したんですが、この事業費の負担の問題、これにつきまして企業間におきまして、いわゆる三菱製紙と鐘化との面でこの負担割合をめぐる争いが前からあったわけでございます。この点につきましては、この話し合いがつくようにということで、県等も通じまして大分両社の間の打開を図ったわけですけれども、両社がどうしてもお互いに主張を譲りませんで、それで、ただいま先生からお話がございましたように、ことしの二月十五日に大阪簡易裁判所に三菱製紙の方が調停申し込みをいたしまして、現在調停が係続中でございます。
 その際の三菱製紙の言い分は、いわゆるメーカー責任論といいますかそういう角度に立ちまして、PCBというそういう化学物質、この有害な化学物質をつくった鐘化に責任ありという物の言い方で、鐘淵化学の不法行為に対する損害賠償ということで約十億円、これを要求をいたしておるわけでございます。で、この面につきましてはただいま申し上げましたように、現在も大阪簡易裁判所で両社の調停に努力をいたしておるところでございますので、環境庁といたしましてはこの辺の推移を見守っていきたいということでございます。

○粕谷照美君 そうしますと、この三菱製紙の問題は、十二月の小倉判決と非常に深い関係があるというふうに理解をしてよろしいでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 小倉判決がいずれ出るという話は耳にはいたしておりますが、これは簡易裁判所における調停でもございますし、この案件と必ずしも直につながるといいますか、そういう話ではないと、かように思います。

○粕谷照美君 それでは、たとえば三菱はメーカー責任論でやっていると、こういうふうに言われますけれども、大体公害防止事業費事業者負担法で言えば、直接出した人がお金を払うということになっておりますね。汚染者負担でしょう。直接その汚染物を出したところがやるということになっているわけでしょう。ところが、そういうふうになるということであれば、たとえば三菱製紙だとか三菱重工だとかあるいは武田薬品だとか、その他いろいろな企業が出せばいいんであって、直接出したわけでもない鐘化がやっぱり費用負担委員会において一〇・二%から一五・四%ぐらいですか、それを了解をして出したということは、製造責任を認めたというふうに私は理解しますけれども、あなたの方では理解できませんか。

○政府委員(二瓶博君) この高砂西港の汚染ヘドロの除去工事につきましては、これはPPPの原則ということに基づきまして企業者が、ただいま先生のお話のあった法律の適用を受けることなく、企業者同士で金を出し合ってヘドロを除去しようということで、県の要請もあって、そういうことで除去をいたしたわけでございます。
 で、その際の企業の負担をどうするかということにつきましては、県の方でその負担割合をどうしたらいいか、いろんな公正な学者の方々とかいう人々の意見等も聞いた上で、大体大ざっぱな負担割合というようなものを協議会といいますか、そういう話し合いの段階で一応この辺が妥当であろうという線は出したわけでございます。たとえば、その話では、三菱製紙の負担割合は八〇・一から八五・九ということ、それから鐘化の方は大体一〇・二から一五・四、この辺が鐘化の負担ではないかということでございます。そのほかもちろん三菱重工、武田薬品もございます。しかし、大どころは三菱製紙のただいま申しました八〇・一から八五・九、鐘化が一〇・二から一五・四と、この辺だろうと、こういうことでございますが、三菱製紙はこの八〇・一から八五・九という負担割合につきまして非常に不満を持ったわけでございます。そこで、話し合いをいろいろ県が入ってやったんですが、つかなくて調停に持ち込んでおる、こういうことでございまして、鐘化の方が軽過ぎると、こういうような主張を大分メーカー責任論的な物の言い方で三菱は主張をしておったということを私は聞いております。

○粕谷照美君 大変客観点な物の見方をしておられますけれども、何と言うんですか、その争いの中で三菱製紙がいろいろ調べているわけですね。そうしたら、その調べた中で、PCBの生産量が一万トン食い違っているではないか、通産省報告と鐘化の帳簿の間に。こういうことが発見されて問題になっている。しかも、ドラムかんにしたならば四万本だというわけですからこれは大変なことになるわけですね。特にPCBをつくらないという点から考えても、その事後処理なんかはどんなふうになっているのだろうか、心配になるわけですね。通産省の方でこれは調べますというふうなことが新聞記事には載っておりますけれども、通産省が調べるということと同時に、やっぱり環境庁としてもそのことをきちっと確かめて、事後処理がどのようになっているのかというふうなことも確認をしておく必要があるというふうに思いますがいかがでしょうか。

○政府委員(二瓶博君) 鐘化におきましてのPCBの生産量の面につきまして、鐘化が発表している面と現実の面で相当の食い違いがあるというようなお話でございますが、この面につきましては生産所管の通産省の方におきまして、この食い違いがどうかということを現在詰めておるところでございます。
 それから、その後どうなっているのかという問題でございますが、PCBの原液、これが埋め立てもできませんし投棄もできない、こういうことに現在しておりますので、鐘化におきましては工場の敷地内にこれを保管をいたしております。それから、この鐘化以外にもう一つは三菱モンサントが生産をしておりますが、こちらも同様な状況で保管をしておるということでございます。

 なお、この保管いたしておりますものにつきまして、現在通産省の方におきましては、このままほっておけば地震の場合困るとかあるいは保管しておる容器が腐食をして漏れ出しても困るというようなこともございまして、いずれ洋上焼却と、海の上で焼却するという手だてはどうであろうかというようなことを具体的に現在検討をしておるということを聞き及んでおります。

○粕谷照美君 こういう廃棄物の考え方というのは通産省が考えるんですか。環境庁はこういうことを考えないものなんですか。
 それとあわせましてね、そういう努力をしていらっしゃるということはわかりましたけれども、要はドラムかんで四万本も食い違いが出ているということになりますと、それが一体どこへ捨てられているのか。廃棄物処理の問題があるわけでしょう。その辺の指導というものを環境庁としてはどのようにされるかということをさっき聞いたわけなんです。

○政府委員(二瓶博君) この生産量の食い違いが相当量あるという面につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、現在所管省の通産省の方におきまして、この食い違いが現実に物量としてあるのか、あるいは概念の見方によって違うのか、その辺ですね。たとえばカネクロールという商品だけで見るのか、もっと広い意味でのPCBというのはまだよそにあるのか、その辺の、要するに概念の基底をどう見るかによっての差異が相当あるのか、そういう面につきましてもあわせていま詰めておるところでございます。その辺の結果を見て、ただいま先生も御心配のように、そればどこに捨てられておるか。これは環境を破壊するという話になりますと確かに大きな問題でございますので、私の方も通産の方にその面の調査結果を早く知らしてほしいということで要請をしている段階でございます。

○粕谷照美君 もう何年も何年もそうやっているわけですからね。地震が来る、地震が来るといって大騒ぎしているときに、本当にいつまでもそういうふうにしておくわけにいきませんから、早くその辺の点については対策をとるように、環境庁としても通産省にきちんとお話をしていただきたいというふうに思うわけです。

 それとあわせて、大変しつこいようですけれども、さっきからお話を聞きますと、出した金は立てかえ金だと。九億六千万円は立てかえでいずれ後で精算するんだということを言っていらっしゃるようですけれども、カネミ油症の患者の方たがおいでになって、やっぱりその点非常に心配しているわけですよね。本当に立てかえなんだろうかどうなんだろうか、おれのところではだまされているんじゃないだろうか。それで会計上の処理は一体どうなっているんだと、こう聞いているわけですね、鐘化の九億六千万円は。年度年度に決算するでしょう。そのときに会計上の処理は、九億六千万円は立てかえとして決算されているのか、欠損金として入れられているのかということを非常に心配をしているわけですが、その辺は御調査されましたでしょうか。――質問通告をしていたんですが、環境庁の担当というわけでもなさそうですけれども、わかればそれでよろしいですが。

○政府委員(二瓶博君) 鐘化がこの立てかえ払いの面を帳簿上といいますか、決算とか、その面でどういう扱いにしておるか、この面につきましては、環境庁としては実は調査をいたしておりません。
○粕谷照美君 この立てかえ払い――後で私も調査をしてみますけれども、立てかえ払いだということであればきちんと報告がされているわけですね。欠損金だということであればこれは返金を求めていないわけですから。そういうことでしょう。欠損金として支払われているとすれば、ほかの企業の分をおれのところで立てかえたんですよということではないわけですからね。やっぱり私たちはこれをみずから責任を認めたものだというふうに考えておりますので、一つの論拠としていきたいというふうに思っております。
 さて、私どもは、この鐘化というのは、そういう判決が出ているわけですから、責任を認めて控訴をやめて被害者の救済に即刻立ち上がるべきだというふうに考えているわけです。鐘化にしてみれば、予想もしなかったと、こう言って控訴をしておりますけれども、予想していなかったんじゃなくて、もともとそういうふうに予想していたわけですね。だから、あらかじめ控訴並びに強制執行停止申し立ての意向を表明しているということからもそのことは言えるのではないかというふうに思いますが、いたずらにこの被害者賠償義務の履行を引き延ばすと、そのことは被害者を見殺しにするんだというふうに考えます。だから、そういう行為というものはやっぱり企業としても考えてもらいたいという意味であなたの方では鐘化と話し合う気持ちはありませんですか。環境庁としてはどうですか。
○政府委員(二瓶博君) このカネミの油症事件、これに伴います問題、これにつきましては、先ほど来厚生省の担当課長さんが答弁を申し上げておりますように、厚生省がこの問題を担当をいたしておるわけでございます。したがいまして、この件についての面で環境庁がどうこうという感じは持っておりません。ただ、先ほど来申し上げておりますように、高砂西港の汚泥のしゅんせつとかいうような問題、これはまさに環境庁の所管といいますか守備分野で指導をいたしたことは事実でございますので、こちらの面につきましては、かねてからも極力その辺の費用負担分担関係もはっきりするようにということで、いろいろ指導をやってきた経緯がございます。

○粕谷照美君 いずれ小倉判決が出たときには、私は、国だとかあるいは北九州市、自治体そのものの責任についてもきちんとした結論が出されるというふうに思いますけれども、その予想というのは私どもでもつかないけれども、しかし、これを大幅に下回るということは考えられないわけですね。国の責任だって私は当然あるというふうに思います。それはなぜかと言えば、カネミがつくっていました飼料を食べた鶏二百万羽のうちのしかも七十万羽が死んだと、そのときに農林省から調査に行っているわけですけれども、えさを食べて鶏が死んだということは、当然やがては人類の生命に影響するんだというふうなことに思いも至らなかったという国の責任というものは、私はやっぱり大きいというふうに思いますので、その判決については、一切国なんかも控訴しないできちんと守っていただきたいというふうに思うわけです。

 さて、そういうようないろんな問題点を起こしましたPCBなどを初めとしてたくさんな化学物質があるわけですけれども、その化学物質の点検を環境庁がやるというふうに報告がなされているわけですけれども、これは一体いまどのような日程で行われ、どのような最終的な詰めをしていきたいというふうな考え方に立ってやられるのか、伺いたいと思います。

○政府委員(信澤清君) 現在、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律というものがあることは先生御存じのとおりでございます。これは通産省それから厚生省、環境庁それぞれ分担いたしまして、この種の化学物質についての新しいものについてのいろいろな判定をやるというのがこの法律の主なる中身でございますが、同時に、環境庁といたしましては、従来製造されました化学物質につきましても、その挙動と申しますか、環境の中における挙動状況というものを調べることにいたしておりまして、先般いわゆるケミカルアセスメントと言っておりますが、その結果を公表いたした次第でございます。したがいまして、この法律に基づく措置は今後も続けてまいりまするし、いま申し上げたようなすでに環境中にございますいろいろな化学物質の挙動、こういったものについても絶えず監視を続けていきたいと、このように考えているわけでございます。
○粕谷照美君 法律があるというのもわかるのですよ。法律があるけれどもその法律ではとてももう、何と言うのですか、間に合わないという考え方に立って、その見直しも考えながらやるということになるんですか、どうでしょう。
○政府委員(信澤清君) 基本は法律に即してやるということになると思いますが、いま先生お話しのようにあの法律は新しい事態を想定いたしておりますので、やはり問題は過去に使われたこの種の物質が環境上どうなっているかと、こういうことに当面は重点があろうかと思います。で、この点についての調査がきわめて乏しいということでございますので、先ほど申し上げたような調査をいたしたわけでございます。
 なお、この点につきましては、わが国のみならずたとえばOECD加盟各国では私どもがやっておりますと同じような方法を使いまして、いま申し上げたケミカルアセスメントをやっておると、こういう状況でございます。
○粕谷照美君 大体の環境庁の姿勢というものがわかりましたけれども、カネミの問題についてはぜひ精力的な取り組みを厚生省としてもやっていただきたいという要望をいたしまして次に移ります。
 昭和五十一年度の公害の状況に関する年次報告及び公害等調整委員会の年次報告書を見せていただきました。なかなか精力的にがんばっているなあというふうに思いますけれども、そのうちで幾つか気になったことがあります。たとえば、福岡市における水質汚濁による健康被害仲裁申請という部分なんですけれども、これ簡単に説明していただけますか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生から、公害等調整委員会年次報告書に載っております福岡県の案件でございますが、これにつきましてはどうもいろんな経緯があるようでございます。私が一応承知をいたしておる点を申し上げますと、まず発端を申し上げますと、四十六年の五月に、国鉄の竹下客車区に近接いたします松村さんのおたくの井戸水の調査を保健所の方で実施をいたしましたところ、飲用不適というふうになった。松村氏はこの井戸水を昭和四十五年十一月十六日から四十六年の四月四日まで飲用をしておりまして、このため四十六年の二月ごろから健康を害しまして、吐き気、胸やけ、下痢、脱毛などの状症を呈した後に、四十六年の五月の二十七日に、慢性肝炎、慢性胃腸炎の診断を受けたわけでございます。そして四十七年の九月に、この松村氏は、国鉄に対しまして治療費等二百三十八万九千円の支払いを求めて福岡県の公害審査会、これに申請を出したということでございます。
 で、その後の経緯を申し上げますと、この福岡県の公害審査会、これは三年間にわたりまして審査をいたしました結果、申請を棄却をいたしたわけでございます。そこで申請人は、昭和五十年の十二月に公害等調整委員会に今度は仲裁申請をいたしたわけでございます。
 で、その申請の中では、国鉄におきまして使用していた車両の洗浄、清掃、消毒剤、これが井戸水を汚染をいたしまして、その結果結腸がんになったということで、四千二百万円の支払いを求めたわけでございます。これに対しまして、五十一年の四月に仲裁委員会は、当時国鉄で使用していた薬剤等では結腸がんにはならないということで、棄却をしたということでございます。
 で、その後申請人は五十一年の五月に福岡地方裁判所に対して仲裁判断取り消しの訴えを起こしまして、同年十二月に棄却をされた。で、さらに福岡高裁に控訴をやりましたがやはり棄却になったということで.五十二年八月に最高裁に上告といいますか、いたしておるということで、現在最高裁で争っておるという状況であるということを聞いております。
 で、ただいま先生からお話しございましたのは、この公害等調整委員会に五十年の十二月に仲裁申請があったものですから、それに対して公害等調整委員会が審査をしてどうしたというくだりのことが年次報告書に掲載になっておると、こういうふうに理解をいたしております。


イメージ




イメージ



イメージ



イメージ

イメージ


イメージ


イメージ

転載元転載元: 有害物質は土壌・底質に蓄積する。高砂西港のカネカ盛立地を学ぶ


底質対策技術検討会会議録
1 開催日時
平成17 年12 月27 日(火) 午前10:00〜11:20


底質ダイオキシン類対策のすすめ方について
① これまでの経過
資料により事務局(都市環境局環境部土壌水質課馬越課長代理)から報告し、各委員の了承を得た。

報告内容
  平成14 年8月、大阪府・市で「河川及び港湾の底質浄化対策検討委員会」
を立ち上げ、環境基準を超える河川、港湾で工事を行う場合における調査・対
策の基本的な考え方や汚染原因の検討を始め、平成16 年2月に「河川・港湾
工事に係る環境対策マニュアル(案)」を取りまとめた。

 底質汚染の原因については、主にPCB 製剤、農薬(PCP)や燃焼由来の要
因が複合したもので、特定の発生源が単独で寄与しているものではないと推
定された。

 平成17 年度からは、府・市委員会でのこれまでの検討内容を踏まえ、環境
基準を超える個別水域での浄化対策方針を検討する。
 大阪市においては、大阪市底質対策技術検討会で次の環境基準を超える大
阪市の管理水域について検討する。
・道頓堀川、東横堀川、住吉川の河川区域
・正蓮寺川、大正内港(福町堀)、木津川運河及び河口付近、木津川、
旧住吉川、尻無川、三十間堀川の河川港湾重複7区域

② 底質・水質の環境調査結果について
 資料により事務局(都市環境局環境部環境情報課荒木担当係長)から報告
し、各委員の了承を得た。

報告内容
 大阪市では、平成12 年度から「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づき、底質の環境調査を年1回実施している。

 底質調査地点は、水質汚濁防止法に基づく水質測定計画の環境基準点・準基
準点の全ての地点(河川21 地点、海域6地点、合計27 地点)を選定し、実
施している。なお、底質が基準点で採取できない場合、上流又は下流の橋で
採取している。

 また、平成14 年7月に底質の環境基準値が設定されたが、そのときの環境
省の施行通知においては、「底質濃度が比較的高かった地点においては、そ
の周辺において、測定地点を増加することが考えられる。」とされており、
本市の環境調査では、平成12 年度と13 年度の調査結果で環境基準値を超え
る地点があった河川等について、平成14 年度と15 年度に追加調査を実施し
ている。

 底質調査において、常時監視地点では、環境省の定めた採取方法によって、
橋の右岸、左岸からの距離を測るなどして、全く同じポイントでサンプリン
グを行っている。
 しかしながら、濃度の年変動などにより、環境基準値を超過した地点につ
いても、調査した年度により環境基準値以下の濃度となる場合もあるが、そ
のような地点については、汚染の恐れがあるため、各種指針やマニュアルな
どを参考に別途調査が必要とされているところである。

 これまでの環境調査結果では、表−1及び図−1に示した河川等において、
環境基準値を超過しており、大阪市が管理する水域では、河口部の河川港湾
重複区域と道頓堀川、東横堀川、住吉川となっている。

 水質についても、底質と同様、平成12 年度から「ダイオキシン類対策特別
措置法」に基づき、環境基準点・準基準点において、環境調査を実施している。
平成12 年度の環境調査は年1回のサンプリングであるが、平成13 年度以
降は夏季と冬季の年2回、調査を行っている。

 なお、環境基準の評価は年平均値で行うこととなっており、表−2及び図
−2に環境基準を超過した地点を示している。

 また、環境基準を超過している原因を調べるため、平成16 年度は、神崎川
上流の小松橋と寝屋川水域の古川の徳栄橋などを対象に追跡調査を実施した
結果、いずれの地点も環境調査地点の上流からの影響が考えられた。この追
跡調査結果については、既に都市環境局のホームページなどで公表している。
平成17 年度は、東横堀川と道頓堀川を対象に追跡調査を行っているところ
である。

 大阪市内河川では、住吉川において、調査を開始した平成12 年に一度環境
基準値を超えたが、以降の濃度は、環境基準値の4分の1以下の濃度となっ
ており、比較的変動が少ない状況で推移している。
 表−3は、底質環境基準値を超過した地点での水質の濃度の変動状況を示
しており、正蓮寺川、木津川、木津川運河などの河口部においては、環境基
準値の概ね2分の1以下で推移している状況である。

 つまり、河口部の底質濃度が環境基準を超過した地点について、水質の濃
度は上流の寝屋川水域などに比べて低く、変動が少ない状況である。
 これまでの環境調査については、試料の分析やサンプリングに係る技術的
な指導などを「環境科学研究所」に委託している。

 添付した参考資料は、同研究所が科学的な解析を試みて、その成果を学会
で発表した文献である。

 なお、この論文については、平成16 年に静岡市で行われた環境化学討論会
で公表されており、平成12 年度から14 年度のデータを基に解析されている。
そのなかで「大阪市域の水環境中のダイオキシン類の特徴」として、「市
内河川および海域の水質では、河川上流域から汽水域、港湾域にかけてダイ
オキシン類濃度が減少する傾向があった。一方、底質では水質と異なり、河
川上流や海域でダイオキシン類濃度が低く、汽水域で高くなる傾向があった。
このことから、大阪市内の水域では市外から河川を通じてのダイオキシン類
が流入し、塩素イオン濃度の高くなる汽水域で底質に沈降、堆積していると
考えられる。」と考察されている。

 また、「ダイオキシン類の組成の特徴」については、「おおむね全地点の
底質と水質で、PCDD(ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン)とPCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)の異性体組成は燃焼系発生源、Co-PCB(コプラナPCB)はPCB 製剤と類似していた。」と報告されており、府市の「河川及び
港湾の底質浄化対策検討委員会」で推定された底質の汚染要因と同じ結論と
なっている。



河川底質中ダイオキシン類の同族体分布について

1. 目的
河川や海底の底質におけるダイオキシン類ついては平成14 年度のダイオキシン類対策基本法の改定によ
り基準が定められ、その後、水底土砂の廃棄についての基準等が設けられるなど底質におけるダイオキシン
類についての検討が盛んに行われている。本研究では、河川底質のダイオキシン類について1〜3 塩素化体
を含むすべてのPCDD/F ついて測定を行い、同族体分布より河川底質のダイオキシン類の挙動や発生源につ
いて検討を行った。また、文献より一般的な河川のダイオキシン類の同族体分布との比較を行い、水と底質
中のダイオキシン類の挙動についても検討を行った。

2. 研究方法
2-1 試料底質
 研究に用いた試料は大阪府下の木津川および住吉川の下流にて採取した。底質の採取にはステンレス製
の器具を用いた。底質は風乾後に破砕し、篩分によって2mm 以下に粒径を調整した。

2-2 ダイオキシン類の分析
  ダイオキシン類の分析は「ダイオキシン類に係る底質調査マニュアル」1)に準拠し、測定については高
分解能GC/MS(HP6890-JMS700D)により測定を行った。使用したGC カラムは1〜3 塩素化および4〜6
塩素化のPCDD/F の測定についてはSP-2331(SUPELCO), 7,8 塩素化のPCDD/F については
DB-17(J&W),コプラナーPCB はHT-8(SEG)の3 種類であり、可能な限り異性体の分離に努めた。1〜3 塩
素化のPCDD/F で用いた標準品はCIL 製EDF-4954,EDF-4955 である。標準品にない異性体の定性は文
献2)に基づいて行った。

3. 結果
3-1 毒性を持つダイオキシン類について
 ダイオキシン類の濃度は木津川では70pg-TEQ/g-dry, 住吉川では54pg-TEQ/g-dry であった。図3-1 に
木津川、図3-2 に住吉川のダイオキシン類の同族体ごとの濃度(pg-TEQ/g-dry) で示す。木津川、住吉川
ともに同様の傾向が見られた。TEQ 値に大きな影響を与えているのはコプラナーPCB でオルト位置に塩
素を持たないノンオルトのCo-PCB であった。ノンオルトPCB なかでは最もTEQ が高かったのは#126
のPCB であった。その他の同族体については5,6 塩素化のPCDF が高い。PCDD については5 塩素が最
も高く6、7 塩素の順となった。

3-2 同族体分布
 図 3-3 に木津川、図3-4 に住吉川のPCDD/F 同族体分布を示す。濃度は実測濃度で示す。
  木津川、住吉川ともに8 塩素化のPCDD が最も高い。PCDD/F 全体に占める割合は木津川で約40%、住吉川では約26%であった。他のPCDD については7 塩素化、4 塩素化が高い。PCDF については4〜8 が同程度の濃度であった。
 1〜3 塩素化のPCDD/F については木津川ではほとんど検出されなかった。住吉川についてはPCDF が高く1 塩素化以外は4〜8 塩素化と同程度の濃度であった。


4. 考察
底質は同族体分布の結果を見ると4,7,8 塩素化のダイオキシン類が多い。なかでも8 塩素化のPCDD が多
い。河川水では2, 4,8 塩素化のPCDD が多く2 塩素化体については特異的に多く、なかでも2,7 と2,8 置換
体の2 塩素化PCDD が高く全体の濃度に対して約54〜89%程度を占めていることが小林ら3)によって報告
されている。
  底質については4,8 塩素化体については河川水と同様の傾向を示したが2 塩素化体については
高い濃度では検出されていない。河川水と底質のダイオキシンの由来は同じであることが推測されるが、同
族体分布には相違が見られる。このことから、ダイオキシン類は水−底質間で分配されることにより挙動し
ていると予測される。2 塩素化体はPCDD/F の中では比較的、水へ分配されやすく底質ではあまり高い濃度
では検出されなかった。一方、8 塩素化体は、ダイオキシン類の中でも極めて水溶解度が小さく、また粒子/
水分配係数が大きいため、底質に分配され水には分配されにくい事から、底質中で高濃度で検出される結果
となる。

5. まとめ
本研究では、河川底質におけるダイオキシン類の低塩素化を含む同族体を測定し、底質と水との間の挙動
について知見を得た。毒性を持たない低塩素化ダイオキシンについては測定されることは少ないが、同族体
や異性体の分布を検討することによって汚染の由来や分解のメカニズムなどを知るうえでは重要な情報源と
なる。

転載元転載元: 土壌・底質を学ぶ

http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_2.gif

■診断基準
油症の診断基準としては、1972年(昭和47年)10月26日に改定された基準がありますが、その後の時間経過とともに症状および所見の変化がみられるため、2回の追加を経て、1981年(昭和56年)より以下のような診断基準が用いられていました。
その後2004年(平成16年)9月29日に血液2,3,4,7,8-pentachlorodibenzofuran(PeCDF)値が診断基準に追補されました。
油症の診断は発病条件と症状、所見を参考に受診者の年齢および時間的経過を考慮のうえ、総合的に判断されます。

http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_2.gif
 
 http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_4.gif
 PCBの混入したカネミ米ぬか油を摂取していること。
(ただし、油症母親を介して児にPCBが移行する場合があり、多くの場合で家族発生がみられる。)

 http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_5.gif

http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_3_1.gifざ瘡様皮疹
顔面、臀部、そのほか間擦部などにみられる黒色面皰(めんぽう)、面皰に炎症所見の加わったもの、および粥状内容物をもつ皮下嚢胞とそれらの化膿傾向。
参考となる症状と所見
1.自覚症状
 1)全身倦怠感
 2)頭重ないし頭痛
 3)四肢のパレステジア
  (異常感覚)
 4)眼脂過多
 5)せき、たん
 6)不定の腹痛
 7)月経の変化
 
--------------------
2.他覚的所見
 1)気管支炎所見
 2)爪の変形
 3)粘液嚢炎
 4)血清中性脂肪の増加
 5)血清γ-GTPの増加
 6)血清ビリルビンの減少
 7)新生児のSFD
     (過小体重児)

     (Small-For-Dates Baby)
 8)小児では、
     成長抑制および歯牙異常
     (永久歯の萌出遅延)
http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_3_2.gif色素沈着
顔面、眼瞼結膜、歯肉、指趾爪などの色素沈着
(いわゆるブラックベイビーを含む)
http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_3_3.gifマイボーム腺分泌過多
http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_3_4.gif血液PCBの性状および濃度の異常
http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_3_5.gif血液PCQの性状および濃度の異常
参考となる血中PCQ値
1)0.1ppb以上
 :異常に高い濃度
2)0.03〜0.09ppb
 :1)と3)の境界領域濃度
3)0.02ppb(検出限界)以下
 :通常みられる濃度
http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_3_6.gif血液2,3,4,7,8-pentachlorodibenzofuran(PeCDF)の濃度の異常
1)50pg/g lipids以上 :高い濃度
2)30pg/g lipids以上、50pg/g lipids未満
 :やや高い濃度
3)30pg/g lipids未満 :通常みられる濃度

※診断基準は油症か否かについての判断の基準を示したもので、必ずしも油症の重症度とは関係ありません。
※血液PCBの性状と濃度の異常および血液2,3,4,7,8-pentachlorodibenzofuran(PeCDF)の濃度の異常については、地域差・職業などを考慮する必要があります。
(昭和51年6月14日補遺、昭和56年6月16日の油症治療研究班会議より5を追加)
(平成16年9月29日にを6追加)
  
 http://www.kyudai-derm.org/yusho/image/p3_7.gif
 現在、油症患者さんの体内のPCBやダイオキシン類濃度は健康な人と同じ程度まで低下している方が多いのですが、まだ高い濃度を示す方もいます。治療法としては、原因物質であるPCBおよびダイオキシン類の排泄を促進するのが最も効果的ですが、残念ながら現在のところ確実に有効な排泄促進剤はまだ見出されていません。
コレステロール低下剤のコレスチラミンと米ぬか線維の経口投与はPCBの排泄を促進させますが、治療薬としての実用性は確立していません。
 
 
従って、治療は各症状に対する対症療法を中心に行われます







油症診断基準 (2012年12月3日追補)


油症治療研究班

  油症の診断基準については、時間の経過に伴う症状と所見の変化ならびに分析技術の進歩に伴って、1972年10月26日、1976年6月14日、1981年6月16日、2004年9月29日に追補・改訂等が行われてきた。
今般、「カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律」が制定され、同法に基づく「カネミ油症患者に関する施策の推進に関する基本的な指針」に基づき、国から、事件当時の同居家族で健康被害を受けた者が、家族内で認定結果が分かれることのないよう、診断基準を拡大する方向で見直すよう要請されたことから、追補することとした。

発病条件
 PCBなどの混入したカネミ米ぬか油を摂取していること。

 油症母親を介して児にPCBなどが移行する場合もある。
 多くの場合家族発生がみられる。

重要な所見
1.ざ瘡様皮疹
 顔面、臀部、そのほか間擦部などにみられる黒色面皰、面皰に炎症所見の加わったもの、および粥状内容物をもつ皮下嚢胞とそれらの化膿傾向。

2.色素沈着
 顔面、眼瞼結膜、歯肉、指趾爪などの色素沈着(いわゆるブラックベイビーを含む)

3.マイボーム腺分泌過多

4.血液PCBの性状および濃度の異常

5.血液PCQの濃度の異常(参照1)

6.血液2,3,4,7,8-pentachlorodibenzofuran (PeCDF)の濃度の異常(参照2)

参考となる症状と所見
 1.自覚症状
  1)全身倦怠感                4)眼脂過多    7)月経の変化
  2)頭重ないし頭痛             5)せき、たん
  3)四肢のパレステジア(異常感覚)   6)不定の腹痛

 2.他覚的所見
  1)気管支炎所見    6)血清ビリルビンの減少
  2)爪の変形       7)新生児のSFD(Small-For-Dates Baby)
  3)粘液嚢炎       8)小児では、成長抑制および歯牙異常
  4)血清中性脂肪の増加 (永久歯の萌出遅延)
  5)血清γ-GTPの増加

参照1 血中PCQの濃度は以下のとおりとする。
 (1) 0.1 ppb以上 :高い濃度
 (2) 0.03 〜 0.09 ppb :(1)と(3)の境界領域濃度
 (3) 0.02 ppb(検出限界)以下 :通常みられる濃度

参照2 血中2,3,4,7,8-PeCDFの濃度は以下のとおりとする。
 (1) 50pg/g lipids 以上 :高い濃度
 (2) 30pg/g lipids 以上、50pg/g lipids 未満 :やや高い濃度
 (3) 30pg/g lipids 未満 :通常みられる濃度
また、年齢・性別についても勘案して考慮する。

註1.以上の発病条件と症状、所見を参考にし、受診者の年齢および時間的経過を考慮のうえ総合的に診断する。
2.この診断基準は油症であるか否かについての判断の基準を示したものであって必ずしも油症の重症度とは関係ない。

3.血液PCBの性状と濃度の異常および血液2,3,4,7,8-pentachlorodibenzofuran (PeCDF)の濃度の異常については、地域差、職業などを考慮する必要がある。

4.測定は油症研究班が適切と認めた精度管理が行われている検査機関にて行う。
追補:油症患者(同居家族)に関する条件

 油症発生当時に、油症患者(本追補により油症患者とみなされた者を除く。)と同居し、カネミ倉庫製の、PCB等が混入していた当時の米ぬか油を摂取した者で、現在、心身の症状を有し、治療その他の健康管理を継続的に要する場合には、油症患者とみなす。





イメージ

イメージ



イメージ


イメージ



イメージ

玉之浦井持浦

イメージ


カネミライスオイル中毒(油症)事件に関する研究


 1968年10月西日本一帯で皮膚疾患を主徴とする多数の患者が続出した.当初から,患者の発生は家族性があり,男女の別なく発生している等の特徴から食中毒が疑われていた.
 その後,患者が共通してカネミ倉庫製造のライスオイルを摂食していることから,これが原因食品と判明した.のちに,1968年2 月上旬製造のライスオイル中に製造過程で熱媒体として使用されていたカネクロール400(四塩化 PCB の製品名)が大量に混入していることが明らかにされた.
 当初,中毒原因物質は PCB と考えられていたが,その後の研究で,PCB が熱媒体として使用されている間に生成した強毒性の PCDF が主な原因物質であることが解明された.
 原因ライスオイル中には PCDF の他にも PCB とほぼ同量,ないしは 3 倍程度の PCQ,極微量の PCDD,さらには,コプラナー PCB(Co-PCB),PCT,PCN 等が混在していた.
 これらの汚染物質の中で中毒原因となったのは PCDF,PCDD および Co-PCB であるが,その中でも比較的多く生成した強毒性の PCDF が主な原因であり,それに極微量の強毒性の PCDD および Co-PCB の毒性が加わった複合汚染による中毒であると考えられる.

 油症事件発生当時,16000人が被害を届け出たといわれているが1984年までに1864人が認定患者とされた.当所は1968年の事件発生時,油症原因究明に参画しており,当時の真子所長と中村専門研究員(後に保健科学部長)の名前が油症原因物質究明分析班の報告書の中に見られる.
 その後,油症研究は九大油症治療研究班を中心に進められており,当所は数年間,油症研究に関与していな
かった.

 一方,PCB による地球規模の汚染が油症発生と相前後して報告された.PCB はその優れた物性のために,
ノンカーボン紙,電気絶縁油,金属研磨油,熱媒体,塗料,農薬の展着剤等広範な用途に用いられていた.わが国でも,PCB による母乳汚染や食品(特に魚介類)汚染が報告され,古紙再生汚泥,土壌,工場廃水等の環境汚染も報告された.当所においても母乳,食品,土壌,水等の PCB 汚染実態調査を行った.

 愛媛大学立川教授はヒトの血液から PCB を検出し,広範な人々が PCB で汚染されていることを報告した.
次いで,第一薬科大学増田教授は油症患者の血中 PCBを測定し,患者は一般人に比べて PCB 濃度が高く,そのガスクロマトグラムパターンに特徴があることを示した.
 油症発生から数年経過しており,患者の他覚的症状はかなり消失し,油症診断に困難をきたしていたため,
血中 PCB 分析(PCB 濃度及びガスクロマトグラムパターン解析)は有力な診断根拠とされた.事件発生直後よ
り毎年油症一斉検診が行われており,血中 PCB 分析は重要な検診項目として油症診断基準に採用されている.

 当時,数百名の患者の血中 PCB 分析は到底,一機関のみでは対応不可能であった.増田教授をチーフに福岡県(衛生公害センター),福岡市(衛生試験所),北九州市(衛生研究所)及び久留米大学医学部(環境衛生学教室)の 5 機関で受診者の血中 PCB 分析を行った.
 かくして,当所は事件発生から7 年にして再び油症に関与することとなった.
 ヒト血中 PCB 分析は,一般環境試料や母乳,食品の分析と比べて供試し得る試料量が約10g と少なく,再試験は出来ない.加えて,濃度が非常に低いため極めて困難な分析であった.しかも,現在のような高純度の試薬や溶媒は入手できず,分析中に混入する妨害物質に悩まされるという悪条件もあった.
 これらの困難を克服して,毎年100件から200件の患者及び対照として一般人30名程度の血中 PCB を測定した.

 1978年大阪府立公衆衛生研究所の樫本は油症の原因ライスオイルから PCB の二量体である PCQ を検出し,次いで患者脂肪組織及び肝臓からも検出した.
 さらに,PCQは患者血液から検出され,一般人からはほとんど検出されないため(検出限界値0.02ppb 以下),油症原因ライスオイルを摂取したかどうかの判定にきわめて有用であると報告した.
 当所は,九大油症研究班の依頼により血中 PCQ 検査を油症検診に応用するため,患者と一般人各数十名の血中 PCQ 測定を行った.
 その結果,血中ガスクロマトグラムパターン別の血中 PCQ 濃度は,A パターンが0.1ppb 以上(典型的な油症患者の濃度),B パターンが0.03〜0.09ppb(油症と一般人の境界領域),Cパターンが0.02ppb 以下(一般人濃度)であることが明らかになった.
 以上の検討結果は油症診断基準の重要項目として追加され,毎年の一斉検診で定常的な検査項目となった.血中 PCQ 濃度は油症診断項目として極めて有用な項目であるが,複雑でしかも完全塩素化という困難な操作を含む分析法で0.02ppb という超低濃度まで正確に定量することは非常な熟練と細心の注意を必要とした.
 そのため試薬の精製や使用するガラス器具の徹底的な洗浄等に多大の労力と時間を要する仕事であった.

 当所では PCQ を構成する 6 つの骨格を合成し,骨格異性体別の PCQ の正確で簡易な分析法が検討された.折からキャピラリーガスクロマトグラフが開発され,一般的に使用され始められており,これを使用した PCQ 完全塩素化物の個別分析法が確立された.この分析法により血中 PCQ 濃度は妨害物質の影響なしに毎年の定常的分析が確実に出来るようになった.

 一方,先に述べたように,油症の主たる原因物質はPCDF であり,すでに,原因ライスオイルや死亡患者組
織から検出されていた.1986年当時の高橋所長は油症の治療のためには患者体内の PCDF の残留量を正確に把握することが必須であるとして,患者に皮下脂肪の提供を要請し,自らも夫人と共に対照として皮下脂肪を提供した.
 所長の呼びかけで当所職員9 名も皮下脂肪の提供に応じた.患者のために研究者が外科手術による自らの
皮下脂肪の提供をしたことは患者にとって大きな驚きであり,非常な感謝を持って受け止められた.ともすれば
患者から不信の声が聞かれることもあった油症研究班はこれを契機に患者の信頼を得て,この後の排泄促進の臨床研究が円滑に進むことになった.かくて,患者18名,対照者11名のボランティアの皮下脂肪組織中の PCQ,PCDF,PCDD,Co-PCB の分析を行った.

 その結果,患者では主要な原因物質である PCDF が対照者(平均16pg/g)と比べ,最高100倍(1900pg/g)も高濃度で残留していることが明らかになった.
 さらに,患者糞便試料から PCDF 等が検出され,腸管経由で PCDF 等の毒物が排泄されていることも明らかになった.
 これらの知見から患者体内に残留する PCDF 等の毒物の排泄促進が油症の治療として有効であると考えられた.
 1991年九大油症治療研究班は PCDF 等の毒物排泄促進による臨床治療試験を開始することにした.
 皮下脂肪中の PCDF を測定された18名の患者ボランティアのうち PCDF 濃度の高い 3組の夫婦 6 名の血中 PCDF と糞便中 PCDF 排泄量が調べられた.
 その結果,PCDF は(体内残留量を反映する)脂肪中及び血中 PCDF 濃度に対応して糞中に排泄されていることが分かった.これら6 名の患者ボランティアに対し,高コレステロール治療薬として安全性が確立されていたコレスチラミンを6 ヶ月間服用してもらい,服用前,服用2 ヶ月, 4 ヶ月, 6 ヶ月時点の血液と糞便試料中の PCDF を測定した.
 その結果は, 1 名については排泄促進傾向が認められたものの,他はコレスチラミンの有効性は認められなかった.
 次いで,動物実験で米ぬか繊維または米ぬか繊維とコレスチラミンの併用投与が PCB の排泄を顕著に促進することを見出し,この知見に基づいて,患者ボランティア4 名に対して米ぬか繊維とコレスチラミンの併用投与による PCDF 等の排泄促進実験が2 回行われたが,結果は2 名の患者では排泄促進傾向が見られたものの,他の2 名では効果は認められなかった.

 油症と同様の中毒事件が日本の事件から11年後の1979年台湾の中部で発生した.これは Yucheng と呼ばれ,日本の油症は Yusho と呼ばれており,共に国際的に通用する言葉となっている.台湾の Yucheng 患者は血中PCDF 濃度が高いため,これらの患者に対して排泄促進治療を行えば効果が明らかに出来ると考え,1993年九大油症治療研究班と台湾の成功大学の研究グループは共同して台湾の Yucheng 患者の PCDF の排泄促進実験を臨床的に行うことにした.
 まず,台湾の患者31名の血中PCDF を調査した.予想通り多くの患者で高い血中 PCDF濃度を認め,それは日本の油症患者の最高レベルの血中PCDF 濃度と同程度であった.これらの患者のうち半数の15名に米ぬか繊維とコレスチラミンを服用してもらい,残りの半数の患者は対照群とし,投与前 1 週間及び 2週間の投与期間中の糞便試料を毎回採取し PCDF を測定した.
 また,投与終了時点で採血し,血中 PCDF 濃度の増減を調べた.実験途中で服用を中断した患者や糞便試
料が採取できなかった患者を除いた治療群は最終的には6 名となった.これらの患者の実験結果では6 名中4
名で排泄促進効果が認められた.
 また,投与後の血中PCDF 濃度は投与前に比べて減少していた.以上の結果から米ぬか繊維とコレスチラミンの服用による PCDF の糞便中排泄促進効果が臨床的にも実証された.台湾の研究グループにより30名の患者に対してコレスチラミン単独での PCDF 排泄促進実験が行われ,投与前と投与後の血中 PCDF 濃度が測定された.しかし,残念ながら血中濃度の減少は見られず,治療効果は認められなかった.体内に残留している PCDF 等の有機塩素化合物は糞便中に排泄されるが,一方,皮脂等を介しても体外に排出されていると考えられた.

 そこで,1994年油症患者と一般人各数十名について皮脂中ダイオキシン類(PCDD,PCDF,Co-PCB)の血中濃度を調べた.その結果,大部分のダイオキシン類異性体は皮脂中濃度と血中濃度が相関することが分かった.台湾の60名の患者について,皮脂中ダイオキシン類濃度も調べられ,台湾の患者においても皮脂中濃度と血中濃度は相関するという結果が得られた.
 すなわち,これらの化合物は体内残留量に応じて皮脂を介して排出されることが明らかになり,その量は
糞中への排泄量に匹敵するものと推定された.
 これは皮脂がダイオキシン類の排泄経路として重要なものであることを示すとともに,皮脂中のダイオキシン類を調べることによってもその体内残留を推定出来ることが示唆された.
 油症事件発生まもなくから毎年行われている患者の一斉検診では,内科,皮膚科,眼科,歯科及び小児科
検診と血液生化学検査項目,血中 PCB および PCQ 濃度が追跡調査されてきた.
 油症の主原因物質 PCDF の血中濃度検査は残念ながら,その技術的困難さゆえに定常的検査が不可能であった.
 その後,個々の患者の血中 PCDF追跡調査は油症研究にとって大きな意義があり,分析機器の発達と排泄促進研究で培われた高度な技術的熟練はこれを可能にした.
 1995年に福岡県の油症一斉検診を受診した患者のほぼ全員にあたる83名の患者の血中ダイオキシン類濃度を調査した.その結果,典型的油症患者では高濃度の血中 PCDF が検出され,PCDD および Co-PCBは一般人とほぼ同程度であることが分かった.
 さらに,1996年および1997年についても福岡県の油症一斉検診受診者のほぼ全員について調査した結果,典型的油症患者では血中 PCDF 濃度がしだいに減少している事が分かった.

 この血中ダイオキシン類濃度調査は現在も継続されている.その後の油症治療研究の一環としては,ラット
を用いた動物実験で食物繊維や葉緑素がダイオキシン類を排泄促進することを報告した.油症患者が食物繊維や葉緑素を多く含む食事をすることは長期的には有効と考えられる.

 油症研究の中で対照試料として多数の一般人母乳,脂肪組織,血液,皮脂,人体臓器(脂肪組織・肝臓・腎臓
・脳・脾臓他)等のダイオキシン類を調査した.
 これらは日本におけるダイオキシン類による人体汚染を示す貴重データである.1997年ころからごみ焼却場から排出されるダイオキシン類による環境汚染が明らかにされ,日本における母乳をはじめとする人体汚染に大きな社会的関心が集まった.
 最近,ダイオキシン類は環境ホルモン作用をもつことが明らかにされ,胎児や乳児に対する健康影響が懸念されている.
 ダイオキシン類による環境汚染,人体汚染の早急な実態調査が必要となり,国を挙げてこれに取り組むこととなった.
 油症とそれに関連するダイオキシン類のデータはまとまった人体汚染のデータとして高く評価されることとなった.また,油症研究で培った当所の技術と知見はダイオキシン類の研究に大いに役立ち,食品のダイオキシン類汚染実態調査,ヒト血中ダイオキシン類調査等,国のダイオキシン類研究にも参加している.

 一方,従来より,ダイオキシン類による大気,土壌,水等の環境汚染に関する研究も環境部門で行われており,当所の研究レベルは高く評価されている.
(参考文献)
1) 飯田隆雄,深町和美,竹中重幸,中川礼子,高橋克巳:分析化学,37,230-235.1988.
2) S.Takenaka, K.Fukamachi, R.Nakagawa,T.Iidaand K.Takahashi:Chemosphere, 17, 319-330,1988.
3) S.Takenaka, K.Morita, H.Tokiwa and K.Takahashi:Xenobiotica, 21, 351 - 357.1991.
4) 森田邦正,平川博仙,松枝隆彦,飯田隆雄,常盤寛:福岡医学雑誌, 84, 273 - 281,1993.
5) T.Iida, H.Hirakawa, T.Matsueda, R.Nakagawa,S.Takenaka,K.Morita,Y.Narazaki,K.Fukamachi and
  K.Takahashi:Toxicol.Environ. Chem. , 35, 17 -24,1992.
6) 小栗一太,赤峰昭文,古江博隆編,油症研究−30年の歩み−,九州大学出版会,2000.

イメージ

五島市の入り口である福江港は、暴力追放の大きな石碑があります。
カネミ油症の患者を暴力でおさえつけたのだろうか?



玉之浦と、奈留島のカネミライスオイルの毒性物質は、同じものか違うものか分かりませんが?

転載元転載元: 土壌・底質を学ぶ

環境コンプライアンス



「コンプライアンス」 とは

読み:
こんぷらいあんす
英名:
Compliance
法律など社会の決まりをきちんと守ること。その背景にある理念や精神を大切にすることも含まれる。企業活動が社会経済の大きな部分を占めるようになるにつれ、コンプライアンスの徹底が強く求められるようになった。環境関連の法令などを守る「環境コンプライアンス」は、ISO14001の法的な要求事項であるほか、企業の社会的責任(CSR)の一環として取り組みが広がっている。国は公害防止ガイドラインにより、全社的環境管理コンプライアンスの重要性を強調している。

Q&A

  • Q: 環境コンプライアンスの実例は?

    企業が環境分野において法令の遵守を徹底している実例を知りたい。
  • Q: コンプライアンスを守るための取り組みは?

    コンプライアンスを徹底するための決まりをつくっている組織はあるのだろうか?

環境クイズ

  • 環境コンプライアンスの精神に反するものは?

    エコ偽装
    予防的取組
    上乗せ条例

関連情報を読む

関連ディレクトリ


EICネット[環境用語集:「環境コンプライアンス」]

www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2779
http://www.eic.or.jp/img/sp.gif環境条約や環境制度などの環境に関する社会的取りきめを守ること。コンプライアンスという場合、法令や社会的取り決めの文言のみならず、その背後にある精神まで守り、実践することを意味する。環境コンプライアンスという場合も同様、環境上の法令や社会的取り決めを、誠意を持って解釈し実践することを意味し、法の欠陥(法令などの不在)の場合においてもの目的や主旨に沿った方向で行動していくことを意味する。今日の日本では、CSR企業の社会的責任)に関連して本用語が多用されている。

公害防止ガイドライン−全社的環境管理コンプライアンス

www.meti.go.jp › ... › 環境経営・競争力の強化 › 公害防止ガイドライン
公害防止ガイドライン>基礎編>1.全社的環境管理コンプライアンス

全社的環境管理コンプライアンス

事業者は、地域社会の環境へ配慮し、地球温暖化防止などにも取り組まなければなりません。また、環境への影響を減らせる立場にあることをしっかり認識してください。
環境管理は効果を上げているか、自発的に活動しているか、問題発生に備えて防止策を取っているか、そして問題を早期に発見し解決しているか、もう一度見直しましょう。経営者から作業員に至るまで全社的に環境対応型の公害防止対策をなすこと、ここでは「全社的環境管理コンプライアンス」と呼びます。これこそ、今、事業者のテーマなのです。
http://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyokeiei/environmentguideline/images/5-1.jpg経営者自らが環境管理における社会的な要請とその重要性を理解し、全社的な方針を定める。
http://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyokeiei/environmentguideline/images/5-2.jpg全社的な方針を実現し、適切な環境管理・公害防止の取組を実行するために最も合理的な本社、工場での組織を構築する。特に、公害防止統括者である工場長等の法令上の責務を確認した上で、実務上の責任と役割を明確化する。
http://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyokeiei/environmentguideline/images/5-3.jpg具体的対処方針を明確化し、組織の構成員に周知する。また、工場・現場での「公害・汚染発生のリスクやシグナル」や「対処方針に対する問題点」を自発的に発見し、組織的に吸い上げることにより、未然防止を図る。
http://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyokeiei/environmentguideline/images/5-4.jpg環境管理上の不適正事案の発掘と点検を実施し、発生の疑いがあれば、事実関係の把握と原因の究明により、適切な是正措置を早急に講じる。
http://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/kankyokeiei/environmentguideline/images/5-5.jpg地方自治体や地域住民等の利害関係者と日頃から密接に情報・意見交換を行うとともに、公害防止活動現場における実態や課題等について認識の共有化を図ることにより、関係者間の信頼関係を構築する。

転載元転載元: 企業の社会的責任を持たす市民のブログ

 > 五十音順 > あ行 >   一翳在眼空華乱墜
http://zengo.sk46.com/images/ichieimana.gif

一翳在眼空華亂墜

一翳いちえいまなこ に 在 れば 空華くうげ 乱墜らんつい

『景徳伝灯録』巻十
福州芙蓉山靈訓禪師。初參歸宗問。如何是佛。宗曰。我向汝道汝還信否。師曰。和尚發誠實言何敢不信。宗曰。即汝便是。師曰。如何保任。宗曰。一翳在眼空華亂墜
福州ふくしゅう 芙蓉山ふようざん 霊訓れいくん 禅師ぜんじ 、 初はじ め 帰宗きす に 参さん ず、 問 う、「 如何いか なるか 是 れ 仏ほとけ 」。 宗いわ く、「 我われなんじ に 向むか って 道 わん。 汝なんじ 、 還かえ って 信しん ずるや 否いな や」。 師いわ く、「 和尚おしょう 、 誠実せいじつ の 言げん を 発はっ せば、 何なん ぞ 敢 えて 信しん ぜざるや」。 宗いわ く、「 汝なんじ に 即そく すれば 便すなわ ち 是 なり」。 師いわ く、「 如何いかん が 保任ほにん せん」。 宗いわ く、「 一翳いちえいまなこ に 在 れば 空華くうげ 乱墜らんつい す」。
  • 空華 … かすんだ目で空を見るとき、ちらちら見える花のようなもの。
  • 柴山全慶編『禅林句集』には、「小さい埃一つが眼に入ると眼がチラチラする。心中一念の汚れあれば様々の煩惱となる」とある。【一翳在眼空華亂墜】
  • 『禅語字彙』には、「惑相を一度認むれば、眼中の翳の如く、それからそれへと妄想が亂發するの意」とある。【一翳入眼心華亂墜】

建功寺住職 枡野俊明 仕事に効く「禅の言葉」

「一翳在眼 空華乱墜」企業が不正を起こさぬよう戒めとすべき心得


  • 2016.02.22
 

 昨年は、東芝の不正会計や三井不動産・三井住友建設・旭化成建材の杭打ち偽装、フォルクスワーゲンの排ガス不正、東洋ゴム工業の免震ゴム偽装など、企業の不正事件が相次いで新聞の一面をにぎわせ、企業倫理が問われる年となりました。
 一昔前は、こうした過ちは世間に露呈しにくい時代でした。しかし、最近の不正事件やスキャンダル報道からも分かるように、今はインターネットにあらゆる情報がアップされ、一気に拡散される時代です。
 杭打ち偽装問題では、マンションの住民が手すりの違和感に気づいて撮影してインターネットにあげなかったら、「あれ、何かおかしいぞ!」という多くの声があがらず、不正発覚まで辿りつかなかったかもしれません。
 東京五輪のエンブレム問題も、デザイナーの方の釈明会見の直後、そのデザイン事務所がデザインしたトートバッグなど過去の作品の類似デザインを集めた「類似集」が、たった2時間で「2ちゃんねる」の掲示板に出来上がったと聞きました。
今までは見過ごされていた問題も、ネットで拡散されると一気に議論が巻き起こり、白黒つけないと済まされない風潮になっているように思います。
バックナンバー

三井住友建設を指名停止2カ月 県 /岐阜

毎日新聞-2016/02/03
横浜市のマンション傾斜問題で、県は3日、元請けの三井住友建設を4日から2カ月の指名停止にした。 ... 三井住友建設の処分は国交省が1月13日、下請けへの指導を怠ったとして、建設業法に基づき、業務改善命令に当たる「指示処分」を ...



くい打ち不正 三井住友建設「管理すべきだった」 公式に初めて陳謝

 横浜市の傾いたマンションの施工主だった三井住友建設の永本芳生副社長が十一日記者会見し「ご心配とご迷惑をお掛けし、深くおわびいたします」と述べた。十月半ばの問題発覚後、同社の経営陣が公式の場で陳謝したのは初めて。くい打ち工事を担当した旭化成建材(東京)に対しては「裏切られた」と指摘した。二〇一五年九月中間決算発表で言及した。
 永本氏は「元請け会社としての責任を重く受け止めている」と管理責任を認めた上で、データ改ざんを見抜けなかったのは「抜かりがあった。もっとしっかり管理するべきだった」と説明した。一方でデータの流用は「非常に巧妙で分からなかった。管理を行う中での落ち度は必ずしもあったわけではない」と弁明。旭化成建材とは信頼関係があり「(改ざんなどしないと)過信していた」と語った。
 一六年三月期の連結純利益の予想は従来の六十億円から上方修正し前期比29・4%増の九十億円になると発表した。くい打ち問題の影響は「現段階で合理的な算定をするのは困難」として織り込まなかった。
 一五年九月中間連結決算は、売上高が前年同期比5・4%増の千八百四十七億円、純利益は74・9%増の五十一億円だった。

転載元転載元: 企業の社会的責任を持たす市民のブログ

全2ページ

[1] [2]

[ 次のページ ]


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事