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【知性と直観】
8 自我 知性は、区別しようとする飽くことのない願いにさいなまれて、現実に記号を置きかえあるいは記号を通してしか現実を知覚しない。 このように屈折させられ、またまさにそのために細分化されてしまった自我は、一般の社会生活や特に言語の要求には、はるかによく応ずるものとなる。 それで意識はこのような自我の方が好ましいと思い、しだいに根本的自我を見失って行くのである。 自我と外的事物との接触面の下を掘って、有機的で生命の通った知性の深みにまで多くの観念が重なり合いあるいはむしろ内的に融合しあっているのを目撃することになるであろう。 そしてこれらの観念はひとたび分解されてしまうとお互いに排除し合って 理論的に矛盾しあう諸項という形を呈するようになる。 絵 パブロ・ピカソ 文 アンリ・ベルクソン 『時間と自由』2章より |
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