|
「大場栄」という実在の人物を描いた作品です。 元アメリカ海兵隊員の話がもとになっています。 大場氏は、サイパン島で、圧倒的なアメリカ軍の兵力に最後まで抵抗し、たった47人で民間人を守りながら、約500日の間ゲリラ戦を展開しました。 アメリカ兵の間では、大場氏を「フォックス」と呼んで賞賛する者もいたそうです。 私はドキュメンタリーをのぞいて、戦場の兵士を描いた映画は見たことがありません。 どちらかというと敬遠してきました。 でも今回は、見たいと思いました。それは、新聞の記事がきっかけでした。 奥さんとの手紙をずっとやりとりしてきた大場さん。 蒲郡出身で元地理教師の彼は、戦地に行っても奥さんと手紙をやりとりしていたそうです。映画の封切りにあわせて、その手紙が公開されました。結局見に行かなかったのですが、この映画を見て、やはり行けば良かった、ととても後悔しています。 穏やかな方だったのかな、そんな人が戦場に行ったらどうなるんだろう、そんな素朴な疑問でした。 今までの日本の戦争映画というと、勇ましさが強調されていたり、エンターテイメント性を感じるものが多かったのですが、今回は少し違うような気がしました。 ただタイトルが「奇跡」とあるので、またアクロバティック的なものかもしれないな、という一抹の心配もありましたが。。 しかしそれは杞憂にすぎませんでした。 大場氏の心情を語る場面はほとんどなく、淡々と場面の展開と会話で話が進んで行きます。 お涙ちょうだいのドラマチックな展開になれた人にとっては、映画として物足りないかもしれません。 戦闘の場面では目をおおうほどの悲惨なものもありますが、それもまた淡々とすぎて行きます。 その分、大場氏の人間性を知るには難しいなとも思いました。 当初は敵を倒すことを重視していた大場氏が、民間人の命を救うことに重きをおくようになっていく移り変わりが、ちょっと分かりづらかったかなと。 またところどころ、いかにもだなあと思う場面や人物設定もありました。 大場大尉が赤ん坊を助け、その赤ん坊がアメリカ人に保護される場面。『うそーん。』 元ヤクザの軍人・堀内今朝松、アメリカ人を恨む青野という女性。『え〜。』 と、意地悪な私は思ったわけですが、 とてもとても驚いたのが、「え〜」と思った「堀内」が実在していたことです。 背中いっぱいに入れ墨があって、破天荒な行動をする「堀内」は、「サイパンタイガー」と恐れられ、アメリカ兵の中で懸賞金もかけられていたそうです。 他の方のブログを拝見したところ、この堀内に対する賞賛の声が多かったように思います。 「彼の方が主人公にふさわしい」「彼の映画を見てみたい」。。。 確かに魅力的な人物であることには違いないのですが、やはり日本人は命を顧みず戦う姿を求めるのでしょうか。実は私も、「堀内」にはひかれました。 日本人だけで作ったら、この「堀内」が主人公の、壮大な人間ドラマのフィクション映画が出来上がってしまうかもしれません。 この「太平洋の奇跡」はちょっと変わった映画だと思いました。
アメリカ人の視点が入ったからこそできた映画だと思います。 |

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- 映画レビュー



