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「好きな魚はと聞かれてネオンの魚だと答える人は少ない。」 変な鳥は物憂げにつぶやいた。 「当たり前だ。脂ののったマグロが一番だ。」 舌なめずりをしながらツギハギ猫は答えた。 「ネオン街には様々な色の看板が立ち並んでいる。」 「ああ。とってもセンスが無く混沌に満ちた世界だ。」 「多くのネオンは店の看板や商品の宣伝となっている。」 「cafeとかBARとかね。大関ってのもあるね。」 「薄暗い路地裏の一角に小さな魚のネオンがあった。 文字らしきものも無く。設置されているビルも地味なオフィスビルだった。」 「ネオンの魚じゃ食えないしな。価値の無いことだ。」 「その路地裏から一人の若者が走り出す。 派手な色合いの服を着た彼は 何かから逃げ出すように必死だった。」 「おおかた盗みでも働いたんじゃないのか。都会の若者は皆病んでいるからな。」 「やがて表通りの人混みの中に飛び込んだ後、 ゆっくりと歩き出した。肩で息をしながら苦しそうに。」 「薬をやっていたのかもしれない。」 「彼は度々出てきた路地の方を振り返りながらひた歩いていた。 その表情はますます苦しそうで顔は青白い。」 「やっぱり。」 「川を渡った辺りでまた振り返ると路地は小さく見えた。 若者は少し嬉しそうな顔してまた路地と反対の方向に歩き出す。」 「可愛そうに。きっと逃げられない。追いかけているのはいつだって自分だからな。」 「路地が見えなくなろうとした時。若者は突然苦しそうにもがきだした。 顔はますます青白く冷や汗が流れ出す。 頭を抱え込んでうめきだした。」 「どうしてそこへ行こうとするのか。理解に苦しむね。」 「またあの路地を振り返った。 一瞬動きが止まると瞳孔が開いた。 ストロボが数回点滅する。 若者はフラッシュモーションの数コマとなり ゆっくりと胸を押さえて倒れた。」 「若気の至りとは残酷なものだ。」 「彼のシャツとパンツは色を失って灰色となっていた。 静かに横たわっている彼。 小さな魚の彼。」 「そうしてネオンは命を終えるのか。」 「次の話をはじめます。」 「終わりは始まり・・。」
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とりとめのない話
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映像が浮かびますね!短編アニメーションになりそう(★v★)
2007/6/21(木) 午前 7:47
グリコ!!ってのもあるね♪
ネコさん・・・ジャンキーだったとは・・・。
ピカピカは、魔物??
2007/6/21(木) 午後 2:06
カッチョイイな。なんか。
2007/6/21(木) 午後 4:33
街中のネオンはこんな壮絶な最後を迎えてたのですね。。。ウチの蛍光灯ももがきはじめてます。
2007/6/22(金) 午前 2:22 [ KAZOO ]
すごいです! この光具合!! まるで、クラゲみたい!!
2007/6/22(金) 午前 3:47 [ ku-so ]
泳げ!たいやきくんの現代バージョンみたい。^^
2007/6/23(土) 午後 9:07 [ gan*che*col**01 ]