a2cのらくがき部屋

ショウコリモナクカキツヅケルノダ!!

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第11話 ネオンの魚

「好きな魚はと聞かれてネオンの魚だと答える人は少ない。」
変な鳥は物憂げにつぶやいた。

「当たり前だ。脂ののったマグロが一番だ。」
舌なめずりをしながらツギハギ猫は答えた。


「ネオン街には様々な色の看板が立ち並んでいる。」

「ああ。とってもセンスが無く混沌に満ちた世界だ。」

「多くのネオンは店の看板や商品の宣伝となっている。」

「cafeとかBARとかね。大関ってのもあるね。」

「薄暗い路地裏の一角に小さな魚のネオンがあった。
 文字らしきものも無く。設置されているビルも地味なオフィスビルだった。」


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「ネオンの魚じゃ食えないしな。価値の無いことだ。」

「その路地裏から一人の若者が走り出す。
 派手な色合いの服を着た彼は
 何かから逃げ出すように必死だった。」

「おおかた盗みでも働いたんじゃないのか。都会の若者は皆病んでいるからな。」

「やがて表通りの人混みの中に飛び込んだ後、
 ゆっくりと歩き出した。肩で息をしながら苦しそうに。」

「薬をやっていたのかもしれない。」

「彼は度々出てきた路地の方を振り返りながらひた歩いていた。
 その表情はますます苦しそうで顔は青白い。」

「やっぱり。」

「川を渡った辺りでまた振り返ると路地は小さく見えた。
 若者は少し嬉しそうな顔してまた路地と反対の方向に歩き出す。」

「可愛そうに。きっと逃げられない。追いかけているのはいつだって自分だからな。」

「路地が見えなくなろうとした時。若者は突然苦しそうにもがきだした。
 顔はますます青白く冷や汗が流れ出す。
 頭を抱え込んでうめきだした。」

「どうしてそこへ行こうとするのか。理解に苦しむね。」

「またあの路地を振り返った。
 一瞬動きが止まると瞳孔が開いた。
 ストロボが数回点滅する。
 若者はフラッシュモーションの数コマとなり
 ゆっくりと胸を押さえて倒れた。」

「若気の至りとは残酷なものだ。」

「彼のシャツとパンツは色を失って灰色となっていた。
 静かに横たわっている彼。
 小さな魚の彼。」

「そうしてネオンは命を終えるのか。」

「次の話をはじめます。」

「終わりは始まり・・。」

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