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「未来の世界では無く。今現在あるネコ型ロボットの話をしよう。」 変な鳥がトサカを軽く振るわせた。 「ネコ型ねぇ。迷惑な話だ。」 つぎはぎ猫がピンっと髭を一本指で跳ねた。 「今あるネコ型ロボットは実に精巧に創られている。 それは、精巧に創られ過ぎたと言っても過言では無い。 見た目。能力。重さ。匂い。どれをとっても全く本当の猫と見分けがつかない。」 「ふん。そんなものロボットである必要がどこにある。」 「そう。その通り。これは全く技術者のエゴというかサガというか。 そういうとこらで創られた代物だ。」 「ふふん。なるほどね。 やつらは、人類の英知の追求だ!なんて言って 食べられもしない無駄なものを創るのが好きだからな。」 「ただ一つだけロボ猫にしかできないことがある。」 「あるんだ。」 「尻尾で支えて片足をあげること。」 「なんだよそれ。せめて両足にしろよ。」 「今、両足上げるのにおしいとこまでいっているらしい。」 「そこ追求してるわけ?」 「次の話をはじめます。」 「こんな鳥なんて早く食べてしまえ!
と心の声が聞こえて来たよ。」 |
とりとめのない話
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「小さき人。彼らを『こびと』という。」 変な鳥が地面を見つめて言った。 「ふぁ〜あ。お前もそんなに大きくないけどな。だけど小鳥じゃない。」 つぎはぎの猫がアクビをしながら退屈そうに言った。 「では、こびと倶楽部の話をしよう。」 振り返るように鳥は言った。 「こびと倶楽部!?わはは。ちょっと面白そうじゃないか。」 「こびと倶楽部に属するこびとはちょっと普通のこびととは違う。」 「ふむ。」 「だいたいの日において、身の丈が・・そうだな ちょうど君くらいはあるかな。」 「ん?まぁオレも大きい方じゃないけれど、こびとと言うには大きいと思うぞ。」 「そう。普通の人サイズだ。」 「こびとじゃないだろ。それじゃ。」 「いや。彼らも基本はこびとだ。巨大化するヒーローってあるだろ?」 「あぁ。特撮の・・?」 「そう。そういう類のものだ。実はあれは、こびと倶楽部に属するこびとを ヒントに創られたと言われている。」 「ん?普通サイズである上にさらに巨大化するわけ? まったく『こびと』と言うには程遠いやつらだ。」 「いや、巨大化して普通サイズになるのだ。話の流れからわからなかったのかい?」 「ふん。わかったけどそれじゃおもしろくないと思ったんだよ。」 「まぁいい。つまり、こびと倶楽部に属する彼らだけ、それができる。 巨大化して普通になることがね。」 「なるほどね。」 「だから。」 「だから?」 「普通の人と思ったら実はこびとだった。なんてことがある。」 「うん。」 「気を付けろ。」 「なんでだ?」 「次の話をはじめます。」 「にゃ〜。」
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「君はババ抜きというカードゲームを知っているか?」 変な鳥は小さな羽根をばたつかせて聞いた。 「2枚そろったら捨てて行くやつでしょ。 最後に半端な一枚を持ってたやつが舌を抜かれる。」 つぎはぎ猫は細い眼で極めてまじめに答えていた。 カラカラカラ 変な鳥は乾いた笑い声を発した。 「舌を抜かれるかはわからないけど、その遊びに間違いない。」 「ある男がある男とババ抜きを楽しんでいた。 カードは3枚。ペアはもちろん一組だけだ。」 「そんなの一瞬で終わるね。少なくとも3回程度のやりとりだと思うよ。」 「そう思うかい?思うだろうね。」 「周りで見ていた誰しもそう思った。」 「カードを入念に選んで一枚引く。」 「そして、自分のたった一枚のカードと見比べる。 2枚の異なるカードであることを確かめて。 慎重にシャッフルする。 今度は別の男の番だ。」 「まぁ何回かはずすこともあるだろうね。 まさか3枚とも違うカードとか言うんじゃないだろうね。」 「ちゃんと一組はペアだった。カードを巡らすうちに 男達には3枚のカードが何であり、何を引けばゲームが終わるか判っていた。」 「ふむ。問題無いね。」 「問題無い。はずだった。 だけど、いつまでたってもカードが揃うことは無かった。」 「まさか。」 「あれから数年。彼らはまだカードを引き続けている。」 「あり得ないね。」 「そう思うかい?」 「ああ。」 「次の話を始めます。」 「ふん。」
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「まぁ。こんな感じで話を淡々と進めるけど。いいかな?」 こっちを見ているのか見ていないのかよく判らない目つきで 変な鳥が聞いた。 「ああ。全然構わないよ。じゃんじゃんいっちゃって。」 うなずきながら軽い調子でつぎはぎの猫は答えた。 「カエルが人魚に恋をした。」 「え!?」 「まぁ。そんな反応で正解だな。」 「ふん。」 「ああ。美しい人魚さん。 好きなんだ。君のことがたまらなく。 お願いだから僕の恋をかなえて下さい。」 「あら。カエルさん。とっても嬉しいわ。 もちろん喜んでお受け致します。」 「え!?いいの・・?」 「断る理由がどこにあるの? 今はあなたのことよく知らないけど、 わたしあなたを愛せると思うわ。 とても魅力的な瞳なのね。 肌の緑も美しいわ。」 「あ・・ありがとう!」 「さぁ。二人の恋は成立ね。」 「う・・うん。嬉しいよ。ほんとにほんとに!」 「で?」 「・・・?」 「何をすればいいの?」 「君は何もしなくったっていいさ。」 「何も?」 「ああ。そうさ。」 「じゃあ、あなたは何をするの?」 「僕は君のために歌をうたうよ。」 「ふぅん。その後は?」 「二人で肩を並べて夕日を見よう。」 「まぁ。いいわ。で?それから?」 「え・・」 「やがて夕日は沈んでしまうわ。」 「そしたら、また明日だね。」 「そう。」 「二人の恋は長くは続かなかった。」 「だろうね。」 「じゃ。次の話をはじめます。」 「そうして下さい。」
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「ときに君は月が切れることを知っているか?」 突拍子もない鳥の質問にあんぐりしていると 「月も電球のようなものだ。もちろん太陽も。」 と鳥は続けた。 「電球?・・確かに光っているけれど。」 そういって空を見上げる。 いつの間にか夜になっていた。 「それも毎晩毎朝だ。毎日、月も太陽も切れてしまう。 つまり、交換が必要となるわけだ。 しかも、あんな高いとこ誰でも届くわけでは無い。 そこで、彼の出番だ。」 「彼?」 「そう。電器屋の息子だ。」 「ふぅん。でかいわけね?その彼は。」 「ああ。うんとね。とてつもなくだ。」 「ふぅん。息子だけ?」 「父親は普通だ。」 「突然変異か!」 「いや、隔世遺伝だ。」 「それを早くいいなよ・・じいさんでかかったわけね。」 「いや、ばあさんだ。」 「どっちだっていいよ!」 「どっちだってよくない。彼には子供ができない。」 「・・?」 「そして、当然のことながら生物としての寿命がある。」 「代わりは?」 「そんなでかいやつはめったにいないさ。」 「!?」 「そう。いつか大変なことになる。」 「どうすんの?」 「それはワタシが知ったことでは無い。」 「え・・」 「この話はこれで終わりだ。」 「え・・?」 「それでは次の話をはじめます。」 「・・・なるほど。」
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