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『韓非子の人間学』(守屋洋)
「韓非子」は、「法家」の理論を集大成した書で、全部で55篇、10余万言成る。著者は韓非であるが、すべてが彼の手によるものではない。韓非子の主張は、性悪説、徹底した人間不信の立場にたつ統治の学である。人間を動かしている動機は「利」(利益)のみであり、トップが部下を使いこなし、組織をまとめ、自分の地位を安泰にするには、「法」、「術」、「勢」が重要になるとう訴えている。「法」とは、信賞必罰の方針をしっかり規定し、それを徹底すること。「術」とは、「法」を運用して部下をコントロールするノウハウのようなもの。「勢」とは、権勢、権限という意味で、権限委譲を極力行わないことを指す。
以下「韓非子」の中で、気に入った名言は以下の通り。
■ 吾が為に善なるを恃まず
■ 人主にもまた逆鱗あり
■ 安利はこれに就き、危害はこれを去る。これ人の情なり
■ 貧困に施与するあらば、功なき者賞を得、誅罰に忍びずんば、暴乱の者止まじ
■ 人主の患いは人を信ずるに在り
■ 輿人、輿を成れば、人の富貴ならんことを欲し、匠人、棺を成れば、人の夭死せんことを欲す
■ 千丈の堤も螻蟻の穴を以って潰え、百尺の室も突隙の煙を以って焚く
■ 将にこれを敗らんと欲せば、必ず姑くこれを輔けよ。将にこれを取らんと欲せば、必ず姑くこれに与えよ
■ 遠水は近火を救わず
■ 巧詐は拙誠に如かず
■ 下君は己の能を尽くし、中君は人の力を尽くし、上君は人の智を尽くす
■ 人は自ら足るに止まること能わずして亡ぶ
■ 政を為すはなお沐するがごとし
■ 君は計を以って臣を畜い、臣は計を以って君に事う。君臣の交わりは計なり
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