atts1964の映像雑記

いろいろな映像作品について書き留めています。あら捜しの突っ込みは削除させていただきます。また他人を攻撃する方はご遠慮ください。

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永い言い訳

2016年作品、西川美和監督、本木雅弘主演。

“津村啓” というペンネームでテレビのバラエティなどでも活躍する人気小説家の衣笠幸夫(本木雅弘)は、その日もいつものように髪を妻の夏子(深津絵里)に切ってもらっていた。 彼専用の鋏一式でいつも切ってもらっているのだが、二人の会話は乾いたものだった。
長年連れ添った妻・夏子は、親友のゆき(堀内敬子)とバス旅行に行くのだった。 大きな荷物を持って出ていくとき、言い忘れたようにテレビ収録でのスーツを用意してあるのをしっかりと伝える夏子だった。
彼女が出て行ったのと入れ違いで一人の女性が、やってくる。 幸夫の不倫相手の福永智尋(黒木華)だった。 そう、幸夫と夏子の間は完全に冷えていたのだった。 しかし、幸夫のもとに一本の電話が入る。 山形県警からの電話だった。 それは出かける時の夏子の様子を細かく聞いてくるものだった。 夏子は旅先で突然のバス事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせだ。
すぐに現地に向かい、身元確認をするが、事故に遭い亡くなった人たちの遺留品が置いてある場所に連れて行かれる幸夫。 彼は地元で火葬を済ませ、自宅に戻ってあらためて葬儀を行う段取りをすぐに取ってしまう。
しかし、夏子の美容室の従業員は、そんな冷たい態度の幸夫に怒りをぶつけるが、世間に対しても悲劇の主人公を装い、涙を流すことすらできなかった幸夫だった。 事故で亡くなった人たちの遺族の説明会が行われた。 そこで同じように妻を亡くした男がバス会社側に声を上げる。 彼は夏子の親友で同じ事故で亡くなったゆきの遺族であるトラック運転手の大宮陽一(竹原ピストル)だった。
幸夫を見つけると大宮はすぐに近づいてきて、同じ悲しみを持った者通し手を握ってくるのだったが、そこを報道陣にフラッシュをたかれ、表情のない顔をする幸夫だった。
「幸夫君とやっと会えた…」 大宮はそういうのだが、幸夫の心はなにかどんよりとしたままだったのだが…

西川美和監督作品は、近年多く見ています。 「夢売るふたり」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/9478623.html 「ディア・ドクター」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/5055218.html 「ゆれる」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11419472.html どの作品も、主人公の心の内を抉るような作品が多く、見た後、結構重しを置かれるような感じがします。でも、見なければという思いになる監督ですね。
原作を書く小説家であり、脚本も手掛ける一貫した作品作りができる珍しい才能の持ち主ですね。 だから、映像化したときにぶれがない感じがします。
主演は本木雅弘、最近の出演作品は 「天空の蜂」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13457666.html でしたし印象に残る出演作品も多いです。「おくりびと」 なんかとくに印象深かったですが。
今作では、新作をあまり書けなくなった小説家 “津村啓” こと衣笠幸夫役でしたね。 あの偉大なプロ野球選手と同姓同名、字こそ違いますが、監督が広島出身でカープファンという事でこの名前にしたらしいですが。
夫婦仲が冷え、本業の小説家からコメンテーターをこなすようになって、書けなくなっている小説家、この作品は、突然失った家族に対しての、それも子供がいない二人きりの妻を失ってからの彼の思考、行動が大きな物語の展開になっていくんですね。
大宮家と交流を持っていくことになりますが、そこの息子と、娘、子供がいない幸夫は、はじめおっかなびっくり二人と接していきますが、甲殻類アレルギーで、病院に娘が担ぎ込まれることから、この家族との交流が強くなっていきます。 普通の人間らしい姿が垣間見える? 物語はそう簡単には行きませんが。
大宮家の息子・真平( 藤田健心)は、どことなく考え方が、幸夫と似ているところがありますし、どこかで幸夫に憧れているのかもしれません。
どんなに、冷えていても夫婦だった人間が突然いなくなる、当たり前のように心に大きな穴が開きますよね。 人それぞれそれを一生懸命いろんな方法で埋めようとします。
幸夫にとっては、それが大宮家になっていくんですが、もしかしたらそれでは埋まらないという事を幸夫は初めからわかっていた。 ただやらなければ自分がおかしくなってしまうだろう、必死さも感じました。
ある部分ではわかるし、ある部分では納得できない作品でしたね。

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妻が旅行に行くとすぐに愛人が来る

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しかし旅先で妻が亡くなり

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大宮は妻から入ったメッセージを保存し聞いていた

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津村啓の担当の岸本

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大宮と出会い、留守の間見ることになる幸夫

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閉じる コメント(24)

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この映画,ぜひ見たいですね。西川美和監督の映画は,「ゆれる」と「夢売るふたり」を見たことがあります。「ゆれる」の香川照之とオダギリジョーは,二人ともいい味を出していたと思います。

2016/10/19(水) 午後 2:24 [ 飛行機雲 ] 返信する

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> 飛行機雲さん
ご覧になった二つとも、心に刺さる作品でしたね。兄弟と夫婦のお話でしたが、人間の底に潜んでいる闇を描いていました。
この作品もそういう部分があると思います。

2016/10/19(水) 午後 3:34 atts1964 返信する

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主人公の感情が感じられなかったです。TBします。

2016/10/21(金) 午前 9:15 [ ロッキー ] 返信する

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> ロッキーさん
自分に諦めている、逃げている主人公でしたね。
TBありがとうございました。

2016/10/21(金) 午前 9:29 atts1964 返信する

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西川美和監督作品はどれも新鮮で面白いですね❗私は、鶴瓶主演の映画が最高でした❗この作品も無駄無いシーンばかりで、アップデートなテーマだな!と想いました。。人は喪失感をどう癒すか?のテーマかな?是非私のブログの感想もお寄せ下さい‼ 削除

2016/11/23(水) 午後 6:50 [ 流石埜魚水 ] 返信する

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> 流石埜魚水さん
コメントありがとうございました。
もう彼女は師匠を超えましたね(^^)作品それぞれがしっかりしているし、この作品は見ていて爽快感が全くありませんが、ドラマ性が凝っていて最後まで見入ってしまう作品でした。
そちらにもお邪魔させていただきます。

2016/11/24(木) 午前 8:20 atts1964 返信する

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心を抉る、見事なあらわし方ですね。主人公は果たして妻をどう思っていたのか、ラストでもよくわからなかったです。妻のものをかたずけるシーンで、どこか向き合えたとは思えるんですが、それはどういう向き合い方だったのか。どうあれ西川美和は興味ある監督です。TBしますね。

2017/4/2(日) 午後 11:11 シーラカンス 返信する

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> shi_rakansuさん
私も妻を亡くしているんで(病気ですが)、なんとなくぽっかり空いた気持ちは理解できるんですが。
大きな憎しみがなければ、だんだんと時間とともに正直な感情が出てくると思います。
TBありがとうございます。

2017/4/3(月) 午前 6:37 atts1964 返信する

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良い意味で、本木らしさを殺した作品でしたね。「子はかすがい」と言いますが他人の子でも言えるといいますね。
TBお返しします。

2017/5/2(火) 午後 7:37 [ ひろちゃん2001 ] 返信する

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> ひろちゃん2001さん
本木君の役はまさにそうでしたね。二人に子供がいたら、と感じさせるところでしたね。
TBありがとうございました。

2017/5/2(火) 午後 7:52 atts1964 返信する

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いろいろな事を考えさせられる話でしたよね。
ちょっと視点が目新しかった気がします。

TBお願いします m(_ _)m

2017/5/6(土) 午後 9:37 [ ロゼ ] 返信する

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> ロゼさん
浅野忠信って、本当にこういう役をやらせたら、見事にはまりますね。
最後見つからないのが不気味でした。
TBありがとうございました。

2017/5/7(日) 午前 8:04 atts1964 返信する

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最初のシーンから夫婦関係がすれ違っていることを物語っていましたね。子役は、うまいですね。

TBお返しします。

2017/7/22(土) 午後 10:15 fpd 返信する

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> fpdさん
まあ氷の関係の夫婦でしたね。
妻を失っていろんな意味で心の均衡が崩れてしまったんですね。
TBありがとうございました。

2017/7/23(日) 午前 7:41 atts1964 返信する

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こんばんは。
やはり西川監督作品だなと思える映画でした。ほんとに怖いぐらい微妙ですよね。
TBお願いしますね。

2017/12/11(月) 午後 10:42 [ hisa24 ] 返信する

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> hisa24さん
悲しい時は自然に泣ける、そんなことがまず大事なんでは?そんなことを感じながら見ていました。
TBありがとうございました。

2017/12/12(火) 午前 5:47 atts1964 返信する

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atts1964さん,こんばんは。
とても色々な事を考えさせられる作品でした。大宮家と関わることで少しずつ変わる事ができた幸夫。やはり人は人との関わりがあってこそ、成長もできるし、自分とゆう人間を再確認できるのかもしれませんね。私もTBお願い致します。

2018/6/14(木) 午後 11:34 ゆうちゃん 返信する

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> ゆうちゃんさん
もし一人で妻の亡き後を過ごしていたら、どんどん荒んで行ったんでしょうね。でもある程度、苦痛を味わい、気がつかないと先に進めないという部分も感じました。
TBありがとうございました。

2018/6/15(金) 午前 8:18 atts1964 返信する

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女性監督なので、男は一時悲しんでもどんどん変わって現実的に生き。妻たちは死ねば忘れ去られるとでも言いたい感じですね。大宮も結局は保存していた妻の伝言を消去しています。
TBさせてください。

2018/10/18(木) 午後 0:35 ギャラさん 返信する

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> ギャラさんさん
うちの妻は、闘病していたんで、突然ではないんですが、それでも悲しみと心の穴は大きかった。
ただ違うのはいなくなったことへの理解の問題のような気がします。
TBありがとうございました。

2018/10/19(金) 午前 5:58 atts1964 返信する

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