atts1964の映像雑記

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沈黙 −サイレンス−

2017年作品、マーティン・スコセッシ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演。

17世紀。 江戸初期頃の日本では、幕府により厳しいキリシタン弾圧が行われていた。 日本での布教活動に情熱を注いでいた高名な宣教師フェレイラ(リーアム・ニーソン)は、信者と仲間が目の前で、過酷な攻めをされ、命を落としていた。
ヴァリニャーノ院長(キーラン・ハインズ)はフェレイラが捕らえられたという知らせを受け、棄教したとの報に接した弟子ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)の二人を呼んだ。
二人は経験なクリスチャンのフェレイラ救出のため、日本に行くことを切望する。 院長は棄教したのであれば無駄との考えを示し、もう死んでいる可能性が高いと説得するが、二人の強い意志で日本行きを承認するのだった。
二人は、マカオで見つけた日本人キチジロー(窪塚洋介)の手引きで、長崎に潜入することに成功する。 しかし日本で彼らは見つかれば激しい攻めに合い、場合によっては殺されてしまう。
しかし、キチジローは上陸した土地・トモギで、キリスト教を厚く進行する信者と二人を引き合わせる。 彼らはいままで神父不在で必死に祈ってきた。 彼らは二人を匿い、この地にとどまることを懇願するのだった。
昼間は人里離れたあばら家に潜み夜にミサを行う。 しかしそれを見つけた者がいて、それは五島の島民で、キチジロウのふるさとだった。 ロドリゴは数日そこに渡り、五島での信者と接する。 そこで彼は、フェレイラの噂を知っている信者と出会うのだった。
どうやら彼は生きているらしい。 ロドリゴトモギに戻り、何とか町に粋フェレイラにあいたいと思うが、そこにきたのは長崎奉行・井上筑後守(イッセー尾形)率いる武士たちだった。
踏み絵をさせ、それだけではなくそのときの様子から4人の人質を取り、過酷な弾圧を加え、最後には殺してしまうのだった。 さらに遺体を焼き、殉教者のものを残さないように灰を海に捨てる周到さだった。
再び五島に渡ったロドリゴを待っていたのはある男の裏切りだった。 そして彼は幕府に捕らえられてしまうのだった・・・

遠藤周作原作の映画化、監督は何とマーティン・スコセッシ。 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11039798.html 以来の作品ですが、1か月遅れで日本公開になりました。 こういう日本舞台の作品は、同時公開をしてほしいですね。
主演はロドリゴ役のアンドリュー・ガーフィールドですね。 彼は、「アメイジング・スパイダーマン」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/6093271.html http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11484896.html シリーズの主演を演じました。 今作は、若き神父の揺れ動く心理状態をよく演じていたと思います。
そしてフェレイラ役にリーアム・ニーソン。 本格的な出番は後半でしたが、冒頭の衝撃的な映像がいいつかみになっています。
日本側では、窪塚洋介、塚本信也、浅野忠信、そして何と言ってもイッセー尾形ですね。 ちょっと作ったような声でしたが、なかなかのしたたかで頭のいい奉行役でした。
物語は、過酷な日本での布教活動のお話、鎖国と、キリシタン弾圧が行われる17世紀前半ですね。 江戸幕府も、万全の体制とはまだ言い切れないときで、不満分子が宗教の力で反幕府勢力になることを恐れていた時代ですね。
日本人の視点から見ると、歴史的に1637年というのは “島原の乱” の起こった時代、過酷な弾圧は当たり前なときですね。 しかしこの作品には、過酷な弾圧だけでなく、甘い感じの誘惑も描かれていますね。
“神父を転ばせる” 上手い表現ですね。 神父が棄教してしまえば根っこが枯れる、そのためには硬軟合わせた手を使ってきます。 簡単抹殺してしまっては殉教者になり、残った信者の信仰はより強くなっていく、弾圧する方も学んでいるんですね。
原作をしっかり読み、理解した上での監督の力作だと思いました。

イメージ 1
目の前で多くの信者と神父が殺される

イメージ 2
ロドリゴとガルベを日本に入れたキチジロー

イメージ 3
しかし昼間に外に出たとき

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そこに現れる井上奉行

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熱烈な信者たちが

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そしてロドリゴを連れていかれる

イメージ 7

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閉じる コメント(26)

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風景、建物、服装、礼儀など躾そして日本人の勤勉さ・清潔感・潔さ等々スコセッシ監督の日本リスペクトがこの映画によく出ていると思いました。踏み絵を踏む人の拒否する人、奉行、通辞とみなすばらしい日本人たちだと思いました。特に顔の表情がよかった、ヨーロッパ人に負けない風貌を持っていたように思います、監督に感謝です。出演者ご苦労さまでした。この作品を見て世界の人々は日本人をどう捉えるのか。楽しみにしています。
「簡単に抹殺してしまっては殉教者になり、残った信者の信仰はより強くなっていく、弾圧する方も学んでいるんですね」この見方は参考にさせていただきます。私は奉行、通辞はどこかで、「生きていろ」という気持ちもあったのではないかと考えています。また、よろしくお願いします。

2017/1/23(月) 午後 0:28 [ mat*sim*7*5 ] 返信する

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> mat*sim*7*5さん
私は情というよりも、硬軟織り交ぜた弾圧で、したたかな幕府のやり方を感じたんですよね。
幕府は3代将軍家光の時代、彼は強固な幕藩体制の総仕上げに取り掛かった大将軍だったし、島原の乱での容赦ない攻めに、諸大名はここでもう天下取りを完全にあきらめることになるんですよね。
でもキリシタンや、傀儡、山の民とかは、地下にもぐり、血を絶やさないように形を変えて行ったと思っています。
妥協することろは妥協する、それに上手く対応し事態を収束させるすべを、この奉行は心得ていた、大変有能な武士というか管理官だったという印象を受けました。
しかしスコセッシ監督の日本を見る目は素晴らしい!なかなかピンと外れの日本を書き、描く監督が多い中で、的確なキャスティングで日本人にもストレートに受け入れられる作品に仕上げたと思います。
あっぱれですね。

2017/1/23(月) 午後 5:19 atts1964 返信する

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イッセー尾形が絶賛されていますね、、、特に印象深かったのはイッセー尾形を正面から捉えた間の長いカット、ゆっくりと身体が下がっていくあの動きが何ともいえず凄かったです、、、きっと米国人はあのショットだけで寝ちゃうでしょうがね、、、ハハハ

2017/1/23(月) 午後 7:12 [ たっふぃー ] 返信する

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> たっふぃーさん
これは日本人に見せたい作品なんでしょうね。そういう作品で勝負を掛ける監督もすごいですが。
TBありがとうございました。

2017/1/23(月) 午後 7:48 atts1964 返信する

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士農工商の身分制度を旨とする時代にあって神の元の平等を説く宗教は受け入れ難いものがあったのでしょう。それ以前に、海外からの干渉を怖れたのでしょうか?
現在であっても、宗教は紛争の元になっています。同じ教義のユダヤ教・キリスト教・イスラム教が敵対していることを鑑みると安易に受け入れるのは危ないですよね、特にあの時代では。
それぞれの宣教師レベルでの真摯な姿勢は理解できますが。
TBお返しさせて下さいね。

2017/1/23(月) 午後 8:12 アンダンテ 返信する

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こんばんは。

スコセッシ監督の新作が日本の小説が原作というのが嬉しいですね。

NHK・BSのドキュメンタリーを観ましたが、かなり酷い拷問が行われていたと知りました。

今は自由が当たり前の時代になりましたが、日本の過去にこのようなことがあったと知る意味でもぜひ観てみたい作品です。

2017/1/23(月) 午後 8:44 kurohyo:r 返信する

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こんばんは。
アンドリュー・ガーフィールドはスパイダーマンやソーシャルネットワークとはまた違った雰囲気の神父の役柄でとても興味深いです。
フランシス・ガルペ神父役にスター・ウォーズのカイロ・レン役だったアダム・ドライバーが出ているのも興味深いですし。
豪華な出演者でしかも日本の江戸時代のキリスト教徒を描いた作品とても興味深いのでDVDになったら見たいです。

2017/1/23(月) 午後 8:51 [ 青い鳥♪ ] 返信する

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> アンダンテさん
やっぱり反駁勢力が、クリスチャンの下で、結集するのが一番の恐れでしょうね。
幕府側の異常なまでの弾圧が理解できてしまう。
逆に布教するほうは、純粋に信仰を広めるものだけだったのか?そういう側面もあった時代だった気もします。
TBありがとうございました。

2017/1/23(月) 午後 9:12 atts1964 返信する

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> kurohyo:rさん
日本に限らず、宗教に対する弾圧、争い、戦争は激しいものがありますよね。
仏教の僧侶との戦争にはなりませんでしたが、国家対信仰の構図になるのは必然だったかも。
しかし残酷な攻めをすればするほど、信仰心は強くなる面もありますよね。

2017/1/23(月) 午後 9:15 atts1964 返信する

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> 青い鳥♪さん
いやー外国人キャストのリーアムを始め、出番の少ないキーラン・ハインズも含めて、熱演でしたね。
アンドリュー・ガーフィールドがとてもスパイダーマンをやっていたなんて、消し飛んでしまいました(^^)

2017/1/23(月) 午後 9:17 atts1964 返信する

昨年、仕事上隠れキリシタンとは、ということを調べる機会があり、そのことが、この映画を見るうえでなるほど〜と思う一助になりました。
厳しい処罰より、踏み絵等で建前上信仰を捨てれば監視はするが見逃そう、ということが事実のようでした。
宣教師がいるのはまずいが、弾圧で結束されるのもまずい、転ばせるのが一番良い方法ということですね。
宣教師のいないキリシタンの集団は日本独自の土着宗教になり、カソリックの教えとは別物になっているようですが。
確か近年バチカンから認められたとか?そうでないとか?ちょっと覚えていないのですが。
TBお願いいたします。

2017/1/24(火) 午後 9:57 じゃむとまるこ 返信する

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> じゃむとまるこさん
幕府は、弾圧から懐柔に近い目こぼしに転じて行ったんですね。
フィクションですが、隆慶一郎が書いた「捨て童子」という作品で、キリシタンが、金銀をもらい地下に潜り何かの時に結集するという設定がありました。
宣教師でも、他の指導者でも、先導する人物の登場をやはり警戒していたんでしょう。
TBありがとうございます。

2017/1/25(水) 午前 7:12 atts1964 返信する

TBありがとうございました。
隆慶一郎は面白いですね。「吉原御免状」とか何冊か読みました。
またまた読みたい気分が!!!

2017/1/26(木) 午前 0:12 じゃむとまるこ 返信する

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> じゃむとまるこさん
私は隆慶一郎作品は大好きでした。漫画原作にけっこうなっていますが、小説自体も面白い。
映画化にしてほしい作家さんですが、活動期は短く、小説家としてもっとという時にお亡くなりになったのが残念でしたね。

2017/1/26(木) 午前 10:10 atts1964 返信する

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撮影を台湾で行ったことが成功しているようですね。
あれだけの環境はなかなか日本ではできないでしょうね。

日本人俳優も、自由に演じ熱演でした。
寺などの設定や、エキストラなどの動員も驚きです。

TBお返しします。

2017/2/1(水) 午後 5:04 fpd 返信する

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> fpdさん
台湾ロケは成功しましたね。日本の役者陣はちょっと大変でしたでしょうが、匂いは似ていますから。
TBありがとうございました。

2017/2/1(水) 午後 5:17 atts1964 返信する

監督の理解演出も、俳優の演技も素晴らしかったですね。
いい作品に仕上がっているし、世界的にはどういう風に評価されて鑑賞されているのか気になるところです。
この作品などは、ハリウッド映画にしては予算も少なめでむしろインディーズだと監督はおっしゃっていたようですが、多くの人に見てもらいたいです。
TBお願いします。

2017/2/5(日) 午後 5:03 オネム 返信する

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> オネムさん
日本人には立派な洋画?でしたが、世界的には、そうなのかもしれないですね。
対策というよりも、よく練られた秀作ということなんでしょうね。
TBありがとうございました。

2017/2/5(日) 午後 6:13 atts1964 返信する

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いい映画だたっと思います
日本人俳優が、皆素晴らしい演技をしていましたね
拷問シーンはかなり残忍でしたが、昔の処刑場をかなり完璧に再現していたと思います
でも塚本信也さんが死ぬのに4日もかかったのは、あまりに可哀そうでした

トラバお願いします♪

2017/2/12(日) 午後 7:24 ベベ 返信する

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> ベベさん
どうせ殺すならあっさりやった方が、やる方もつらいと思いますが、その点より残酷さが出ていましたね。
よく描きぬいた作品だったと思います。
TBありがとうございました。

2017/2/12(日) 午後 8:06 atts1964 返信する

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