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日本銀行を含む日米欧の6中央銀行が協調してドル資金の供給拡大に動いたのは、欧米の銀行の資金繰り支援のためだった。主要な中央銀行が「最後の貸し手」として異例の措置に踏み切ったのは当然だ。
欧州連合(EU)が手をこまねいている間に、債務危機はユーロ圏諸国の国債を抱える銀行の信用不安へと広がり、銀行の貸し渋りや貸し剥がしを通じて、世界経済に悪影響を及ぼしかねない。
中央銀行が連携しての対応は、2008年秋の「リーマン・ショック」後の金融危機の際にも実施された。今回は民間銀行への貸出金利の引き下げも行っており、当時以上の危機感を共有しているようだ。
中国やブラジルなど新興国も、金融緩和で協調した。銀行の信用不安の連鎖から世界恐慌に至ってしまった1929年の過ちを繰り返してはならない。
しかし今回の措置も、危機の深刻さの前にはカンフル剤にすぎない。根本的な解決には欧州各国が責任を自覚し、債務危機の収束に向けた抜本策を示し、実行に移す必要がある。EUは8、9の両日、首脳会議を開催する。焦点はユーロ圏17カ国による共同債発行の是非だ。各国がばらばらに国債を発行するのではなく、ユーロ圏が一体となって債券を発行すれば、信用度も高まり、ギリシャやイタリアなど財政悪化国の資金調達を助けることができる。
各国の財政規律強化を求めるドイツのメルケル首相は共同債の発行に難色を示しているが、ここはユーロ圏全体の利益を考えて決断してもらいたい。
ドイツなど一部の国は、ユーロ安によって輸出が有利になり、莫大(ばくだい)な貿易黒字をため込んでいる。共同体である以上、余力のある国が厳しい条件をつけてでも手を差し伸べるべきだ。
EU首脳会議が10月に決めた欧州金融安定化基金(EFSF)の1兆ユーロ規模への拡充が、早々に困難視されていることも問題だ。基金は財政悪化国の国債を買うほか経営状況が悪くなった銀行への資本注入が目的で、危機収束に欠かせない財政基盤である。
基金に資金拠出している日本も国際通貨基金(IMF)や米国などと連携して、基金拡充の約束を守らせなければならない。
欧州各国とも、残された時間はないのである。欧州が統一通貨でいいのかどうか。トレーダーや投棄筋を監視したり、規制することも必要だと思う。欧州安定化基金だけでいいのか。欧州財政悪化はどうなるのだろう。 |
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