真正保守を訴える

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 「暗黒」を見た。数日前のことだ。
 暗闇と言っても、時間がたてば「うっすら」と見えるものがあるのだが……それがない。必死に目を開こうとしても、まぶたが動こうとしない。
 何が起こったのか?
 もう一度、もう一度……まぶたに力を込め、体を絞って……やっと目が覚めた。
 嫌な夢だった。
 こんな夢、初めてだ。
 一筋の光も全くない空間。「死ぬ」って、こういうことなのか? 
 一日中、青ざめていた。
 覚悟している。東日本大震災以降、人間はいつ死んでも文句が言えない、と覚悟した。
 あの日、東京は震度5強。隅田川沿い、江戸時代に埋め立てられ「代地」と呼ばれた場所にある仕事場。感覚的には震度6以上だった。運悪く、あの時、隣の部屋にいたら、高さ2・7メートル、長さ3・6メートルの大きな書架と約3000冊の蔵書の下敷き。半身不随の僕は、もしかしたら死んでいたかもしれない。
 最近、東大の学者センセイが「首都圏でマグニチュード(M)7級の直下型地震が発生する確率は4年以内に70%」と発表した。京大や政府が発表した確率とは大分、違うが、いずれにしても、こんな研究は、僕にとっては意味がない。
 巨大地震は明日来るかもしれないし、死ぬまで来ないかもしれない。だから「覚悟」したつもりだが……こんな夢を見て、動揺するなんて。
 多分、この10日あまり、メディアが大震災1年特集番組で「これでもか!これでもか!」と、あの日の惨劇を思い出させていたからではあるまいか?
 「記念日症候群」ではないのか? 戦争神経症・災害神経症などのPTSD(心的外傷後ストレス障害)の一種ではないのか? 
 あの日が近づくと、災害時の記憶がフラッシュバックして、不安や抑うつなどのストレス症状が表れる。
 大震災の「軽度な被害者」の僕でさえ、ヘンな夢を見て、うつになる。
 生死に関わるような体験をした被災地の人々は、強い恐怖と、そこから逃れることができないという無力感を味わっているのだろう。
 メディアが「風化させてはならない」と力を込めて“特番”を組むのだろうが……3・11は「記憶したくない記念日」なのかもしれない。(専門編集委員)
 
私も、脳卒中で半身不随だから・・・・・。牧さんの文章に納得です。

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