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サンカーラ・この世の断片を手繰り寄せて、最終回 死と詩を読む。田口ランディのエッセーである。2012年1月、久しぶり死んだ兄の夢を見た。兄は怒ったような顔で、私に言った。「いくぞ」兄の死から17年、私はどうして生きてきたのだろうか。田口ランディは、「私はなにがしたかったのか。私は何になりたかったのか。残された時間を、どう生きたいのか。そのことを意識に向けなくなっていった」と。
いまなにを意識を向けているかだけなのだ。それが人生の中味なのだ。その中味を知るのだ。そして吟味するのだ。そうすればわかるはずだ。わかると思う。どうしたいのかが。兄はそれを教えてくれた。「夢のなかで「行くぞ」と言われた。どこへ、なんで怒っているの、お兄ちゃん。私がまた同じ場所に戻っているから、わかった。いま、行くよ。」
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