|
夏目漱石の病気になったとき書いた文を読んでいる。「・・・・仰向けに寝た余は、天井を見詰めながら、世の人は皆自分より親切なものだと思つた。住み悪(にく)いとのみ観じた世界に忽(たちま)暖かな風が吹いた。」
このようにして漱石は世間と和解する。思いがけない世間の親切を蒙った漱石は、親切に感じて「願はくは善良な人間になりたい」と考える。「此幸福な考へをわれに打壊す者を、永遠の敵とすべく心に誓」うと。
漱石は書く「忙しい世が、是程の手間と時間と親切を掛けてくれようとは夢にも持設けなかった余は、病に生き還ると共に、心に生き還つた。余は病に謝した。又余のために是程の手間と時間と親切とを惜まざる人々に謝した。さうして願はくは善良な人間になりたいと考へた」
|
リハビリ奮闘中
[ リスト ]






