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読書とは高邁な理想や天下国家を論じることを書いた本を読むことだけではない。人生を燃焼して生きた人の本も面白い。(幻冬舎の「若山富三郎・勝新太郎 無頼控」おこりんぼ さびしんぼ 著者 山城新伍】最近読んだ本で猛烈に笑ってしまった。 山城は若山富三郎のことを次のように書いている。「荒くれと純情。豪気と細心。一人の人間の中のギャップというものは、人をひきつけるものなのだろう。男も女も、おやっさんのそこにはまっていくのかもしれない、とふと思った。」山城は若山のことを「おやっさん」とよんだ。
また山城新伍が書いた本で、枡屋勝東冶。本名・奥村実。明治34年生まれ。長唄の師匠で、三味線の名人。それが、富三郎、勝新の父親である。粋で鯔背ないい男だと山城は書いてる。その父親が亡くなった時に、骨壺を墓に納める時、勝が父親の骨をガリリと噛み、それ玉緒さんが軽くいさめるようなことが起こった。
「勝新、乱心」「勝新、狂ったか」山城新伍は「勝さんの御父ちゃんへの愛の表現だとしている。お母ちゃんとの別れの時、勝さんは、もう冷たくなりつつあるお母ちゃんの股間に、突然、顔を埋めたのだ。「なんてことを」山城は一瞬、悲しみのあまり勝さんが狂ったのかと、思ったと書いている。みんながやめさせようとするのを制して、勝さんは黙って目を閉じ、股間にキスを続けた。
そしておもむろに顔を上げて、真面目に言ったのだった。「オレはここから生まれたんだから、お母ちゃんに感謝しなくちゃ」山城新伍はそれを聞いた瞬間、ぼくは胸の奥から熱くこみあげるものを感じた。これは、芸であって、なおかつ愛なのだ。この家族は、こうやって愛を表現してきたのだ。そして、その家族は永遠に結ばれているのに、永遠には続かないのだと。・・・
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