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「いのちが有限であるということからできるだけ目をそらして、健康と長寿ばかりを願う。故障が起これば医者がなおしてくれる。物がありあまっているときに、物に対する感謝の念が薄れるのとおなじように、私たちは、いのちをあまりにも粗末にしてはいないであろうか。
いのちはもろいものであり、今日の健康は、いつまで続くかわからないということをもっとしっかり認識すれば、一日一日が大切にいとおしく思われるであろう。私たちは、いのちに対してもっと慎ましくなれないものであろうか。
人間は死ぬものであるということを心に刻んで、いつ、死が訪れてもあわてない心構えで人生をおくれば、日々の色合いがかわってくるのではなかろうか。いのちに対しては清貧が心がけたいものである。周囲の人びとにも同じ気持ちで接すれば、毎日の生活がたいへん貴重なものに思え、感謝の念がわいてくるであろう。」作家・理学博士・歌人 柳澤桂子
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